2019年01月29日

ミスター・ガラス/GLASS

 シャマラン監督ファンのことを<シャマラニアン>と呼ぶらしい。 ならばあたしもシャマラニアンである。
 とはいえ、『アンブレイカブル』から19年もたっているそうである・・・マジか。 過去の作品だったら続編までの間がどれほどあいていても観る側のタイミングで関係なくなるけど、実際にリアルタイムでこうやって続きを観ることになるなんて、同時代を生きるヨロコビというか。 長生きはするものですねぇ。
 アメリカでは大ヒット中のこの映画、日本では公開一週目でも『ボヘミアン・ラプソディ』のほうが観客が多いという・・・シャマラン作品を愛するのはあたしと同じくらいの年代の方々が中心なのかもしれないなぁ。 それでなくとも続編だから、一見さんは多くないはず。

  ミスター・ガラスP.jpg M.ナイト・シャマランが仕掛ける「アンブレイカブル」の“その後”――

 デヴィッド・ダン(ブルース・ウィリス)は息子のジョセフ(スペンサー・トリート・クラーク)と一緒に防犯セキュリティ関係の製品を扱う店をやっているが、デヴィッドはヒーローとして名もなき人たちを救い、捕まらない悪人に制裁を加えてきた。 ある日、ケヴィン(ジェームズ・マカヴォイ)とすれ違い、彼がチアリーダー4人を監禁していることに気づく。 彼女たちを救うためビースト(ジェームズ・マカヴォイ)と戦うデヴィッドだが、警察に取り囲まれ、精神病院に送られてしまう。
 精神科医のエリー・ステイプル(サラ・ポールソン)によれば、デイヴィッドもケヴィンも精神病なのだという。 その施設にはデイヴィッドの因縁の相手、イライジャ(サミュエル・L・ジャクソン)も収容されていた・・・という話。

 冒頭から『アンブレイカブル』と『スプリット』を観ていない人を相手にしていない空気全開。
 逆に、観ている人ならばついていける。 あたしは『アンブレイカブル』を観直していなかったのだが、公開当時とWOWOW初回放送時と少なくとも2回以上は観ているのでポイントは記憶にあったため、いろいろこれを観ながら思い出すことに。 オープニングクレジットの文字が紫色なことが何か引っかかってたけど、「あ、紫はイライジャの色!」と気がついて一気に氷解。 なので前二作は先に観るべきだが、どうしてもというのであれば『アンブレイカブル』だけでも観てほしい。 それを観ているのと観ていないのではこの映画に対する評価はまったく違ったものになるので。
 シャマラン監督は自分の作品に必ず役者として顔を出すのだが、今回は『アンブレイカブル』のときと同じ人物として登場! こういうのって内輪受けなのかな・・・でもあたしはすごくツボにはまってしまい、にやにや笑いが止まらなかった。 ジョセフも成長したご本人だったので過去のシーンとのリンクもものすごく、時間の経過を感じさせる。
 マカヴォイくん、『スプリット』のときよりもはるかに24重人格者をモノにしていて、ある人格から別の人格への移り変わりがより自然に。 同じ役を長くやることでちょっと下手な役者もうまくなる、とあたしは感じているのだが、うまい人も同じ役を続けることでよりうまくなるのだな!、と感嘆。 ほぼ彼が主役の勢いだ(クレジットもジェームズ・マカヴォイが最初だし)。
 しかしタイトルロールはサミュエル・L・ジャクソンなのである。 イライジャの抱えていた痛みや苦悩などは『アンブレイカブル』でも描かれ、それに胸を突かれたのだけれど、本作ではその先にも救いはなかった的なところとか、ずっと彼が計画していたことなど、いろいろ考えたら泣きそうになってくる。 イライジャの母親がブルーのiMacをまだ使っている(もしくは大事にとっておいた?)ところなども『アンブレイカブル』の続きを実感。 イライジャはあくまでイライジャであって、『アベンジャーズ』などの人とは全く別人なのも素晴らしい。
 ところどころに顔を出す“日本”をどう受け止めたらいいのやら。
 怒涛のラスト(?)に至って、ようやく気づく。 あぁ、そうだ、「名もなき大多数の人々」は善良でありよいことはいつか必ず広まる、というような価値観を信じたくなる気持ちがシャマラン映画の根底にあるのだということを。 シャマラニアンはそれを愛しているので、多少ぶっ飛んでいることがあっても気にしないのだが(勿論、独特のハッタリ気味の語り口も魅力だが)、それがわかりやすい形ではないので観る人を選ぶのだろうか。 あたしは好きなのでこの世界観を受け付けない人の気持ちはよくわからないのだが、シャマラニアンの間でも『ヴィレッジ』以降はダメとか『エアベンダー』がダメとか意見わかれてるし。 個人的には『アフター・アース』だけつらくて(序盤の異星人襲来シーンはとてもよい)、『エアベンダー』もきらいじゃないし、『レディ・イン・ザ・ウォーター』もそこまで責められるものかと感じるので、シャマランワールドは非常に好みなんだろう、と、そういう存在がいることにとても感謝したいのだが。
 2月、『スプリット』放送記念でWOWOWがシャマラン特集をする。 楽しみだ。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする