2019年08月11日

チャイルド・プレイ/CHILD'S PLAY

 オリジナルの『チャイルド・プレイ』は昔観ました(シリーズ続いたよね・・・)。
 今回のリメイクで大きく基本設定が変わると聞き・・・「それは『チャイルド・プレイ』ではないのでは」と思ってスルーしていたのだが、同じラース・クレヴバーグ監督の『ポラロイド』が意外に面白かったのと、新しい『チャイルド・プレイ』がこれまた意外に評判がよいようなので(『ポラロイド』はもう一日1回上映だが、こっちはまだ一日4回やっている)、レイトショーに行ってみた。 高校生・大学生らしきにぎやかな男子グループが結構いて、「夏休みだな・・・」ということをまたまた実感。

  チャイルド・プレイP.jpg ボクたち、死ぬまで親友だよね?

 親の都合で違う町に引っ越してきたばかりのアンディ(ガブリエル・ベイトマン)には、まだ友だちといえる親しい間柄の同世代がいない。 近所をうろついている子たちに話しかけようとはするが、アンディは補聴器をつけているため引っ込み思案である。 それを知る母親(オーブリー・プラザ)は職場に不良品として戻ってきた“バディ人形”を「返品したら廃棄されるんだからもらっていいでしょ」と強引に店長から奪い取り、アンディの誕生日プレゼントにすることに。 “バディ”は最先端テクノロジー企業・カスラン社が社運をかけて送り出した人形で、AIを搭載し音声認識やセンサー付きカメラなども標準装備、「永遠の親友」というキャッチフレーズで発売されたものだった。
 スイッチが入れられたその人形は、アンディに自分は「チャッキー」だと名乗り、「死ぬまで親友だよ」というテーマソングを歌いながら、アンディやアンディをめぐる状況から様々なことを学んでいく・・・という話。
 AI設定のおかげでSF要素が強くなったのだが・・・冒頭の雷とかオリジナルで印象的だったところはほぼ引き継いでいる。 逆にそこ、必要か?、というところまで・・・リメイクだからオリジナルへの敬意を、ということなのかもしれないけれど。 だったらなんでこのAIがチャッキーという名前を選んだのかの理由を教えてほしい。

  チャイルド・プレイ2.jpg 包み紙の中には“バディ”が。
 まずはバディ人形全部、そしてチャッキーのかわいくなさときたら・・・日本が「カワイイ文化」と言われるのがわかるな、と納得の気味の悪さなのだ。 それがリアルに近いのか? またチャッキーの声がマーク・ハミルで、声がおっさんなんですけど・・・(無機質っぽい喋り方をしているので、余計落ち着かない感じがする)。
 が、アンディの置かれている状況が・・・新しいアパートにはママの恋人シェーン(デヴィッド・ルイス)が勝手に出入りするし、ママもそれを止めてないしという、友達ができるかどうか以前の問題だろうという。 こういうわかりやすいダメ母造形に腹が立つ。

  チャイルド・プレイ1.jpg 二人が心通わせるシーン、もっと欲しかった。
 だからアンディにとってチャッキーがよりどころになっていく・・・という過程が大事なわけですよ。 そこがあるから終盤のアンディの苦悩がより引き立つし、観る側もその気持ちを共有してせつなくなる。 だけど思っていたよりそういうシーンが少なくて・・・早々からチャッキーのヤバさが際立っているので、アンディがほんとに心を許しているのかわかりにくい部分も。
 あとAIの初期の無垢さというものをみんなもっと考えなければいけないな、と思わされ。 チャッキーがアンディたちの見ているホラー映画を見て殺人手法を覚えていく・スプラッターシーンでみんなが盛り上がっているからやってみる(そうすればよろこばれると考えたから)、は、「ホラー映画は教育に悪い」と騒ぐ人たちへの皮肉だけど、AIがどれほど優れていようとも使うのは所詮人間ですよ、というSF的警告でもあり。

  チャイルド・プレイ3.jpg 同じアパートに母親が住むマイク・ノリス刑事(ブライアン・タイリー・ヘンリー)、すごくいいやつ。
 『ポラロイド』がちょっと抑えめだったから油断してたけど、さすがR+15、ちょっとびっくりするほどスプラッターだった・・・。 その手前で止めても大丈夫ですよ、と思った次まで描写する・・・『SAW』シリーズ後半のことを思い出すほど。 久し振りの「痛い系」で、この流れ収まったと思ったのに。
 なんだろう、もうどこまでも振り切ってやろう、と考えたのだろうか。 「その人を殺しちゃダメでしょう」という人まで殺しちゃうのが・・・容赦がないのもホラーとして大事な要素だけど、それだと「チャッキーがかわいそう」という観客の気分を阻害する。
 そう、この映画はわたなべまさこの『聖ロザリンド』のレベルに行ける要素を揃えていたのだ。 でも残念ながらそこまで行けていなかった・・・あぁ、なんかもったいない。
 子供の頃に見た2時間ドラマで、シェパードを拾った男の子が犬とすごく仲良くなり、犬も少年を愛し、でもあまりに仲良くなりすぎだからちょっと離れなさい、と大人に言われて犬が怒って大人に本気で噛みつき・・・みたいなのがあったけど、あれにあたしはボロ泣きした記憶が。 あのドラマのようなものを自分が期待していたことに気づいた。

  チャイルド・プレイ4.jpg アンディ役の子がすごくかわいい!
 ともかく、いろんなしがらみを乗り越えて自分で判断して自分で行動する、これはそんなアンディの成長物語でもあるのだが・・・あぁ、道具立ては違っても『ワイルドライフ』とほぼ同じ話ではないか! でも二枚のポスターを並べてみても、それが「ほぼ同じ話」だとは感じられない。 映画って奥深いな。
 後半の見せ場では「ここ、明らかに『キャリー』ですよね」など往年のホラーの名作にオマージュを捧げていたりと、ラース・クレヴバーグ監督はホラーへの愛情は強いと思うのだが・・・ちょっとあたしの思う方向とは違ったかな、という気も。
 とはいえ、チャッキーが歌うバディのテーマソング(エンディングでも流れる)はしばらく頭を離れそうもない。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする