2018年06月19日

帰宅難民の危機

 そのとき、何故かよくわからないが、不意に何かを感じたのだ。
 それで携帯に手を伸ばして、時間を見た。 7:58。
 そして揺れが来た。 建物がたわむ音とともに。 あぁ、地震か、と妙に納得したことを覚えている。 揺れている最中なのに。 しかも結構長かったのに。
 その時はまだ自宅にいた。 体感では震度5もしくは5弱というところなので、実際は4ぐらいかなと思ったので(耐震構造であたしのいるところは余計に揺れるのである。 そして北東北出身者としてはこれくらいの地震は日常茶飯事)、身の危険は感じなかった。 あぁ、隙間に詰めてる、床から積んでる本が落ちるなぁ、とあきらめたけど。
 揺れがようやく収まってきた頃、携帯に緊急地震速報が入る(そう、しばらく前からガラケーにも緊急地震速報が届くようになったのである)。
 先に揺れが来たということは、震源が近いということではないか。 あたしはその部屋の落ちた本を手早くまとめ(余震がきたら同じことが起こるかもしれないので元の位置には戻さず、変な折り目がついていないかぐらいの確認にとどめる)、テレビのある部屋に行く。 そこでも本が結構落ちていて、NHKをつける前に本の処理を先にする。 そのうち、仕事場から安否確認のメールが入る。 一時期、「訓練しすぎだぞ!」と文句が出るくらいやっていた成果か、かなり素早いほうだったのではないかと思う。 しかしあたしはガラケーなのでメール内に張られたリンクには飛べないのだった。 NHKをつけ、震源が大阪の北部の直下型地震であることを知る。
 あー、こりゃ電車動かないぞ、と窓を開ける。 普段ならば電車の走る音が聞こえるのだが、全然そんな気配がない。 JR西だけでなく京阪神の私鉄、大阪メトロも動いていないと知ると「今日、出勤無理じゃね?」という気持ちになる。
 PCを立ち上げ(幸いにも神戸は停電などを意識することもなかった)、仕事場のイントラネットに接続、入力済みの安否確認情報を見る。 ほう、子供の保育園が休みなので出勤できません、という人もいるので、あたしも「本人にケガはありませんが、本が散乱しています。電車も動きそうにないので」と出社不可を選択。 実はキッチンで使い終わって洗って乾かしていたはちみつの空き瓶が何故か粉々に割れていたのである。 本よりもこの始末のほうが大変そう。
 そうこうしているうちにニュースを見たらしい東北在住の友人や妹からメールが入り始める。 タイムラグがほとんどないのは311後ネット網整備のおかげか、被害エリアが狭いから飛び交うメールの数が少ないかどっちだろう?
 「大丈夫だけど、何故かはちみつの空き瓶が粉々。 電車動かないから仕事行けない」
 「ガラスの破片は明るいうちに片づけとかないと危ないよ。 でもこういうときだから仕事は気にしなくていいのでは」
 そうなんだよねー、なのに何故か仕事を気にしちゃうんだよねー、出勤不可と申告したにもかかわらず。
 だから淀川に架かる橋あたりで「〇時間歩いてます」とインタビューに答えていた人たちを<社畜>などと笑うことはできない。 地震発生時刻によってはあたしも電車に閉じ込められたかもしれないのだ。
 翌日は交通機関通常運転ということなので・・・仕事に行きました。
 でも朝の段階でいつもと違う時間に電車走ってるし、速度が少し遅いのがわかって、「どうやら遅れ気味」と認識。 だからといって早く家を出る気にはなれず(だって混んでいるかもしれない)、いつも通りの時間に出る。 電車は7分遅れだったけど、一つ駅に止まるごとに遅延は増加し、尼崎・大阪駅に停車するまでに順番待ちもあった。 おかげで一時間遅れの遅延証明書をもらい、仕事場には33分の遅刻。
 でもまぁ、大概の人は遅れているのである。 それでもみんな来るのがすごいよね、とあとから思った。
 で、昨日のお話を聞く。 電車に2時間半閉じ込められて線路を歩いた人、地震発生時すでに出社済みだった人(こういう方たちがざっくり後片付けをしてくださったようです)、どうにもならず歩いて家に帰った人など。 あぁ、やはりあたしは運がよかった。
 しかしデスクトップPCのハードドライブは机から落下したらしい(誰かが机の上に戻してくれていた)。 本体表面に亀裂入ってました。 でも起動させたら普通に動くので、よかった(古いやつなんだけどね、OS何度も入れ替えて使っているくらい。 でもその古さが逆によかったのか)。 しかしそれ以外のもの(穴あけパンチとか、使いかけのビニールテープとか)が行方不明で周囲を捜索、とりあえずという感じでいろんなところに置かれていた。 まぁ、仕事場の被害もそんなもんでした。
 そのあと普通に仕事をして・・・そろそろ帰るか、と思った18時過ぎ、ふと見た<列車運行情報>でダイヤが乱れまくっていることを知る。 「新快速120分遅れ」・「快速来たけど、人がぎゅうぎゅうで乗れない」etc.、あー、それはいやだねぇ。 だったらもうちょっと仕事して、遅い時間になったほうがましになるかな?、と思ってみたんだけど・・・21時過ぎ、新大阪駅のホーム表示に出るのは普通電車ばかり。 まぁ、西明石行きだし、女性専用車なら座れそうだし、本2冊持ってきてたし(一冊は朝の到着まででもう読み終えていた)、ゆっくり帰るか、と思ったら・・・途中で神戸行きに行先変更される。 なんでだろう、折り返しの電車が足りないのか、普通列車ばかり詰まると快速・新快速が走りにくくなるからか。 まぁ、家に帰れればいいんです。 みなさまおつかれさまです!
 妹に「いやー、電車が」とメールすれば、「翌日でもうみんな通常営業なのか!」と驚かれる。 主要交通網に甚大な被害が出なかったから可能なだけで、震源に近いところに住む人たちは避難生活を送っている。 直下型地震はちょっとしたエリアで極端な差が出てしまうもの、認識の違いもつい出てしまうのがかなしい。
 結局、帰宅にいつもの2倍以上の時間がかかってしまう。 それでも今日中に帰ることができたので、よしとしよう。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | 日記のようなもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする