2018年04月28日

ヴィ・ザ・ヴィ、移転のため急遽閉店ということなので行ってきた。

 ときどき、あたしはいわゆる「虫の知らせ」のようなものを感じ取ることがある。 今回も多分それ。
 ふと、乙仲通のフレンチレストラン・ヴィザヴィのホームページを見たくなったのだ。
 そしたら、「移転のため4月末で閉店」というお知らせあり。 しかも「移転先は未定」とのこと。
 あわあわと一緒にお店に行ったことある人全員に知らせる。 そしていつ行こうと考えつつ、そもそもお店の予約に空きはあるのだろうかと不安になり、ばたばたとスケジュール調整しつつ問い合わせ、28日のディナータイムにお邪魔することになった。
 スープも魚も肉も食べたいよね!、ってことでBコースをオーダー。 そんなにまめに来ているわけでもないのに(続くときは続くので、多分お店の顧客リストには載っているのだろうけれど。 誕生月などにハガキ来るし)、「好きなときに行けない状態になる」となると焦ってしまう自分勝手さは、意地汚さに発展しがち。

  CA3A2161.JPG 食前のお楽しみ:生ハムメロン
 わーい、生ハムだ〜、と思ったらその下にメロンが隠れてました。 甘さ控えめの少し硬めのメロンが生ハムの塩気を引き立ててジューシーさも補う。 <生ハムメロン>って一時期なんにでも出すぎて(ホテルの結婚式の料理とか)イメージ悪くなってた感じだけど、やっぱりおいしいものはおいしいなぁ、と再認識。 流行ると偽物が出るから相対的な価値が下がるけど、それでも本物はちゃんと生き残る。

  CA3A2162.JPG 前菜:フランスから届いたホワイトアスパラガスの温かいサラダ
 プラス料金かかりましたが、これ絶対食べたかった! 本場のホワイトアスパラガス!
 あぁ、この青臭い香り。 お皿を引き寄せようとしたらものすごく熱かったのでどっきり。 そろそろと近寄せ、香りを堪能。
 そして食べる。 おいしい!
 青臭いんだけど、瑞々しくてしゃっきりしてて程よいえぐみがいい感じのアクセントになってて、上にいけばいくほど甘くなる。 グリーンアスパラがものすごく頼りなく感じてしまうほど(あえての対比のためですか?)。
 前菜なんだけど、あたしの気分的にはメイン料理に匹敵しました。

  CA3A2163.JPG スープ:シブレット入り特製野菜のポタージュ
 写真写りはいまひとつですが、ポタージュなのになんでこんなに色が濃いんだ、というくらい濃い。 そして味も濃い。 野菜の賽の目切りもたくさん入っていますが、具がなくてもいいくらいスープおいしい。 でも具があることで濃さが程よく緩和され、軽く胃におさまる感じになるのよね。 家に持って帰りたい、スパゲッティーニをゆでてスープパスタとして食べたい、とか思っちゃう。

  CA3A2164.JPG 魚料理:帆立貝とお魚、キノコのフリカッセ ヴェルモットの香り
 フリカッセって一般的なフランス料理本にはキノコだけとか、チキンが多いんだけど、それを魚介でやるのがプロの技ですよね・・・。 前菜では頼りなかったグリーンアスパラが、ここではものすごく存在感を発揮していてびっくり。 クリームソースもおいしく、パンで隅々まで拭いとる。 フレンチにおいてバケットは食べるものというよりソースを最後まで食べる道具なのよね・・・でもバターついてくるから単独でもつい食べちゃって(それ自体もおいしいし)おなかがいっぱいになる。 肉料理のためにバケットを残しておかなければ! その配分が難しいのよ。

  CA3A2165.JPG 肉料理:仔羊背肉のロースト タイムの香り
 最初は<マグレカナールのロースト 赤ワインソース>のつもりだったが、「すいません、今日の分全部出ちゃいました」と言われてこっちに。 別メニューから他の鴨料理を提案していただいたけど、そっちはさっぱり系だったし前に食べたことあったので、そのときの気分はどっしり系希望だったのだ! 写真の左上に写っているのはフィンガーボウルです。 手づかみOK。
 背肉とはいえより背に近いほうはフィレのようにさっぱり。 逆に骨付き部分はアブラ多めでどっしり。 もともとあたしは羊にそんな抵抗ないんで(北海道に近いからかラム・マトンは普通にスーパーで売ってました。 そういえばこっちでは売ってないもののひとつですね)、くさみの許容量は他の人より広いと思いますが、それでもくさみ一切なし。 あっさり部分は鴨に近いとすら感じるほど(でも触感が違うのでそこは自分をだましきれなかったが)。 骨付き部は豚のスペアリブよりも軽く、ガジガジ骨をかじるのでした。
 また野菜にかかってるソースと肉にかかってるソースが違う(どっちもおいしい)。 残してたバケットフル活用。

  CA3A2166.JPG デザート:アールグレイのポット・ド・クレーム
 これと<苺のミルフィーユ>と悩んだ・・・。
 いつも<デザート盛り合わせ>なんだけど、ポット・ド・クレームが小さくて(しかも味はアールグレイではない)、しっかり食べてみたかった。 添えられているのは同じくアールグレイのアイスクリームと、アールグレイのパウンドケーキ(? 少々固めだけど、マドレーヌの固さとも違う。 ケーキブレッドか?)。
 アイスの味もしっかりアールグレイ。 これも家の冷凍庫にいつも入っていてほしい。
 ポット・ド・クレームはクレーム・ブリュレ的なものですが、表面のパリパリ具合も程よく、中のクレームのトロトロ具合を引き立てつつ、アイスよりもアールグレイが濃い。 しっかり甘いのに甘いだけじゃないから、スプーンが止まりません。
 あぁ、今日もおいしかった・・・。

 で、「なんで移転するんですか? ビル建て替えですか?」とか聞いてみる。 震災後とはいえもう17年、建築基準も厳しくなってきてるからかなぁ、とあたしは思っておりました。
 しかしシェフのお答えは予想外のもので。
 つまり、厨房に働きに来る若いものがすぐやめる・育てられない・使えないため、今のお店の席数を維持できるマンパワーが確保できないので、もっとコバコにする。 シェフとサービスの奥様二人だけでやっていける規模にするためとのこと。
 若手養成問題はどの業界でもあるあるですが、料理人目指す人たちでもそうなのか・・・とびっくり(だって、最初から厳しい世界だということは誰だってわかっているはず)。 この国はいつしか職人すら育たなくなるのか、と愕然とする思い。
 「でもとにかく早く再開させたいですわ。 年内には必ず、というか遅くとも夏ぐらいまでには」とのことなので、思っていたよりも早く「営業再開のお知らせ」が届きそうでうれしい。 問題は物件探しだけみたいだから(ちゃんと、今のお客さんを離したくないので近いエリアでやる、と断言していたのでそれもありがたいし、オーナーシェフだから商売人の基本も外さないよ)。
 今年は体調を崩さないようにしなきゃ、秋冬はジビエを食べるぞ!

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ごはん・お茶の時間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする