2018年05月03日

ダンガル きっと、つよくなる/DANGAL

 マサラムービーではないインド映画、最近増えているらしい。 気になっていたんだけどなかなか観に行くタイミングが合わず・・・今度こそ!、ということで『ダンガル』にやっと参戦!

  ダンガルP.jpg 人類史上最も熱い、パパの愛と野望。

 レスリング選手であったマハヴィル(アーミル・カーン)は全国制覇を成し遂げるが、「それで生活していけるのか?!」と父親の反対にあい、オリンピックで金メダルという夢をあきらめて働きながら、若手の育成に力を入れていた。 ふと、自分の才能を受け継ぐ息子を金メダリストにすることを思いつき、それがマハヴィルの生涯の夢となるが、生まれた子供たち4人ともすべて女の子だった。 また夢を見失ったマハヴィルだったが、14歳と11歳になった長女と次女がけんかで男の子に勝ったことを知り、この二人をレスリング選手として鍛えようとする・・・という話。 その部分だけ実話だそうです。

  ダンガル1.jpg おとうさん、若い頃めっちゃいいカラダ。 更に若い頃はすごくハンサム。
 とはいえ、やっていることは星一徹ばりのスポ根頑固おやじ。 必要最低限のことしか喋らない、ちゃぶ台はひっくり返さないけど威圧感がものすごい<こわい父親>そのもの。 でもそこまでに「自分の夢をあきらめた」描写があるので、マハヴィルの気持ちは観客には痛いほどわかります。 なのでおとうさんがそんなにひどいことはしていないように感じてしまう不思議。
 しかし年頃の娘たちにとっては大変な問題。 「サリーだと走りにくいよ〜」といえばポロシャツ・短パンを与えられ(通常、インドの女性は膝から下といえども生足は出さない)、食生活にも口を出され(スパイス禁止ってインド人にはつらいような)、「トレーニングで砂にまみれて髪が痛む」といえば短く刈られてしまう(通常、女性は子供を含め髪を短くなどしない)。 なにをやっても父には逆らえないよぉ、となるまでのやり取りがキュートでコメディタッチ。

  ダンガル2.jpg 娘たち、鬼の特訓に耐える。
 「自分の娘にこんなことをさせるなんて、オニだわ!」と結婚する友人のパーティーでグチる長女に、その友人が言う。
 「私は顔も知らない相手に嫁がされて、家の厄介払いよ。 女は嫁に行って子供を産むしか人生がない。 それ以外の選択肢を考えてくれているんだもの、すごくいいお父さんよ」と。
 あぁ、ここ泣けた。 インドにおける女性の地位の低さ(時代的にはこの段階で1990年代半ばあたりと思われるが)、地域によっても因習が根強く「女がレスリングなんて」とあざ笑う人たちばかり。 つまり娘にそうさせるマハヴィルもまた町中の人々に嘲笑されているわけで、でもそれを家では誰にも悟らせない。 それがわかって、娘たちが本気になるところから、物語も急展開に。

  ダンガル3.jpg 成長した長女ギータ(ファーティマー・サナー・シャイク)は全国大会を制覇し、強化選手村へ。 次女バビータ(サーニャ・マルホートラ)も数年後あとに続くことになる。
 あたしはレスリングのルール、よくわかっていなかったのですが・・・マハヴィルの的確な指導と説明によりコンパクトに理解。
 練習の最初は原っぱを整備して砂地にレスリング場をつくったけど(その感じが相撲の土俵にも似ていて面白かった)、本格的な練習となったらマットレスをひいて正式試合の雰囲気をつかませるなど、選手として一流でありながらコーチとしても一流というマハヴィルの非凡さがことごとく浮き彫りに。 でもそれも、相手が自分の娘たちだからだったのかもしれないけれど。
 そんなわけでレスリングの試合シーンはハラハラドキドキ。 ルールもわかったから「あぁ、今ので〇点とられた!」とすぐわかるし、実話ベースとはいえ実際の試合結果は知らないので。

  ダンガル4.jpg そのよろこびよう、こちらにも伝わって胸熱。
 レスリングを扱った父と娘たちの物語、に集約されているのでストーリーは単純な分、ストレートに心に迫る。 いとこのオムカル(アパルシャクティ・クラーナー)のナレーションで進んでいくんだけど、ギータとバビータと一緒に育ってきた彼だからこそ言えることもあり、まさに家族の物語。 <愛なき世界>の空虚さを観た後だったので、この暑苦しいまでの家族愛がしみました。 うっかり泣いちゃった・・・。
 マサラムービーではないとはいえ、音楽の存在は健在。 ポップだし、そのシーンに合わせた歌が流れるあたりちょこっとミュージカルテイスト。 その歌が終わった後も頭の中を流れる中毒性は、『グレイテスト・ショーマン』に匹敵? 
 おとうさん役のアーミル・カーンはインドでは国宝級の大スターらしい。 選手時代のめちゃいいカラダも、おとうさんになってからのでっぷり腹も特殊メイクなしらしい(27kg増量して、また27kg減量したそうな)。 その役者バカぶり、好きです。
 今後は油断なく、彼の出演作は要チェック!

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする