2020年08月31日

昨日がなければ明日もない/宮部みゆき

 図書館からお呼び出しを受ける。 結構長い間待っていた本の順番が来たそうだ。
 まだまだ予約の列は長いだろうからできるだけ早く返さなければ。 でも読み始めたらすぐ読み終わってしまうんだろうなぁ、いつものことだが。 シリーズ物は続きをすぐ待ってしまうから困る、面白いほどに次を待つ時間が長く感じるから。
 そんな宮部みゆきの<杉村三郎シリーズ>、『誰か』・『名もなき毒』・『ペテロの葬列』・『希望荘』に次ぐ第5弾。

  昨日がなければ明日もない 宮部みゆき.jpg 私立探偵開業後としては2作目。
 連作中短編集、『絶対零度』・『華燭』・『昨日がなければ明日もない』収録。
 杉村探偵事務所にやってくる人々は普通に善良な方々か、かなり困った方々かにわけられる。 杉村さんがかかわることになる事件も、結果的に微笑ましいものもあるけれど、大変後味のよくないものもある。 本作では読後最悪・ほどほど・最悪の順。 でもこのシリーズは後味の悪さがウリなので・・・。
 それにしても、『絶対零度』と『昨日がなければ明日もない』の後味の悪さはちょっと種類が違う。 『絶対零度』はもっと突き詰めれば長編になる内容だけど、そうするとあまりにひどすぎる内容になってしまうからだろうか。 今のままでも十分胸が悪くなりますが、もやもやしてしまう気持ちを晴らしてほしいと思ってしまうのも、“厄介な被害者感情”なのかもしれません。 自戒します。
 『昨日がなければ明日もない』は・・・家族から逃げるという選択肢をもっとみんな考えるべき! そして「家族の後始末は当然家族で」と無責任に考えることもやめるべき。 一連の事件は2012年ぐらいが想定されているのであれですが、今は令和だから! しかしそんな風に割り切ることのできない人が苦しむのもまた家族という呪縛故。 あたしは人でなしなので、必要とあらば家族の縁は切りたいと思います。
 杉村さんの探偵としての成長と、でもやっぱり失うことのない人のよさ(それはときに探偵の足を引っ張ることになる)を見ることが、シリーズ物としてのたのしみでもあるけれど、もっとしっかりしてよ杉村さん!、とも思ってしまったり。
 あぁ、結局、一日で読んでしまった・・・次は何年待つのやら。

ラベル:国内ミステリ
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2020年08月30日

今日は11冊(2020年8月末)。 その2

 その続き残り5冊。 翻訳じゃないもの。

  カーテンコール! 加納朋子.jpg カーテンコール!/加納朋子
 ある女子大で単位不足の学生たちに特別集中講義合宿をする・・・という、とても加納朋子的な展開が期待できそうな設定。 単行本からの文庫化なので初出は2017年12月。

  天使・雲雀 佐藤亜紀.jpg 天使・雲雀/佐藤亜紀
 『天使』と『雲雀』が合本で、文庫で登場! 前の文春文庫版も電子版も持ってるけど、加筆・訂正されているのならば当然買いです!(たとえ加筆・訂正されていなくても買うけど) 主人公ジェルジュは佐藤亜紀世界の中でもキャラの立ち具合は抜群、精密に構築された世界の緊張感もただごとではない。
 『天使』も『雲雀』も薄いけど、濃密だった。 一冊になることで物理的な分厚い存在感が出ました。 544ページ。

  ランドスケープと夏の定理.jpg ランドスケープと夏の定理/高島雄哉
 創元SF短編賞受賞作に始まる連作短編集ということで・・・宮内悠介『盤上の夜』のような衝撃がもらえたらうれしいな、と。

  癌病船 西村寿行.jpg 癌病船【復刻版】/西村寿行
 「新型コロナ時代を予見した」というのは言い過ぎだと思うけど、アドベンチャーとしての“ウイルスとの闘い”が楽しめるのは西村寿行世界ならでは。

  あさドラ!04.jpg あさドラ! 4/浦沢直樹
 話としてはほとんど進んでいないんだけど、登場人物たちのディテールの積み重ねに彼らへの理解が深まる。 だからあっという間に読んでしまうんだけど、最後のページで全然進んでいないことに驚愕する。 一冊の分量が少ない! 完結してから一気に読み直したい、そうすればもっといろんなことに気づけそう(明らかすぎるオマージュじゃないもののほう)。

ラベル:マンガ 新刊
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2020年08月29日

今日は11冊(2020年8月末)。 その1

 8月ももう終わりに近づき、大物がドンと出る!
 12月発表の年間ランキングに絡むには8〜9月発売が有利だからでしょうかね。

  苦悩する男1 ヘニング・マンケル.jpg苦悩する男2 ヘニング・マンケル.jpg 苦悩する男/ヘニング・マンケル
 ヘニング・マンケルが作り出した“クルト・ヴァランダー警部”のキャラクターは、北欧ミステリジャンルで最も愛される存在の一人。 そのシリーズ最終作。 待っていたけど・・・これを読んだら終わりと思うと悲しい・・・でも読んじゃうんだけど。 読み始めたらあっという間なんだろうけど。

  指差す標識の事例1 4人の訳.jpg指差す標識の事例2 4人の訳.jpg 指差す標識の事例/イーアン・ペアーズ
 4つの手記で構成された物語を4人の翻訳者がそれぞれ訳す、しかも4人とは池央耿・東江一紀・宮脇孝雄・日暮雅通!
 えっ、いつの時代の作品なの? 訳し始めてからこの本が出た今までに、どれくらい時間かかったの?
 日暮さんによれば、最初で最後の打ち合わせは1998年の7月だったそうです。 22年!

  短編ミステリの二百年3.jpg 短編ミステリの二百年 3/小森収 編
 うおっ、更に厚くなった? 短編11編収録。 全体の5分の2は評論と索引だけど、これが資料的価値を高めるので、あとで調べ物をしたいときにすごく助かる。 そういう調べ物をする予定はないんだけど・・・。

  笑う死体 マンチェスター市警エイダン・ウェイツ2.jpg 笑う死体 マンチェスター市警エイダン・ウェイツ/ジョセフ・ノックス
 『堕落刑事 マンチェスター市警エイダン・ウェイツ』の続編。 イギリスの闇にどっぷりつかりつつ、超絶技巧の殺人事件が描かれているらしい・・・エイドリアン・マッキンティの北アイルランド物と傾向が似てるのかな? 池田真紀子訳ってのも期待。

ラベル:新刊
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2020年08月28日

ミレニアム6 死すべき女/ダヴィド・ラーゲルクランツ

 図書館の新刊棚で『ミレニアム6』を見つける。
 え、予約なくてももう貸し出しできるの? これ、いま、借りていいの?
 「お貸しできません」と言われる前に借りた。 でも、5巻を読んだ記憶がはっきりないんだけど・・・多分、読んでいるよねぇ。 帰って、このブログの過去記事を検索して発見。 あ、やっぱり読んでた。 思い出した。

  ミレニアム6−1.jpgミレニアム6−2.jpg ラーゲルクランツによる三部作、最終巻。
 ストックホルムのある公園で、男の死体が発見された。 男は身元不明で、真夏なのにダウンジャケットを着ている以外なにも持っていなかった、ジャーナリストのミカエル・ブルムクヴィストの携帯電話番号が書かれたメモ以外。 捜査の行き詰まりを感じた法医学者のフレドリカ・ニーマンはミカエルに電話し、男は殺された可能性があると伝える。 ミカエルはリスベット・サランデルのことを気にかけながらも調査を始める・・・という話。

 スティーグ・ラーソンの『ミレニアム』三部作を引き継いでの次の三部作の完結編ということで・・・原点(『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』)で出てきた謎についてまとめにかかってる。 副題の『死すべき女』とはカミラのこと? というわけでリスベットとカミラの因縁にも決着を。 そしてさらに、身元不明遺体をめぐる謎が国防大臣フォシェルがかかわっているらしいこと、エベレストでのある遭難事故につながり・・・と、複雑化するかに見えたけどそんなに複雑ではない。 結局リスベットとカミラの件も全部つながっているのがすぐ見えてしまうのはドキドキ感が減るかなぁ。 おまけにエベレストでのことは1997年の大量遭難事故が元ネタですかとわかってしまうので、フィクションとして楽しみ切れない(あのキャラはあの人をモデルにしたのだろうか、などと気になる)。
 ミカちゃんは運命の相手に出逢ったり(?)、ブブランスキー警部はリスベットに対して慈愛の心を持っていたり、リスベットは再出発を実感するなどと、話を締めくくる気満々なのも感じられて・・・このシリーズを書き継ぐの大変だったですよね、おつかれさまです!、と今更ながら言いたくなる。 後半三部作が出たことで、前半三部作がより輝く感があるような・・・。

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2020年08月26日

ジョーンの秘密/RED JOAN

 ジュディ・デンチが好きだ。 あの佇まいがかっこいいと思う。 ポスターに彼女が大々的に映し出されているからには是非観ようじゃないか!

  ジョーンの秘密P.jpg イギリス史上最も意外なスパイ――実話を基に描く衝撃作。彼女は何を守ろうとしたのか

 2005年5月、自宅でくつろいでいたジョーン・スタンリー(ジュディ・デンチ)は、その日突然MI5にスパイ容疑で逮捕される。 つい先日死亡した外務事務次官のミッチェル卿が残した日記に、かつてジョーンがソ連に情報を流していたことが記されているという。 ジョーンは身に覚えがないと主張、ジョーンの息子で弁護士であるニック(ベン・マイルズ)が聴取に同席する。 だがMI5が提示する情報とは・・・という話。

  ジョーンの秘密1.jpg 保釈後、自宅前で記者会見。
 映画は2005年のジョーンと、ケンブリッジ大学に入学後のジョーン(ソフィー・クックソン)の間を行ったり来たりする。 むしろ若き日のほうがメインではないかというほどの分量で、とはいえ少ない時間で存在感を出しまくるジュディ・デンチの真骨頂でもあった。
 ジョーンはケンブリッジ大学で物理を専攻していることがその手の人々にとっては目的で・・・友達の振りしてぐんぐん近づいてくるソニア(テレーザ・スルヴボーヴァ)が怖くて仕方ない。 何故気づかないのだジョーン! いや、彼女は気づいているのかも、それでも、友達が誰もいないよりもましだと思っているのかも。 若い世代のパートも役者のみなさん、みんないい感じ。

  ジョーンの秘密2.jpg ジョーンは大学卒業後、政府の秘密研究機関に就職。
 といっても研究者としてではなく、秘書(事務職)として・・・書類を作るにせよ専門知識があったほうがいいという上司の判断だけど、そもそも当時女性は研究者になれなかったというのがね・・・それが大きく影響しているような気がする。 その当時(1940年代以降)の服装や小物といった美術部門がすごくいい仕事をしている! こういうところにイギリス映画の底力を感じるわ(超大作でなくとも手を抜かない感)。

  ジョーンの秘密3.jpg 活動家レオ・ガリシュ(トム・ヒューズ)と恋仲に。
 トム・ヒューズ、『女王ヴィクトリア』のときとは全然違ってあやしさ全開、「こんな奴絶対信じられないわ!」というタイプなんだけど、ジョーンにとってはそれもたまらない魅力だったのかな・・・。 とはいえジョーンは彼らと付き合っていても情報を流すことは断固として拒否していた、あることが起こるまでは。 これには日本人として「おおっ!」って思っちゃうけど・・・でもなんか違うと思う・・・スターリン時代のソ連のひどさを当時は知らなかったからとは言うけど(日本でだってかつて北朝鮮が楽園であると信じられていた時代があると聞いたこともある)、あなたの主張には全面的に頷けない。 もやもやとした気持ちが残る。
 事実を基にいた映画化とはいえinspired(触発された)なので、結構フィクションが入っているのだろう。 観た者をもやもやさせるのがこの映画の目的ならば大成功。

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2020年08月25日

煮干しだしのラーメン!@六三六ラーメン

 仕事でちょっと垂水方面に行くことになりまして。
 お昼ごはんがなんか中途半端な時間に。 そこで「煮干しだし」ののぼりを発見。 こうなったら、ラーメンでちゃちゃっと食べるぞ!
 そこのお店は入り口入ってすぐの券売機で食券を買うタイプ・・・メニューが把握できていないのですごく悩む。 だけど時間をかけていたらお店の方にも迷惑である(あたしの後ろに並んでいる人はたまたまいなかった)。 暑いから冷麺的なやつがいいかなと思ったけど、食券のボタンの場所がわからん!(焦っているので探せない)
 ええい、はじめて来るお店なんだから、まずはここの看板メニューをいただきましょう。

  20200806六三六ラーメン煮干しだし.JPG その名も、「六三六ラーメン」
 食券と引き換えに距離を保った席に案内され(4人掛けテーブルにあたしひとり、カウンターが埋まっていたので)、待つことしばし。 マスクをはずして自分のタオルハンカチに包み、カバンにイン、いただいた冷たいお水を飲んで「ふ〜」と一息ついていたら、もう来た。
 ラーメンとはこんなに早く出てくるものなのか!
 いただきます!
 まずはスープを一口。 えっ、これが煮干し? なにか魚介系の味がガツンとこない、むしろ自己主張してこないおとなしい味。 む、これ、鶏ガラととんこつも入ってない? いろいろ混ざってマイルドになって、「何かの味」ってはっきりわからなくなってる・・・けど、なんかクセになるかも。 この味は何なのか?、と、つい飲み続けてしまいそう。
 それではいかん、と麺を手繰ると、細切りの白ネギが結構出てきた。 スープの色に紛れて存在に気づかなかった。
 麺はちょっと細め、ウェーブは弱め。 シナチク、チャーシュー、なると、海苔と全部普通かな、と思いつつ・・・休むことなく完食。 あれ? 10分かかってなくない? お店が混んできたら困るぞ、とは感じていたけど・・・それだけがスピードの要因?
 お店でラーメンを久し振りに食べました。 こんなに早く食べられるものなのか、他も試してみたい。

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2020年08月24日

闇という名の娘/ラグナル・ヨナソン

 二作目が発売されたので、待機していた一作目を読むことにする。
 アイスランドといえば殺人事件は年間でもせいぜい数件、まったく起こらない年もあるというが、ミステリ世界ではそれはまた別(勿論、ベースにはそういうアイスランドらしさがあるのがアーナルデュル・インドリダソンやラグナル・ヨナソンの作品だ)。

  トリロジー1闇という名の娘.jpg 北欧ミステリらしからぬ薄さ。
 アイスランドのレイキャヴィーク警察、犯罪捜査部に勤めるフルダ・ヘルマンスドッティル警部は定年を目前に控え、男社会で女性として苦しんできたことを思い返していた。 しかし、定年までの日数に有休をあてて、もう引退していいとかなり年下の上司に通告される。 なんとか抵抗し、二週間という期間をもぎ取って未解決の事件を担当することに。 一年前、海岸で発見された若いロシア人女性の遺体について再捜査を始めるのだが・・・フルダ最後の事件とは。

 最初の4ページぐらいで、もうその世界に飲み込まれる。
 派手な事件ではないけど、その分、身近に起きそうなこと。 そしてフルダの抱える問題が次々とチラ見え、「こ、これは・・・」とよくない方向にいろいろ予測してしまい・・・最後の単独捜査故に(フォローする人が誰もいないから)、「フルダ、今のはヤバい」と何回も思ってしまう。 イヤな汗が出てくる。 よくない方向の予測が全然覆されないよ。
 すごいな、330ページ程度なのに、いわゆる北欧ミステリ要素が全部入っている! なんて精密に構成されていることか。
 北欧ミステリ的後味の悪さにあたしはだいぶ耐性があるけれど、ない人が読んだらかなりメンタルをやられるに違いない・・・。
 これが<フルダ三部作>の一作目。 二作目は時間を遡っている(警察官人生を振り返って印象深い事件は二つと言っているので、それが語られるのだろう)。 二作目『失われた少女』も363ページしかないのだ。 きっと読み始めたらあっという間に読み終わってしまうじゃないか・・・どうしよう。

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2020年08月23日

ハニーボーイ/HONEY BOY

 最初に予告をシネ・リーブル神戸で観たときは6月だったかも、「子役と仕事のない父親の話を、今の天才子役とちょっと前の天才子役(今は若手俳優として活躍中)と、子役出身のシャイア・ラブーフをキャスティングするなんて、狙ってるな!」とニヤリとしたものだ。 しかし公開日を過ぎて以降、春馬くんのことを思うと気持ちがふさぐ。 観たい気持ちが薄らいだけど・・・、観るべきだろう、というか観たほうがいいと思った。

  ハニーボーイP.jpg 大人になった今、僕は知った。そこに、愛があったことを――。

 若手俳優としてハリウッドで活躍しているオーティス(ルーカス・ヘッジズ)は、飲酒問題で交通事故を起こして更生施設に送られる。 PTSD治療のひとつとしてこれまでの自分のことを書き出すように言われ、十年前のことを思い返す。 その頃、すでに子役として活動していたオーティス(ノア・ジュープ)は12歳、両親はとっくに離婚し、父親のジェームズ(シャイア・ラブーフ)と二人暮らし。 好きなように生きる父に代わり、オーティスが家計を支えていた。

  ハニーボーイ2.jpg ルーカス・ヘッジズ、すっかり大きくなっちゃって。
 ルーカス・ヘッジズ本人はそういった問題行動の心配のなさそうな人なのだが(あくまで印象)、22歳のオーティスはとにかくあやうい。 ふいっとクスリや酒に溺れてしまいそうに見える。 心を許せる友だちもいないみたいだし、仕事もまったく支えになっていないみたいだし。

  ハニーボーイ1.jpg 12歳のオーティスは才気にあふれてかわいらしい。
 しかし子供なので・・・二人のモーテル住まいまで撮影所からの帰り、父親がバイクで迎えに来るのを忘れると、どうやって帰るのか途方に暮れちゃうという・・・。 酒を飲み自暴自棄になる父親に困惑しながらも愛情を求めてしまう姿に目頭が熱くなるよ。 ノア・ジュープくんは『クワイエット・プレイス』、『フォード VS.フェラーリ』と“けなげな息子”の役が続き、またそのイメージがぴったりはまるので、観る側はオーティスくんに入れ込みまくりよ。 オーティスの中で答えは出たような気がするけど、理解できても感覚としてわかるわけではないのよね・・・。

  ハニーボーイ3.jpg 大変迷惑な父親ジェームズ。
 ジェームズにしてみれば、「なんで父親だからって全部背負わなければならないんだ」という気持ちになっているのはわかるんだけど・・・せめてオーティスのためになることはしてやれよ、と思ってしまう。 「自分の子供に食わせてもらってる」のが自尊心を傷つけているのだろうけど、だからってさ! オーティスに肩入れしちゃってるから。 しかしシャイア・ラブーフ、この役にすごく入れ込んでいた。
 エンディングで気づく、脚本がシャイア・ラブーフであることに。 えっ、これって自伝的な話なの? オーティスがシャイア・ラブーフ自身? そういうことか!
 この十年間のことが気になるよとか、22歳のオーティスの辿り着く先があまりにベタすぎないかとか気になったけど、シャイア・ラブーフのセラピーとしてのこの脚本ならば納得! それは愛じゃないとあたしは思うけど、愛だと思いたいんだね。 でも『ロケットマン』のときのように「表面的なセラピーに付き合わされた感」がまったくないのは、そこに切実なものがあるからだろう。 構成に不足な面はあるけど、ディテールのリアリティが光る。
 三人にはそれぞれメンタルトレーナーがついてたみたいだから、心がえぐられる描写が多々あっても撮影が終わった彼らの心の傷にはなっていないと信じたい。 シャイア・ラブーフがこれで救われるのなら、よかった(いや、救われてほしい)。

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2020年08月21日

今日も7冊(8月20日発売)。

 えっ、8月ってこんなマンガ新刊出たっけ?、とつい思ってしまうほどである。 置く場所がないからマンガは電子版に移行すべきか、悩み中。

  きのう何食べた?17.jpg きのう何食べた? 17/よしながふみ
 「えっ、もう次が出るのですか?!」とびっくりした。 16巻にいろいろ印象深いエピソードが多かったからかな・・・。

  宇宙兄弟38.jpg 宇宙兄弟 38/小山宙哉
 リアルタイムで読んでるから38巻も普通に買うけど、もし1巻から集めなければならないとつらいよな・・・。

  ハヴアグレイトサンデー4.jpg Have A Great Sunday 4/オノ・ナツメ
 週末の楽しさというか、「みんな休みの日」(お休みが合う日)という存在の意味を感じさせてくれるこの作品も最終巻。 元から長く続く話ではないことはわかっていたけど、ちょっとしんみり。

  蜻蛉せいれい07.jpg 蜻蛉 7/河惣益美
 この人ってこんな「日本ってすごい!」な人だったっけ?、という気持ちが巻を重ねるごとに強くなるけど(今まで読んできた作品は主に欧米が多かった)、まぁストーリー重視ってことで。

  三分間の空隙1.jpg三分間の空隙2.jpg 三分間の空隙/アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム
 <グレーンス警部>シリーズ新刊。 『三秒間の死角』に連なる作品ということで・・・しかもシリーズ最高傑作の呼び声高し。 スウェーデンでもコロンビアの麻薬組織に潜入捜査するのか、すごいな。

  噂 殺人者のひそむ町.jpg 噂 殺人者のひそむ町/レスリー・カラ
 これはイギリス。 直球のタイトル、疑心暗鬼のスリルとサスペンス、一気読み必至!、と言われたら気になります。 イヤミス系、海外のほうが気が楽な感じなのかしら・・・。

ラベル:マンガ 新刊
posted by かしこん at 14:20| 兵庫 ☀| Comment(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月20日

嗤う猿/J・D・バーカー

 『悪の猿』から何年か経ちましたかね・・・四猿殺人鬼4MKと刑事サム・ポーターとの闘い、続章。 しかしこれは三部作だそうで・・・この本だけでは謎は解決されない可能性大・・・。 そんなとき、完結編が今年の10月に発売予定!、という情報が入ったので、「じゃあ読んでおけば三作目にすぐ入れる!」ということで読み始めた。 そしたら700ページもの大作だというのに、がんがん読めてしまう。 しまった、あと二ヶ月待たねばならなくなったじゃないか。

  嗤う猿.jpg “The Fifth To Die”、完結編は“The Sixth Wicked Child”
 『悪の猿』事件から4カ月――逃亡した4MKを追い続けるシカゴ市警のサム・ポーターだが、ポーター刑事に執着する4MKからの挑発やメッセージが過ぎて、FBIはポーターが4MKの共犯者か協力者なのではと疑っている。 そんな中、ローティーンの少女が連続して行方不明になり、一人が不可解な状況で遺体となって発見される。 少女は、もう一人の少女の服を着ていたのだ。 この事件は関係あるのか、すわ4MKか、と騒ぎだすマスコミ。
 捜査の過程で、ポーターはFBIからの圧力で捜査からはずされる。 謹慎を命じられたが、黙っていられないポーターは一人で4MKの過去を追う。 シカゴ市警のチームはポーター抜きで捜査を進め、ポーターを信頼しているFBI捜査官のプールはポーターと協力して事件を解決したいと考えている。 今回の事件に4MKは関係しているのか? しているなら、その目的は?

 しまった、『悪の猿』の細かいところを忘れている。 中で少し回想してくれるので思い出してくるが、全部ではないので・・・とはいえ全部思い出したいものでもないのだが。 こういう、残忍かつ用意周到な手口は実行するのにあまりに非現実的というか、そんなことまでやれてしまうの? 人間が?、と「悪魔的・デモーニッシュな」という言葉が頭をよぎる・・・ほんとにやれるのかな?、と疑問に思うほど作業量が多すぎるのだ。 そういうところがちょっとリアリティないな、と思ってしまうのだが・・・そこは野暮なのだろう。
 そしてサム・ポーターの過去、妻を強盗に殺されたという過去だけではなく、彼の記憶のない過去にカギが隠されている・・・そっちか、そっち系の話になるのか〜。 自分すら信じられないところまで追い込まれたポーター、でも以下次巻!
 だからこれは中継ぎの巻なのだ、これ一冊で評価できるか!

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 02:18| 兵庫 ☀| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月19日

T−34 レジェンド・オブ・ウォー【最強ディレクターズカット版】/T-34

 もともと『T−34』は2019年の秋に日本公開だったが、「戦車アクションってどうかなぁ」と悩み、結果的に見なかった(時間的にタイミングが合わなかったこともあり)。 しかし今年に入り、『T−34』は『ダイナミック完全版』が出現し、その後『最強ディレクターズカット版』が現れた。 えっ、結局どれを観たらいいの? 何が違うの?
 調べたらもともとの上映時間113分、『ダイナミック完全版』は139分、『最強ディレクターズカット版』は191分!
 どうせ観るなら、いちばん長いやつでしょ!、ということで予備知識一切なしで三時間越えの映画を観ることに。

  T−34ディレクターズカット P.jpg 伝説の戦い、ここに終結。 完全版を超える、迫力の3時間を体感せよ!

 1942年、第二次世界大戦中のソ連赤軍対ナチスドイツの戦いで。 ソ連の士官イヴシュキン(アレクサンドル・ペトロフ)は初めての前線だったが、戦車戦の確かな知識でチームを率いて見事な戦いぶりを見せる。 が、ナチスの物量作戦に敗れ、捕虜となり強制収容所に送られる。 先の戦闘でイヴシュキンと直接戦ったナチスドイツのイェーガー(ヴィツェンツ・キーファー)は、その功によりSSの大将に取り立てられる。 ナチスの戦車戦のレベルを上げるため、イェーガーはイヴシュキンら戦車乗りの捕虜を集めて模擬戦を行うことにする。 ソ連の戦車T−34には実弾を与えないという条件で・・・という話。
 いやー、これがまた、ものすごく面白かった!

  T−34ディレクターズカット 2.jpg T−34と戦車乗りのみなさん。
 手前の人がイヴシュキン。 専門の軍事学校を出たエリート、という感じか。 ちょっと四角い顔、童顔ぽさがあるので、レオナルド・ディカプリオやブラッド・ピットと同じ香りがする・・・ロシアの大スターなのかしら、と思ったり。 同じ戦車に乗り操縦を担当するステパン・ヴァシリョノク(ヴィクトル・ドブロンラヴォフ)もアメリカのドラマとかで見たことありそうな顔・・・世界各地にいい俳優がいるとわかるのは大変うれしい。
 で、映画は冒頭から飛ばしていて、最初の30分で「クライマックスか!」というすさまじさ。 戦車から砲弾が発射された瞬間からスローモーションになり、砲弾の動きをしっかり見せてくれる。 どう軌跡を描き、どこに衝突してどうダメージを与えるか、スピードに緩急をつけて最大限の衝撃をこちらに与える。 戦車内のリアルな狭さ、主砲を狙いに向けるまでの焦りと時間。 なるほど、これは熱くなる!

  T−34ディレクターズカット 1.jpg 戦車ものってあまり意識したことがなかったけど。
 『フューリー』ぐらいしか観たことがなかったかも。 『T−34』は実話ではないので、物語的には少年マンガ的な荒唐無稽さと王道が混ざったものになっているけど、圧倒的なのはそのディテール。 前線に向かう戦車の外側に骨付き肉が干されていたり、森の上空を飛ぶセスナが高度をギリギリまで下げたときにタイヤが木の枝を折り取ったり、砲弾が戦車本体をかすめたときに発生するものすごい金属音が乗員たちに脳震盪を起こさせるほどだと何度も描写する。 そして戦争の悲惨さもまた。

  T−34ディレクターズカット 3.jpg イェーガーがいかにもの悪役ではないところもポイント。
 ロシア製作の映画ならナチスは完全に悪役だろうけど、イェーガーはイヴシュキンのライバルという立ち位置(ファーストネームもクラウスとニコライ=どっちも語源はニクラウス)。 だから少年マンガっぽいのかな! イェーガーはSSにいるけど、もともとは国防軍上がりだというのも「国のために戦う」というイヴシュキンたちと動機は同じに思えるし。 アーニャ(イリーナ・スタルシェンバウム)という美しい女性の存在もあることだし。

  T−34ディレクターズカット 4.jpg 強制収容所にて。
 序盤の颯爽たるイヴシュキンに比べると、捕虜になり何度も脱走を企ててひどく拷問された彼はまるで別人。 それがステパンと再会したことで、T−34を前にしたことでまたあの感じを取り戻していくのが・・・胸アツです。 男の友情だよ!
 白鳥の湖を踊るT−34、戦車ってすごいな!
 3時間、見事な走り抜け方です・・・いや、これでも結構カットしたシーンがあるんだろうなと推測できるほど。 逆に、どうやって113分におさめたのか知りたくなる! 通常版→完全版→DC版、と観たくなる人の気持ち、わかる!

  T−34ディレクターズカット 5.jpg T−34だけでなく、ナチスドイツのパンターも本物を使っているらしい!
 だから戦車の重量が見る側に伝わるのか。 爆発はVFX感が露骨だけど、戦車には一切感じないもの。 ロシアからたまにこういうアクション大作が出てくるよなぁ。 ほんと、観てよかった。 エンディングにも胸アツです。
 あー、面白かった!!!
 結局、バージョン違いが日本公開されたのも、「上映するものがない」という自粛期間以降の流れのおかげだったわけで。 禍転じて福となすとはまさにこのことです。

posted by かしこん at 12:03| 兵庫 ☀| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月17日

彼女のかけら/カリン・スローター

 ノンシリーズ作品なのでつい後回しにしてしまっていたが(今回、未読本を崩しているときに見つけた)・・・読み始めたら一気に読み進んでしまった。 慣れている作家、ということもあるかもしれない。 女性がサヴァイヴする物語にはつい肩入れしてしまうからかもしれない。

  彼女のかけら1 カリン・スローター.jpg彼女のかけら2 カリン・スローター.jpg “Pieces Of Her”、かけらは複数形。
 ジョージア州のある町で。 一度はニューヨークへ出たものの、挫折して帰ってきたアンディは31歳、地元警察の通信係の職を得て母の家に居候中。 母のローラは言語療法士として確かなキャリアがあり、“善き母親”であるためアンディはコンプレックスを抱き、自立できない。 ある日、仕事終わりにショッピングモールのカフェでローラとお茶をしていたアンディは、銃乱射事件に遭遇する。 撃たれて死ぬことを覚悟したアンディの前で、ローラはごく冷静な様子で銃撃犯の喉を掻き切る。 平凡な人生を生きてきたはずの母親、一体過去に何があったのか。 自分が知る母親は偽物なのか。 アンディは不本意ながら母の過去を辿る旅に出ることに・・・という話。

 アンディのぼやっと加減がものすごい。 頭の中がパニックになる気持ちはわかるが、何を言われても言葉が全然出てこない時間が長すぎる! しっかりしろ!、とつい言いたくなるのは、そこに「かつての自分に似たもの」を見るからだ。 いや、今がちゃんとしているわけではないけど、それでも若い頃より人としてはましなはず。
 彼女は31歳だが、社会的年齢はそれ以下なので自立どころか自己肯定感が低すぎて何をするかも自分で決められなくなってる。そんなアンディが彼女にとっての極限状態に追い込まれ、否応なく自分一人で先に進まねばならない(とはいえ、手を差し伸べてくれる人はいて、そこにすぐ頼ってしまいがちなのも彼女の性格)。
 それと並行して、母ローラの若き日々のことが語られる。 80年代、女性の自立が歓迎されていない時代の、彼女の苦しみと恐怖。
 たいていのことは時間が解決するという、実際なんとかなることが多いけど、何十年と時間を経ても解決できない心の傷はある。 誰かの一言や仕草を目にすることで、一気に時間が引き戻され、とらわれる。 母ローラはサヴァイヴァーだけれども、一度は切り抜けているのに、まだまだおびえている。
 アンディが主役のように見えて、実際はローラの物語。 娘を命がけで守ろうとする強さもあるのに、ローラはかつて傾倒した思想(?)の本質から離れられない。 この根深さが、ラストが納得いかない原因。
 なんで彼女がそう考えるのか、あたしには理解できなかった。 でもそれがトラウマなり、PTSDなんだろうなぁと推測はできるけど・・・そこまでになってしまうほど抑圧を、被害を受けた人へ手を差し伸べるにはどうしたらいいのか。
 簡単な答えは出ないけど、考えてしまう。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 02:49| 兵庫 ☁| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月16日

今日は10冊。

 8月はお盆休みをはさむためか、本の発売が変則的です。 そしてネットで頼んだ場合は発売日が過ぎても発送されなかったり・・・(出版社・取次がお休みで、発送作業をしてくれる人も減っているのであろう)。 今月の前半分、やっと揃いました。

  マイクル・コナリー 汚名1.jpgマイクル・コナリー 汚名2.jpg 汚名/マイクル・コナリー
 <ハリー・ボッシュ>シリーズ、最新刊。 あれ、今回、古沢さんの「訳者あとがき」がないんですけど!

  喪われた少女 ラグナルヨルソン.jpg 喪われた少女/ラグナル・ヨルソン
 アイスランドのミステリ、『闇という名の娘』続編(三部作の内の二作目)。 これが出たということは、三部作全部訳してくれるんだよね! じゃあ一作目、読んでいいかな〜。

  エレクトス・ウィルス1帯付き.jpgエレクトス・ウィルス2帯付き.jpg エレクトス・ウイルス/グザヴィエ・ミュレール
 派手派手しいので、帯付きの画像にします。 昨今の事情でウイルス系の作品が出されやすくなってるのかな? まぁ気になるんで買っちゃうんだけどさ。 裏表紙のあとがき、めっちゃ長い! そんなに複雑な話なのか! それともここまで書かないと読者にアピールできなくなっているということなのか!

  裏切りのシュタージ.jpg 裏切りのシュタージ/アンドレア・ブルガトーリ
 シュタージといえば東ドイツ。 スパイものは気持ち的にしんどいけど、読みたくなる時期が定期的にくるような。 近現代史に向かい合う気持ちがやっとできてきたのかなぁと思ったり。

  死の快走船 大阪圭吉.jpg 死の快走船/大阪圭吉
 短編傑作集、15編収録。 『とむらい機関車』しか聞いたことがなかったけど、こんなにいっぱい作品があるんだ。 というか従軍して33歳で亡くなってるの! 戦前から本格推理を書いていた人、結構いるんですね・・・知らないこといっぱいだわ。

  私はヒトラーの秘書だった.jpg 私はヒトラーの秘書だった/メリッサ・ミュラー
 あれ、これって前にドキュメンタリー映画で見たあの人のことかしら。 おや、違うみたいだけどこの人はこの人でドキュメンタリー映画になってるようだ。

  エレノア・オリファントは今日も元気です.jpg エレノア・オリファントは今日も元気です/ゲイル・ハニーマン
 この表紙のネコにやられた。 てっきりこのネコがエレノア・オリファントなのかと思ったら、違ったよ!

  東京タラレバ娘シーズン2 3.jpg 東京タラレバ娘 シーズン2 3/東村アキコ
 シーズン2、3巻目、やっと話が動いてきました。 あぁ、これ、仕事場の悩み多きアラサー女子に読んでもらおうかしら、と思っちゃうような内容。 ちょっと賢い小学生に頼りすぎな気がしますが。

ラベル:マンガ 新刊
posted by かしこん at 16:46| 兵庫 ☀| Comment(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月15日

ブラック アンド ブルー/BLACK AND BLUE

 以前、<ハリウッド・エクスプレス>でボックスオフィス第一位になっていた映画、忘れかけた頃日本に上陸。 しかし現在<ハリウッド・エクスプレス>の放送は休止中(アメリカではまだ映画館が再開していないため)・・・諸行無常です。 ナオミ・ハリスがナオミ・ハリスに見えないのは何故?、というのも気になって。

  ブラック・アンド・ブルーP.jpg 女性警官が目にした汚職の瞬間。街のすべてが彼女の敵となる。

 故郷であるニューオーリンズに戻ってきた退役軍人であるアリシア・ウェスト(ナオミ・ハリス)は、警察官として働き始める。 パトロール警官として相棒のケヴィン(レイド・スコット)とシフトを組んで三週間、初めて臨時の夜勤に別の警官と就いた。 ある通報で現場に向かうと、パトカー内で待機を命じられるアリシア。 銃声が聞こえたので様子を見に行くと、麻薬課の刑事マローン(フランク・グリロ)らが売人を殺害するところを見てしまう。 彼女のボディカメラにおさめられたその“瞬間の映像”を奪うため、悪徳警官たちは一丸となってアリシアを追う・・・という話。
 ハリケーンのあとから復興しきれていないニューオーリンズの姿がリアルっぽい。 ドラマ『NCIS:ニューオーリンズ』の明るさとはあまりにも対照的。

  ブラック・アンド・ブルー4.jpg アリシアの髪は縮れ毛、ドレッドレアをアレンジしてる。 あたしの記憶ではナオミ・ハリスはいつもストレートヘアだったから(『007』シリーズも、『我らが背きし者』も)、そこが違和感というか、慣れない感じがしたのだろう。 アリシアは警官だけど黒人で、新人で、女。 なかなか強く出られない・証拠を提示しようとしても、誰がどこまでつながっているかわからないから・・・アリシアは孤軍奮闘を強いられるのがつらい(それが痛々しくなく表現されていて、素敵)。 ブルーは警官の象徴(多分制服のシャツの色から)だけど、アメリカでは違法なもののイメージカラーもまたブルー。

  ブラック・アンド・ブルー2.jpg いかにも悪徳警官のみなさん。
 結構見覚えのある方々がいらっしゃりつつも、スターな人はいないのでリアルなキャスティング。 誰が悪徳警官の仲間なのか(自分から進んでやってなくても見て見ぬ振りする者もいるはず)わからないアリシアの疑心暗鬼は、この町に住む人々の生活にも影を差している。 Black Lives Matter問題が本質にあるうえで、なので、アメリカでの社会構造的な根深さを前に途方に暮れる。

  ブラック・アンド・ブルー3.jpg ギャングの方々の服装センスはラップスターと区別がつかない。
 ただの悪役は存在せず、みなそれぞれの都合と事情を抱えているのも現在的。 アリシアの幼馴染のシングルマザーの存在が今のアリシアとの対比になっていて、「いやならこの町を出ろというけど、出られない人はどうしたらいいのか」という日本でも言われる問題が。
 同じく昔馴染みで商店で働くマウス(タイリース・ギブソン)の「トラブルには巻き込まれたくない、ひっそりと暮らしたい」という気持ちの切実さには胸が苦しくなるほど。 でも避けていることは、消極的でも今の状況を受け入れていることになってしまう。 経済と教育の格差をなくすことがいちばんの解決法なんだけど、それを浸透させるためには時間と手間がかかる・・・今の人たちはそれまで待てないし、かといって何も始めないことには解決しない。 「正しくないことはしない」と主張し続けるアリシアの強さが、きっかけになれば。
 話の展開的にはマイクル・コナリーっぽさもあるのだが、この映画がヒットすることにアメリカの当事者意識が感じられて、救いになる。

posted by かしこん at 17:07| 兵庫 ☁| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月14日

一人でテンション上がるランチ@MotherMoonCafe

 映画館のチケット・半券があると同じ施設に入っている飲食店でサービスが受けられる場合があって、店選びで悩みがちなあたしは(初めての店に入るには結構心の準備が必要だし)、ついこういうのを利用してしまいます。
 SOL(神戸国際会館地下)のマザームーンカフェは、チケットで料金10%OFF!
 だから豪勢なランチを食べようじゃないか!

  20200716マザームーンカフェ1玉葱の冷製スープ.JPG 淡路島玉葱のスープ
 ランチにはどれにもついてくる<本日のスープ>は、時節柄冷製でした。 おいしい! 確かに玉葱!、でした。 でもすぐなくなる・・・。

  20200716マザームーンカフェ2プレートランチ.JPG プレートランチ
 メインはローストポークで、これが大きいうえに分厚い! グリーンサラダ、トマトのファルシ(トマトの中にいろいろ詰めたサラダ)、ポテトサラダ、本日のキッシュ、パンで結構大きなお皿が満杯。 ローストポークがすごい食べ応えで・・・しまった、おなかいっぱいになっちまうよ。 ローストビーフがメジャーの関西圏で、ローストポークを出してくる気概を買います(あたしはビーフよりポークが好き派)。 

  20200716マザームーンカフェ3広島檸檬レアチーズケーキ.JPG 広島檸檬のレアチーズケーキ
 おなかがいっぱいにもかかわらず、期間限定っぽいレアチーズケーキがあったのでオーダーしてしまう。 夕方以降ではお目にかかったことがないから(つまりそれまでに売り切れてしまうの)。 ホットの紅茶をお供に、本を読みながらおなかが落ち着くようにゆっくり時間をかけて食べました。 サイズは大きいけど、ゼラチン多めか食感は軽かったので無事完食。 チーズ濃いほうが好きだけど、このときばかりは軽めでよかった。 レモンソースも程よい酸味と甘みでした。

posted by かしこん at 02:32| 兵庫 ☀| Comment(0) | ごはん・お茶の時間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする