2020年02月19日

ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密/KNIVES OUT

 「ネタバレ厳禁」といわれたら、どんでん返しがあるのだろうと否応なく期待してしまう。 ミステリとして正しい、きちんと手順を踏んでくれるやつであろうと期待する。 でもその期待って一歩間違うと予断になるのよね! むずかしい、すごくむずかしい!

  ナイブズアウトP.jfif 殺したのは誰だ!?この騙し合いに世界が熱狂!!
  空前絶後のハイテンション・ノンストップ・ミステリー誕生

 ニューヨーク郊外の古風な館で、巨大な出版社の創設者にて世界的ベストセラーミステリー作家のハーラン・スロンビー(クリストファー・プラマー)の85歳の誕生日パーティーが開かれた。 しかし翌朝、スロンビーは遺体となって発見された。 高名な名探偵ブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)は匿名の人物からこの事件の調査を依頼され、館にやってきて・・・という話。
 パーティーに参加していたのはスロンビーの娘一家(ジェイミー・リー・カーティス、ドン・ジョンソン、クリス・エヴァンス)、息子(マイケル・シャノン)ら家族たちや雇われている看護師(アナ・デ・アルマス)に家政婦(エディ・パターソン)ら、その日館にいた全員が容疑者だった。

  ナイブズアウト3.jpg 名探偵と警部補(キース・スタンフィールド)と巡査(ノア・セガン)のやりとりが楽しい。
 明らかにアガサ・クリスティー世界へのオマージュなのに、舞台がイギリスではないことに違和感(しかもニューヨーク郊外)。 名探偵ブノア・ブランって名前はフランス風なのに喋り方はアメリカ南部訛り(訛りだとは気づかず、「ダニエル・クレイグ、これまで聞いたことない喋り方だよ!、どうしたの?」っておののいた)。 名探偵が視界に入るたびにちょっと笑いが込み上げそうになって、事件ものなのにシリアスな空気が薄い。 だから館の仕掛けがどれほど大袈裟で無茶であろうとも、そう感じさせない雰囲気がある。

  ナイブズアウト1.jpg 肩から腕の筋肉がつきすぎだよ!
 白いニット着てると、特にそう見える・・・孫息子は定職も持たずにふらふらして遊んでばかり、というわりにカラダが出来上がりすぎ! クリス・エヴァンスはキャプテン・アメリカのすぐあとの撮影だったのかな、とかつい考えちゃう(ダニエル・クレイグが007体型ではなかったので余計に)。
 オールスターキャスト映画って、ほんのわずかな描写でも何か意味がありそうに映るから本格ミステリにはふさわしいのだけれど、場合によってはキャスティングでバレるのよね・・・特に原作がある場合。 完全オリジナル脚本でロジック的にも正しいミステリ、豪華キャストというのは大正解だった。 またみなさんそれぞれにあやしさ全開で、楽しませていただきました。
 しかしあたしはあまりにも穿ちすぎ、説明されていないと感じたあるひとつのことに振り回されてしまい、もっとひどい結末を想像してしまっていたのだった。 自分で勝手にレッドへリングを作ってしまったようだ・・・。

  ナイブズアウト2.jfif 名探偵、全員集めてさてと言い。
 驚いたのは、人間の本質として持ちうる“善”を全肯定しているところ・・・。
 なんていい人なんだ、ブラン。 勿論、犯罪は肯定されず、摘発される。
 映画としてもラストシーンでプロローグからの伏線がきっちりとまとまり、美しい着地。 そうか、これはゴシックミステリでもあったのか、と納得。
 でもあたしはもっとひどいことを想像していたので・・・きれいにおさまりすぎてちょっと不満。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする