2020年06月11日

流浪の月/凪良ゆう

 休館明けの市立図書館からの比較的早い呼び出しのメール。 予約本が来ましたよ、とのこと。 出掛ける日に合わせて取りに行く。 本年度本屋大賞受賞作として一躍脚光を浴びていますが、あたしが予約を入れたのは受賞よりもずっと前。 だからこのタイミングで借りることができたのだろうと思う。 本屋大賞が決まってからなら、予約も相当待たされることになってるかも・・・。
 日本人の初めて読む作家には躊躇いがなくもないんだけど、ひいきの出版社である東京創元社がイチオシだということで気になってました。

  流浪の月.jpg 「あ、だから表紙に3スクープのアイスクリームなのね」と読了後納得。
 これはあらすじを言うのが非常に難しい。 何を言ってもネタバレというか、先入観になってしまいそうだから。
 それぞれの事情により孤立する魂が出会い、互いに救いを求めるのだけれど、社会情勢や世間の目がそれを許さず、更に孤立してしまう人たちによる、「孤立したって、一緒にいられればそれでいい」という結論に辿り着くまで。

 本作は佐々木丸美『雪の断章』・桜庭一樹『私の男』・V.C.アンドリュース『屋根裏部屋の花たち』らの系譜につながる位置づけになるのではないか・・・勿論物語は同じではないですが、心の傷(トラウマ)を抱えた主人公がカウンセリングなどものともせずに自分の信じるところにまっすぐ向かっていまう・・・というところに通じるものがある。 これらを読む年齢・自分の状況によりぐっとはまってしまい、忘れられない一作になるタイプ。
 あたしは、思春期に『雪の断章』を読んだので・・・これがあたしに与えた影響は書ききれないくらい。 うまく言語化できないほどに自分の中に入ってしまっているので、あたしには『流浪の月』は『雪の断章』ほどではなかった。 でも、思い出させてくれた。 だから、そういう作品を読んだことのない人にとっては、『流浪の月』はあたしにとっての『雪の断章』になるくらいのポテンシャルを秘めているのではないか。 内容もネット社会の生きづらさが描かれてますし、若い人向け・あまり文芸書を読んでいない人向けか。
 まぁ、それこそ本屋大賞にふさわしい作品なのかもしれません。
 もうおばさんであるあたしにはちょっと物足りなかった・・・現実のいちばん厄介な部分をスルーしてる感じがあったから。
 『流浪の月』というタイトルも、もうひとひねりほしかった。 「目立ってどうする」なのかもしれないけれど、他のどれにも似ていない、唯一無二のタイトルだったらまた印象が変わったかもしれない・・・。
 結局、3・4時間ぐらいで読んでしまった気がする。 類型っぽいところがあったので早く読めた。 書かなくてもわかるところは書かなくてもいい、書いていないところをもっと掘ってもよかったのでは?、と思ってしまうのは長い海外ミステリばかり読んでいるせいか・・・。
 そんなに親しくはないけど、それなりに会って話す人についてどういう距離感がいいのか、割と考えているつもりだったけど、これ読んで更に考えてしまう・・・。

ラベル:国内文学
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2020年06月10日

梅雨入り!

 暑いです。 在宅勤務で引きこもりが続き、6月の気温(実態は「例年では7月の暑さ」とか天気予報で言っている)にカラダが慣れない。 家ではまだエアコンを入れず、窓全開で頑張っているのだが、外を歩くのが普段の5分の1から3分の1ぐらいなので・・・体力落ちてます。 すぐ疲れ気味、暑さバテ気味。
 なのに梅雨入りしてしまった! 湿気が更にあたしを苦しめる・・・。

  20200527アジサイ.JPG 5月後半ではこの状態の近所のアジサイも、本格的に花開き色づいていた!
 (大雨に遭遇したため、写真を撮れず)
 そう、今日はたまたま、ゲリラ豪雨的な勢いの雨に遭遇してしまった! 濡れたのは10分もかからなかったけど、傘もさしていたんだけど、全身びっしょりだ!
 あぁ、今年もまた長い梅雨からの長い夏が始まるのね・・・。

 おまけ。
  20200529ぷにたま二個セットしかもいちご.JPG ぷにたま2個入り!
 5月後半に、近所のスーパーで一個だけ残っていた『ぷにたま』の2個入り。 わ、なんかなつかしい!、と思って買ってみました。
 しかし、初めて食べるイチゴ味・・・いちごフレーバーって当たりはずれがあるのよね。
 でも割とすぐに食べました。 あれ、ぷにたまってこういう大きさだっけ? なんか小さい気がする・・・生地もなんだかカサカサしている気がする・・・2個入りにしたせい? あたしの記憶の改変?
 しかし確認しようにも、その後、『ぷにたま』を見つけることができない・・・。

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2020年06月08日

ツバメ からの ハト

 春先には、いつもの駅にツバメが巣をつくっていて、「ヒナがいます」・「あたたかく見守ってください」という掲示が出ていた。 まぁ、渡り鳥だし、ヒナを巣立たせてあげよう!、というあたたかい気持ちが利用者たちにもあったと思います。 毎年のことですし。
 しかし、在宅勤務などで駅にあまりいかなくなってしまい、状況が変わっていたことにしばらく気がつきませんでした。

  20200530ツバメ対応1.JPG ツバメが去った後に、ハトが巣作りをしたようです。
 空気は一転。 ツバメのときのあたたかさゼロ。 時期が来たらいなくなるわけじゃない、居座るんだよね、と完全に「メイワク」だという感じになっております。

  20200530ツバメ対応2.JPG はてはカラス的なオブジェまで吊られた。
 カラス的なものは日々増えてきています・・・でもあたしは飛び回るハトをまだ見ていない・・・。

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2020年06月07日

アンドロメダ病原体 ‐変異‐ /マイクル・クライトン&ダニエル・H・ウィルソン

 あぁ、ハードカバー、読みづらい!!
 そんなことを言っていたら読めないので・・・腰を落ち着けて取り組むことに。
 『アンドロメダ病原体』の公式続編、登場。

  アンドロメダ病原体 変異1.jpgアンドロメダ病原体 変異2.jpg といってもマイクル・クライトンは一文字も書いていない。 元ネタを作ったのが彼だというリスペクトとして名が掲げられている。

 突然、宇宙からやってきて人類絶滅の危機を突きつけた謎の病原体アンドロメダ・ストレイン事件から50年。 それからずっとアンドロメダの発生を監視し続けていたグループが、ついにアマゾンの密林の中に発見した。 科学者たちによるワイルドファイア・チームが原因究明のために送り込まれる・・・。

 上下巻にわける必要あったのか、という感じだけど・・・。
 マイクル・クライトンへの敬意はものすごくほとばしっている。 それ故に、読者としては「これはマイクル・クライトンではない・・・」と思い知らされる。 似せようとすればするほど、違いがはっきりしてしまう。 マイクル・クライトンってやっぱりすごかったのね、と思ってしまう。 クライトンなら、もっと情け容赦なくなった部分もあったのではないか。
 面白くないわけじゃないんですよ。 大風呂敷度合い・ホラの吹き加減はなかなか。 うっかり子供に泣かされてしまうとか、こういうのはマイクル・クライトンにはなかった気がする。 ダニエル・H・ウィルソン独自の作としてやったほうがもっとおもしろかったんじゃないの、と感じたりもするけど、いろいろ契約が大変だったんだろうな・・・。
 そして宇宙への情熱のようなもの。 ただそれが装置にしかなっていないような・・・そう感じてしまうのは、COVID-19のさなかに自分がいるせいなのか(「うまいこと片付いたな、犠牲は出たけど」と「所詮は作りごと」と感じてしまうからなのか)。 『ホット・ゾーン』も読んでいたからか?
 期待しすぎたのか・・・今はリアリティとディテールがびっしりじゃないと、心に刺さらないのか。
 落ち着いてから読んだら、感想は変わるのかもしれない。 今のあたしには、今ひとつ響かなかった。 ISSにいるJAXAのジン・ハマナカさんが女性だとわかったとき、すごくガッカリしちゃったんだ。

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2020年06月06日

ハリエット/HARRIET

 3月27日公開予定だったのである。 が、前日に公開延期が決まり、十日後ぐらいには映画館もほぼ営業自粛による休業に入った・・・というかなしいめぐりあわせの映画。 アカデミー賞授賞式でフッテージを観たり主題歌を聴いた記憶もやや薄らぎ、「あれ、19世紀の話だよね?」と不安になってきた。 6月5日(金)が出勤なので木曜の夜に映画館のホームページをざっくりはしごしたら『ハリエット』が公開になると知り、急遽最終回18時25分からに行った。 神戸国際松竹、悲しいほどにガラガラであった・・・。

  ハリエットP.jpg 彼女は一度も失敗せずに奴隷から英雄になった。

 1849年、アメリカ、メリーランド州。 ブローダス農場の奴隷ミンティ(シンシア・エリヴォ)は奴隷の母から生まれ、奴隷として生きていた。 結婚し自分も子供を持つことを考えたミンティだが、農場主(奴隷主)から「お前の子供も私の奴隷だ」と言われ、「自由か死か」と逃亡を決断、北のペンシルバニア州を目指す・・・という話。
 そうあってはいけないのだが、タイムリーな映画になってしまった。 所属の違う奴隷同士が結婚して、子供が生まれたら母親の奴隷の持ち主のものになるという発想(?)にびっくり。 子供は母親の従属物という考え方なのか? それとも押しの強い農場主が自分のものにするための屁理屈なのか。

  ハリエット1.jpg 序盤のミュージカル演出に驚愕。
 歌がね、とにかく素晴らしいのです。 ミンティの歌も、牧師さんの歌も、<黒人霊歌>ってこういうものか!、という。 悲惨な奴隷の窮状も歌を介すことで目を覆わなくて済む(それがいいかどうかはわからない)。
 映画自体はなんというか・・・『あぁ無情』みたいな感じがした。 すごく長い話を一本の映画にまとめたんだろうな、という(それでも125分あるのだが)。 うまくいきすぎるというかいい部分だけつないだようなところはあるんだけど、ミュージカルテイストな分、リアルタッチじゃなくても気にならなくなってくるから狙い通りなのかな。
 とにかくハリエット(自由になったミンティが改名)を演じるシンシア・エリヴォあってのこの映画。 本人が歌うことも含めての、ハリエットになり切った存在感ですよ。

  ハリエット2.jpg ミンティに執着する農場主の息子ギデオン(ジョー・アルウィン)もなかなかよろしい。
 登場人物はわかりやすく類型的なれど、たまに笑いをとる場面があり、人間くささがほの見える。 そんなところも舞台のアドリブっぽく感じたり。
 社会派ではあるんだけど大河ロマンの趣きもあり。 とはいえ、自由黒人や地下鉄道といった当時の背景についての説明は最小限なので、事前に多少の知識がないとちょっと厳しいか。 でも「あぁ、南北戦争のきっかけってそういうことか!」と腑に落ちました。

  ハリエット3.jpg 南北戦争のあたりはかなり駆け足。
 ハリエット・タブマンはアフリカ系アメリカ人として初めて20ドル紙幣の肖像に採用されることが決まっているそうで・・・アメリカではある程度知ってて当たり前なのかな。 それにしても奴隷制度って・・・人種差別って二百年ぐらい前の感覚を今も引きずってるっていうことなのかと。 あの当時のことを知っている人はもう誰もいないではないか。 なのにそんな感覚だけ残っているってなんなんだ。
 あたしが知っている範囲でも、「白人警官による黒人への傷害致死」は何件もある。 そのたびにデモが起こったり暴動が起こったり・・・多少は変わっているのだろうけど、本質的な何かは変わっていないのか。
 そんなところにエンディングの“STAND UP”、じわじわと涙がこみ上げる。

  
 あぁ、音楽に込められた希望ってすごい。

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2020年06月05日

アマビエさま! @亀井堂本家

 今日、久し振りに三ノ宮で降りた。 SOL・さんちか・ミント神戸が営業再開(5月22日・25日)してから初めて。
 以前よりはちょっとは少ないけど、やっぱり人が多いと感じてしまう。
 神戸阪急の地下を通り抜けつつ、ちらちらと置いてあるものを見る。
 そこで、「おっ!」となってしまったものを見つけた。

  20200605亀井堂3.JPG 疫病退散アマビエ の焼き印
 亀井堂本家は瓦せんべい・瓦まんじゅうが看板商品の神戸の老舗(亀井堂総本店とは別、どっちのほうが古いのか?)。
 妖怪については『ゲゲゲの鬼太郎』(アニメ版)と魔夜峰央『妖怪始末人トラウマ!』シリーズで学び、京極夏彦『百鬼夜行』シリーズで補足しただけのあたし(本格的に調べたりしていません)、今回のことで「疫病を告げる存在」のアマビエさんを知りました。
 ということで、COVID-19感染縮小祈願として買い求めてみました。 中はこしあんです。
 一緒に写っているのは栗三笠。 一口サイズの栗入りどら焼き。 こっちはつぶあんです。 生地ふわふわ。

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2020年06月04日

タブレットが・・・

 タブレットで、マンガを読んでいたのである。
 青池保子『アルカサル ‐王城‐』、全13巻。 カスティリア王ドン・ペドロ一世の一代記。 勿論全部通して何度か読んだことはあるのだが、また読みたくなってしまって。 最初の1・2巻だけ、のつもりでいたのだが(結構昔のマンガなので一冊のページ数がものすごく多いので・・・)、結局最後まで読む気に。 というか途中でやめられなくなってしまって。
 電子版だと一冊の内、今自分がどのあたりのページを読んでいるのかわからないので、心構えができていないうちに最後のページになってしまい、「ここでやめられない、次!」となってしまうのだ。
 ところが・・・。

  アルカサル06.jpg 6巻の途中で「ダウンロードできません」と中央で白い輪っかがぐるぐる回る、グレーのページしか出てこない。
 な、何故に!
 一回閉じて、もう一度開こうとするが同じ。 「SDカードが他で利用されています」みたいなメッセージが出る。 データの保存場所をSDカードに設定していたのです。 他のアプリなどは何も使っていないのに、とストレージを確認すると、32GBのSDカードのうち30GB近くを使用していることがわかる。 ダウンロードしたすべてのマンガをそのままにしていたからか・・・といろいろ削除した(クラウドにはずっとあるので、次に読みたいときにまたダウンロードすればいい)。 これならいいだろ、とまた『アルカサル』の続きを読もうとするが・・・同じだ!
 ヘルプを見たら、「タブレットを再起動してください」とある。 再起動した・・・が、同じだ!
 「それでダメならお問い合わせください」となっているが・・・これでお問い合わせはちょっと・・・続きが読みたいんだよ!
 アプリを削除し、インストールし直す。 ・・・ダメだ。
 SDカードをフォーマットし直す。 すると、「SDカードが破損しています」というメッセージ。 なんだと? 読んでる途中に壊れるとか(特にこれといった心当たりはないのに)、ひどくない?
 他に使ってないSDカード(勿論、マイクロSDですよ)あったっけ? あっ、16GBが一枚ある!
 アプリの保存場所を本体に替え、SDカードを取り替える。 再度保存場所をSDカードに設定し直し、『アルカサル』をダウンロード。
 おおっ、無事に開けた!
 ・・・というわけで、13巻まで全部読み終われました。
 もし読んでいるのが『アルカサル』でなければあきらめたかもしれないなぁ。 無事に解決してよかった。
 予備のSDカードの存在って大事・・・また買っておこう。

ラベル:電子書籍
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2020年06月03日

ビール職人のレシピと推理/エリー・アレグザンダー

 一作目を読み終わり、「事件はどうということはないけど、主人公の今後が引っ張るわ」と思い・・・でも4月に買ったばかりのはずの二作目が行方不明に(汗)。 まぁ、よくあることなのでそのうち出てくるわ、と引き下がっていたら、「えっ、こんなところにあったの!」とまったくの死角で見つかりました。

  ビール職人のレシピと推理.jpg なんと一作目の数週間後からスタート。
 ドイツのバイエルン地方に似ているのが売りの小さな町レブンワースで、今年もオクトーバーフェスト(ビール祭り)がやってきた。 ビール職人のわたし(スローン)は、ブルワリー<ニトロ>で新作のビールの開発に取り組んでいる。 <ニトロ>の経営者ギャレットにとっては初めてのオクトーバーフェスト。 そんなとき、ビールをテーマにしたドキュメンタリー映画の撮影隊がレブンワースにやってきた。 映画以上にドラマティックな人間模様を背負ったスタッフたちにわたしは困惑するが、その中の一人が倒れて死んでいるのが見つかって・・・という話。

 田舎町で一か月もしないうちに殺人事件が立て続けに起こり(連続事件ではない)、同じ人物が発見者というのはさすがにできすぎだろ・・・となってしまうのだが、コージーミステリ世界ではそういうことを言ってはいけないのだ。
 結局のところ、スローンの人生の過ごし方を見るというか、義父母の愛情を素直に受け止められるかに辿り着くまで(出生の秘密?についても)の話なのかなぁ、と。 だから殺人事件も起こるけど、結構どうでもいい(スローンも探偵気質ではない)。
 今回は更に新しいクラフトビールについての説明が興味深く、前作ではあまりなかった料理についての描写が多くなるのがポイントか。 手の込んだものではないんだけど、ビールを使ったマリネ液に浸しておいたソーセージを焼くとかおいしそう! オクトーバーフェストのテント内で出される料理もおいしそう(スローンは作っていない)。
 困った夫・マックについてのツッコミが足りないが(彼の言いたいことが他にもあるのだろうけど)、それもシリーズが続く前提なのか。 新しいキャラも登場したし、前作からのキャラもさらに濃くなってるし、これはこれで愛すべき世界だなぁとしみじみ。
 ビールを飲めない自分がつまんないわ、と思わされるのがちょっと寂しい。

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2020年06月02日

あなたたちこそですよ!

 JR西のある電車に乗った。 ふと気づくと、普段とはちょっと違うアナウンスが耳に入る。
 さわやか系のはきはきとした喋り、でも押しつけがましくない穏やかさ。 だからすっと耳に入ってきた。
 「少しずつですが、日常が戻ってまいりました。 医療従事者のみなさまをはじめとして私たちの生活を支えてくださっているすべての方々に感謝を申し上げます。 ありがとうございます」
 うん、そうですね。 でも、列車運行に携わるあなたたちもまた、エッセンシャルワーカーではないですか! こちらこそ感謝です! でも自分たちのことには一切言及しないその感じに、なんだかあたしは泣きそうになってしまいました。
 「ですがこの先の第二派に備える感染拡大防止のため、時差出勤・テレワーク・マスクの着用・咳エチケットなど、みなさまのご協力とご理解をお願いいたします。 お客様にはいつもお願いばかりで申し訳ございません」
 お客様にはいつもお願いばかりで申し訳ありません!、ですと!?
 何をおっしゃるやら! “お客様”が結構いろいろとご迷惑をかけていることを知っていますよ!
 なんだかそのお気遣いにも、なんか泣けてくる・・・。

 そうだよ、大事なことはこういうことよね。
 他者へのリスペクト! 「自分はこんなに我慢しているのに」ではなく。 それぞれ個人の事情は誰にもわからないのだから、表面的な一部のことだけで勝手に判断するのは危険。 自分だって、一部を切り取られて他の人からどう見られるかなんてわからないし、短絡的な発想はしちゃいけない。
 こんな、敬意と気遣いを最初から示されたら、自分もそうしようって思うよね。
 プラスの連鎖、それこそはきっと分断を避けるためのいちばん手軽で簡単な方法。
 この電車に乗って、よかった。 このアナウンスを聴けてよかった。
 そんな6月のはじまり。

posted by かしこん at 03:21| Comment(0) | 日記のようなもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする