2019年01月26日

刑事ファビアン・リスク 零下18度の棺/ステファン・アーンヘム

 <刑事ファビアン・リスク>シリーズ3作目。
 とはいえ時間軸としては一作目『顔のない男』の2年後(二作目『九つ目の墓』は『顔のない男』よりも前の話)なので、登場人物の大半は『顔のない男』と同じ(『九つ目の墓』の登場人物も出てくるが)。 すみません、結構忘れています・・・あぁ、そういわれれば、的な感じで1/3くらい読んでやっと思い出す。 シリーズってこういうとこがつらい。 だからまとめて読みたくなるのだろうけど、あたしの記憶力が落ちていることは否めない・・・。 おまけに『顔のない男』のネタバレが続々・・・順番通り読まないとダメってことですね!

  ファビアン・リスク 零下18度の棺.jpg 赤いスマイルマークを見るといまだに<レッド・ジョン>を思い出すのはあたしだけですかね・・・『メンタリスト』は完結しましたけど。

 夏が間近のスウェーデン・ヘルシンボリ、一台のBMWが港から海に飛び込む。 運転者は遺体で見つかり、血中から高いアルコール濃度が検出されたため飲酒運転のための事故とみなされたが、検視官のエイナル・グレイデ(通称“三つ編”)が遺体が凍っていたことを見抜く。 では殺人なのか?、ファビアン・リスクら犯罪捜査課の面々は捜査を開始する。
 一方、デンマークではホームレスの人々が被害に遭う事件が頻発し、関連があるのではないかとドゥニヤ・ホウゴーは立ち上がるが、彼女は悪徳上司キム・スライズナーによりコペンハーゲン警察をクビになり、現在はヘルシンオア警察のパトロール警官にすぎない。 組織はまったくあてにならず、ドゥニヤは単身事件を捜査する。

 なんというか・・・このシリーズ(というか作者)の容赦のなさもここに極まれり、といった感じで。 登場人物に愛情とか愛着とかないのかね!、と思ってしまうくらいひどい目に遭う人たち続出。 これはもうあっさり死んだ人のほうがいいんですかね、というほど、生き残った人たちは重たいものを背負わされる(でも、いったん生き延びてもさらにひどい目に遭って殺されたりするので微妙)。
 これは日本語訳がこなれてないからなのか原文のせいなのかあれですが、描写がわかりにくいときが。 同じことが二回書いてあったり、そこは説明不足ではと何かがすっ飛んでいたり。 あと、明らかに英語から訳してますよねとまるわかりなのが、「北欧なのに」とちょっとがっかりする部分あり(そして北欧ものなのに女性が報われないとか家族より仕事を重視すると責められるのはかなしい)。
 <ファビアン・リスク>シリーズなのだけれど、だんだんファビアンに主役としての重みのようなものがなくなってくる感。 ファビアンとその家族に覆いかぶさる苦難とか、ファビアンだけがつかんだ事実とかあるけど、まわりの人がいないと進めないんだよな・・・。 ファビアン個人では物語を引っ張る魅力がないっていうのは、群像劇としては正しいのかな?
 それにしても、すごいクリフハンガーで終わってるんですけど!
 <ファビアン・リスク四部作>ってそういう構想なのか・・・と納得はできたが、かなりのアクロバットであることは否定できず。 ヘニング・マンケルなどのリアリティある作品群に比べると絵空事感が半端ないのではあるが、まぁこれはこれで面白い、ということで。 作者の謝辞を読めば翻訳されることが前提っぽいし、テレビドラマの脚本出身だし、ショッキングさや意外性重視なのであろう。
 完結編であろう四作目の翻訳が待たれる。 また忘れちゃう前にお願いしますよ。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする