2019年12月15日

いだてん 〜東京オリムピック噺(NHK大河ドラマ)

 ついに『いだてん』、最終回。
 最近もいろいろドラマは見ているが、過去にも大河も朝ドラも見ているが、録画したものをあとから見ることが多くなっている。 ここ十年ぐらいでこんなにも「最終回をリアルタイムで見なければ!」と思わされたドラマはない。 ここ一ヶ月で三ヶ月分くらい観たかもしれん、追いつくためにのつもりが、ただただ続きが観たくて。 45分がすごく短く感じてきた。
 第46回『炎のランナー』を昨日観た。 ラストシーンで東京オリンピック開会式は“明日”だったから、同じく体感一日で。

  いだてんP.jpg これは<大河>の歴史を変え、歴史に残る傑作。
 最初は・・・「東京オリンピック2020のためにお題を押し付けられて、クドカン大変だな」と思っていた。 でも第1回『夜明け前』を観て「こりゃ面白い!」といい意味で驚かされた。 いろいろめんどくさい近現代史もスポーツという題材ならさらっと描けるし、教科書に出てこないディテールも楽しめる。
 なにより、実在の人物が大勢出てくるドラマの中で数少ない架空の人物(小松くん)の人生に胸を打たれた。 それこそ、ドラマとして優れている証拠ではないだろうか。 勿論、モデルのいる人物にもワクワクさせられたし、目頭も熱くなったけど。

  いだてん1.jpg まーちゃん、こんな騒がしい主人公いない。
 田畑政治、近くにいたらイライラしそうな気がするけど、じわじわと愛すべき人になっていった。 金栗四三と嘉納治五郎がだんだんめんどくさい人になるけど冒頭から愛すべきキャラなので、そのへんのバランスも楽しめた。 特に古今亭志ん生・美濃部孝蔵の存在! 彼の語りがあるが故に「スポーツだけの話」になってなかったと思う。 森山未來のうまさに舌を巻きました。
 基本、群像劇なので「誰のこれがよかった」という話をしてたら終わらないんだけど・・・前半では中村獅童の力をあらためて見せられたし、終盤では役所広司の不在をカバーしてくれたのは松坂桃李と松重豊だった。 そして三つの時間軸をうまくまとめたのは森山未來と神木隆之介。 などなど、いい役者、うまい役者になった人、今後たのしみな人、たくさんの人が観られてよかった。

  いだてん2.jpg 個人的にぐっと来たのは、
 近代スポーツは女子スポーツの歴史でもあるところ。 かつて女子はズボンもはけなくて、足を出す短パンなどもってのほかだったし、そもそも「スポーツをする」こと自体受け入れられなかったっていうね・・・様々な偏見や葛藤を抱えての現在であることに、何度も胸が熱くなりました。 第45回『火の鳥』の“東洋の魔女”たちに号泣・・・。
 そして最終回・・・あたしは甲子園の開会式でもうるうる来てしまうタイプなので、こういうセレモニー系は弱いのだ。 そこに辿り着くまでの様々な苦労など想像してしまうからだが、『いだてん』ではその過程をじっくり見てしまっている。 ・・・泣くよ。 観客席に可児さんが嘉納先生の写真を持っているなんて、泣いちゃうよ!
 あぁ、オリンピックってお祭りなんだよな、それ以上でもそれ以下でもなく、という近代五輪の本質を世界は見失っていることに気づく。 かつてはこんなにも熱い思いでいたというのに。 いや、東京の発展にオリンピックの影の部分があることはわかっているけど、『いだてん』では未来を希望を信じることができた。 途中で挫折したり、成し遂げられなかったり、道に迷ったり、それでも、自分一人ではできなかったことが次の誰かの手によって伝わり、渡される。 そんな時間の連続性が、一年間週に一度放送されるという仕組みの中で続き、自分の生活もその中に組み込まれる。 あぁ、この感じ、『新選組!』以来かも。
 それこそ一年間、45回以上の話数で続く大河ドラマの醍醐味ではないかと。
 というか、後半は「一年じゃ足りない!」ってなってたよねぇ、書けなかったこといっぱいあったよねぇ。 特別編とかやってほしいわ!
 市井の人々の物語、『いだてん』最高じゃんねぇ!
 ありがとう、クドカン!(<新タクシー運転手>という役柄が大河ドラマのクレジットになることなんて、もう二度とないのでは)
 「〜じゃんねぇ」は使えるけど、「違う! そう!」はあたしにはむずかしい・・・。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | テレビ・テレビドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする