2019年11月09日

特捜部Q 自撮りする女たち/ユッシ・エーズラ・オールスン

 ハヤカワ文庫新刊で<特捜部Q>が出たので、「ならばもう図書館で待たずに借りれるな」と思ったわけです。 ポケミス版、すぐに借りられました。 シリーズももう7作目ですよ・・・全部読んでいるけれど、記憶がごっちゃになってきている部分はあるけど。

  特捜部Q07自撮りする女たち.jpg “SELFIES”:自撮り写真
 未解決事件を専門に扱うコペンハーゲン警察の特捜部Qに予算削減と解体の危機が。 チームの一員・ローセの精神的不調(前の事件からの影響)で報告書を上げられず、警部補のカール・マークは上層部の陰謀にどう対処するか考える。 そんな中、元上司から最近発生した事件がかつて自分が捜査していた未解決事件と似ているという電話がカールのもとに入る。 だが世間ではまた別の事件が起こっていて・・・という話。

 なんでシリーズが続くと「その部署を解体させよう」という流れが必ずと言っていいほど入ってくるのだろう・・・『相棒』も『CSI:マイアミ』もそうだったし。 利権を絡ませたいの? 知らないところで利権は生まれてしまうものなの? “部門の危機”で話をつなげようとしているのではと感じてしまうんだけど、それはあたしが世間を知らなさすぎるのか?
 とはいえ今回のメインは“自撮りする女たち”。 苦労や努力はせずにおいしい目にだけあいたいという人たちと、そんな社会保障にぶら下がる態度を快く思わない者の憎しみ合いなのだけれど、立場は正反対に見えて本質は同族嫌悪なのではないかと感じられて・・・共感できるできないの域をこれまでのシリーズ作以上に越えてしまったような。
 が、今回の主役はむしろローセである。 彼女の背負ってきたもの全部が明らかにされ・・・とにかくつらい。 カールの反省が少なすぎる!、ぐらいに感じるのだ。 だから少なからず連動している複数の事件ですら、ローセのことよりはるかに軽くなる(むしろ「どうでもいい」です)。 今回、いつものようにカールとアサドは身の危険を感じることはほぼないですが、その分ローセをあまりにもひどい目に合わせすぎ! ほんとにひどい! ここにいくまでに助けの手はなかったのかとつい思ってしまうけど、周囲の人間にとっては「そこまでだと思っていなかった」部類になってしまうんだな、と・・・自分ももっとまわりに目を向けなければ、自分の尺度で判断しないようにしなければ、と自戒する。
 それにしても今回、Qの地味なメンバー・ゴードンの存在意義を初めて感じたよ・・・みんなローセが大好きということです。
 次はアサドの秘密(?)だろうか。 でもそれはあとにとっておいて、むしろカールがQに来るきっかけになった事件を先に解決してほしい。 ハーディの調子もよくなってきているみたいだし、決着がついてほしいです。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月08日

今日は5冊。

 ここ最近、朝晩はひんやりしてきた。 とはいえ昼間は20℃あるし、駅から仕事場まで歩くとあたしは結構暑い(どうもあたしは人より歩くのが多少速いらしく、運動量多い?)。 だからまだ上着をはおっていないのであるが、ストールは巻いてるし手袋も持っている。 しかし仕事場の人には「なんか、薄着じゃない?」と言われてしまう・・・だって最低気温はまだ2桁だよ、あたしの<寒い>の基準にはまだ入っていないのです。

  くらげが眠るまで 文庫版.jpg くらげが眠るまで/木皿泉
 シナリオ集。 これはイッセー尾形&永作博美のドラマ観てました。 しかし帯に「初期の傑作」的なことが書いてあり・・・そうか、木皿泉の初期作品なのか、と驚く。 確かに『すいか』より前でしたが、当時「シットコム的シチュエーションコメディが書ける人」というイメージはあった気がする。 『やっぱり猫が好き』の評判だったのかな?、と自分の記憶の曖昧さを確認。 とはいえ覚えていることであればそんな昔のイメージはないのだけれど、このドラマは20年近く前だそうです。 ショック。

  アースクエイクバード.jpg アースクエイクバード/スザンナ・ジョーンズ
 「イギリス人が日本を舞台にした推理小説を書いて、英国推理作家協会賞を受賞」って結構すごいことだと思うのですが、2001年に単行本が出たっきりだったところを映画化に合わせて文庫化。 11月15日からNETFLIX配信開始、現在一週間限定でシネ・リーブル神戸で公開中。 観に行けるかな・・・。

  スパイたちの遺産 ジョンルカレ.jpg スパイたちの遺産/ジョン・ル・カレ
 『寒い国から帰ってきたスパイ』・『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』、続編。 スマイリーの弟子ピーター・ギラムの引退後・・・ということらしいが、映画『裏切りのサーカス』でベネディクト・カンバーバッチが演じたピーター・ギラムがすごくよかったのでそのイメージで読みたくなる。

  紙の罠 都筑道夫.jpg 紙の罠/都筑道夫
 都筑道夫もまた再評価の流れです。 むしろあたしは日下三蔵氏の仕事を追いかけているのかもしれない。

  アルスラーン戦記12.jpg アルスラーン戦記 12/荒川弘 原作:田中芳樹
 コミック版ももう12巻ですが、これが原作のどのへんにあたるのかちゃんと意識していない。 原作のほうは完結する(した?)みたいですが、あたしの中では角川文庫版で止まっている・・・。

ラベル:新刊 マンガ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月07日

ホット・ゾーン/Hot Zone

 ナショナル・ジオグラフィックチャンネルにて、あの『ホット・ゾーン』をドラマ化した、というのをケーブルテレビの10月号で知る・・・「おぉ、なんだか懐かしい!」と思いつつ観ようと思っていたのだが・・・放送時間が他とうまくかみ合わず、オンデマンドにて全6話をじわじわと鑑賞。
 リチャード・プレストンの原作『ホット・ゾーン』を読んだのは90年代半ばぐらいだったかしら・・・内容が鮮烈で、ものすごく印象に残っています。 そのあと映画『アウトブレイク』が出たり、“パンデミック”という言葉が当たり前になったりと、ウィルス拡散系の話のエポック・メイキングになったルポルタージュだったかな。
 それが何故、今映像化されるのかはあれだが、ディテールまできっちり描けるのもナショジオで放送されるからだわ!

  ホットゾーン ドラマ.jpg しかも主演はジュリアナ・マルグリーズだ!
 1989年、ヴァージニア州レストンの研究施設で、フィリピンから来たカニクイザルが大量死。 調査を依頼されたアメリカ陸軍感染症医学研究所の獣医病理学者ナンシー・ジャックス(ジュリアナ・マルグリーズ)は、それがエボラ出血熱であることを突き止める。 感染しているサルは他にいないか、サルと接していた人たちに症状は出てないか、いたずらに情報を流すことでパニックを引き起こしてはならず、しかし感染拡大は確実に防がなければならない・・・。

 思いのほか原作通りというか、「こういう場面、あったなぁ」と映像で出されて本を読んでた内容を思い出すというか。
 しかしキャストが豪華ですよ。 ジュリアナ・マルグリーズ、『グッド・ワイフ』のあとどうしているのかと思ったらこれに出てたのか(日本語吹替版で観たので、野沢由香里だと思ってたら塩田朋子だった・・・それはそれでよかったです)。 ナンシーの夫ジェリー・ジャックスはノア・エメリッヒ(山野井仁)、ナンシーの同僚はトファー・グレイス(平川大輔)、ナンシーの恩師で70年代アフリカでエボラに出会っている学者はリーアム・カニンガム(てらそままさき)、CDC職員ジェームズ・ダーシー(三上哲)などなど、吹替版キャストも豪華。 映画以上の制作体制なのだろう。
 それにしても1989年当時の人々の危機管理の甘さがもはや恐ろしい。 勿論専門家はバイオハザード・レベル4での取り扱いなどちゃんとしてるけど、上の人たちはしっかり理解できてないし。 とはいえ最大の危機を教訓として、次へ備えることができるのは素晴らしい(これ、日本でできているのかと非常に不安になる・・・あらゆるジャンルでね)。
 いま映像化したのは技術レベルとして可能になったからということもあるだろうけど、いま一度原点に立ち返って“感染拡大”について誰もが心構えをしよう!、最近ないがしろになっていませんかという問いかけのようだ。
 エボラ出血熱の感染爆発は西アフリカあたりでは定期的に起こっている・・・収束するのにどんどん時間がかかっている・・・だからこそ知っておくべきだ、ということなのでしょう。 ウィルスの進化は常に人間の想定を超えて進むからね!

ラベル:海外ドラマ
posted by かしこん at 23:35| Comment(0) | WOWOW・CATV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月05日

ジビエの季節だ! @Vis−aーVis

 今年もジビエの季節がやってきてるぜ!、ということで友人たちと画策、今回は3名にて。 いつものフレンチに連絡してみると、「雷鳥と森鳩、山ウズラはご用意できます」とのこと。 結構前から予約した。 さあ、ジビエだ!

  20191102ヴィザヴィ1.JPG 食前のお楽しみ:鴨の燻製
 ひとくち前菜はカモの燻製。 スモーキーなフレーバーとちょっと塩気が強い感じが、粒マスタードたっぷりつけてもさわやかな酸味にしてくれる。 ワイン飲める人はこれだけでグラス一杯いけるのでは? しかし酒が飲めないあたしは、これから始まるコース料理を迎え撃つ気満々だ!(おなかがすいていたのです)。

  20191102ヴィザヴィ2.JPG 前菜:帆立貝と季節野菜のサラダ
 ホタテが、表面が香ばしくて中が甘くて、うまい。 野菜の中に見慣れぬしおしおしたものがある、と思ったらそれはなんだか紫蘇っぽい味で、「バジルの仲間?」と悩んだが訊くの忘れた・・・トウモロコシのスプラウトも一つの中にいろんな味がする。

  20191102ヴィザヴィ3.JPG かぼちゃの軽いクリームスープ
 クリームスープなんだけどほんとに軽いのよねぇ! さらりとしているのに味は奥深く、たっぷりのキノコがいい食感を。 いちばん底には煮とろけそうで溶けていないかぼちゃのかたまりが。 おいしい! 魔法のスープジャー(空になったら蓋をしめるとまたいっぱいになる)にこれがいつも入っててほしい!、ぐらいの。

  20191102ヴィザヴィ4.JPG 魚料理:イカとアサリの軽い煮込み
 魚の切り身じゃないけど、ソースはいつものベルガモット風。 イカ、大好きなのでこういうのもうれしい。 イカ、うまい! アサリ、おいしい! ソースをパンでぬぐいまくりだ!

  20191102ヴィザヴィ5.JPG 肉料理:雷鳥のロースト
 出ました、ライチョウ!
 今回であたし、ライチョウ三度目ですが・・・毎回味が違うのです。 だからこういう味って言えない!
 ただ比較すると・・・レアじゃないけどレアっぽいというか、フレッシュではないのにフレッシュな感じがするというか・・・若いのかしら? 味はつかめないけどおいしい。 ボリュームは結構あるのにペロッといっちゃったよ! セロリ根のマッシュがソースとよく絡み、またしてもたっぷりキノコといただきます。 パンも二個目食べちゃった!

  20191102ヴィザヴィ6.JPG イチジクのコンポート
 イチジク丸ごと一個! 見た目からキレイ!
 しかしシロップにシナモンが浸してあるようで、しかも白ワイン使ってる・・・火を入れてアルコールは飛ばされているにもかかわらず、二口ぐらいであたしはヤバい感じになってしまい・・・心臓の動きが速くなってるよ、口も重くなっている。 酔っぱらってる!
 ということでデザート盛り合わせを頼んでいた友人YMさんと皿をチェンジ。 おいしく食べていただきました(同じくイチジクを注文したもう一人と揃って、二人ともシロップまで全部スプーンですくって飲んでいたのでおいしかったのでしょう)。 あたしはキャラメルのポット・ド・クレームを食べて水を飲んで落ち着く。
 食後の紅茶とお茶菓子も出て、のんびりお喋り。
 「あぁ、なんか家にいるみたい!」とジビエ初参戦のYSさんが言う。 くつろぎすぎです、あたしたち。
 シェフから、今回は熟成7日間とちょっと早めのをお出ししました、と言われ、納得。 去年のはちょっと熟成長めだったと聞いたような。 若さやフレッシュと感じたのは熟成がまだ途中ということだったのか。
 毎年味が違うのは熟成の日数だけじゃなく、やってくる鳥の個体差−何を食べて育ったやつなのかで肉質が変わってくるから、それぞれの個性を引き立てるため熟成の日数を変えているからというお話をうかがう。 そのへんの見極めが<プロの技>だし、同じ味に出くわさないこともまた、野生の生きものを食べるジビエの醍醐味。
 いのちを、いただいております。
 大体均一に同じ味という<家畜>というのが実はすごいことであるともわかるわけです(農場や牧場によって味が違うというのも納得だ)。
 「これは、おもしろい。 ジビエにはまっちゃうねぇ」とYSさんはよろこんでくれた。 はっきり言語化できてなかったですが、あたしもYMさんもすでにはまってしまっておりました。
 「雉、入荷したら教えてください〜」と言って去る。 ものすごくおなかいっぱいです、穏やかでゴージャスな時間の余韻でとてもしあわせです。
 やっと、秋を楽しむ気持ちがすぐそばに来た。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ごはん・お茶の時間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月04日

イエスタデイ/YESTERDAY

 音楽映画、次はビートルズ!
 ダニー・ボイル&リチャード・カーティスの組み合わせなら素敵なコメディに違いないじゃない。

  イエスタデイP.jpg 昨日まで、世界中の誰もが知っていたビートルズ。
   今日、僕以外の誰も知らない――。

 小さな海辺の町で、ホームセンターでアルバイトをしながらシンガー・ソングライターとして活動しているジャック(ヒメーシュ・パテル)は、幼なじみで学校教師のエリー(リリー・ジェームズ)がマネージャーをしてくれているがまったく目が出ず、そろそろ夢はあきらめて堅実に生きるべきではないかと考えていた。 そんなある日、全世界で12秒間停電が起き、その間バスと接触事故を起こしたジャックは意識不明となる。 昏睡状態から目覚めたら、世界には<ザ・ビートルズ>が存在していないことに気づき・・・という話。
 伝記映画ではなく、あくまでビートルズの音楽は映画の素材。 でもそれがよかったと思う。

  イエスタデイ2.jpg 退院祝いにギターをもらう。
 それで爪弾いた“イエスタデイ”で思わず涙腺が緩む。 ジャックの歌がうまいとかではなく(いや、下手ではないけど)、彼のこれまでの葛藤が歌詞に反映されているからなのです。 心情に沿った歌詞の曲を持ってくるというズルいけど刺さる手口がいかにもリチャード・カーティスです(なんでビートルズがいないのかの説明もしないまま、なのも)。 “ヘルプ!”もぐっときた。
 「“Fix You”なんて“イエスタデイ”の足元にも及ばない!」とさりげなくコールドプレイをディスったり、ビートルズの存在しない世界にはオアシスもいなかったり、『ホワイトアルバム』の提案に対して「コンプライアンス的にそれは・・・」と却下されたりするイギリス的なギャグの数々には大笑いはしないけど、ついクスリとしてしまうものがある。

  イエスタデイ1.jpg エド・シーラン・・・。
 ビートルズに影響を受けていない若者世代の代表としてか、よく出演してくれましたねのエド・シーラン、ジャックの歌う“ザ・ロング・アンド・ワイディング・ロード”を聴いて敗北したといじける姿はとてもキュートだった。
 「誰が歌ってもビートルズの歌の素晴らしさは伝わるのね」と思ったけど・・・ふと気づく。 時が流れても歌は生き残るのではないか、たとえ作者の名が残らなかったとしても。 『きよしこの夜』はスコットランド民謡というだけで誰が作ったのか今ではわからないように、何百年何千年単位で考えたら作者は誰かなんて気にしなくなるかもしれない(クラシックの音楽家の名が残っているのは曲にタイトルがないから、「〇〇の何番」という言い方をしているせいでは)。 あとメロディと歌詞の合わせ技ね!
 エヴァーグリーン、永遠の輝きという言葉が頭に浮かぶ。

  イエスタデイ4.jpg リリー・ジェイムズかわいすぎ!
 エリーはすごくかわいいんだけど・・・よく考えたら<ちょっとイヤな女>なのよね! かわいいのでうっかりしてしまいそうですが。 ジャックの普通っぽさも微笑ましく、そのへんのゆるさがいかにもイギリスのラブコメディ、更にワーキングタイトル配給作品という感じ。
 いろいろ腑に落ちないことはあっても精いっぱい人生を生きよう的な前向きさですよ。
 もっとビートルズの曲が聴きたい!、と思ってしまうつくりはまさに「ビートルズへのラヴレター」。 リアルタイムのファンの方々はどう感じるのかわかりませんが、あたしはビートルズの偉大さを示す映画だったと思う。
 停電のシーンで東京タワーが出てきたけど、日本のテレビ局はなんか日本ではなかった・・・いつになったら日本はそれなりに正しく描かれるのだろうか、ちょっと気になった。

posted by かしこん at 18:38| Comment(2) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月03日

ボーダー 二つの世界/Gräns

 原作にあたる短編だけを先に読んだ。 「なんか予告編と印象が違うが、どうなるのか」とドキドキしながら観に行く。
 『ぼくのエリ』とは全然違った。 自分の中にある“固定観念”を強烈なレーザー光線で焼き出された・・・。 原作者のヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト自身が脚本を担当しているので、長編映画にすることで原作を違うアプローチで語り直したんだろうなあとわかるけど、その思い切りのよさがすごいよ。

  ボーダー二つの世界P.jpg わたしは心を嗅ぎ分ける

 港で税関職員として働くティーナ(エヴァ・メランデル)は、人の負の感情を匂いとして嗅ぎ分けることができる能力を持ち、それを仕事に活かして密輸の摘発などを行っている。 とても有能だと周囲に認められているが、ティーナは自分が醜いことを恥じ、自分の居場所はどこにもないと感じている。
 ある日、ヴォーレ(エーロ・ミロノフ)という名の奇妙な人物に出会う。 彼に何かを感じて検査をするも、あやしいものは何も出てこなかった。 ヴォーレはティーナに「また会おう」と言って去るのだが・・・という話。

  ボーダー二つの世界1.jpg 運命の出会い。
 小説を読んでいるときには感じなかったのだが・・・映像としてはっきり現わされてしまうと・・・なんというか、ティーナの「獣性の強さ」にちょっと怯んでしまう。 メイクアップは米ドラマ『グリム』のベッセンと通じるものがあるし、匂いをかぐ仕草もあまりにも人間離れ。 最初は醜い感じでもだんだんとかわいく見えてくる、というのがこの手の映画の定石だが、ティーナが美しく見えることはない(むしろ、話が進むにつれ獣感は強くなる)。 観客の受動的な共感を拒否し、能動的に前のめりにならないとこの物語の本質はつかめないようになっている。
 これは最初から観客を選ぶ映画。  その醜さは人間も持っているものなのに・・・「気持ち悪い、悪趣味」で止まってしまう人はそれまで、とばっさり斬り捨てられる。 「わかる人だけわかればよい」ではなくて、「わからない人はもう一つの世界を知りえない」という圧倒的な宣告。

  ボーダー二つの世界2.jpg もう一つの主役は北欧の夏の光。
 暗い夜のシーンがかなり少ない。 夏なので、時間的には夜でも空は明るいのだ。 けれど太陽の光がさんさんと降り注ぐわけではなく、どこかひんやりしてそうな静かな光。 ティーナの私服がデニムシャツ → 薄手のダウンジャケットと変わることで夏から秋に近づいているのがわかるようになっているのよ。
 「衝撃の展開!」は原作を知っていたので驚かなかったけど、「どこまで描くのか、そこまで描いてしまうのか!」という驚きはあった。 全部が描きすぎというわけではないのだけれど・・・「手前で止めてる場面があるから全体的にそういう節度」みたいな予想は当たらないというか、だからこそのR+18指定なのだけれど。
 『ぼくのエリ』に熱狂したのは美しいから、青春物語だからだったのだろうか。 それとも、種をつなぐことやルーツ探しにあたし自身があまり興味を持てないからか。 いや・・・そういうことではない、きっと美しいか美しくないかを感じる基準。 境界を隔てることを概念的には理解できていると思っていたし、理性では多分わかっている。 でも、こんなにも「自分が思う見た目の美しさ」の範囲が狭いとは・・・ひどく落ち込むじゃないか。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月02日

チャイルド・ファインダー 雪の少女/レネ・デンフェルド

 たまたまタイミングで、一気に読んでしまった。 買ったときに持っていた本が重く、こちらを読み始めてしまったため。
 「ファンタジー的な要素が混じりこむ」と訳者あとがきにあったのでそういうテイストなのかと思いきや、予想以上にハードで残酷な事実を容赦なく提示する。 やべぇ、やられた。

  チャイルドファインダー 雪の少女.jpg 原題:“The Child Finder”
 <子ども見つけ屋>と呼ばれるナオミは行方不明の子供たちを見つけ出すことに人生のすべてをかけている。 そんな彼女のもとに、オレゴン州で3年前5歳で突然姿を消したままの少女マディソンを見つけてほしいと依頼が。 マディソンの母親以外は誰もが少女は死んでいると思っている。 ナオミはマディソンの足跡を一から辿り直すことにする・・・という話。

 ナオミがマディソンを探す過程と、突然違う世界に入り込んでしまった“スノウガール”のパートで構成される。
 このスノウガールパートが思いのほか多く・長く、読むのがつらい! しかし読んでいかないと先へ進まないので・・・「子供がこんな目に遭うのはおかしい!」と憤ることができる自分の感覚はまともであると感じられるというか、ほんとに怒りがわいてくるよ。
 しかも、ナオミ自身もどこからか逃げてきたらしいが記憶がないという過去を抱えているという、ありがち展開ながらそれがなくては始まらない話になっており・・・誰にでも起こりうることかもしれないけれど、そうじゃないかもしれないという救いもちょっとある。 そう思ってはいけないのだが・・・。
 ナオミの過去の調査例から、虐待で最もひどいものは無視・ネグレクトで、それに比べれば暴力をふるうほうがまし(無視されると自我が育めない、自分がいないまま。 敵がいることで自分と相手を区別できるので、回復過程で明確な差が出る)、という結果はひどいよ・・・仮に助け出されても、その後に適応できるかどうか難しい、まさに人生を破壊された行為。
 ・・・あぁ、つらい。
 現実に今も起こっている出来事だからこそ、安易にハッピーエンドだけで終わらせないということなのだろう。
 ナオミの過去に迫る続編が本国では刊行されているようである。 日本版も出るといいが。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月01日

バナナがメイプルに!

 駅のコンビニで売っていた豆乳飲料について以前お知らせしましたが・・・<豆乳きなこ>は定番としてずっとあったのですが、いつの間にか<豆乳&ヘーゼルナッツ&バナナ>がなくなっていた・・・。
 えっ?!、最近はやりの「終売」(?)ですか?
 毎日買ってるわけではないが、選択肢が減るのは寂しいなぁ、と思っていましたところ。

  20191101豆乳マカダミアナッツメイプル.JPG 新商品登場!
 豆乳 マカダミアナッツ&メープル
 バナナのかわりにメープルシロップが投入されてる・・・パッケージも紅葉した葉が描かれているし、秋仕様?
 とりあえず、飲んでみた。 一口目、メープルシロップの味と香りがガツンと。 メイプルが好きな人はいいでしょうが、最近メイプルのクセが気になるようになってきたあたしには、メイプルが強すぎてマカダミアナッツの風味がわからない・・・。
 しかし二口目、メイプルは収まりマカダミアナッツが控えめに、でも前に来る。 お、これはいい、と思ったら三口目はまたメープルが勝つ。 ううむ、これをどう評価したらよいのやら。
 最近、メイプルシロップよりもハチミツが好きになっており・・・でもハチミツも種類によってはいろんなクセがありますから一概には言えないんだけど、これ、メープルのかわりにハチミツだったらどうなんだろう。 バナナに代わる秋のフルーツはなかったのであろうか。 いや、別に一年通してバナナでいいような気がしてたけど・・・この商品ラインナップ、どこまで行くのかしら。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ごはん・お茶の時間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする