2019年12月31日

贖いのリミット/カリン・スローター

 <ウィル・トレントシリーズ>、8作目。
 今年読んだ最後の本になるであろうか・・・原著は2016年だが、なんとも“今の時代”っぽい話であった。 痛めつけられる女性と子供、あらがう女性たち、でも暴力をふるう側の者たちもまたかつては子供だった、という誰も救われない話。 いや、カリン・スローターが書くのは基本的にそういう話だけども。

  贖いのリミット カリン・スローター.jpg “THE KEPT WOMAN”:守られた女? 守ってもらえた女?
 大量の血液にまみれた惨殺死体が発見された。 被害者は元警官ということで警察は色めき立つが、血痕は当人のものではなく、別の人物−女性が現場にいたことがわかる。 GBIの特別捜査官ウィル・トレントは相棒のフェイス・ミッチェルとともに現場に急行するが、近くで発見された拳銃がウィルの戸籍上の妻アンジーのものだとわかり・・・。

 このシリーズではウィルの関係者の身にいろいろ起こりすぎなのだが、アンジーに関しては「いつか必ずこういうことが起こる」のは約束されていたようなもの。 だから本作はシリーズのターニングポイントになるのかな、と思っていたけれど・・・『三連の殺意』などシリーズ最初の頃はアンジーにはカッコいいところもあったのに、どんどんイタくてひどい女になっていったのが悲しかったのだが、アンジーを再出発させるためにはこういう展開が必要だったのだろうか。
 ウィルの恋人で検死官のサラのダメ加減も明らかになり、「完璧な人間はいない」を強く印象付ける(サラの恋愛に関するグダグダは反省材料で、いたたまれなくなるわ〜)。
 そして事件では「カネのためならここまでやるのか、カネにしか価値を見出せない人生ってなんだ」と思わされ・・・そう思えるあたしは幸せなんだろうな、と感じるのがとても悲しい。
 フェイスの見せ場が少なかったのが寂しい。 彼女はとてもいい捜査官になっている。
 次回作は来年6月頃?

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 20:13| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする