2019年09月01日

拳銃使いの娘/ジョーダン・ハーパー

 お久し振りのポケミス。
 装丁のインパクトと、思いのほかの薄さに「すぐ読めそうだ!」と手を伸ばした。 二段組、255ページ。 短くて畳みかける文章、あっさり読み終えた。

  拳銃使いの娘 ポケミス.jpg 原題“She Rides Shotgun”とは「助手席に乗る」というスラングらしい。 普通に「彼女はショットガンがうまい」という意味かと思ってた・・・。
 クマのぬいぐるみがいちばんの親友である11歳のポリーに突然会いに来たのはずっと会っていなかった実の父親のネイト。 ネイトは刑務所にいたのだが、そこで巨大な裏組織を敵に回してしまい、ネイトだけでなく妻と娘にも処刑命令が下ったのだ。 到着したときはポリーの母(ネイトとは離婚し、別の人物と再婚)はすでに殺されていて、あとはポリーを救うしかない。 父と娘は命がけの旅に出る・・・という話。

 視点人物が次々入れ替わるが、ポリーのための物語だった。
 「コーマック・マッカーシー文体を意識した『子連れ狼』」と言われたらその通り。
 アメリカ探偵作家クラブ最優秀新人賞はともかく、アレックス賞受賞作としては思いのほか血なまぐさかったけど・・・短いからよかったのか。 かなり省略している部分も多かったので寓話的な空気が出てるから?
 とはいえ、やられる前にやれ的な世界と臆病な少女の取り合わせは・・・つらい。 ポリーが“覚醒”していく様は高揚感を伴う読みどころではあるが、「そうならなくても生きていける世界はないのか」とも思ってしまい・・・力にものを言わせる人々や組織の話を自分が受け付けなくなってきたことに気づかされる。 これもトシのせいなのだろうか。
 しかしクマ! クマのけなげさが胸に刺さる。 ここは年齢は関係ないらしい。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 18:02| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする