2017年12月20日

頼子のために【新装版】/法月綸太郎

 うおぉ、懐かしいよぉ、と、つい読んでしまった。
 そしたら驚くほど速く読み終わってしまった・・・通勤電車で一往復半で。 いくら以前、読んだことのある話とはいえ・・・やはり「日本語を母国語とする人が日本語で書いた物語」は読みやすいのだ、と実感する。 まぁ、あたしが法月綸太郎好きである、ということも大きいが。

  頼子のために新装版.jpg 前の表紙はどんなのだったっけ? 白ではなかった、もっと濃い色だった。

 娘の頼子が死んだ、で始まる父親・西村氏の手記と、その手記を読むことになった名探偵法月綸太郎。
 西村氏の思いを読み解く法月綸太郎は、とても悲しい事件の真相に辿り着く・・・という話。
 いろいろ説明するとネタバレになりそうなので、こんなもんで。
 『雪密室』『誰彼』と比べて文章はぐっと上達していると思う。
 日本の話なのだけど、なんとなく海外ミステリに通じる空気感がある。 昔読んだとき、あまりの後味の悪さにしばらく立ち直れなかったものだが、今回は全然平気だった。 あたしも図太くなったのか、もっと後味の悪い作品を多く読んできたからか・・・。
 それでも、最後の名探偵法月綸太郎の選択は、探偵としても作者としても「若かったんだねぇ・・・」と思わせる。 40代、いや30代半ばくらいだったら、多分違う方法をとったのではないかしら。
 今回改めて読んでみて・・・実は綸太郎はかなり早い段階で真相を見抜いていたのでは、と気づいた。 ただ、それを認めたくないとか、どう扱うべきなのか迷いが出たから、うろうろと悩んで「「ふがいない名探偵」という立場に甘んじていたのではないか。 そう思うのは、あたしも年を取ったからかなぁ。
 懐かしさが加速して、『一の悲劇』とかも読み返したくなってしまったじゃないか。

ラベル:国内ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする