2019年12月14日

マリッジ・ストーリー/MARRIAGE STORY

 ネットフリックス映画は期間限定上映で困る。 いや、劇場公開してくれるだけありがたいのだが、今後もっと増えていきそうな気配。

  マリッジ・ストーリーP.jpg 

 仲睦まじい家族であったニコール(スカーレット・ヨハンソン)とチャーリー(アダム・ドライヴァー)と息子ヘンリー(アジー・ロバートソン)。 ニコールはかつて映画スターになるチャンスよりも結婚とチャーリーの劇団の女優になる道を選んだが、最近は自分のキャリアに悩んでいた。 離婚を切り出されたことで無意識にニコールに負い目を感じていたことに気づいたチャーリーだが、お互い負けず嫌いな性格が災いして離婚弁護士を雇ってしまい・・・という話。
 冒頭、お互いのいいところを朗読、素敵な思い出シーンが流れるところは多幸感にあふれていて、「なんでこの二人が離婚しなきゃいけないの?」と不思議で仕方ないのだが・・・それを理解するための136分。

  マリッジ・ストーリー1.jpg お互いキライになったわけではないのだ。
 すれ違いの果てに離れていく心。
 多分、それぞれが我慢すれば続いていく生活で、実際に我慢して続けている人たちも多いはず。 それを言われないように、ニコールとチャーリーはそれぞれ表現者というポジションなのではないか、という気がした(これはアジア的な考え方かもしれないけど、片方が片方を支えればいいじゃないかと感じてしまいそうで)。 でも実際は職業に関係なく、自分らしくいられないから結婚をやめる人たちもいるわけで。
 一緒にいることで気づかないうちに相手を傷つけ、自分も傷つく。 それが一過性のことでなくずっとなら、お互いのために離れたほうが。 きっかけは些細なことだったかもしれないけれど、取り戻すにはもう遅すぎる。
 結婚ってなんてドラマチックなんだ! 崩壊しそうになってそれに気づくとか。

 『イカとクジラ』のノア・バームバック監督らしい、会話劇。
 アダム・ドライヴァーのよさって『パターソン』とかこういう映画でこそ輝く気がする(新しい『スター・ウォーズ』のカイロ・レンを否定する気はないが)。 気が強くて賢いけどずぼらなスカーレット・ヨハンソンもすごくいい。 あたしがこういう舞台劇っぽい感じが好きだからかもしれないが。
 『イカとクジラ』では子供目線だったのに、本作ではすっかり大人目線なところにノア・バームバックの成長を感じるけれど、逆にヘンリーの気持ちはどうなるの・・・とハラハラ(この時点では彼は事態がよくわかっていないにせよ)。 でもニコールとチャーリーの気持ちはすごいわかるわー、とときどき泣きそうになる。 特にチャーリーが自分の間違いや至らなさに気づいたりするところ、それが男の人のダメでキュートなところだなぁ、としみじみしたり(ちょっといとおしいと思えたりするのは、直接自分と関係ないからだったりするのだが)。
 自分にも起こりうる話だからこそ、でも自分ではないからこそ、共感し理解できることもある。
 『クレーマー・クレーマー』は出だしでおとうさんがフレンチトーストに失敗してフライパンを投げつけ(落とし?)、怒鳴る場面がトラウマでその先を見れないまま大人になってしまったのだが、もしかしたら今ならば違う視点で見られるかもしれない。

posted by かしこん at 19:42| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする