2019年09月27日

国語教師/ユーディト・W・タシュラー

 図書館からやってきました。 しかし、全然違う時期に予約したのに、そのときのあたしの待ち順番もまちまちなのに、「次、あなたですよ」と一気に何冊もやってくるのは何故なのか(勿論、そういうやつは次の予約が詰まっているので急いで読まねばならない)。
 なので気合を入れて集中して読みました。

  国語教師.jpg <ドイツ推理作家協会賞受賞作>だそうです。
 作家を招いての、高校でのワークショップ。 作家のクサヴァーはある高校に行くことになるが、そこで国語の教師をしているのはかつての恋人マティルダだった。 十六年振りの再会がもたらす、二人の過去と現在は・・・という話。

 冒頭から、クサヴァーのダメ男っぷりにあたしは嫌気がさしている。 しかしマティルダは「運命の相手」とばかりに惚れ込んでいて・・・大変イタいんですよ・・・。 同じようなスピード、同じような度合いでお互いを好きになれるのは奇跡だな!、と改めて思う。 つまり、先に好きになってしまったほうが、多く好きになってしまったほうが、負けになる。
 無神経な男と、裏切られた傷がまったく癒えない女との、<イヤミス的話>かと思ってしまいましたが・・・もっと大きなテーマがあって、不意を突かれた。 ミステリの体裁を採ってはいるが、この路線は純文学では?
 さすがゲーテとリルケの国・ドイツ。 懐が深い。 感情や余分なものを排すかのような文体と構成なのに、最後のパラグラフではうっかり泣きそうになってしまって自分で驚いた。 クサヴァーはほんとにひどい男だが、マティルダにも欠点はある。 それなのに。
 「人の心はままならない」と言ってしまえばそれまでですが・・・あまりよろしくない業やら宿命のようなものについて考えてしまいたくなる。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする