2019年03月01日

誰かが嘘をついている/カレン・M・マクマナス

 タイミングにもよるのだが、勢いついて何冊も続けて一気に読み終わってしまうときがある。 するとここに感想を書くことなく次の本に入ってしまったり、映画の感想を優先で書いているのでつい忘れてしまったりする。 まぁ、中には「この感想、書くのつらいな・・・」という場合もあって気後れしているうちに時期を外すということも。
 でも、面白かったものは絶対書かねば! オススメだから!
 ということで、この一冊を。

  誰かが嘘をついている.jpg <青春小説と謎解きミステリの見事な融合>

 ある高校にて、携帯電話持ち込み禁止の授業に携帯電話を持ってきたと5人の生徒が放課後の理科室に呼び出される。 教師からその場で作文を書くようにとペナルティを課されるが、没収された携帯電話はそれぞれのものではなかった。 この5人は意図的に集められたのか?
 理科室の水道から水を飲んだ生徒の一人、サイモンが突然苦しみだす。 彼はピーナッツアレルギーだがその日はエピペンを所持しておらず、保健室にもエピペンの控えはなく、救急車で搬送中にサイモンはアナフィラキシーショックで死亡。 容疑は他の4人の生徒、優等生のブロンウィン、野球チームの有力選手クーパー、ヤクの売人をしたことで保護観察中のネイト、フットボールの花形選手の恋人アディに向けられる。 実はサイモンは<アバウト・ザット>というネットの掲示板で学校中の人の秘密をイニシャルで暴露して楽しんでおり、サイモンに高校生活を破滅させられた人は数知れず、かなり憎まれていた・・・という話。

 と、事件に出くわしてからその後の展開を、4人が交代して語りを務める、という構成。
 なんとなく、『新ビヴァリーヒルズ高校白書』みたい! 若者の青春群像とネットの介在という時代感が。
 ここはハイソな高校というわけではないけれど、結構裕福な家庭からまったく裕福ではない家庭まで登場人物の家庭環境は様々で、スクールカーストというものを否応なく考えさせられる。 かっこいい彼氏がいれば勝ち組? 成績がよくても真面目過ぎてお堅い彼女は疎まれ気味?、とか。 でも最初はステロタイプっぽく見えてた4人が、次第にそれぞれ秘密を抱えているのが明らかになっていくにつれて読者の見る目も変わってしまうし、言わないけど更に何かを隠しているのでは・・・と疑心暗鬼になっていく感じが若々しくて大変よい。
 ミステリ的にとてもフェアなので、「む、その描写(表現)、意味があるか?」とすれっからし読者には感じられてしまい・・・犯人はなんとなくわかってしまうのですが、わかっても高校生たちはどう選択をしどう進んでいくのかが気になって最後まで集中力は切れない。 いつしか高校生たちになんとなくの共感めいたものを覚えてしまうように(安易に大人に助けを求めず、同世代だけでどうにかしようという心意気もよかった)。
 さて・・・振り返ってみて、この話は日本の高校にそのまま置き換えらえるかと考えてみたら・・・多分無理なような気が。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする