2019年12月03日

グレタ/GRETA

 イザベル・ユペールとクロエ・グレース・モレッツ共演、監督ニール・ジョーダンときたら、これは観るしかないでしょう!
 でもあまり話題になってる感がないのは何故?

  グレタP.jpg 拾っちゃいけない届けちゃいけない

 ニューヨーク、幼馴染のエリカ(マイカ・モンロー)とルームシェアしているのフランシス(クロエ・グレース・モレッツ)は勤務先のレストランへの通勤に地下鉄を使っている。 ある日、地下鉄の車内で置き忘れられたカバンを見つけ、忘れ物取扱所にもっていこうとするが閉まっていたため、中のIDカードを見て届けに行くことにする。 持ち主のグレタ(イザベル・ユペール)はフランシスに感謝し、夕食に招待、それをきっかけに二人は急激に親しくなっていくが・・・という話。
 ここだけなら“ちょっといい話”にもなりそうなのだが・・・映画は冒頭あたりから不穏な空気を。

  グレタ3.jpg まずこの二人の関係も微妙。
 フランシスが最愛の母の死から立ち直れていない、ということがわかるのだが・・・エリカがあまりにおバカでチャラい人に見えてしまい、真面目でおかたいフランシスとほんとに親友なのか?、という実感がつかみにくい。 なにか裏があるのではないか、と勘繰ってしまうじゃないか(それも作戦なんだけど)。 それにしてもどんな場合でもフランシスの髪型も服装も決まっていて(ファッション誌のグラビアになりそうなぐらい)、「クロエ・グレース・モレッツをかわいく撮る!」という強い決意を感じさせる。

  グレタ2.jpg そこに更にイザベル・ユペール参戦!
 グレタには優雅さがつきまとう。 その余裕のある優雅さが変化するのかと思ったら・・・余裕のあるなしには変動はあるものの、優雅さは消えない! ときに狂気をふりまく度合いにも驚愕。 フランシスの働くレストランに現れたグレタの着るスーツが“ちょっと古い”感を出していてグレタの現実離れした存在を浮かび上がらせてるなと思ったら、シャネルのヴィンテージであると気づいたときの衝撃!
 そんなわけでこの二人の女優を堪能するための映画です。

  グレタ4.jpg わ、スティーヴン・レイだ!
 『クライング・ゲーム』の縁はまだ続いているのね、とわかるのはうれしいが、あなた何のために出てきたのよ・・・と言いたくなる悲しさ。 サスペンススリラーとしたらあまりにも定石通りの展開で、どうしたんだニール・ジョーダン!、どんでん返しはあきらめたのか?!
 その代わりというか、このジャンル映画へのオマージュ、ヒッチコックやブライアン・デ・パルマを思わせるシーンを挿入してきてこちらを驚かす。

  グレタ1.jpg 結局こういうことか!
 追い込まれるヒロインならばクロエ・グレース・モレッツにはすでに『キャリー』があるし、ヤバい女ならばイザベル・ユペールには『ELLE』がある。 ある意味二人の得意技のバリエーションを見せてもらうということなのか。
 説明されない謎はたくさんあるし、まるで『13日の金曜日』みたいだし(どう考えても物理的に不可能ではないかということが実行されるという意味で)、「ぎゃーっ!」と言いたくなる場面もあるし、やりすぎで失笑しそうなところもある。 なんか、「これでいいのか・・・」と気持ちが最後まで拭えない。 クロエ・グレース・モレッツとイザベル・ユペール、この二人を楽しむ映画だ!、と割り切ればいいのであろう、やはり。
 しかし・・・日本では「警察に届けて終わり」だから、この映画のような状況はありえない・・・よね?

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする