2019年11月02日

チャイルド・ファインダー 雪の少女/レネ・デンフェルド

 たまたまタイミングで、一気に読んでしまった。 買ったときに持っていた本が重く、こちらを読み始めてしまったため。
 「ファンタジー的な要素が混じりこむ」と訳者あとがきにあったのでそういうテイストなのかと思いきや、予想以上にハードで残酷な事実を容赦なく提示する。 やべぇ、やられた。

  チャイルドファインダー 雪の少女.jpg 原題:“The Child Finder”
 <子ども見つけ屋>と呼ばれるナオミは行方不明の子供たちを見つけ出すことに人生のすべてをかけている。 そんな彼女のもとに、オレゴン州で3年前5歳で突然姿を消したままの少女マディソンを見つけてほしいと依頼が。 マディソンの母親以外は誰もが少女は死んでいると思っている。 ナオミはマディソンの足跡を一から辿り直すことにする・・・という話。

 ナオミがマディソンを探す過程と、突然違う世界に入り込んでしまった“スノウガール”のパートで構成される。
 このスノウガールパートが思いのほか多く・長く、読むのがつらい! しかし読んでいかないと先へ進まないので・・・「子供がこんな目に遭うのはおかしい!」と憤ることができる自分の感覚はまともであると感じられるというか、ほんとに怒りがわいてくるよ。
 しかも、ナオミ自身もどこからか逃げてきたらしいが記憶がないという過去を抱えているという、ありがち展開ながらそれがなくては始まらない話になっており・・・誰にでも起こりうることかもしれないけれど、そうじゃないかもしれないという救いもちょっとある。 そう思ってはいけないのだが・・・。
 ナオミの過去の調査例から、虐待で最もひどいものは無視・ネグレクトで、それに比べれば暴力をふるうほうがまし(無視されると自我が育めない、自分がいないまま。 敵がいることで自分と相手を区別できるので、回復過程で明確な差が出る)、という結果はひどいよ・・・仮に助け出されても、その後に適応できるかどうか難しい、まさに人生を破壊された行為。
 ・・・あぁ、つらい。
 現実に今も起こっている出来事だからこそ、安易にハッピーエンドだけで終わらせないということなのだろう。
 ナオミの過去に迫る続編が本国では刊行されているようである。 日本版も出るといいが。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする