2019年11月13日

我ら荒野の七重奏(セプテット)/加納朋子

 読んでいない本にブックカバーをかけ、栞がないものには準備して(ショップカードや広告用のポストカードを切る)、出勤・外出時のお供の控えを追加しようと未読本の山の一部を整理していたら、「あ、これ読んでなかったわ」と気づく。 まぁ、読み始めればすぐ読めるからねぇ、と読み始めれば、ほんとにすぐ読み終わってしまった・・・。

  我ら荒野の七重奏 加納朋子.jpg 部活をがんばる中学生を支える親たちの物語。
 出版社の編集としてバリバリ働く山田陽子は、同時に一人息子の陽介を愛する母親。 中学生となり陽介は吹奏楽部に。 小学生の時はPTAだ自治会だといろいろ大変だった陽子は、中学校に入れば楽になるだろうと思っていたが、<吹奏楽部親の会>というものが存在して・・・という話。
 PTA小説『七人の敵がいる』の続編。

 おいおい、ちょっと待て! 陽子の夫はこんなに「いい感じの素敵なダンナさん」ではなかっただろ! ふざけているのかと首根っこつかんで締め上げたくなるような「ダメ系夫の最大公約数」だっただろ、とつい前作『七人の敵がいる』を引っ張り出してちょっと読み返してしまったではないか。 ほら、やっぱり。 なので序盤はキャラが変わった?、という違和感でいっぱい。 夫だけでなく陽子自身も。
 その後、夫のダメ振りもあらわれてきたのだが・・・確かにおなじみのメンバーも出てくるのに、微妙に<シリーズもの>感が薄い。 前作を読まずとも楽しめるように書かれているからだろうか? キャラクター小説ではなくコンセプトが先にあって、それにキャラクターを当てはめたからだろうか。 それとも、彼女たちは成長したのにあたしは成長してないから?
 公立中学校で吹奏楽をやる大変さ、それを支えるための大変さに脚光を当てているのはいいのだが・・・ほんとはもっとあるよね、各方面に気を遣ったためにいまいち踏み込みが足りないような気が。 三年間を7章で収めているために、ディテールが少ない感じで物足りない!
 まぁ、それは『七人の敵がいる』も同じで、一冊で六年間だから・・・陽子の仕事についても具体的な描写は避けているのが気になったし(そっちを描いてしまったらPTAのほうに集中できないという事情はわかるのだが)。
 そう、もっと細かいところまで読みたかったのかもしれない。
 もう中学生のときのように繊細でも尖ってもいないですが、でも中学生だったときの気持ちは覚えているから。

  七人の敵がいる 加納朋子.jpg こっちのエピローグの話はどこに?
 2010年の作品なので陽子の無神経発言は大目に見れますが、多分PTAのことはそんなに変わっていない気がする・・・日本の教育の脆弱さをみせつけられる感じがして、なによりホラーなんですけど。

ラベル:国内文学
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする