字幕版で鑑賞。 ペンギン好きとしては見逃せない。 でも続編を作る意味はなんだろうと思っていたのですが・・・すごい高画質に驚き。 これが4Kか! 毛のモフモフまでくっきり見えるすごさ。 そこは前作とは全然違うよ!

“必ず帰ってくる”という約束の物語
コウテイペンギンは南極圏内で生涯を過ごす最大のペンギン。 思い思いに暮らしていた彼らはある日、海辺から100kmも内陸にある繁殖地<オアモック>へと行進をはじめ、そこで産卵・育卵・子育てをする。 40歳を越える、「これが最後の子育てになるかも」と感じる最年長オスペンギンを軸に、このシーズンのコウテイペンギンたちを見つめて、追いかけるドキュメンタリー。
産卵から子育てにまつわることは前作『皇帝ペンギン』に描かれているので、今回は省略(最低限必要なことだけ補足)。 ペンギンの親子愛にフォーカスしすぎてネイチャー的動物ドキュメンタリーを期待してしまうと全体的に説明不足。 まだわかっていないこともあるのかもしれないけれど、かゆいところに手が届かない、「あぁ、そこ説明してほしいのにスルー?」、と感じることが多すぎ・・・まぁ、それは前作でもそうだったんですけどね。

南極の氷が溶けている現状もはっきりと。
前作ではもっと南極の氷は厚くて白くて滑らかだったような記憶が。 4Kになったから氷の凸凹面や薄汚れた感じが見えるのか、前作撮影時よりは明らかに南極の氷が薄くなっているのか、画質がクリアになった分、見えることがすべていいとはかぎらないという事実がかなしい。
氷上をぼてぼて歩くコウテイペンギンが、滑ったりけつまづいたりして「おっとっと!」となる姿はとてもユーモラスでかわいいんだけれど、まるで除雪ブルトーザーが通った後の道の雪が一回溶けてまた凍ったみたいなごてごてでガサガサの道を歩くんだからそりゃ転ぶさ!
なんだかせつなくなっちゃったよ。

ひなの毛がリアルモフモフすぎて、目もよく見えちゃうせいで微妙にかわいくない。
それは大人もそうなんですが。 つるんとしたイメージのペンギンだけど、今回高画質により毛先の一本一本まで見えてしまい、毛の先がさらに細かく分かれていたり、全体的にオイルコーティングされているかのように光の当たり方によって反射して色が違う。 そのおかげでマイナス気温のブリザードにも耐えられるカラダになっているのだろうけれど・・・そのへんの説明も通り一遍で! もっと専門的なコメント聞きたいんですけど!! ペンギン好きなので基本的なことはわかっているのですよ! 新しいことが知りたい!
ペンギンは見た目で自分のつがい相手や子供を区別できないので、鳴き声で区別する。 でも親が交代でえさを取りに行っている間、群れは全体で大人が子供の面倒を見るのですが・・・これって日本社会が見習うべきところですよね。 卵をうまく孵すことができなかった新米は、率先してひなたちの指導役になっているように見えるし。
でもオオフルマカモメがやってきてひなにちょっかい出すようなら、体当たりでやっつけるぐらいの勢いが欲しいと思ってしまうのはあたしだけ?(威嚇の声は上げている感じはあるけど・・・)。

新しい映像、それは水中のコウテイペンギン。
水温が低いのでダイバーが潜るには限界があるし、すいすい泳ぐペンギンに追い越されてしまうから水中ドローンカメラでしょうか。 氷山(?)から海に飛び込むときに氷が細かく砕けて海に落ちていくその氷の結晶がくっきり映像に映っているのがすごい! あらゆるものが鮮明に映っているすごさをこんなに実感したの初めてかも。

今回は水の中のコウテイペンギン多め。
氷の上ではぼてぼてでも、水の中では華麗で素早い動きでまるで別人。 これもギャップ萌え?
で、こう見ちゃうと小さく見えるのですが、コウテイペンギンは身長100cm〜130cmくらいあるわけで、椅子に座ったあたしより背が高いってことよね! 比較対象がないから特に水中は大きく見えない。 一緒に雪原を歩いてみたいが、一緒に泳いでもみたい! 映像では水の冷たさがよくわからないので(とりあえず真冬ではないのでこちらの感覚も麻痺してきている)、ついそんなことを考えてしまう。

水からあがるとつやつや〜。 スリムに見えるよ〜。
首元の黄〜オレンジのグラデーションがなければ、そのフォルムはアデリーペンギンにも見えかねない。
<オアモック>にずっといると毛も汚れてくるんだけど、泳ぐことで特におなかの白い毛がきれいになる〜。 でもなにしろオイルコーティング状なので、海から上がっても全身ブルブルを何回かして毛づくろいをしたら元通り、という回復の早さ。
あぁ、許される環境があれば、飼いたい!! そんな妄想もつい、駆け巡る。

ひなが育ってくると旅立ちの時が近づいてくる。
ひなも個体差があるのがご愛敬。 もう大丈夫よね、となると大人のメスたちが先に<オアモック>を去っていく。 オスがギリギリまで待って、ひなのひとり立ちを見届ける・・・と言いたいところだが、若いの数頭が最後まで残るけど、あとは順次去っていく。 エサ場から<オアモック>までの往復はかなり体力を消耗させるので、体形が小さいメスが先に去るのだ。 レディファーストは合理性から生まれているぞ! 育児の責任(?)はオスが取る、というのも見習うべき点ですかね。
毛がモフモフのひなですが、成長とともに産毛が落ちてきます。 この落ち方に個性が出るというか・・・手(ヒレ? 羽?)をよりバタバタさせてる子はそこから落ちていくし、おなかを氷上にあててよく滑り動きをしている子はそこから落ちるし・・・で、気づけばモヘアのセーター(ノースリーブ)着てる子や、首まわりにもこもこのスヌードしてる子、アバンギャルドな毛皮のコートを着てる子など、ファッションに差が出てる! そこまできたらもうかわいい!

初めての海を目前に、アワアワのひなたち。
「どーする? どーする?」と下をのぞき込んでいるうちに氷が崩れ、海へどぼーん。 あわてて氷の上へと戻る姿。 そのおかげで産毛がだいぶ落ちたやつもいる。
最終的に泳ぎ出すのは本能に刻み込まれた種としての記憶なんでしょう。
でも、「どーする?」と子供たちで海を目前に3日ぐらい呆然としちゃっているところがかわいい! まごまごしている間に(この頃、季節は春)、海から戻ってきたアデリーペンギンと出くわし、「オラオラ!」とばかりにコウテイペンギンの子供たちに体当たりするアデリーペンギン(大人、身長は半分くらいしかない)が、ほぼちびっこギャングに見えました。 縄張り争いなのか、「もたもたすんなよ!」という意味合いの激励(?)なのか・・・その理由も知りたかったんですけど、ナレーションは何も語らず。
でもキュートなペンギンたちと、一面の雪景色を見られたことで、あたしはかなり浄化された。
というわけで今回は写真大き目&多めでお送りしました。