2020年03月08日

ザ・チェーン 連鎖誘拐/エイドリアン・マッキンティ

 よく見たらこれシリーズものじゃないじゃん!
 エイドリアン・マッキンティの<ショーン・ダフィーシリーズ>の舞台はアイルランド、しかし本作の舞台はアメリカ、そもそもショーン・ダフィーは出てこない!
 単独作ですよ、じゃあいきなり読んだっていいじゃないの。

  ザ・チェーン連鎖誘拐1 エイドリアン・マッキンティ.jpgザ・チェーン連鎖誘拐2 エイドリアン・マッキンティ.jpg <ザ・チェーン>は鎖であり、がっちりした輪っかでつながっていくもの。
 連鎖誘拐とは・・・「お前の娘を誘拐した。 返してほしければ、他人の子供を誘拐しろ」という電話がかかってくるという・・・。
 多くは言えない!
 しかし自分の子供を誘拐したのは、子供を誘拐された別の親で、お互い子供を殺したくないけれど自分の子供が殺されるというならば誰の子供でも殺す、という親ならではの共通認識がこの物語を恐ろしいものにしている。 何が起こるかわからないが、起こるならば悪いほうだろうという予兆に満ちており、上巻はものすごい勢いで読んでしまう。 あたしは子供がいないが・・・誘拐される子供たちと同年代の親はこれを読んで平気でいられるのだろうか?、と感じてしまうほど恐ろしい。
 が、下巻に入ると若干失速?
 この連鎖誘拐システム<ザ・チェーン>を仕切っているのは誰か・・・に触れてくるとスローダウンで、なんかもったいない感。 しかも「え、今ここで、それ、書いちゃう?!」という、フェアを意識するあまりか手掛かりを堂々と開示してくれるので、真実が明らかになる次の章終わりの最後の一行で驚けない!
 とはいえ、傑作が多々ある“誘拐もの”ジャンルの中で“連鎖誘拐”というワンアイディアで突っ走ったのは素晴らしい。 登場人物に対して感情移入か共感の境目ぐらいの距離間を保たせるってのも絶妙。 巻き込まれて死んだ人がただただ哀れ。
 悪意にはいつ牙をむかれるかわからない。 面白かった!、と素直に言えないくらい心臓に悪い。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 16:30| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする