2019年11月04日

イエスタデイ/YESTERDAY

 音楽映画、次はビートルズ!
 ダニー・ボイル&リチャード・カーティスの組み合わせなら素敵なコメディに違いないじゃない。

  イエスタデイP.jpg 昨日まで、世界中の誰もが知っていたビートルズ。
   今日、僕以外の誰も知らない――。

 小さな海辺の町で、ホームセンターでアルバイトをしながらシンガー・ソングライターとして活動しているジャック(ヒメーシュ・パテル)は、幼なじみで学校教師のエリー(リリー・ジェームズ)がマネージャーをしてくれているがまったく目が出ず、そろそろ夢はあきらめて堅実に生きるべきではないかと考えていた。 そんなある日、全世界で12秒間停電が起き、その間バスと接触事故を起こしたジャックは意識不明となる。 昏睡状態から目覚めたら、世界には<ザ・ビートルズ>が存在していないことに気づき・・・という話。
 伝記映画ではなく、あくまでビートルズの音楽は映画の素材。 でもそれがよかったと思う。

  イエスタデイ2.jpg 退院祝いにギターをもらう。
 それで爪弾いた“イエスタデイ”で思わず涙腺が緩む。 ジャックの歌がうまいとかではなく(いや、下手ではないけど)、彼のこれまでの葛藤が歌詞に反映されているからなのです。 心情に沿った歌詞の曲を持ってくるというズルいけど刺さる手口がいかにもリチャード・カーティスです(なんでビートルズがいないのかの説明もしないまま、なのも)。 “ヘルプ!”もぐっときた。
 「“Fix You”なんて“イエスタデイ”の足元にも及ばない!」とさりげなくコールドプレイをディスったり、ビートルズの存在しない世界にはオアシスもいなかったり、『ホワイトアルバム』の提案に対して「コンプライアンス的にそれは・・・」と却下されたりするイギリス的なギャグの数々には大笑いはしないけど、ついクスリとしてしまうものがある。

  イエスタデイ1.jpg エド・シーラン・・・。
 ビートルズに影響を受けていない若者世代の代表としてか、よく出演してくれましたねのエド・シーラン、ジャックの歌う“ザ・ロング・アンド・ワイディング・ロード”を聴いて敗北したといじける姿はとてもキュートだった。
 「誰が歌ってもビートルズの歌の素晴らしさは伝わるのね」と思ったけど・・・ふと気づく。 時が流れても歌は生き残るのではないか、たとえ作者の名が残らなかったとしても。 『きよしこの夜』はスコットランド民謡というだけで誰が作ったのか今ではわからないように、何百年何千年単位で考えたら作者は誰かなんて気にしなくなるかもしれない(クラシックの音楽家の名が残っているのは曲にタイトルがないから、「〇〇の何番」という言い方をしているせいでは)。 あとメロディと歌詞の合わせ技ね!
 エヴァーグリーン、永遠の輝きという言葉が頭に浮かぶ。

  イエスタデイ4.jpg リリー・ジェイムズかわいすぎ!
 エリーはすごくかわいいんだけど・・・よく考えたら<ちょっとイヤな女>なのよね! かわいいのでうっかりしてしまいそうですが。 ジャックの普通っぽさも微笑ましく、そのへんのゆるさがいかにもイギリスのラブコメディ、更にワーキングタイトル配給作品という感じ。
 いろいろ腑に落ちないことはあっても精いっぱい人生を生きよう的な前向きさですよ。
 もっとビートルズの曲が聴きたい!、と思ってしまうつくりはまさに「ビートルズへのラヴレター」。 リアルタイムのファンの方々はどう感じるのかわかりませんが、あたしはビートルズの偉大さを示す映画だったと思う。
 停電のシーンで東京タワーが出てきたけど、日本のテレビ局はなんか日本ではなかった・・・いつになったら日本はそれなりに正しく描かれるのだろうか、ちょっと気になった。

posted by かしこん at 18:38| Comment(2) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする