2018年10月03日

死霊館のシスター/THE NUN

 『死霊館』シリーズのスピンオフふたつ目(『アナベル』は一個と数えていいでしょ!)。
 もともと『死霊館』は実在の霊能力者ウォーレン夫妻のことを描いたものだったし、監督ジェームズ・ワンが目当てだったから個人的にスピンオフにそんなに興味はなかったのですが、あの<悪魔のシスター>(『死霊館 エンフィールド事件』にて大暴れしたやつ、名前はあえて言わない)について描いたものと言われれば気になるし! しかもメインキャストにタイッサ・ファーミガ(ウォーレン夫人役のヴェラ・ファーミガの実妹)と聞けば、実はウォーレン夫人と血縁あり的な因縁?、とか期待しちゃうじゃないか。

  死霊館のシスターP2.jpg 呪え。 祈れ。

 はじまりは1952年のルーマニア。 人里離れたある修道院で、一人のシスターが首を吊る。 カトリックでは自殺は許されていないため、ヴァチカンは事実関係調査のためにバーク神父(デミアン・ビチル)とシスター見習いのアイリーン(タイッサ・ファーミガ)をその修道院に派遣することを決める。 バーク神父は悪魔祓いキャリアのある人物で、さまざまな調査に出向くことが多かったが、見習いであるアイリーンが何故選ばれたのかわからなかった。 現地に入り、修道院に食料を届けていたフレンチ(ジョナ・ブロケ)に案内を頼んで修道院を訪れるが、その修道院には人の気配がなく、すべてが何かおかしかった・・・という話。
 歴史的背景はつけているけど、実話ではないという自由さ故か、じわじわ来る怖さよりも音で驚かすほうが多かった気が。

  死霊館のシスター1.jpg とりあえず、いる。
 じわじわ来るJホラーテイストは完全に世界のホラーの潮流に取り入れられたな、と思った。 それに加えて更にどうするか、という方向にいっている。 ユニバース展開もその一環なのかもしれない。 この映画だけでなく、『死霊館』・『死霊館 エンフィールド事件』を観ている人のほうがより楽しめる仕掛けをバンバン入れてくる。 事前に復習していかなかったので、壁にかけられた十字架がぐるっと逆さになるシーンで「おおっ!」と思い出してきました(そういう人を想定しているのか、ご親切に二作からフッテージが使われている)。
 しかし経験豊かなはずの神父がまったく使えない、むしろ自分の過去の悔恨のためにあっさりあっち側に引きずり込まれちゃうのにはドキドキハラハラするどころかがっかりである。 ダメじゃん! <早すぎる埋葬>のシーンはスピーディーで面白かったけどね!
 となると頼りになるのはアイリーンということになるわけで、でも彼女については特に言及があるわけではない・・・予知能力のようなものを持っている感じですが、なんでそれをヴァチカンが知ってる?!、今回の件に利用できると何故わかっている?! ヴァチカンの能力すごいなぁ。
 アイリーン、最初はそんなにウォーレン夫人に似ている感じがしないのですが(むしろ『記憶探偵と鍵の掛かった少女』を観たときに「激似!」と思いましたよ、そのときは姉妹だと知らなかったのに)、髪をおろしてちょっと俯く感じの角度になると「あぁ、すごい似てる!」となりました。 だからアイリーンにもウォーレン夫人と同じようなチカラがあるのね、と納得できてしまうところがある。

  死霊館のシスター2.jpg やたら背後に、いる。
 しかもこれ、鏡に映ってるから! ゆっくりと振り返ると、背後にはもちろんいない。
 なんでそんなにゆっくり振り返れるのかなぁ、そのほうが逆に怖くない? 無意識的に振り返る・後ろを見るということをこの映画の登場人物たちは絶対しないのは、当時のヨーロッパ的習慣とか価値観なんですかね?
 雰囲気ある修道院という舞台装置、美人揃いのシスターとホラー映画としてのおいしいところをきちんと意識し、しかも「ホラーの登場人物はあまり多くないほうがいい」法則もちゃんと守って(これは予算の都合という問題からきていると思われるが、過去の名作にもその傾向あるから)、正統派路線でがんばりました!、という感じがすごくする。
 最後でちゃんと(?)、『死霊館』につなげていく手法にはちょっとした強引さと懐かしさを覚えましたよ。 こういう感じ、一時期あったよね〜、みたいな。 はじめはアイリーンはフレンチと結婚して、その子供がウォーレン夫人と血縁関係あり?、とか思ったのですが、『死霊館』2作は70年代が舞台だから52年じゃもう生まれてるよね?、という疑問に強引な答えをくれた・・・。
 でも家系を辿っていくと接点あるんじゃないか、とつい思ってしまう。
 だけど、この<悪魔のシスター>がのちに現れるわけだから、話としてはつながってるけどアイリーンの力はまだまだだってことで、脱力感に見舞われる。 悪霊との闘いは、終わらないんだわ〜。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする