2019年08月03日

スノーマン/ジョー・ネスボ

 奥付を見ましたら、<2013年10月25日 第1刷>とあった。
 6年ぐらいほったらかしにしてしまいました・・・でもそれは、シリーズものなのに7作目から出してくるから!(3作目『コマドリの賭け』だけは別の出版社から出ていたけど、その時点で絶版)。 その6年の間に1作目から、出版の順番は違えども8作目まで出た、というのはめでたいことです(2作目だけはどうしても訳してもらえないけど)。
 『沈黙の少女』のあと、「やはり雪と氷が舞台の国の話はいい!」と、ついにこれを引っ張り出した。 最近、8作目の『レパード』を買ったばかりだし、続きがあるとなると読みたい気持ちが強くなる。 やはり暑い夏は北欧の冬だ!

  スノーマン1.jpgスノーマン2.jpg 事件は冬の始まりから。
 2004年、オスロに初雪が降った日に一人の女性が失踪し、彼女のスカーフを巻いた雪だるまが残されていた。 ハリー・ホーレ警部は女性の失踪事件の未解決事案がここ10年で明らかに多すぎることに気づき、以前自分に送られてきた謎の手紙のことを思い出す。 連続殺人事件を示唆したその手紙の署名は、<雪だるま:スノーマン>となっていた・・・という話。

 出てくる人がみんなあやしい!、と思えてしまう筆致と展開にはハラハラドキドキ。
 でも戸田さんが初めて訳したハリー・ホーレもの、ということで・・・シリーズのレギュラーキャラクターや過去の事件に言及されるところなど、ちょっとよそよそしさが漂うというか・・・「この人のこと、わかってますよね! あの出来事、覚えてますよね!」という共通認識が存在していないからか、微妙に物足りなさがある。 でも過去作を読まずにこれから入っていればシリーズキャラクターたちともここで初めて会うわけで・・・シリーズ物を途中から訳す・読む難しさを実感。 単独作と割り切るならそれでいいのでしょうが、アルコール依存症と戦いながら様々な苦悩を背負うハリーに思いをはせられるのは、一作目『ザ・バット』と<オスロ三部作>(『コマドリの賭け』・『ネメシス』・『悪魔の星』)を読んできたからだろうし、それがシリーズ物の醍醐味だと思うし。 でも巻を重ねているシリーズ物って、新しく入る人にはハードル高いよね・・・ハマれば、「まだまだ続きが読める!」というヨロコビに変わるけど。
 あぁ、犯人きっとこいつだなぁ、と出てきた瞬間にわかりますが、それは「もしそうならハリーにとって最悪」だからと感じたからで、「犯人は誰」だけがこの本の読みどころではないから。
 それにしてもハリー、てっきりあの段階であることがわかったのかと思いきや、しばらくしてから「あれはそうだったのか!」と気づいたりとか・・・相変わらずうっかりなところが。 でもダメ感はちょっと薄れてる・・・<ファビアン・リスク>のダメっぷりに比べればハリー・ホーレのほうがまだまし、と感じたのかしら。
 見覚えのある名前が出てくるのはやはりうれしいもの。 『スターシップ・トゥルーパーズ』を「ただのマッチョ映画」とこき下ろすラケルに腹が立ち、つい貧乏くじを引きがちな鑑識員ビョルン・ホルムにニヤニヤし、子育て中のベアーテ・レンの存在にホッとする。 勿論新キャラクターもいて、今後の作品にも出てくるのかな、と期待しちゃう。
 雪と氷の描写にも、寒くは感じないけど、読んでいる間は身の回りの暑さを遠ざけられたような気がする(それなりにエアコンが効いている場所で読んでますが)。 やはり夏には冬が舞台のミステリがふさわしい!

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする