2019年10月23日

メインテーマは殺人/アンソニー・ホロヴィッツ

 『カササギ殺人事件』の作者による邦訳最新刊!、となればこれまた否が応でも期待しちゃいますよね・・・。
 期待しすぎて(?)、読みに入るのをちょっと待ってしまった。 まぁ、図書館の急ぎの本があったせいもあるのだが、落ち着いたので取り掛かったら、あっという間に読み終わってしまった。 ここ何年も暑くて「10月を楽しみたい!」というあたしの願いはしっかりかなえられないのだが、これのおかげでその気持ちを取り戻したような気がする。

   メインテーマは殺人.jpg 原題:“THE WORD IS MURDER”
 <わたし>こと作家のアンソニー・ホロヴィッツは、脚本を担当している警察ドラマの監修にかかわった元刑事のホーソーンから、自分の葬儀の手配に行った老婦人がその日のうちに殺されたという奇妙な事件について聞かされる。 しかもこの事件を解決する自分を本にしないかという。 <わたし>はこの愛想のない変わり者に反感を抱きながらも、彼の優れた推理能力にはひかれ、いつしか行動を共にする・・・という話。
 まさにシャーロック・ホームズとジョン・ワトソンの関係へのオマージュ!
 ワトソンやヘイスティングさんが「名探偵と親しくなったことで、自ら記録係をかって出る」という立場なのに対して、ホロヴィッツとホーソーンは最初から契約の関係ってのがちょっとひねっていますが、信頼関係が深まり友情が・・・という過程は一緒? でもワトソンさんたちと違ってホロヴィッツはすでに作家だから、エゴとか自己顕示欲が強い! そういうのも全部書いちゃうから面白い!
 で、勿論オマージュやパスティーシュで終わるわけがなく、きちんと正統派ミステリです!
 大上段から振りかぶってないけど、きちんとフェアプレイ。
 『カササギ殺人事件』のインパクトよりは少々ゆるめですが、ホロヴィッツが携わっているテレビドラマや映画の仕事など、いわゆる業界裏話的なものがなかなか楽しい(特に『刑事フォイル』!、それもこれも海外ドラマがいっぱい観られるようになっているおかげ)。 ホロヴィッツだけじゃなく、実在の人物がゴロゴロ出てくるのも楽しい。 ただ主要人物ダミアン・クーパーのモデルが明らかにダミアン・ルイスなんだけど・・・『アレックス・ライダー』にも出てるからきっと友人でお断りを入れてるよね・・・と思うけどドキドキしちゃった。
 <著者あとがき(謝辞)>までも作品と同じ世界観で書かれている手の込み具合。 これは絶対シリーズ化だね!

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする