2019年07月13日

ポーの一族 ユニコーン/萩尾望都

 <新世紀の“ポーの一族”>、二冊目の単行本。
 長編だった『春の夢』と違って、今回は短編集。 なれどバリーという新キャラクターをめぐる長編という見方もできる(時代があちこちに飛ぶので章立てが変わる、とすれば)、更に一族の秘密や“エディス”後のエドガーとアランにかかわる事実がいろいろと判明する、かなりつっこんだ話になってます! それがいいのかそうじゃないのか、好みがわかれそう・・・。

  ポーの一族 ユニコーン1.jpg マットな手触りに銀の型押し。 二人はこんなプリントの服を着ているのではなく、あくまでイメージ映像だと思う。

 2016年、ミュンヘンに現れたエドガーは憔悴している。 ファルカらは久し振りの再会を驚きと喜びで迎えるが・・・(“私に触れるな”)。
 あとは過去の話なので、2016年の話の続きが次の巻になるのかな、と思います。
 “エディス”後のことは「知りたいような知りたくないような・・・」の気持ちがあたしにも少しあるので、リアルタイムで『ポーの一族』を読んでいた人・大ファンだったけどその後萩尾望都作品にあまり触れてこなかった人たちが反発するんじゃないか・・・という危惧を感じます。 いや、『春の夢』のときに「絵の変化についていけない」人たちがいっぱいいたから、そういう人たちはこっちは読んでないかな。 そのほうがお互いの精神衛生上にいいような気がする。
 もともとの『ポーの一族』に比べると格段に台詞は多くなっていますが、あちらは主に<人間界に紛れ込んだバンパネラ>たちの話(なので短い時間しか生きられない人間から見たら彼らは永遠の謎)、こちらは<人間のいる世界に生きているバンパネラ>たちの話、と土台が違う気がするので単純な比較は無意味かと。 完全に主役はバンパネラたちで、人間は添え物というか、彼らが出会うその他大勢に過ぎなくて。
 むしろ、長く生きてしまうが故に感情的なわだかまりもいつまでも抱えて生きていかなければいけない、忘却という安らぎがないという悲しさがより強まる。 だから、それが<執着>という感情につながっていくのかな、と、アラン=イノセントを求め続けるエドガーに涙なのです。

ラベル:マンガ 新刊
posted by かしこん at 17:58| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする