2018年07月20日

ジュラシック・ワールド 炎の王国/JURASSIC WORLD:FALLEN KINGDOM

 ついにきました、『ジュラシック・ワールド』新作。
 結構予告で「だいたいこういう話なのでは? というかここまでやっちゃっていいの?」という感じでしたが・・・恐竜好きのあたしとしては「ダメそう」とわかっていても、生きて動く恐竜が最新技術で見られればそれでいい! それに、これは原作者マイクル・クライトンの存在を感じられる貴重な機会でもあるし、更に特別ゲストとしてイアン・マルカム博士(ジェフ・ゴールドブラム)も登場するという! 『ジュラシック・パーク』シリーズからのファンとしてもちゃんとその世界が続いているうれしさはあるのです。
 さすが話題作だけあって、レイトショーでも結構混んでいる!

  JW2−P.jpg 生命は、新たな道を見つける

 『ジュラシック・ワールド』の騒動から3年後。 テーマパークであったイスラ・ヌブラル島の休火山が活動をはじめ、このまま火山噴火が起これば島に残っている恐竜たちは全滅してしまう恐れがある。 彼らを助けるべきか、それとも自然に任せて放置するか、アメリカは公聴会を開く騒ぎに。 以前テーマパークの運営責任者だったクレア(ブライス・ダラス・ハワード)はアメリカに戻り恐竜保護団体の代表として活動しており、ジュラシック・パークの生みの親ハモンド卿のビジネスパートナー・ロックウッド(ジェイムズ・クロムウェル)に乞われて島から恐竜たちを救出することに。 知能も高く嗅覚も鋭いヴェロキラプトルのブルー救出には恐竜行動学者でパークでブルーたちを育てたオーウェン(クリス・プラット)の力が絶対必要ということで、クレアはオーウェンに島への同行を依頼に行くが・・・という話。
 前作『ジュラシック・ワールド』の最後のバトルが違う形で再現されたようなオープニングに盛り上がる! 来た来た来た!、という感じなのだが・・・その盛り上がりは続かない。 サブタイトルの『炎の王国』とは火山活動が活発な島のことを指していると思われますが・・・実は島が舞台になるのは前半のみで、「だから予告であそこまでやっちゃってたのか!」と。 だからといってうれしい驚きではない。 クレアとオーウェンの痴話げんかチックなやりとりもごめん、正直どうでもいい。

  JW2−3.jpg 恐竜、出してください!
 ほぼそれが目当てなんで。 あと、マルカム博士(ジェフ・ゴールドブラム)ね。 字幕では「マルコム博士」となっていますが、原作ではマルカムという表記だったしそれからの付き合いなんであたしはそう呼ぶよ! 吹替版では勿論、大塚芳忠さんですよね!
 しかし思ったよりもイアン・マルカムの登場シーンは多くなかったのであった。 でも彼の登場は、二作目『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』で展開されたテーマの繰り返しをより強調するわけで。 人間、全然学習してないじゃん、なにやってんだよ、と思います。
 しかもさらにひどいのは、島の崩壊の象徴としてブラキオサウルスを使っていること! 最大の草食恐竜にそんな扱いを・・・つらくて悲しい場面なんだけど、その意図的なあざとさを感じ取ってしまって怒りのようなものがこみ上げる。 これは勝手に作っておいて利用したり棄てたり、保護しようとしたりする人間の身勝手さへの怒りにも似ている。 そんなところで泣いてる場合か、クレア!
 また、アパトサウルスを字幕ではブロントサウルスと表記、学術上正しいのはこっちと発表されたのはかなり前のことなのに。 ちゃんと恐竜研究の最新情報を反映させて作ってきたのがこのシリーズなんだから、日本語字幕もちゃんとしてほしい!
 そして後半は捕獲された恐竜たちが運び込まれた屋敷(設定ではアメリカ本土)を中心に展開されるのですが・・・これが見事なゴシックホラーで。
 恐竜とゴシック、これを一緒にするなんて誰が考えるだろう!

  JW2−5.jpg そのへんがさすがJ・A・バヨナ監督らしい。
 ロックウッドの孫娘メイジー(イザベラ・サーモン)がキーパンソンとなるのですが・・・さすがにその設定はどうなの?、という流れに。 ただ「恐竜が好き」というだけではもう許してもらえないらしい。 遺伝子操作による“新しい種の創造”というのはそこまで暗黒面をさらすほどにタブーなんですかね。 ちなみにインドミナス・レックスや今回初登場のインドラプトルといった“新種”がメインとなる後半は、ビジュアル的にも他の在来種(?)の恐竜たちに比べるとバランスが悪く見えて、いまいち物足りなかった・・・(バランスが悪いのは必要とされる特徴を優先して組み合わせた結果なので仕方ないというか、生物として洗練されていないせいだけど)。 あたしにとって恐竜の醍醐味とはその巨大さなんだな、ということに気づかされましたよ。

  JW2−2.jpg メイジーが見つけるかつての映像。
 まだブルーが幼い頃。 卵から孵って以降の成長・調教の記録がすべて残されているあたり、テーマパークの運営と同じかそれ以上に研究を重視していたことがわかる。 一作目からウー博士が出続けていることにも大きな意味があるんだろうなぁ。
 何故人は恐竜をコントロールできると考えてしまうのだろうか。 「生命は新たな道を見つける」というのは『ジュラシック・パーク』でのアラン・グラント博士の言葉だったか、それともイアン・マルカム博士だったか。
 それとも、どんどん過激になる環境保護団体(それこそクジラやイルカを助けるためには人を殺します、ぐらいの)を皮肉っているのだろうか。 いや、この映画はひたすらダークで、そんな茶目っ気レベルではない。
 “FALLEN KINGDOM”とは<人間が食物連鎖の頂点にいると思っていた世界が崩れていくこと>なのではないか。 『炎の王国』なんてうっすらしたイメージの言葉では全然なく。

  JW2−4.jpg 悪人(?)は喰われるのが自業自得だけどさ・・・PG指定とかつけなくていいの?、と心配になる。 一応、ファミリー映画でしょ?
 どうやら『ジュラシック・ワールド』も三部作になるようなんですが・・・三部作の二作目はダーク展開で、というセオリーでもあるのでしょうか。 前作にあった爽快感はかけらもなく、「えっ、その責任を子供に押し付けるのか?」とむしろ愕然とする感じ。 前作でインドミナスに傷つけられたティラノサウルスがパワフルに生き続けてくれるのはうれしいですが、それを心からよろこべない後味の悪さ。
 完結編でいったいどう落とし前をつけるのか。 つけてくれるんでしょうね! 投げっぱなしにならないでしょうね!

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする