2018年11月06日

デス・ウィッシュ/DEATH WISH

 「俺たちのブルースが帰ってきた!」と宣伝しておりましたが・・・この「俺たちのブルース」とはいつのブルース・ウィリスのこと? 『ダイ・ハード』? 『アルマゲドン』? 『セックス・センス』? 人によって違うでしょうからお好きなのを思い浮かべてください、ってこと?
 まぁ、<ビジランテもの>、好きですし・・・観ちゃいますけど。 なんだかんだいってブルース・ウィリスもきらいではないのさ(M・ナイト・シャマラン監督とのコンビはより好きだ)。

  デス・ウィッシュP.jpg 悪人は、俺が始末する。
   外科医から処刑人へ――。家族を失った男の復讐が加速するハード・リベンジ・アクション!

 犯罪多発都市・シカゴにて、外科医として働くのポール・カージー(ブルース・ウィリス)。 彼は日々、犯罪に巻き込まれたり引き起こしたりした結果、病院に運ばれてくる患者の治療に専念している。 ときには被害者側がなくなり、加害者側が助かることも。 やりきれない日もあるが、立場や状況に関係なく、<命を助けること>が自分の使命だと思って黙々と働く毎日に、彼の救いは愛する妻(エリザベス・シュー)と娘(カミラ・モローネ)だった。 しかし、ポールが仕事中のある夜、自宅に強盗が入り、妻は殺され娘も大怪我のため昏睡状態に。 弟のフランク(ヴィンセント・ドノフリオ)が駆けつけ、担当のレインズ刑事(ディーン・ノリス)も事件の早期解決を口にしたが犯人は容易に捕まらず、怒りを抱えたままのポールは自分で犯人たちを探し出すことを決める・・・という話。
 低予算映画でがんばってきたイーライ・ロス監督が、この映画や『ルイスと不思議の時計』などメジャー作品を次々手掛けていることに驚く。 マニアなホラー映画監督というイメージだったのにね〜。

  デス・ウィッシュ1.jpg このときはまだ、この先に悲劇が待っていることを知る由もなかった。 しかし治安の悪い町に住んでいる自覚があるなら、個人情報につながることや個人の予定など、他人に特定されるような言動は慎まなければ・・・と思わせるエピソードでもあった。
 ほんとにシカゴはこんなに物騒なのか? アニメ『BANANA FISH』が話はそのままに現代設定にしているので「ニューヨーク、今こんなに治安悪くないだろ」と白けてしまう部分もあるんだけど、実在の街を舞台にしつつもそこはファンタジーとして受け取るべきなんだろうな、と思う(『ザ・アウトロー』のロサンゼルスもどうなんだ・・・)。
 ポールは今まで拳銃を持ったことがない、家に置くことなんて考えたこともない、という人なんだけど、いざ犯人たちに対抗するために銃を手に入れて使い方を学ぶ(YouTubeなどのSNS動画で、ってところが今日的!)のだけれど・・・最初に銃を構えた瞬間から「それ、ブルース・ウィリスの持ち方じゃん」とツッコミたくなるほど様になっている。 「いや、いろいろ習う必要ないよね!」という佇まいなのだ。
 ブルース・ウィリスが一人自警団、もうそれだけで説明不要な感じすらする。 なのにあえて素人っぽい感じをするのが面白い、的な?

  デス・ウィッシュ2.jpg 二人の刑事さん、いい味出してる!
 年齢も価値観も違う凸凹コンビ的な味わいも、この映画をあまりシリアス色の強くないものにしていて・・・だからこそ刑事さんたちが抱える沢山の未解決事件ひとつひとつに家族や関係者がいて、それらを全部背負っている、という彼らの苦悩や悲哀が感じられて、この映画の主題が<ポールの正義>だけで進んでいないことも示唆する。 でも彼らとて人間なので、たとえば<杉下右京の正義:情よりも法が優先>を貫き通すまでの強さや覚悟はないみたい、というところがシンプルだ。

  デス・ウィッシュ4.jpg パーカーのフードをすっぽりかぶるビジュアルに、『アンブレイカブル』を思い出してしまったのはあたしだけか? しかし身元を特定されないための借り物の服なので、サイズが合っていないぴちぴちさ加減に笑ってしまう(しかしちゃんと防犯カメラに顔が映らないようになっている)。
 初めて人に向けて銃を撃った時、銃のスライドに手の甲が挟まってケガをする、というのは初心者にはありがちな失敗だと聞いたことがあるけど・・・あれだけがっちりスタイルで実弾で射撃練習しまくったポールもそんなミスするんですか!、とつい失笑・・・。 いや、もうあえてここは笑うところだ! 医者だから自分のケガの手当ても自分でできるしね!

  デス・ウィッシュ3.jpg この兄弟、なんかよかった。
 ビンセント・ドノフリオがこの映画でいちばんおいしい役かも! 徐々に兄が何をしているのか気づく弟、でもそうするからにはよほどの覚悟なのだろう、と兄のために自分が疑われても弁明しない、といった<兄弟の絆>というか、弟の兄への想い(これまでいろいろ世話になったから、等含めて)が言葉にしなくとも態度で伝わってくる感じがGOOD。 この二人にはまた是非近しい関係の役で共演してほしいなぁ、と希望。
 それにしても犯人たちは揃いも揃ってクズばかり・・・だからポールの復讐に観客も感情移入しやすいのですが・・・何故武器が全部銃関係? 殺傷能力高い・相手に近づきすぎなくとも殺せる、等の利点があるのもわかりますが、狙いが外れたら(しかも人が多いところだったら)関係ない人にも被害が出ますよね? 医者であるポールがそこを考えないわけないと思うのだけれど・・・そうすればまた不毛な復讐劇に終わりは来ないわけで。 <復讐の連鎖を止める>という理念的なことではなくて、どうせやるなら他人を巻き込まないことが最低限のルールではないのか、という話。
 それだけアメリカでは銃が“身近な武器”ってことなんだろうなぁ。
 なんとなく、全米ライフル協会は映画業界にカネを払っているのか?、と勘繰りたくなってしまうのは何故? 『イコライザー2』ではそんなことは感じなかったんだけど。
 エンドロールで気づく・・・「そういえばこの映画、『狼よさらば』のリメイクだった!」。
 チャールズ・ブロンソン世代ではないあたしですが(マンダムのCMは覚えてます)、昔、テレビで映画は観たのです。 あの映画にはもっと悲哀があったような・・・よくも悪くも、ブルース・ウィリスの映画になっちゃいましたね、やはり。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする