2020年08月01日

パブリック 図書館の奇跡/THE PUBLIC

 『グレース・オブ・ゴッド』と同日公開、これも同じくらい観たいなぁと思ってました。 意外にも観客が多い! 東京や北海道では連日満席が続いているという噂・・・メディアに取り上げられたから? いい話っぽい感じだから? あたしは予告編を観るタイミングがなく、映画館のポスターで知って、「おぉ、エミリオ・エステベス監督作品!」と盛り上がりました。 前作『星の旅人たち』がよかったので。

  パブリック図書館の奇跡P.jpg 忘れられない夜になる
  大寒波の夜、行き場を失くしたホームレスたちが立てこもり!?図書館員の勇気があなたに≪希望≫を届ける――

 アメリカ・オハイオ州、シンシナティのある冬。 ホームレスに凍死者が出るような記録的な大寒波が来ていた。 開館中に暖を求めるホームレスたちを利用者としてコミュニケーションをとっていた公共図書館職員のスチュアート・グッドソン(エミリオ・エステヴェス)は、「シェルターも満杯でもうどこにも行くところがない、ここで一晩過ごさせてくれ」と訴えてくるホームレスの一団を前に、断ることができない。 しかしデモやテロなどと勘違いしたメディアは、スチュアートを危険人物として報道、図書館は警官隊に取り囲まれることに・・・という話。

  パブリック図書館の奇跡4.jpg 豪華キャストにびっくり!
 スチュアートの上司がジェフリー・ライト、市長選に立候補しているデイヴィス検事がクリスチャン・スレイター、市警の交渉人がアレック・ボールドウィン。 若い頃アイドル的な人気だった(あたしはリアルタイムでわかってはいないが)方々がいま共演する意味というか味わいというか、しみじみします。 でもそういうことを引きずった役柄ではまったくないので、個人的な感慨ですが。 エミリオ・エステベス、童顔の人はヒゲを伸ばしがち?

  パブリック図書館の奇跡2.jpg 本棚でバリケードをつくるのはいいけど、本は傷めないで・・・(ちょっとドキドキした)。
 てっきり「実話の映画化」ってやつなのかと思っていたけど、図書館で働いていた人のエッセイにインスパイアされたけど、脚本はエミリオ・エステベスのオリジナルで・・・地に足の着いた規模で時流にも合っていて、多様性と多面性を描きつつ話としても盛り上がって。
 なんとウェルメイドなんだろう!
 いわゆるハリウッド映画的な方程式とはちょっとズレがあるんだけど、『星の旅人たち』もそうだったのでそれがエミリオ・エステベスの個性なんだろうなと思う。 監督としてもっと評価されてもいい気がするんだけど(アカデミー賞に絡むとか)、タイミングが悪いのかな。

  パブリック図書館の奇跡3.jpg アレック・ボールドウィンも一時期ヤバい印象だったけど、安定したなぁ。 すごく安心して見ていられる。
 大寒波が襲っている極寒の冬、という設定なんだけど、雪が少ないうえ息の白さもないので寒さは体感できなかった・・・湿度が低いのだろうか(雪のない寒さの経験があたしにはないので・・・)。
 はっきり何かを言葉で主張するわけではない。 結論も下さない。
 ただ「図書館は民主主義の最後の砦」に、胸が熱くなる。
 図書館の“奇跡”は邦題のミスリードで、人権を強く支えてきた信念の積み重ねがあるから、起こるべくして起こったことだともいえるんだけど。
 日本で同じようなことが起こりえるだろうか・・・ホームレスの人が図書館のお手洗いを使ってたら苦情が殺到しそう。 ホームレスは住民票がないから市民じゃないとか言われてしまいそうだ、新型コロナ陽性になったことで責められたり誹謗中傷が起こってしまうみたいに。 誰でもなってしまう可能性があるのに、何故自分は未来永劫安全圏にいられると思えるのか。 新型コロナだけじゃなく、別な病気になったり経済的に困窮したり、自分が弱者になる可能性は常にあると自覚していたら他人を責めたりできないのに。 日本にはPUBLIC精神は根付いていないのか・・・と考えてしまうよ。 いや、アメリカでも根付いてないからこういう映画ができるのだろうけど。

posted by かしこん at 17:33| 兵庫 ☀| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする