2019年01月12日

転落の街/マイクル・コナリー

 と、いうわけでLAつながりでマイケル・コナリー。
 とはいえまだまだ邦訳のリアルタイムよりも遅れているが・・・まさにタイトルからLAのこと。

  転落の街1.jpg転落の街2.jpg 原題の“DROP”にはいくつもの意味がある。

 ロス市警未解決事件捜査班に、ハリー・ボッシュは定年延長選択制度(DROP)により引き続き籍を置いている。 コールドヒット(過去の事件データにあるDNAが確認されたこと)によりある未解決事件が動き出し、ボッシュは捜査に全力を挙げるはずが、過去に因縁のあるアーヴィン・アーヴィングの息子がホテルから転落死する出来事により、その事件の調査も任されてしまう。 二つの事件を同時に捜査しなければいけなくなったボッシュは・・・という話。

 上下巻どちらも思いのほか薄かった。
 間に<リンカーン弁護士>を挟んでいるのでボッシュ前作からだいぶ時間がたったような気がしてたんだけど、ボッシュの相棒がデイヴィッド・チューだったので「え、まだ組んでたの?! というかハリーとチュー、大丈夫なの?!」と驚く。 この二人はタイプが合わないと思っていたから(いやいや、ハリーと合う人なんてそもそもいないんだけどさ)。
 二つの事件がほぼ同時に、とはいえ、同時に捜査できるはずがなく、事件Aと事件Bのパートに分かれている感。 それぞれの事件だったら一冊にならないから二つ合わせたのでは・・・とちょっと思わないでもなく。
 それにしてもアーヴィン・アーヴィング(初期の頃のボッシュの上役、現在はロス市議)がここまで引っ張る存在になるとは・・・。
 そして、娘マディのためにいろいろあわただしかったボッシュ、すっかり忘れていたがまた女に! <一発の銃弾>説はどうした!、運命の女ではない女とも付き合うのはありなのか、所詮そういう関係は一時のものであると割り切っているのか! 刑事としての生き方はすごいが人としてはダメな要素がないといけないんですかね・・・。
 それにしても後味が悪いぜ。 明らかになった事件の内容もひどいが、警察内部で働くある種の政治(作中では“ハイ・ジンゴ”と呼ばれる)もひどい。 ハリーが忌み嫌う気持ちもわかるが、そもそもハイ・ジンゴを利用しなければ変えることができない組織がそもそも問題で、でも組織は既に存在しているのだから忌み嫌うだけでは解決しない。 しかし改革に身を削れば事件は解決できない・・・どうすればよいのやら。
 そういう“政治”を絡めるための二つの事件だったのか。
 マディ、成長しすぎだし。 でもこれまでの出来事が彼女を成長させてしまったのか、というところもあるので切ない。
 キズミン・ライダーは好きなキャラクターですが・・・この先、彼女が登場してほしくないような感じになってしまった。それもまた切ない。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする