2020年03月29日

ピッツァ・マルゲリータ!@ラ ピッツェリア ノブ

 土曜日、仕事のため急遽外出。 垂水へ向かう。
 仕事自体は2・3時間で終了したが・・・誰かが行かなくてはならなかった。

 無事終了し、同行してくれた先輩が、「少し遅くなっちゃったけど、ランチ行かない? ちょっと歩くけど、おいしいピザ屋さんができたのよ、最近」ということで、垂水に土地勘のないあたしはいそいそとついていく。
 それがラ・ピッツェリア・ノブだった。
 店の中央に石窯、メニューのピザはナポリ式(一枚30cm)、窯から出されたピッツァ以外はすべてセルフサービス(お水もドリンクも取り皿も各自が所定の場所から持っていく)。 お二人という店員さんで回すためにはこれしかないアイディア。
 ランチタイム営業ではあるけど、ランチセットとかはない。 というかこの店、ピッツァ意外ない!
 気持ち、ピッツァの前にサラダとか食べたかったかも・・・。 でもピッツァONLYに特化したからこそ、この店の個性がある。

  20200328ピッツァマルゲリータ垂水の.JPG ピッツァ・マルゲリータ。
 モッツァレラチーズとろとろ(伸びて伸びてなかなか切れない)。 窯は薪を使っており、端っこのカリカリ具合に対して具やソースの載っている部分はもちもち。 トマトソースもフレッシュだ。 行ったことないけど、ナポリで食べるピザはこんな感じなのではないかしら。
 直径30cmに怯んだけれど、先輩の「ひとり一枚、ペロリと食べられるよ」のお言葉に従いビスマルクもオーダー(来てすぐ食べたので写真を撮り忘れた・・・)。
 キノコの出汁が沁みわたり、ハムもなかなか。 皿に落ちたそれを半熟卵でからめとったドゥで食べるのもおいしい!
 ピザの種類が結構あったんです・・・他の味も食べたくなる・・・でも二人で二枚が限界。
 大変おいしかったです。 ごちそうさまでした。
 会計後、お店の人がものすごい笑顔で「またいらしてください」と言ってくれる。
 あぁ、飲食店はいま厳しい時期だから。 でもこのときはそんなにすいていたわけでもなかったのであるが・・・夜とかお客さん少ないのかも。
 確かに外食は不要不急ではない。 しかし少人数で、短時間なら、なんとか応援できないかしら。

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2020年03月28日

数時間の間に

 ここ数日で、ちらちらと桜が咲き始めている。
 でもあたしがよく通る道の桜はまだ咲いていない。 今日も午前中(10時頃)は、二つ三つと枝先がふくらんできた程度で、もうちょっとかなぁ、と思った。
 しかし午後(16時にはなっていない)にまた通りかかると・・・。

  20200328桜咲きました.JPG すごい咲いてる!
 咲くときは一気に花開くのね・・・。
 やはり植物はすごい。

ラベル:季節もの
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2020年03月27日

今日は13冊(重い・・・)。

 3月も終盤、新刊をため込みました。

  湖の男 インドリダソン.jpg 湖の男/アーナルデュル・インドリダソン
 インドリダソン、どこまで読んでたっけ?、ともうわからなくなっている・・・(最初の頃は単行本を図書館で借りて読み、その後文庫版を買っている)。 『声』あたりがあやしい。 もうアイスランドのミステリも珍しくなくなってきたよね・・・。

  短編ミステリの二百年2.jpg 短編ミステリの二百年 2/チャンドラー、アリンガム他
 持ったらものすごく厚くてビックリする(平置きだった、686ページ)。 でも厚さの理由は付録の評論(そういえば、1もそうだったか。 全部出てからまとめて読もうと思っていたんだった)、全6巻刊行予定。 ジャンル小説と呼ばれてしまうことに改めて驚く(あたしにとってはこっちが主流なんだけど・・・)。

  ツインスターサイクロンランナウェイ 小川一水.jpg ツインスター・サイクロン・ランナウェイ/小川一水
 『天冥の標』完結後初の新作がいかにも・・・な表紙絵、しかし中身は“漁師の話”だという。 ジェンダーフリー認識ですかね?

  もし今夜ぼくが死んだら、.jpg もし今夜ぼくが死んだら、/アリソン・ゲイリン
 エドガー賞受賞作。 フェイスブックへの自殺をほのめかす書き込み、小さな町の秘密と嘘、とイマドキ的王道ですな。

  ヒトの目、驚異の進化.jpg ヒトの目、驚異の進化/マーク・チャンギージー
 ハヤカワのメルマガで紹介されていて、面白そうだと。 「色ってなんでこんな風に見えるのか」の仕組みはずっと詳しく知りたかったし。 口絵のカラー図を見ただけで興味をそそられる。 ヒトの肌の色はスペクトル的にほぼ近いところにあるのに、何故目は細かな違いを見い出すのか。

  隠れ家の女.jpg 隠れ家の女/ダン・フェスパーマン
 2019年バリー賞受賞作。 帯の<王道スパイ小説×謎解きミステリ!>につられる。 最近のバリー賞は結構あたしの好みが多いのだ。 しかしなかなか厚いぜ(672ページ)。

  夜の谷を行く 桐野夏生.jpg 夜の谷を行く/桐野夏生
 桐野夏生が連合赤軍を描く、ということに興味があって。

  愛と髑髏と 皆川博子.jpg 愛と髑髏と/皆川博子
 幻想作品の初期短編集、復刻。 というか、解説が服部まゆみだ!
 やはりこのお二人はお互い尊敬し合っていたのだなぁ、とより確信できてうれしい。

  やじきたF08.jpg やじきた学園道中記 F8/市東亮子
 「もう少しで終わる」と言いつつ新章に入るという・・・。

  とりぱん26.jpg とりぱん 26/とりのなん子
 ついに(?)、オオバンが表紙に!

  ランド10 山下和美.jpg ランド 10/山下和美
 “この世”の世界の秘密にかなり踏み込んできた。 というか、もう10巻なんだ・・・時間は流れている、確実に。

  パパトールドミーココハナ08.jpg Papa told me Cocohana ver. 8/榛野なな恵
 リニューアルしてからもう8巻目。 だんだんファンタジーを通り越してホラーのエリアに踏み込んでいる気がする・・・というか、「こういうおとうさんがいるなら、おかあさんいなくて別によくない?」と思ってしまっている自分がいるという・・・。

  感染症の世界史【文庫版】 石弘之.jpg 感染症の世界史/石弘之
 これは新刊ではないが、緊急重版出来!、とのこと。
 この筆者の本を何冊か学生時代に読んだことあるぞ、と思い出しました(環境問題関連で)。 特に新しいことはなさそうだが、うろ覚えの自分の知識を確認しようかと思って。

 3月28日の仕事帰りに『ハリエット』を観に行くつもりでいたら・・・直前で公開延期になる(26日の夜、知りました)。
 じゃあ4月3日予定の『エジソンズ・ゲーム』も延期では・・・ハリウッド映画はしばらく公開されないのね。 単館系だけか・・・。

ラベル:新刊 マンガ
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2020年03月26日

ダンサー そして私たちは踊った/AND THEN WE DANCED

 今回のアカデミー賞国際長編映画賞スウェーデン代表、でも舞台はジョージア。 ここ数年聞くようになった国名“ジョージア”だけど今ひとつピンとこないあたし・・・“グルジア”の読み方が変わっただけだとわかっているのに、ジョージア州のほうが先に浮かんでしまう・・・。

  ダンサーそしてP.jpg <彼>と出会い、青年は羽ばたく――
 ジョージア国立舞踏団のトップダンサーを目指す青年の<運命を変えた恋>と青春の物語

 ジョージア王立舞踏団に所属するメラブ(レヴァン・ゲルバヒアニ)は日々ハードな練習に参加しながら、夜はレストランでアルバイトをして家計を支えている。 兄も同じ舞踏団にいるが真面目に練習に出てこない日も。 離婚して父親は家を出ており、年老いた祖母と何もしない母親がいるため、メラブは自分が大黒柱であることを自覚している。 ダンスパートナーのマリ(アナ・ジャヴァヒシュヴィリ)とは10歳からのつきあいだ
 ある日、舞踏団に新しいダンサー、イラクリ(バチ・ヴァリシュヴィリ)がやってきた。 空気を読まないイラクリの言動に驚くメラブだが、彼の踊りに目を見張る。 その後、世界を回るメイン団メンバーに男性ダンサーの欠員が出て、オーディションのためにメラブたちは更なる練習に身を入れるが・・・という話。
 ドキュメンタリータッチというか、「日常を切り取った」的な映像。 わかりやすい説明もなく(主人公の名前もしばらくわからない)、淡々と進んでしまう。 でもメラブの目が、表情が、肉体の動きが何かを言いたげで、ついずっと追いかけてしまう。

  ダンサーそして3.jpg しなやかな筋肉、ダンサーとして完璧っぽいカラダがすごい! ご本人はプロのコンテンポラリーダンサーで映画初出演だそうです。 でもこういう感じの俳優さん、いると思う。
 昼間寝てばっかりの母親、昔のイメージをずっと引きずったままの祖母がなかなかひどい・・・がんばろうとする・がんばっているメラブが痛々しくて健気で泣けてくる。 貧しい家、ダメな親、家計のことも考えてしまう弟、目先の方に転んでしまう兄・・・、ジョージアでも家族をめぐる悩みは同じか・・・。

  ダンサーそして1.jpg マリもいい人。
 気づけばジョージアの“旧共産圏らしき素朴さ”に目を奪われる。 設定は現在ですよね? なのにレッスン終わりに大きなプレッツェルみたいなやつを一つ買って仲間みんなでパリパリと割って分け合うとか、一昔前の部活帰りの高校生みたいなんだもの。 ほのぼのするわ〜。
 ただ踊ることは知っていても、それ以外の自己表現の仕方を知らない若者たち。 伝統舞踊だから踊りにも型があるのだろう、その型から飛び出す踊りをしたいのにできない苦悩は、昔ながらの価値観・固定された常識を押し付けられる苦しさと同じ。 でも気づかない人は気づかないから、気づいた人は余計苦しい。

  ダンサーそして2.jpg 微妙な三角関係(?)もあり。
 家族・ダンス・恋愛という、それぞれ一つで物語の題材に十分になるものを結構なウェイトで入れているので、なんかもう視線をずらす余裕がないほど。 マリの友だちのバースデイパーティーとか、貧富の差もまたせつなくて、でもそれ故に青春の輝きは増す的な。 ただ空気感はいかにもヨーロッパ映画なので、慣れていない人はつらいかも・・・(かなり早い段階で寝てしまっている人がいました)。
 とにかくメラブがなんとも魅力的。 ちょっと情緒不安定そうな表情、いたいけな瞳、バレエダンサーのような隅々まで神経がいきわたったような筋肉。 自分が世界を背負っているぐらいの構え方と、自分を含めて誰も信じていないという矛盾を無理なく抱える佇まい。
 胸がきゅんとしますよ。

  ダンサーそしてP2.jpg 成長は痛みを伴う。
 だからって、その痛みに耐えなきゃいけないのはつらい。 通り過ぎたからいえる言葉。
 映画は希望を感じさせる終わり方で、それも青春だとしみじみ。
 なんだか心が洗われた。

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2020年03月25日

市立図書館は開いたけれど

 学校の休校に合わせ、市立図書館も臨時休館した3月冒頭。 二週間の期間が明けて開館時間も元に戻りましたが・・・「サービスを、一部再開しました」のレベル。 最近、時間が間に合わなくて返却ポストに本を放り込んでばかりだったけど、今日は予約図書を受け取らねば!、と固く心に誓い、間に合うように残業を切り上げる。

  20200325図書館告知.JPG 入口にも踊り場にもこんな告知ばっかり・・・。
 前回、閉館中に来たときは中にも入れてもらえなかったけど・・・今日は中に入れた。
 しかし、椅子やらソファ的なものはすべて撤去。 新聞コーナーなどには大きな白い布がかけられていた。
 「図書館での滞在は30分以内。 会話もお控えください」である・・・。 大人と子供の利用時間も大雑把に分けている。 一部に不心得者はいるが、比較的神戸市民は頑張っていると思うけど・・・学校の休校が終わってから、街中を歩く人が格段に増えた気がする。
 危機感が足りない気がする。 でもパニックになってもよくないし・・・正しい情報を過不足なく流すしかない。

 ここのところ、手の指先がやたら荒れている。 乾燥してるから? 年だから? と思っていたら、アルコール消毒のせいだった。 「石鹸などで手を洗える環境にある場合はそちらを優先」にしたら、だいぶよくなった(しかしまだ荒れている)。 それでも世の中にはちゃんと手を洗わない人はいるよ・・・気が緩んでいるというか、危機感を持っていない人は一定数いるのかもしれない。 でも今日、東京で感染者40人以上ですよ・・・休校が終わったから、と行動が活発になっている感。
 そう言うあたしも毎日仕事に行くし、帰りに本屋に寄るし、図書館にも寄る。 デパートやファッションビル、スーパーやコンビニにも行くし・・・まぁ必要だから出かけるわけですが。 手洗いをきっちりすればほぼ防げるはずなのだが・・・集団感染爆発は例外。 「長い自粛」に人は耐えられないからねぇ。 それでも、相手はどう変異するかわからない初めて出会ったウイルス、治療法がないのだから、注意しすぎてしすぎることはない。 あたしは改めて、気を引き締めるよ。

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2020年03月24日

本場のミルクティー@リントンズ

 神戸阪急百貨店でのイギリス展になんとか駆け込む。
 目当てはミルクティースタンド。 本場のミルクティーが紙コップで手軽に味わえる、というやつ。
 紅茶やスコーンなども気にはなるのですが、じっくり話を聞いたり目を凝らす時間がない! とにかくこのティースタンド一択! 「少々お待ちください」と言われるも、それほど待った気がせずに出てきた。

  リントンズミルクティ2.jpg カップ、意外とでかい。
 しかもかなりしっかりしたつくり。 「熱いのでお気をつけください」と言われるが、カップを持つ手にはその熱さはあまり伝わっていない。 「砂糖は入っておりませんのでよかったらこちらをどうぞ」とスティックシュガーを示され、ジンジャークッキーも一枚くれる。 しかしまず紅茶を一口、とおそるおそるカップを傾ける。 熱い、けどうまい。

  リントンズミルクティ3.jpg 水色、濃いめ。
 紅茶の味も濃い。 アッサム・ウバ系っぽいけど、茶葉一種類ではない感じ・・・でも味は澄み切っている。 ブレンドか! ミルクの量はそんなに多くなく、少しの渋み・苦味・えぐみを緩和させる程度。 なんかこれは砂糖を入れるのもったいない! 紅茶の味だけで楽しみたい!
 お店の人に聞いたところ、茶葉はオリジナルブレンドですべてケニア産とのこと。 言われてみれば、前に飲んだことがあるケニア産紅茶と後味が似ている(言葉で説明はできないが、セイロンティーとは明らかに違う。 後味が華やかというか軽い感じなのよね)。
 とはいえティースタンドコーナーは狭く、席は人で埋まっていたのでコップを片手に会場をうろうろするも、飲みながら見て歩くのは難しい。 会場から出て、エスカレーター近くのスペースで(以前はイスなどがあったが、感染症対策のためか撤去されていた)立ち飲み。 あたしは猫舌だが、紅茶はやはり熱いうちに飲むのがおいしいのでがんばって飲む。
 あぁ、このレベルの紅茶を気軽に飲めたらうれしいのに。
 ちびちび、ぐびぐびと飲んでいたせいか、次第に汗だくになって体が熱い。 体温も代謝も上がって、気分も上向きになる!
 さすが、これが本場イギリスのミルクティーか!
 あ、でも残念。 これは夜ではなく朝に飲みたい感じだったな・・・カフェインのせいか夜、更に眠くない・・・。

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2020年03月23日

深層地下4階/デヴィッド・コープ

 「それに寄生されたら最後、すべてを奪われる」というキャッチコピーと、有機体的毒々しい緑(個人的にはキライじゃない色)の表紙に、「なんかタイムリー!」と盛り上がり、何冊か読みかけの中に更に割り込ませ、一気読み。
 ・・・正直、期待はずれだったかな。 もっとシリアスなタイプのものかと・・・というかこの状況下なので、ぐっとシリアス&リアリスティックなものを読みたかったんですね。 勝手なあたしの気分です。 そうじゃなければもっと楽しめたような。

  深層地下4階.jpg 主役は、宇宙からやってきた真菌。
 1987年12月、宇宙ステーションの残骸が西オーストラリアの郊外に落ちた。 そして近隣の人たちが全員死んだ。 原因は酸素タンクに入っていた、実験用の真菌が宇宙空間・墜落など様々な困難・刺激を受けて進化し、まったく新しい形質を獲得。 それに恐ろしさを感じた米軍特殊任務専門チーム(?)は、真菌コルディセプス・ノヴァスを天然の冷凍庫を利用した軍の施設に封じ込めた。
 しかし2019年3月、チームの提言は公的に引き継がれなかった。 温暖化のせいで冷凍庫の気温は年々上がっている。 そしてもともと軍の秘密基地だったアチソン施設は、一般企業に売却され貸倉庫として使われている。
 その日の当直であったティーケーキとナオミは、施設の奥から謎のブザーが鳴り響いていることに気づき・・・という話。

 膨大な時間を飽きることなく<増殖>という目的を忘れることない真菌コルディセプス・ノヴァス視点と、人生いいことない・貧乏くじを引いてばかりのティーケイクとナオミの「ボーイ・ミーツ・ガール」的ストーリー、裏でこっそり30年前のチーム再結成、という大きく三つの軸がよりあわさることで人類未曽有の危機を回避・・・という話ではあるものの、ティーケーク(仇名、本名はトラヴィス)がとにかくお喋りキャラで、コメディ要素が半端ない。 巻き込まれる人たちも一癖も二癖もあるヘンな人ばかりなので・・・「ま、こいつら死んでも仕方ないかなぁ」と思っちゃうんだよなぁ・・・
 真菌の描写はあまりにスピーディーな展開で、「なんか都合よすぎる・・・」疑惑が生まれるが、まぁ30年じわじわ努力してたからね、ということで。
 ダメ男トラヴィスが極限状況に至って自らを省み、成長する(しかも一目惚れしたナオミのために)、というのがこの物語の本質。
 筆者がベテラン脚本家だけあって、読んでいるときのイメージがほぼ映画。
 その後についてもう少し書いてくれてもよかったかな。 映画だと長くなりすぎるのは歓迎されないのかな。

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2020年03月22日

北欧サスペンス ダークネス:ゾウズ・フー・キル

 WOWOWプレミアにて、『ダークネス:ゾウズ・フー・キル』(全8話)を観る。
 デンマークのドラマ。 2011年に始まった『ゾウズ・フー・キル 殺意の深層』のリブート版。 「早くない?」と思ったけど、日本での『ストロベリーナイト』のようなことが世界各地で起こっているのかな。
 オリジナルは90分一話完結だったけど、今回はひとつの事件を45分8話連続で。 おまけに主役の刑事とカウンセラー的プロファイラーの性別を逆にするという荒業。 原作小説があるみたいだけど(未邦訳?)、どっちが原作に忠実なのかわからない。
 Those Who = People は昔覚えたイディオム。

  ゾウズフーキル ダークネス1.jpg プロファイラーのルイーセと刑事のヤン。
 若い女性の行方不明事件を解決できないヤンは、手掛かりを見直すうちに過去の失踪事件との関連に気づく。 もしやこれは連続事件なのでは・・・と上に掛け合い、シリアルキラーが相手である場合を考えFBIプロファイラー経験のあるルイーセを上司が連れてくる。
 前半はオリジナルのシーズン1第一話と大体同じ。 女性刑事と上司の信頼関係を、そのままルイーセにも当てはめている(この過去のつながりを続編に活かすことも可能?)。 またルイーセは今は様々な被害に遭って心に傷を負う女性たちのカウンセラーをしている、というのがより今日的というか。 ただ前作のイメージが強いためキャラがなかなか入ってこず、盛り上がりにくい。 しかし犯人側にフォーカスを当てた後半から一気にスピードが加速。 まぁどこかで見たことある話(北欧ミステリには結構よくある展開)ながら、キャストの熱演に引き込まれました。

  ゾウズフーキル ダークネス2.jpg キャスト渋め、全体的に青っぽい映像とか映画っぽかった。
 緯度高め、湿度と気温が低めの空気感、いいわぁ。
 まぁ、虐待と暴力がすべての根源というひどい話なんですけれども。
 でも90年代はこういうのを描くのが北欧ミステリのすごさであり売りだったのに、今では全世界がほぼこうなっているのが・・・いやいや、隠されていた事実が表に出ただけのこと。
 ボスのキャラが活かしきれていない(吹替はモリジュンだし!)などもあるので、ぜひシリーズ化を期待したい。

  ゾウズフーキルP.jpg オリジナル版『ゾウズ・フー・キル 殺意の深層』
 なんだか懐かしい。 こっちはこっちで好きでした。 ヤコブ・セーダーグレン、ラース・ミケルセンなど見覚えあるキャスティングが豪華だったなぁ。

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2020年03月20日

エスケープ・ルーム/ESCAPE ROOM

 「おっ、なんか『CUBE』っぽい感じ? ちょっと『SAW』の雰囲気もあり?」とポスターと予告を観て思う。 となると気になるのが人情じゃないですか。

  エスケープ・ルームP.jpg この部屋から、生き残れ。
  全米スマッシュ・ヒット!ハイコンセプト・脱出・スリラー

 アメリカの大都市シカゴのある巨大なオフィスビルに、賞金のかかった脱出ゲームの招待状を得た6人の男女が集まる。 才能ある理系女子大生だが引っ込み思案のゾーイ(テイラー・ラッセル)、表に出られないフリーターのベン(ローガン・ミラー)、イラク帰りの陸軍兵アマンダ(デボラ・アン・ウォール)、投資家として成功しているジェイソン(ジェイ・エリス)、甥にゲームを勧められたトラック運転手のマイク(タイラー・ラビーン)、脱出ゲームマニアのダニー(ニック・ドダーニ)。 お互い自己紹介し、面接を待っていたらすでにゲームは始まっており、部屋に散りばめられたヒントを集めて脱出しなければ命の危機が・・・という話。

  エスケープ・ルーム5.jpg ほら、部屋がオーブンレンジになっていく。
 わー、仕掛けがでかいなぁ、と口あんぐりになりそうになる。 ちょっとずつ彼らの過去や心の傷がわかる流れは親切設計だが、大ネタへのヒントにもなっているのでラストの意外性がそがれる。 むしろ人数を少なくして個人を掘り下げようとした努力を買いたいのだが・・・いかんせんこういうジャンルはスピード感が命でもあるので、そのせいでサバイバルスリラーとしての構成が微妙なことになってないだろうか。

  エスケープ・ルーム4.jpg 引っ込み思案の天才少女がカギを握るだろうことは冒頭から感じられるのですが、彼女の内気振りがどれくらいなのかよくわからず(同じく内気で人見知りなあたしから見て「えっ、そこでいきなりそんなことする?」と感じられたところあり)、若干の違和感。 ゲームの進行につれて参加者たちと慣れてきて言えるようになるならわかるんだけど(だから中盤以降は違和感はなかった)。
 マイク役は『ニュー・アムステルダム 医師たちのカルテ』の精神科医の人だし、キャストは映画的には無名でも実力のある人たちなので成立している部分もあり・・・またこのコンセプトでいくらでも続編とかつくれそうなところがなんとも。

  エスケープ・ルーム3.jpg 灼熱の次は極寒
 いったいこのビルの中はどうなっているのよ、と言いたくなるのをぐっとこらえる。 辻褄を考えてたら置いてけぼりになってしまう、流れに身をまかせるしかないのよ!
 リアル脱出ゲームにあたしは参加したことはないのだけれど、参加したことがあればまた印象が変わるのだろうか。
 とりあえず『CUBE』とは方向性が全然違った。 人形(マネキン?)が『SAW』っぽかったけど、それだけ。

  エスケープ・ルーム1.jpg こんな部屋もあるのよ。
 普通に2Dで観ましたが、これを4DXで公開されても・・・どうなんだろ、逆に集中できなさそう。 4DXの施設側のレベルを上げないとダメなんじゃないかな(しかしそうなると映画館ではなく、アトラクションになるのだろう)。
 うーん、面白くないわけじゃないんだけど・・・人が死んでも描写がさらっとしているので観る人を選ばないと思うし(なんとGグレード、年齢制限なし! それでも苦手な人は苦手なんだろうけど)、派手だし勢いで持っていくので最後まで見れちゃうんですよ。 でもそれだけというか・・・「ですよねー」で終わってしまうというか、藤原竜也主演のある映画のことをストレートに連想してしまうというかね〜、とにかくそれですよ。

posted by かしこん at 17:31| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月19日

ありえない満員電車

 マジか、と思った。
 駅の電光掲示板の「運転見合わせ」の文字。 今日で帰路三日連続なんですけど!
 まさか理由は・・・変わっていく画面から見つけた文字は「お客様と接触」。 これもまた三日連続。
 乗りたい方向が運転見合わせ区間なのだが、事故が起きてそれほど間がないので電車は遅れているがとりあえず動いているようだ。 行けるところまで行こう、多分途中までしか行けないけど、その間に振替輸送が決まってくれるはず。
 一昨日は「運転は再開しましたが、電車に遅れが出ています」のところだった。 昨日は逆方向の事故車両が神戸駅で停まっている(駅員さんたちが集まって話し合っていた)ところを見てしまう。 そして今日は乗っている電車が停まる。 灘駅で、「前を走る列車が三ノ宮駅にて停車しています、しばらくお待ちください」ということで・・・あぁ、先に進めないから順番待ちか、やはり神戸で止まるな、と時計を見る。 神戸阪急百貨店でのイギリス展で本場のミルクティーがティースタンドでお気軽に飲めます、というのに寄ろうと思っていたんだけど・・・COVID-19のため、19時で閉まってしまう(一階と地下は20時までらしい)。 こりゃ間に合わないな・・・。
 結構待ったので、手持ちの本がだいぶ読み進んだ。 快速・新快速に乗り換える人が三ノ宮駅でどっと降り、車内はかなりガラガラに。 なのですいた座席に座り、神戸駅まで続きを読む。
 神戸駅はホームに人があふれている。 下り方向の普通列車は運転見合わせだと(新快速のラインは運行可能、今回のみ快速も同じ線路を走ります)アナウンスされているのに、そちら側で待っている人も結構いて、列車を下りたあたしは出口まで行くのに少々苦労する。 おいおい、感染症対策に全然なってなくないか! まぁ、ホーム上は吹きっさらしだから換気は大丈夫だけど。
 降りたついでに近くのお店で紅茶葉を買う。 三連休、家にこもるおともを追加しようと。
 そのあと高速神戸駅に向かう。 ICOCA定期を駅員さんに見せて入構、これは何回やっても微妙にドキドキする。
 ホームに行くと、直通特急と普通列車が両方いて、どちらにも人がぎっしり。 これは、もう乗れない・・・次のを待つしかないな。 また本の続きを読む、後半に入ってしまった。
 しかし次の電車もまた込んでいるのである。 降りる方々がいたので乗ったけど・・・それ以上の人が乗ったね(自分もその一人だが)。 文字通り身動きの取れない状況で、列車の動きに合わせるだけ。 しばらくぎゅうぎゅうの満員電車に乗っていなかったので・・・あぁ、こんなに気持ち的に負担か、と思う(COVID-19の問題がなくてもね)。 家に帰って手を洗うまで絶対顔をさらわないぞ、と固く心に誓う。 最寄り駅に降りたときには心からほっとした。
 あぁ、どこかカフェ的なところにでも行ってJRの運転再開を待てばよかったか。 昨日・一昨日と回避できた分、今回は仕方なかったのか・・・何が正解なのかわからない。 どうすれば人身事故が無くなるのか、これだけ身近に鉄道がある地域ではわからない(あたしの地元では一年に一回あるかないかです)。
 兵庫県民は大阪に行くのに通行手形が必要になるみたいな状況だし、とりあえずこの三連休は家から出ない。 寝不足を解消するのだ!

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2020年03月18日

彼女は頭が悪いから/姫野カオルコ

 臨時閉館していた市立図書館から、「予約図書が届きました」とメールが。 これは早く読んで早く返さねば!、と図書館に行けば、入口前に平テーブルが設置され、臨時カウンターに。 利用者カードを渡して待つ。 図書館の中には入らせません、というなかなか厳重な体制であった(今はそこまでではないようですが、新聞読んだりの滞在はできないようだ)。
 これはずっと読みたかったんだけれど・・・文庫になるのを待とうと。 けれどやっぱり早く読みたいと図書館に予約したら、その時点で予約者は400人以上いたような・・・それでも文庫化される前に手元に届いたのは、これはすぐ読まざるを得ず、読んでしまったら待っている人にすぐ渡さなければ!、という使命にかられるからな気がする。 そういう衝動が、この本を読むことで生まれてしまうのだ。 そんなわけで、読み終えるまでは他の本に行くことができなかった。

  彼女は頭が悪いから 単行本 姫野カオルコ.jpg なんでしょうね、読んでいて生まれる怒りと無力感。
 巣鴨のマンションの一室で起こった、東京大学男子学生5名による強制わいせつ事件。 被害者は一人の女子大生。 だが、ネットなどで被害者がバッシングされ、彼女は「東大生の将来をダメにした勘違い女」というレッテルを貼られた。 そんな実際の事件に触発され(多分強烈に怒って)、姫野カオルコが描いた「非さわやか100%青春小説」。

 片や被害者となってしまう美咲、片や加害者となってしまうつばさ、二人が別々の場所で生きる中学生ぐらいから物語は始まる。
 やはりあたしは女だからか、美咲の主体性のなさというかぼわっと流される感じにすごくイライラしてしまう。 進学する高校のことぐらいもうちょっと考えて!
 だが家事を率先して手伝い、弟妹の面倒も見て、そのことにまったく不満も覚えない彼女の素直すぎるおおらかさに、だんだん参ってきてしまった。 大学生になってもそれって・・・敵いません、すごいです。 いい子なんだね、こういう人が「いいお母さん」になるんだよね、なってほしいよね!、と話が進むにつれ思うようになってしまいました。 だからこそ彼女の「付き合ってるからって裸の写真を撮らせるな!」とかの“迂闊な”部分にすごく腹が立ち、落ち込む。 好きな人に少しでも嫌われたくない気持ちはわかるのに、「でもそこは断らなきゃダメなんだよ!」と思ってしまう今の自分、そもそも撮るやつがダメなのに先にそう思ってしまうことについてのいらだち。 性犯罪について考えるとき、何故「被害者にも落ち度があるのではないか」という話になるのかいつも腹立たしいのだけれど、それに付随する概念が少なからず自分の中にもあることを見せつけられるから、より苛立つのだろう。
 なので後半以降、ぐっと彼女寄りで読んでしまっていた。
 だってつばさの方はほんとにつまんない人間だから。 何不自由ない家庭環境で、勉強だけしていればいい状況を作ってもらって全部自然に受け入れて、そのくせ他人には興味を持たないってなんだよお前!、という気持ちは拭えない。 勿論、類型的な父母やその親みたいなまわりからの影響もあるだろうけど、「他人のことに踏み込んだり近寄ったりはいろいろ面倒だ」と彼自身が選んでそうなったと思うから、それも彼の選択であり責任だ(対比のために、つばさの兄は途中で“まともな道”へ進んでいる)。
 あくまで「こっちは東大生なんだから、東大に通ってない、まして低い偏差値の女子大学生なんかと対等なわけないでしょう」という気持ち故に、頭の悪いやつらは人間扱いする必要はないという感覚がこの事件を引き起こしたのに、あまりに自然にその感覚が身についてしまっているから何が悪いのか気づかない、言われてもわからないという究極の断絶がそこにあって、絶望する。 描かれるのは性犯罪ではなく、自分より劣っている者はいくら貶めても構わないとする徹底的で無意識な差別意識。
 進化には多様性が必要というのは科学的な事実。 同様に人間の多様性だってあったほうがいいわけで、自分と違う人を尊重する方向に進んできたのが現代なんじゃないの?、といじめなどの非合理性に苛立つあたしなんですけど、仕事ではあいさつしない人とか見ると「おいっ!」って思っちゃう。 その人をいじめたくはならないけど、関りを持つときに「どうも信用できない」って目で見てしまうのはあたしの差別意識なのか。 自分の内面に向かい合わされる・・・。
 美咲の通う大学の先生が彼女に差し伸べてくれた手が、この物語で唯一の救いだった。 こういう大人が増えなければならないよ。

 この本が話題になって、更に「東大で一番売れる本」になったとき、東大に著者を読んでブックトーク会をやったときいて・・・その様子を記事にしている文藝春秋のオンラインで読んだ。 ・・・こじらせてる、なんかこじらせてる!、とコワかった。 これは小説の世界外の出来事だが・・・在学生・卒業生・教員の中にも「東大は特別感」ありますよね、と改めて知る。 論文やビジネス本はたくさん読んでいるかもしれないが、このイベントに集まった東大生は小説の読み方を知らないのでは・・・登場人物が思ったり考えたりしたことのファクト的正しさまで説明はしないのよ(それが登場人物のキャラを表すことになる)。
 他にも色々調べたが、東大新聞オンラインのページがいちばん客観性があるような気がする。 分量も多いし、その後のフォローもしてるし。
 フィクションをきっかけに新しい世界が、思考が開く。 これが小説の、フィクションの役割なのよ。

ラベル:国内文学
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2020年03月16日

今日も5冊。

 いつも発売日より早く出るハーパーBOOKSが、今月14日が発売日で・・・これはよくわからないと、通販で頼むことにしました。 しっかり14日出荷。15日到着、夕方に受け取る。 どうしたんだ、ハーパー。

  修道女の薔薇 マロリー.jpg 修道女の薔薇/キャロル・オコンネル
 <キャシー・マロリーシリーズ>最新刊にして邦訳がシリーズに追いつく。 この先はまだ出ていないらしい・・・これが最終巻になるのか、それとも単なる小休止で、次は単発の作品が来るのか。 待つしかないですね。

  嗤う猿.jpg 嗤う猿/J・D・バーカー
 なんと、あの『悪の猿』続編! 四猿殺人鬼が帰ってきたの? それとも模倣犯? しかも720ページもある・・・どんでん返しに次ぐどんでん返し系ですか? そして、この続きがまだあるらしい・・・この物語世界も広がるのね。

  深層地下4階.jpg 深層地下4階/デヴィッド・コープ
 かなりのキャリアを持つハリウッド映画脚本家が、満を持して発表した小説第一作。 帯に「それに寄生されたら最後、すべてを奪われる。」と・・・ウイルスではないですが、四十年前に一つの町を壊滅させたものが“深層地下4階”にいる・・・という話らしい。 これもまたウイルス外パニック小説らしい。 微妙にタイムリー。

  ときどき私は嘘をつく.jpg ときどき私は噓をつく/アリス・フィーニー
 「いったい誰を信じたらいいのか。誰が本当の敵なのか」と帯に。 交通事故で記憶喪失もの、自分には何か秘密がある系。 たとえば『シンデレラの罠』とかミネット・ウォルターズ『昏い部屋』的な?

  毒毒生物の奇妙な進化.jpg 毒々生物の奇妙な進化/クリスティー・ウィルコックス
 そういえば昔から、毒を持つ生きものには興味があった。 飼うほどではないけど、毒を持つ身とはいったい・・・とか、逆に見るからに毒を持っていそうな外見なのに無毒というギャップにもひかれた。 動物だけでなく、毒キノコとか毒のある植物も。 小学生ぐらいの頃は結構詳しかったはずだが・・・忘れてましたよ、とこの本を見て思い出した。

ラベル:新刊
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2020年03月15日

黒い司法 0%からの奇跡/JUST MERCY

 もうタイトルから内容は大体わかってしまったようなものだが・・・マイケル・B・ジョーダンとジェイミー・フォックス共演につられて。 『フルートベール駅で』の彼がこんなスターになっちゃうとは思ってなかった。 それに、日本よりアメリカの法廷もののほうがわかるような気持ちになってしまっているので・・・。

  黒い司法P1.jpg 今こそ、【真の正義】を問う
  1980年代アラバマ州。立証不可能な冤罪に挑んだ男の、心揺さぶる“奇跡の実話”

 1980年代のアラバマ、仕事帰りのウォルター(ジェイミー・フォックス)はまったく身に覚えのない罪で逮捕・拘留され、ろくに捜査もなされないまま死刑を宣告されてしまう。 一方、ハーバードロースクールの学生研修として死刑囚の聞き取り調査に訪れたブライアン(マイケル・B・ジョーダン)は、多くの黒人が不十分な捜査で起訴され、個人の権利についても伝えられないままであることを知る。 時がたち、弁護士資格を得たブライアンはアラバマ州で死刑囚を支援する団体に就職し、ウォルターの存在を知る・・・という話。
 80年代でも「黒人だから」というだけで犯人と決めつけられている・・・ということに改めて衝撃。 50年・60年代ならまだしもと感じるけれど、それが南部だからということなのか。 『アラバマ物語』を“アメリカの正義”と称える割に、それを現実とつなげない人が多すぎる。

  黒い司法2.jpg エバ(ブリー・ラーソン)は法律事務所の事務方担当、思いのほか出番は少ない。
 ブライアンとエバは仕事上の同志、不当な待遇にある・得られるはずの援助のない人たちを助けたいという気持ちの上で一致している。 まったく恋愛が絡まないのが清々しい。 ウォルターだけじゃない死刑囚たちのことも描かれているため、上映時間は少々長め(137分)・・・でもそれがドキュメンタリータッチというか、<based on a true story>の重みになっているように思う。 劇的な脚色はあまりしてなそうな感じ。

  黒い司法3.jpg ウォルターの実家で歓待されるブライアン。
 ウォルターのお母さんがいかにも肝っ玉母さん系で・・・このファミリー感、特に家の外見などが『評決のとき』のサミュエル・L・ジャクソンの役柄とすごくかぶる。 あれも南部だったから似たような感じというか、それが当時の普通だったのか。 電気椅子での死刑執行シーンは『グリーンマイル』を思い出し、「頭、ちゃんと濡らしてよ!」とドキドキする。 死刑も減り、薬物注射による執行に変わってきた昨今、電気椅子での処刑のディテールを描くことは今日的に意味のあることかもしれない。

  黒い司法4.jpg 冒頭以降、満を持しての登場のジェイミー・フォックス、オーラ消しまくり。
 なんでこんなことになったのか全く分からない中、あきらめと絶望に沈み、けれども「それでもおれはやってない」の心を燻ぶらせているウォルターの屈折加減が大変いい感じでした。 ブライアンに対しても「黒人だから」と心を開かないし。 ブライアンはブライアンで、弁護士なのに死刑囚官房の看守に屈辱的な目に遭わされたり(彼は南部の出身ではないのでそこまでの理不尽すぎる黒人差別にはあったことがなかったようだ)、「ろくに取り合ってもらえない」囚人たち(これがすべて黒人というわけではない)への共感を学ぶ。
 ジェイミー・フォックスが地味めな分だけ、マイケル・B・ジョーダンの輝きが引き立つ。 青くさい理想を抱えて現実を知り、それでも誰しもの上に平等であるべき法と正義のために立ち上がる。 検察や裁判所は既得権益を守るほうに寄るが、『60ミニッツ』に取り上げてもらい世論を盛り上げ、とマスコミを有効に使うところが時代であり、いろいろ問題はあってもアメリカが信じる自由は有効であるということ。

  黒い司法1.jpg ウォルターの静かな激情が終盤を引っ張る。
 最重要証人を演じるティム・ブレイク・ネルソン、「なんか口元がゆがんでる?」と思ってたらモデルになっている人物に似せているのだった。 今回のキャストの中でいちばん激似。
 こういう作品があるから「弁護士は正義の味方」みたいなイメージができてしまうのだろうが、ブライアンのモデルであるブライアン・スティーブンソンはまさにそのタイプ。 またそういう人が少ないから脚光を浴びるんだろうな、と・・・。 また、冤罪を晴らすことが目的になってしまうことが大半の中、ウォルターが犯人とされた殺人事件の真犯人に迫ったことまで言及するのはこの映画の良心だと思う。
 地味だけど、描くべきことはちゃんと描いている。 まさに良心的。

posted by かしこん at 17:52| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月14日

エピデミック/川端裕人

 電子書籍にて、十数年ぶりの再読。
 誤植が多くてイライラするが、「あぁ、そうだった!」といろいろ思い出す。 そして書かれていることは今の知識で十分理解ができる内容(今回の新型コロナウイルス騒動で追加された理解含む)で、現実が情報の整理と理解をこんなに助けるか、まさに百聞は一見に如かずですな、と妙に納得してしまった。

  エピデミック20200307電子版.png この絵はペストかコレラのときかなぁ。
 東京に近いC県のT市で、インフルエンザで重症化する患者が続出。 国立集団予防管理センター員でフィールド疫学が専門の島袋ケイトは現地入りし、インフルエンザとは違うものを感じる。 彼女を案内した現地の高柳医師も何かおかしいと感じる。 何もはっきりしないまま肺炎症状で重篤化する患者が増加、死者も続出。 市民たちは感染者が多い崎浜地域を封じ込めようとする・・・。

 序章からいろんな伏線・ヒントがちりばめられていて、「感染源にあたるものがいっぱいあるよ!」とドキドキする。
 だが、タイトル通り『エピデミック』=ある特定地域での感染爆発、のため、現在のCOVID-19を知った今となっては手ぬるいというか(症状は致死率が高いので全然手ぬるくない)、一般の人のパニック度合いが「おとなしすぎる・・・」と思ってしまいます。 かつて読んだときは「ひどいな」だったはずなんだけど。
 そのかわり、何が感染源なのか、そもそも病原もわからない状態で探していく<フィールド疫学>の過程がすごく面白い。 たくさんの手がかりから絞り込んでいくのはまさにミステリ的(第三部のタイトルは“疫学探偵”だし)。 予備情報としてインフルエンザ・SARSなどの感染症について詳しいことがわかる! 病院での集団感染などはリアリティ感じる! こうして医療崩壊になるのね! 飛沫感染においては手洗い・消毒・顔を触らないが最強の防御だとわかります。
 そっちの描写がしっかりしているため、小説のキャラクターの深みが弱いと感じる部分も。 川端作品に頻出する“少年”もここでは消化不良感がいなめない(終盤や後日談をもっと書いてもよかったのでは)。 でもこのもやっと感が感染症にまつわることなのかも。 多く描かれていないけれど、現在でも解決していない(というかそもそも想定されているのか?)「もし親が感染した場合、誰がその子供を見るのか」についてすごく考える・・・日本の様々な不備についても。

 だからこそ、誤植の多さが!
 文字を間違えているわけではないんだけど、地の文なのに頭に「がついていたり、文字下げできていなかったり、・が突然出てきたり、文の最後が消えていたりと、「日本語認識ソフトにかけて、文字化けだけ取り除いただけでは? チェックしてないのかよ!」という・・・紙の本を自炊にかけたほうがよかったんじゃないの、というレベルは電子書籍への信頼を損ねるものですよ。
 そういえばグラフなかったな・・・2×2表はあったけど。 単行本から文庫になる過程で省かれたのだろうか? でも筆者の謝辞は2007年だからベースは単行本なはずだけど・・・あたしの記憶がおかしいのか?

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2020年03月13日

先は長そう

 13日の金曜日だった・・・。
 あぁ、『ジュディ』いつ観に行こう、と映画館のスケジュールを参照していたら・・・今日からOSシネマが「レイトショー休止」の発表。
 ついに来た。 新型インフルエンザのときは変わらなかったけど。 世の中的な影響の大きさをひしひしと感じ・・・まだ長引きそうだなぁ、と思う。 シネ・リーブル神戸は大丈夫そうだったけど・・・あ、土曜日から夜遅い回なくなってる! 18時代後半スタートならなんとかなるかもしれないが、17時そこそこスタートはキビしい。 あぁ、観たい映画、観れないかも・・・というのは、このご時世、贅沢な悩みなのかもしれない。
 おっと、<『新聞記者』凱旋上映>のお知らせが来た109シネマズHATは通常通りレイトショーをやる! しかも『ミッドサマー』ヒット記念か『ヘレデタリー/継承』も1200円で上映するという・・・『ドラえもん』他新作映画が軒並み延期だから、穴埋めの意味もあるのだろうか。

 そして今日、いつも行くドラッグストアでトイレットペーパーを買う・・・。
 あたしはストックをなんとなく置いておく派です。 トイレットペーパー12ロールのパックに手を付けたら、上の一段(4ロール)がなくなる前に次のパックを買っておく、ぐらいの。 だから多少余裕があるわけで・・・でもちょうどトイレットペーパーパニックの前日、買うかどうか悩んでいたのだ。 しかしティッシュペーパーのほうが残りが少ない、洗剤も新しいの開けたばっかり、というわけでトイレットペーパーを後回しにしました。 その結果が、まったく買えない状況になったのだけれど、まだ家にあるし、本当に必要な人が買ったほうがいいし、と何回か別のお店で売ってるのは見たけど、スルーしてきた。 だいたい見つからない日のほうが多いし。 しかし、いつもの店に売っていた! しかもそこそこ数がある、売り切れのもあるけど4種類ぐらいある! 「お一人様一パック」とは書いてあるけど、一パックなら買ってもいいんじゃない!
 ということで、買いました・・・でもこんなにも罪悪感を持ってトイレットペーパーを買ったことはない。
 ボックスティッシュはだいぶ落ち着いてきた感。 でも地域差もあるようだ。 買いだめしない、の気持ちを胸にこの先も生きていかねば。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | 日記のようなもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする