2018年05月06日

さよなら、僕のマンハッタン/THE ONLY LIVING BOY IN NEW YORK

 『アメイジング・スパイダーマン』で痛い目に遭ったマーク・ウェブ監督が小規模公開系にまた戻ってきて、しかもこれは『(500)日のサマー』よりも前に企画していたものと聞き、原点回帰を確認に。 コピーから、全編サイモン&ガーファンクルの楽曲が聴けるのかな、という楽しみもあって。

  さよなら、僕のマンハッタンP.jpg サイモン&ガーファンクルが流れると思い出す
   今蘇る、あの頃の青春物語
   人生迷走中のトーマスが【おかしな隣人】と【父の愛人】との出会いによって見つけた“本当の自分”とは?

 トーマス・ウェブ(カラム・ターナー)は、出版社社長の父イーサン(ピアース・ブロスナン)とインテリで感受性豊かな母ジュディス(シンシア・ニクソン)のおかげで生まれも育ちもニューヨーク。 上流と呼ばれるホームパーティーにも出席慣れしているが、大学卒業と同時に実家を出てそれほど遠くないアパートで独り暮らしを始めたものの、仕事も恋も中途半端。 ガールフレンドのミミ(カーシー・クレモンズ)とはステディな関係になりたいとがんばるも、彼女からは「彼氏いるし」と対象外宣告を受ける。
 そんなある日、同じアパートにジェラルドと名乗る男性(ジェフ・ブリッジス)が引っ越してきてひょんなことから親しくなる。 彼はトーマスの悩みに的確で深遠なアドバイスをくれ、厳格な父親には期待できない<年長の信頼できる話し相手>を手に入れる。
 更にある日、トーマスはミミと出かけたナイトクラブで、父が見知らぬ美女(ケイト・ベッキンセイル)と一緒にいるのを目撃する。 どう見ても二人はただならぬ関係で、父が浮気をしていることを知ってしまったトーマスだが・・・という話。

  さよなら、僕のマンハッタン4.jpg ミミと一緒に謎の美女を改めて見に行く。 そういうところがいけてないんだよ・・・。
 そう、トーマスくん、微妙にダサい。 そりゃミミに「お友達で」って言われちゃうよね(でもミミはミミで、近くにいない本命彼氏の代わりに、自分に好意を寄せているのをわかったうえでトーマスを利用していない部分もないわけではなく、トーマスがワンランク上の男性に成長したら乗り換えてもいいですよという雰囲気も出しつつ、そこは女のちゃっかりとしたところです)。
 父親には本心を語れない、更にマザコン気味、26歳こじらせ男子です。
 携帯電話の出番も最小限で、あえて時代を特定しない感じがよい。 あ、冒頭からジェフ・ブリッジスのナレーションで「古き良きニューヨーク」について語られるんだけど、文学やモダンアートが混然一体となった時代の雰囲気がなかなかいい感じだった。

  さよなら、僕のマンハッタン2.jpg 謎の隣人の正体は・・・結構すぐに推測できますがそれで面白さが削がれるわけではなく。
 ミミにダメだしされるトーマスの足りないところを助言。 人生に迷える子羊に懐中電灯を差し出す。 ジェラルドは大変おいしいキャラで、誰だってこんなに理解力のある大人が近くにいてほしいと思うほど。
 ジェフ・ブリッジス、もうけ役だわ〜。

  さよなら、僕のマンハッタン3.jpg 息子が<父の愛人>に惹かれるのはお約束?
 ケイト・ベッキンセイルがこういう役をやる年齢になったんだなぁ、という方向にあたしは感慨深かった。 『アンダーワールド』では彼女も若きスターでしたよね? でももう年下男に付きまとわれる役をやっちゃうんですね。
 それはともかく、こじらせ男子の大本は父親との関係、という王道の話でした。 でも王道だからこそ、センシティブな青春ものとして昇華されるのでしょう。
 ただ残念なのは、サイモン&ガーファンクルの曲はタイトルでもある”The Only Living Boy in New York”だけで、ここぞという場面でかかるのはボブ・ディランであったりすること。 ある時代をひっくるめてのノスタルジーをあらわしているのかも、でもあたしにはぴったりとは来なかった(あたしにはもう少しあとの時代がいいのかもなぁ)。

  さよなら、僕のマンハッタン1.jpg 結局、経験がダサい青年を大人にするのか。
 いけてないトーマスくんが、次第にじわじわといい男になっていくのが目に見えるのがすごい!
 ニューヨークを舞台にしながら、イギリス人俳優さんたちが多いのが微妙に気になりましたが。
 ちなみにトーマスくんの名字はウェブなんですが、マーク・ウェブ監督の自伝的内容?、と一瞬考えてしまった(自分と同じ名字の家族の物語だからこの脚本によりひかれたのかも)。 『(500)日のサマー』に近いほろ苦さと、より成熟されたエンディングには、マーク・ウェブ監督の変わらない部分と成長した部分が見えるようで、微笑ましい。
 全体としてできすぎ感というか、うまくまとまりすぎている感もないではないですが・・・それもまた味かな。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする