2018年05月24日

そしてミランダを殺す/ピーター・スワンソン

 いやー、読みたい本が山積みです。 何から手を付けようか、悩むのもまた楽し。 何年もほったらかしのものを読んだかと思えば、勝ったばかりの本にも手を付ける。 「わー、次、これ!」と思っていてもちょっとのきっかけやタイミングのずれであとまわし・・・ってこともよくある。 でも、積読本が増えていくばかりだし、ここは気合を入れて新しいのもほったらかしのも読んでいこう!、と決意してみる。
 そして「翻訳者、自ら持ち込み企画」ということですごく気になっていたこれを読むのであった。 いや、他にも読みたい本いっぱいなんですけどね! 同時に3・4冊ぐらいずつ読めたらいいのに(とはいえ、速読は自分の性格に合っていないのです。 やってみたことあるけど、やってできないこともないんだけど、小説などを読んだ充実感が得られなかった)。

  そしてミランダを殺す.jpg <殺した>ではなく<殺す>というところにも重要な意味が。 おっと、ネタバレ厳禁だ!

 第一章のタイトル、<空港のバーのルール>からなんだか「おおっ!」と思う。 そして登場人物の一人が読みかけていた本がパトリシア・ハイスミスの『殺意の迷宮』。 そうなのよ、全編、ハイスミスっぽい雰囲気が(だからといってパクリなわけではない)。 でもハイスミスがトリッキーな仕掛けであることを自覚しないまま書いていただろうけど、ピーター・スワンソンは自覚的に書いている。
 4人の登場人物の一人称形式の章が順番に、ときにアトランダムに続き、章が進むごとに新しい顔があらわれ、「やっぱりそうだったのか!」から「おぉ、そうきたか!」まで様々な感情に翻弄される。 そりゃ一気読み必至!
 まさに、“殺す者と殺される者、追う者と追われる者の攻防”(←裏表紙のあらすじから)そのもの!
 出てくる人たちはみな、それぞれちょっとずつ(人によってはちょっとではないが)、ずれている。 そのずれ加減故に普通の人には感情移入しきれない人たちのはずなんだけど・・・不思議と、何故かちょっと共感してしまう部分もあり・・・ソシオパスに魅力を感じてしまうとはどういうこと!、という別の戦慄をも生むのである。 それが犯罪という厄介なものそのもの・・・人間誰もが心の奥底にある要素だからこそ犯罪は絶えない、という事実そのものなのだ。
 あぁ、とても面白かった。 面白かった、と思うことが不謹慎であると感じるほどに。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする