2018年01月03日

血のペナルティ/カリン・スローター

 <ウィル・トレントシリーズ>第5弾。
 ウィルのパートナー、フェイスの母親(元アトランタ市警の警部)がある事件に巻き込まれ、拉致される。 彼女が昔かかわった事件と関係あるのか? あるとしたら何のために?、という話。
 シリーズものの常かもしれませんが、事件が関係者の間で回っている・・・。 初期の頃の、ショッキングな事件!・意外な犯人像!、というものから遠ざかっている感がなきにしもあらず。

  血のペナルティ.jpg 原題は“FALLEN”。 邦題はかなり意訳だけれど、<ペナルティ>はなかなか適した言葉だと思う。
 血は贖いと、血縁関係というダブルミーニング。
 フェイスの母親はウィルの上司アマンダの同期で、今回はアマンダの焦りや弱さが描かれるのもポイント。 その分、ウィルはかなり八つ当たりされてますが・・・。
 つくづく、ウィルは女運が悪い。 それを引き寄せているのはウィル自身でもあるのだが。
 犯人側の悪辣さ(というか、頭が悪いが故の想像力のない残忍さ)に比べ、共犯たちの動機の薄っぺらさがあまりにばかばかしくて、逆におそろしい。
 訳者あとがきによれば<母性の物語>とのことですが・・・ここまでしなければならないほどアメリカにおける<家族という神聖なるもの>への思い込みもまたおそろしい。
 家族を知らないウィルだからこそ、その呪縛から逃れることができるのでは。
 しかし彼を希望とするために、ウィルにここまで手ひどい過去をおわせなければならないのか?
 いろいろと、もの悲しい。
 サラとの関係がうまくいくことを祈るよ、ウィル!

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする