2018年08月08日

スティール・キス/ジェフリー・ディーヴァー

 読みかけ本が複数あったが、図書館からのお呼び出しによりすべて中断してこちらに鞍替え(次の予約の人がいるから一日でも早く読み終わらねば)。 まぁ、勢いに乗れば数日で読んじゃうのですが、ハードカバーなものでね・・・。
 リンカーン・ライムシリーズ、12作目。
 前作で、「きゃーっ! ロン・セリットーはどうなったのよ!」と叫んで終わったあたし。
 いくらジェフリー・ディーヴァーでも、最初から今まで続いてるレギュラーメンバーを殺すことはしないだろう(シリーズ初期の頃ならば十分あり得ることだが)!、とわかってはいても、ほんとに心から信用しているわけじゃないし(読者の気持ちをどん底に叩き込むためにそういうことをやりかねない、という不安もあり)、だから本作を読むのはとても勇気のいることでした。
 そしたらば、<主な登場人物>欄にロン・セリットーの名前がない! リンカーンは犯罪捜査から手を引いている!
 ・・・ちょっとーっ、やめてよ〜。

  スティール・キス ジェフリー・ディーヴァー.jpg 身近な凶器があなたを殺す ← まずはエスカレーターから。

 “ある出来事”をきっかけに、ニューヨーク市警との特別顧問契約を解消したリンカーン・ライムに対して、アメリア・サックスは怒っている。 <未詳40号>と名付けられた殺人犯の捜査にライムの力を借りられないから、これまでのような素晴らしいラボとチームを手放さなければならなくなったから。
 その日も<未詳40号>を追いかけていたアメリアだが、ショッピングモールのエスカレーターの踏み板が突然はずれて通行人が中に落ち、エスカレーターを動かしている機械に巻き込まれ、出血多量とショック状態で死亡してしまう。 その場に居合わせたアメリアは被害者を救えないうえ、<未詳40号>の逃走を許してしまう・・・という話。

 リンカーンが犯罪捜査から手を引いた理由はロン・セリットーだと当然思うじゃない?
 でも違うんだよ! ほんと意地悪だよね! そりゃアメリアも怒るさ! 確かにそれだとわかりやすすぎるけど、まるでロン・セリットーを心配しているのはあたしだけ、みたいな気持ちになるじゃないか(それもまんまと作者の術中かもしれないんだけどさ)。
 引退したリンカーンは大学で教え始めて、元疫学研究者のジュリエット・アーチャーを助手見習いにするなど、新キャラ登場。 アメリアの元恋人(リンカーンと出会う前のね)ニックまで登場し、<未詳40号>のインパクトは意外に弱い。 とはいえ、ひどいことが起こりそうな予兆に満ちた部分を読まされるのはこっちもハラハラドキドキだ。 スマート機器に潜む危険はリアルではあるんだけど、特別新しい視点というわけでもないところが微妙だが。
 恒例のどんでん返しもありますが、意外と小振りというか、『SAW』シリーズ後半の巻き戻し種明かしにちょっと雰囲気が似ている感じがしないでもない。
 いつのまにかプラスキーがお笑い担当になってしまっているようで・・・。
 まぁ、読み始めると読んでしまうんですけどね。 レギュラーメンバーへの愛着が、その近況報告で満足してしまう部分もなきにしもあらずで(それはシリーズものの宿命)。
 そして出番は少ないですが、ロン・セリットーは帰ってきます! それだけで、あたしはうれしかったよ。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする