2017年12月30日

ビジランテ

 入江悠監督、またもインディペンデンスに帰ってくる!
 2017年に観た映画、最後がこれとは・・・なんとも印象深い年になっちゃいました。 (← 体調を崩す前に観たものです。 なのでほんとはもっと年内に映画を観に行く予定だった・・・)

  ビジランテP.jpg 容赦しない運命が暴れ出す

 多分関東エリアの閉鎖的な地方都市(埼玉県と思われるがはっきり言及されてはいない)にて、市議会議員をしている暴力的で強権的な父親(菅田俊)のもと、一郎・二郎・三郎の三兄弟は父親の影におびえる日々を送っていた。 父の暴力に耐えかねた長男・一郎が出奔し、30年の月日が流れた。 二郎(鈴木浩介)は父親の跡を継いで市議会議員となっており、三郎(桐谷健太)はデリヘルの雇われ店長として糊口をしのいでいる。 父が死んだことで二人は少し楽になった気がしたが、ある日、姿をくらましていた一郎(大森南朋)が戻ってきたことで、あやういバランスが崩れ出す・・・という話。
 <ビジランテ>とはよく「自警団」と訳されるが、「基本的に自分たちのことは自分たちで守るーというかカタをつける、という発想」と考えたほうがわかりやすいかも。 あまりにあまりな展開に、「警察呼べよ」と言いたくなる人もいるでしょうが、地方の小都市(「市」と名がついていても、県庁所在地でもないただの市、特定の産業も収入もない市)においての独特な閉塞感をここまで容赦なく描いてしまわれては・・・地方出身者として悲しいものがある。 でも、ある種のリアルなんです。 ただ「腐敗」という言葉では足りない、これにリアルさを感じないのは、大都市・金銭的に余裕のある街でずっと生活している人だけだ。

  ビジランテ4.jpg 最後まで謎の存在、一郎。 彼の描かれていない過去がどれだけ壮絶なものだったか想像することしかできないが・・・15・6歳で家を出て一人で生きてきたのだ。 それだけで一本の映画になるだろう。
 ただ一郎さん、服のセンスがダサすぎ! ・・・ファッションとは無縁の世界で生きてきた(衣食住のうち衣の優先順位が低かった)ということなのかもしれませんが。 何も語らない、けれど目で訴えてくるその佇まい、『アウトレイジ 最終章』のときより大森南朋はいかれた人でした。

  ビジランテ2.jpg 意外に主役、三郎。
 クレジット的には三人のトリプル主演ですが、実質的には桐谷健太が主役といってもいいかもしれないくらい出番も多く、セリフも多い。 その分、三郎くんはいちばんひどい目に遭うことになりますが・・・(本人も、まわりの人も)。 末っ子っぽい純粋さを失いきれないところ、彼の新境地というか、現時点での代表作と言えるかも。

  ビジランテ3.jpg いちばん意志が弱いように見える二郎。
 子供の頃からあれだけ父親をきらい、恐れていた三人なのに、結局その跡を継ぐことになった二郎。 一郎が出て行ってしまったからかもしれないけれど、残された二人は協力し合うしかなく、町を出そびれてしまったのかもしれない。 この町に順応しているように見える二郎(妻も子供もいるしね)、出ていけないことに鬱屈しているのか、あきらめているのかわからない三郎。 対極的な兄弟ですが・・・一郎も含め、それぞれの立場でしか見えないものがある、というのが痛い。 女同士ならまた違う形になったのかもしれないけれど、男兄弟はなかなか話し合わないよね・・・。
 年齢的なものもあるだろうけれど、多分、二郎は一郎と三郎に挟まれる形で、いちばん広い視野を持ちえたのかもしれない(一郎失踪後は長男の役割を求められただろうし)。 けれどこの町限定なのが惜しいんだけど。

  ビジランテ1.jpg 三人がぶつかるときは、いつも冷たい川だった。
 <暴力>は常に重低音でこの物語の根底に存在している。
 それを誰よりも憎んでいるのに、暴力で育てられてしまったからそれ以外の方法がわからない、と言ってしまえば「よくある話」になってしまうけど、愛憎の絡まり具合がそれどころじゃない。 周囲の人間も誰も彼らに手を差し伸べないーむしろ、父親と同じような価値観で生きている人たちばかりだから救いなどあるわけがない。
 オリンピックだ、おもてなしだなどとはしゃいでいる場合ではないのである。 地方はそれほど疲弊している、この町を出ていく力もないほどに。 この町で生きていくためには体制に取り込まれるか(それは容易に他者排斥へと変貌する)、ときに身の危険をかえりみず抵抗していくしかない。
 そうなれば、頼れるのは自分しかいない。
 <ビジランテ>とは、法も秩序も存在しない世界で集団で生きることの恐怖、その集団に背を向けることの恐怖でもある。
 物語は三兄弟のそれぞれの選択について描いたけれど、三兄弟に限った話じゃないという恐ろしさ。
 これは財政難に苦しむ地方のどこで起こってもおかしくないことで、これが日本の現実なのだ。

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2017年12月28日

風邪をこじらせたみたいです

 25日の夜、突然のどがイガイガしてきた。
 む、今シーズンはそうならないように気をつけていたのに、ついにきちゃったか。
 まぁ、仕事場に次々体調崩す人とか、イヤな咳をする人とか、マスク姿の人たちが11月半ばぐらいから急増していたので、ちょっとやな感じはしていたのよね・・・。 だからって、年末も押し迫ってきてから、仕事納めが近づいてきてからそうなることはないんじゃない?
 まめに手を洗うし、うがいもちゃんとしてたし、今回は無事に年末年始を迎えられると思ったのに・・・。
 その夜はヴィックスドロップをなめ、マスクをして寝た。
 翌朝、起きると声が出なくなっていた。 のどの痛みも強くなっている。
 でもまぁ、普通に起きれたし、熱もそんなにないので(36.3℃というのは寝起きのあたしとしては高いほうであるが、普通は平熱の範囲内である)、出勤した。 ちなみに今年の仕事納めは27日である。 仕事は多いがもう時間がない。 行きつけの耳鼻咽喉科は火曜日午後も診療しているので、受付時間に間に合うように帰ってこよう、と思った。
 ところが、行きの通勤電車の中で、だんだんと頭がぼーっとしてきた。 じわじわと寒気もしてきた。 こりゃやばいんじゃないか、と思うも、ヴィックスドロップをなめ続け、とりあえず仕事場へ。 到着する頃には階段を一階分上るだけでものすごく息切れがしていた。 む、これはのどの炎症だけでなく去年もやった急性副鼻腔炎も再発した?
 何が起こるかわからないので優先度の高い仕事から片付ける・・・だんだん、頭が働かなくなってきているのがわかったので、一日労働を全うすることはできないことを受け入れる。 というか27日こそ重要なので、明日のために今日は早く帰って病院行って早く寝よう。 というわけで、動ける力のあるうちに早退。
 病院はいつものように混んでいた。 一時間近く待ったであろうか、更に頭がぼーっとしてきて(でも長いこと待合室にいるとそうなるよね)、ガンガン頭痛もしてきた。 でも熱はないのよねぇ。
 ネフライザー(のど・はな)の治療をし、やっと問診。
 問答無用でファイバースコープ出された・・・。
 「のどもだけど、鼻もかなり(炎症が)きてるねぇ。 これで熱がないのがおかしいんだけど(と、あたしに断りを入れたうえで首に触る)、あ、でも、内側に熱がたまってるよ。 あとからこれは熱が出るかもしれないねぇ」
 仕事場にインフルエンザ罹患者がいないか聞かれる。 「いなかったと思いますが、電車の中ではわかりません。 でも関節は痛くないですよ」ということでインフル検査はなし。 あたしがインフルにかかるときはのどもすごく痛くなるが、熱も一気に上がるから。 仮にインフルだとしても、この時の状態では検査キットに引っかからないだろう。
 年末年始にかかるし、去年のこともあるので、強めの抗生物質含めて10日分を処方される。
 「とりあえず5日分はきっちりのんで。 6日目で大丈夫だな、と確信が持てれば続きはのまなくていいけど、不安があれば10日分全部のんでもらっていいから」ということに。
 実はしばらく前から鼻水は出ていたのだが・・・濁りがないので温度変化のせいかと思っていた。 濁ってきたら病院行こうと思っていたのだが・・・目に見えるものだけ信じてちゃだめだな。
 薬局に薬をもらいに行くと、薬剤師さんに「二年連続年末ですか・・・」と同情される。
 「でもね、今年は11月以降、質の悪い風邪が流行ってましてね、体育会系出身の基礎体力がしっかりしているっぽい人ほど、早い段階でやられてますよ。 ここまでもったのはむしろすごいです。 でも、できる限り早く薬、飲んでくださいね〜」、って、あたし褒められたの? 頭がぼーっとしていまいちよくわからない。
 ネフライザーと、シャワーと、第一弾の投薬が効いてきて、ちょっと楽になってきた気がした。
 翌朝も普通に起きれたので、仕事納めに出勤。 ちょっと楽になったと思って仕事がんばっちゃったのがいけなかったか。 無理してしまったことになったのか。
 28日、今日から休みである。 でも更なるのどの痛みで目が覚める。 朝の分の薬をのむために起きねばならんのだが、マスクしてても乾燥するのか、咳が出る。 その咳もまた重たくて、内臓に響きそうで、血を見そうなほどのどを突き刺すような痛みが走る。 むむ、と熱を測ると36.9℃である・・・上がっとるがな。
 ヨーグルトを食べて薬をのみ、しばし後、眠る。 薬が効いていると熱が下がり、効き目が切れると上がる。 のどが痛いのは炎症がひどくなっているからで、だから熱が上がるんだ、と気づいたのは体温が37.6℃になった夜であった。
 身体がだるかったからつい寝たり起きたりで過ごしてしまったが、病院に行っておけばよかったのでは・・・と気づいたとしてもあとの祭りである。 37.9℃〜37.3℃を行ったり来たりしているので、なかなかしんどい。 でもある程度発熱するほうがよいのかもしれない。
 のどが腫れているから薬をのむのも結構きつい。 特に大きい抗生物質は飲み込むのが大変なので、半分に割ってのむ。 というか水を飲みこむのものどが痛いので「ぐえっ」となる。 食べるのはそこまでではないのだが・・・噛むから? 水分はのどにまんべんなく触れながら落ちるから?
 あぁ、年末年始の予定が音を立てて崩れていく・・・。
 とりあえず、買い置きのヨーグルトは全部食べてしまった。 あと牛乳プリンとか、杏仁豆腐とか、のどごしがよくてちょっとひんやりしたものがほしい。 せめて、明日、そういうものを近所のスーパーに買いに行けたらいいな・・・。
 そんなわけで、下書き途中で未公開になっている記事がたくさんあります。 体調と相談しつつ、地道にUPしていく所存。 これでは過去の記事(2011年から2015年分、ちょこちょこ直してきてはいるが・・・)に写真足したり改行直したり、というところまで手が回りそうにない。

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2017年12月24日

今日は今年最後の8冊。

 とりあえず、12月最後の新刊です。
 1月4日発売のキング『ドクター・スリープ』文庫版をどうしようか悩み中・・・。

  御子柴くんと遠距離バディ.jpg 御子柴くんと遠距離バディ/若竹七海
 作者あとがきによれば、御子柴くんはひどい目に遭わされるらしい。 それは作者からの愛情が増してきたからかしら?
 前作同様連作短編集ですが、タイトルに食べ物の名前がないので・・・甘味需要攻撃から御子柴くんが遠ざかってくれてたらいいな、と読者としては思う。

  背教者ユリアヌス1.jpg 背教者ユリアヌス (一)/辻邦生
 わー、辻邦生、超懐かしー! 大学のときなんか一時期ぐわーっとまとめて読みふけってた。 勿論、その時期で全作品を読めたわけではないのだが、個人的にヨーロッパを舞台にしたもののほうが好きだった(一気に読みすぎてタイトルもわからなくなっているという・・・)。 日本を舞台にした『西行花伝』『銀杏散りやまず』『天草の雅歌』なんかもいいんですけどね。
 で、これは読んでなくて・・・でもタイトルからして明らかにヨーロッパでしょ、と裏表紙も見ずに買い上げ決定。 何巻まで続くのかな・・・怖いので調べてない。

  アリスマ王の愛した魔物.jpg アリスマ王の愛した魔物/小川一水
 小川一水お久し振りの短編集。 一回単行本として出たものの文庫化なので、書かれた時期から多少のタイムラグがあります。 でもご本人は『天冥の標』最終章にかかりきりでしょうから、ちょっとでも印税が入って生活が安定してくれてたらいいな(って、あたしが心配するほどのことはないとはわかっているのだが・・・)。

  内部の真実.jpg 内部の真実/日影丈吉
 懐かしの作品発掘シリーズ。 <戦後を代表する本格推理の逸品>とのことですが、あたしは舞台が戦中の台湾であることに惹かれました。 歴史の暗部かもしれないけれど、租界とか、戦争故に異国人が集まることで新しい文化や風俗が生まれて、その中でアイデンティティを保ったり揺られながら生きている人たちの話には理由はわからないのですが、昔から面白いと感じてしまうので、これもそうならいいなぁ、と。

  蝶のいた庭.jpg 蝶のいた庭/ドット・ハチソン
 さっぱり知らない作家ですが、<おぞましすぎる世界の真実を知りたくないのに、ページをめくる手が止まらない>というコピーがやけに訴えてきて。 「うわー、その気持ち、わかる〜」と思ってしまったからでしょうかね。
 でもこういうタイプの話は一気読みしたいところですよね。 休み中に読めるかな・・・。

  嘘解きレトリック09.jpg 嘘解きレトリック 9/都戸利津
 おっと、今回の表紙はずいぶん、動きが・・・。
 と思ったら<次巻、ついにクライマックス!>ぞな! まぁ、ある程度話は進んできちゃいましたからね。 戦争の気配を感じさせないうちに終わるのが潮時なのかも。

  ハブアグレートサンデイ1.jpg ハブ・ア・グレイト・サンデー 1/オノ・ナツメ
 イラストレーターとしてはともかく、マンガ家としてのオノ・ナツメってなんか敷居が高いというか、熱狂的なファンがいそうで踏み込めない・・・と思ってました。 でもなんかこれはタイトルにやられ、この表紙ののほほんとした空気感にもやられ、「ワイド版でもないのに一巻が薄いなぁ」と感じつつ、買ってしまいました。

  レベレーション03.jpg レベレーション 啓示 3/山岸涼子
 ついに3巻目! だいたい一年に一冊のペースなので(2巻もこんな時期だったような・・・)、なんだか読むのがもったいない。 しかしこの表紙にはまた新たなるエネルギーが! 一巻からまとめて読み返したい、そんな気持ちにさせられるわ〜。

ラベル:新刊 マンガ
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2017年12月23日

セトウツミ ドラマ版を観終わって

 連続ドラマ『セトウツミ』がついに最終回。
 あたしは映画版を観たっきりだったので・・・(電子書籍で原作1巻試し読み増量版をそのあと読んで、「おぉ、セリフがほぼ一緒!」と驚いた)、そして映画版を気に入っていたので、「ドラマ版、比較しないですむかしら」と思っていて。
 いや、比較してしまうのは仕方ない。 それがプラス方向に働くか、あれはあれ、これはこれ、と両方認められるか。
 杞憂でした。 これはこれであり!

  セトウツミドラマP.jpg なんか、「リアルタイムの青春」って感じが強くなった。
 連続ドラマ、という形がこの場合よかったな。 「なにもない」と言いつつ何かある、それが楽しいお年頃。 あとから振り返ればあっという間だが、そのときは「のんびり」と感じられる時間。 田中君をはじめとしたオトモダチの存在もまた、“リアルな高校生活のワンシーン”度を高めてくれる。
 映画版は一本の映画として完結しなければならないから、二人の人生において限られた時間の邂逅、という刹那感に満ちていて(また瀬戸君と内海君を演じた二人が「学ラン姿、これで見納めですかね」という空気感を放っていたので)、面白いんだけど、だから余計にせつないんですよね〜。
 なので、ドラマ版の「なんとなく、今を生きてます」感は、映画版のせつなさを飛び越えてくれて、すごく身近な物語になった。 キャストのみなさんも等身大だったしね。

  セトウツミドラマ1.jpg 瀬戸君の赤いバッシューはお約束なのね。
 でも、まさか、内海君がそんな闇を抱えていたなんて!
 てっきり内海君は賢すぎるが故の孤独だと思っていたから(映画版では家族に何らかの問題あり?、くらいのやんわりとした示唆だった)。 でも原作通りみたいだからな・・・内海君の特別感が少し薄らいだ。
 だから二人は親友になれたんだな、と納得できる流れではある。 そしてこの二人ならば、高校を卒業してからもずっと友達なんじゃないかな、と期待できる気がする。 そうあってほしいなぁ。
 終わってしまったのはすごく残念だ・・・でもそれが、時間の不可逆性だから。

ラベル:ドラマ
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2017年12月20日

頼子のために【新装版】/法月綸太郎

 うおぉ、懐かしいよぉ、と、つい読んでしまった。
 そしたら驚くほど速く読み終わってしまった・・・通勤電車で一往復半で。 いくら以前、読んだことのある話とはいえ・・・やはり「日本語を母国語とする人が日本語で書いた物語」は読みやすいのだ、と実感する。 まぁ、あたしが法月綸太郎好きである、ということも大きいが。

  頼子のために新装版.jpg 前の表紙はどんなのだったっけ? 白ではなかった、もっと濃い色だった。

 娘の頼子が死んだ、で始まる父親・西村氏の手記と、その手記を読むことになった名探偵法月綸太郎。
 西村氏の思いを読み解く法月綸太郎は、とても悲しい事件の真相に辿り着く・・・という話。
 いろいろ説明するとネタバレになりそうなので、こんなもんで。
 『雪密室』『誰彼』と比べて文章はぐっと上達していると思う。
 日本の話なのだけど、なんとなく海外ミステリに通じる空気感がある。 昔読んだとき、あまりの後味の悪さにしばらく立ち直れなかったものだが、今回は全然平気だった。 あたしも図太くなったのか、もっと後味の悪い作品を多く読んできたからか・・・。
 それでも、最後の名探偵法月綸太郎の選択は、探偵としても作者としても「若かったんだねぇ・・・」と思わせる。 40代、いや30代半ばくらいだったら、多分違う方法をとったのではないかしら。
 今回改めて読んでみて・・・実は綸太郎はかなり早い段階で真相を見抜いていたのでは、と気づいた。 ただ、それを認めたくないとか、どう扱うべきなのか迷いが出たから、うろうろと悩んで「「ふがいない名探偵」という立場に甘んじていたのではないか。 そう思うのは、あたしも年を取ったからかなぁ。
 懐かしさが加速して、『一の悲劇』とかも読み返したくなってしまったじゃないか。

ラベル:国内ミステリ
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2017年12月18日

オリエント急行殺人事件/MURDER ON THE ORIENT EXPRESS

 何故、今、『オリエント急行殺人事件』なのか?
 数か月前、最初に映画館でチラシを見つけたとき、普通にそう思った。 過去に何度も映画化・ドラマ化されてるし、みんな知ってる話じゃない? 5W1Hを解き明かすミステリの王道ジャンルで「みんなネタ知っている」は致命的じゃない?、と。
 しかし監督はケネス・ブラナーだという(しかも自分でポアロを演じるという)。 となれば、ただのオールスター映画ではなく、何か新しいことを盛り込んでくるということではないだろうか!
 そう思ったら、すごく観に行きたくなってしまったのだった。

  オリエント急行殺人事件P.jpg この列車には、名優たちが必要だった。

 英国政府の依頼でトルコである事件を解決したエルキュール・ポアロ(ケネス・ブラナー)は、ポアロの友人でオリエント急行責任者のブーク(トム・ベイトマン)のはからいで、イスタンブール発フランス行きの豪華寝台列車オリエント急行を使って戻ることに。 普段はほとんど満席にならない一等客室がその日は満杯で、ポアロは相席になる。 食堂車でアメリカ人富豪のエドワード・ラチェット(ジョニー・デップ)から身辺の危機を感じるのでボディーガードになってほしいと依頼されるポアロだったが、「そんなのは私の仕事ではない」と手ひどく断る。 走り続ける急行列車はスイス付近で雪崩のため線路が埋まり、運行が不可能に。 そんな中、ラチェットが刺殺体で発見され、密室と化した列車内に犯人がいるとポアロは考えるが・・・という話。
 原作でも、他の映像作品でも、「事件解決の帰り」としか説明されていなかった<その事件>をオープニングで描いたことは新しい!、と思った(たとえその事件が『名探偵コナン』の少年探偵団レベルであろうとも)。 それでポアロさんの特異な(気難しいが愛すべき)キャラ説明になっているし、そのあとは彼が何をしようとOKと思えるから。

  オリエント急行殺人事件4.jpg また、ラチェットの喋り方がほぼギャングで、「あ、こいつ、悪い世界のやつだ」と一目でわかるのもジョニー・デップらしい。
 しかもアルプス山脈(?)で起こるダイナミックな雪崩の描写とか、それに巻き込まれて先頭車両(この場合は機関車)が脱線するとか、後続車両が陸橋の途中に残ったまま緊急停止するなど、一連の流れはかなりスリリング。 オリエント急行はただ優雅なだけではない!、とここまで表現されたのは初めてかも。

  オリエント急行殺人事件1.jpg で、肝心のポアロさんですが・・・。
 あたしがこれまでに観た映像化されたポアロは、それこそ昔の映画『オリエント急行殺人事件』&『ナイル殺人事件』のアルバート・フィニーと、BBCが全作品ドラマ化したデヴィッド・スーシェだけ。 あたしが思う原作に近いポアロはデヴィッド・スーシェのほうだけど・・・今回のポアロ、これはこれでありです!
 多分、ポアロ史上いちばんダンディで、背も高い。 美食家の割に筋肉質。 されど若き日に別れたのか、国を去るときに(ポアロさんはベルギー人です)別れ別れになったのか、そんな思い出の女性の写真を胸に秘め、ときに写真に向かって泣き言をいうという最もセンシティブでロマンティスト。 なおかつ逃走した誰かを追いかけて列車外に飛び出すどころか陸橋をも下っていく武闘派!(ここ、いちばんびっくりしました)
 列車が止まってからは外にテーブルを出させ、雪の山脈をバックにお茶を飲みながら乗客一人一人に話を聞くなど、スペクタクルなパノラマを背景にしちゃってるのもよかった(あたしが雪の光景が好きだからかもしれないが)。

  オリエント急行殺人事件5.jpg この出来事は1934年の設定。
 キャロライン・ハバード(ミシェル・ファイファー)さんはイヤリングなど装飾品は30年代の最先端のデザインを身につけていて、ドラゴミロフ公爵夫人(ジュディ・デンチ)などは10年・20年代のものを身につけている感じ。 年齢の違いもあるでしょうが、そういうところにも「生きる活力の差」が見えるようでうまいなぁ、と思った。
 ミステリーとしての基本設定は変わっていないので、<どう見せるか・どの段階から真実をちらつかせるか>に工夫があったと思うのですが、つい知っているからポアロさんの灰色の脳細胞の働きを逐一確認していなかった・・・だって、他にもウィレム・デフォーやセルゲイ・ポールニンが出てるんだよ! いろんな意味で濃いキャストたちから目が離せませんよ。
 そんなわけで、思いのほか楽しめたのです。
 コピーの<この列車には、名優たちが必要だった。>が、ダブルミーニングになっていると気が付いたとき、観客はもはやポアロさんの迷いに背中を押すしかなくなっている。

 ちなみに・・・ポアロなのかポワロなのか、あたしの中では今でも答えが出ていないんだが・・・。

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2017年12月17日

今日は4冊、半分懐かしい。

 気づけばもう12月も半ばでございます・・・年末ご挨拶のハガキ&手紙を書きまくっている今日此頃。 いつも気持ちは早めに準備してるんだけどなぁ(ポストカードやら切手などは11月中に揃えている)、いざ書き始めるのがギリギリになってしまうのは何故なのか。 学生時代の試験勉強の頃の癖が抜けてないってこと?!

  血のペナルティ.jpg 血のペナルティ/カリン・スローター
 <ウィル・トレントシリーズ>、最新刊。 今回はウィルの相棒フェイスの母親(元アトランタ市警の警部)がある事件に巻き込まれて拉致されるらしい。 しかし「ある事件」とは? かつて彼女が市警をやめたことと関係あるのか。
 相変わらずサラ・リントンも出てくるようですし、人間関係もまた目まぐるしいのがこのシリーズの(というか作者の、か)特徴の一つ。
 今回は上下巻分けずに一冊で刊行してくれてありがたい(550ページぐらいだからですかね―実際は600ページ越えていました)。

  頼子のために新装版.jpg 頼子のために【新装版】/法月綸太郎
 うわっ、超懐かしい!
 新本格30周年ということらしいので、その流れの一環かな?
 で、当時のあたしは新本格の作家の中では法月綸太郎がいちばん好きかなと思っていて・・・でもこんなにもなかなか本を出さない人になるとは思ってなかったな〜。

  鬼面の研究新装版.jpg 鬼面の研究【新装版】/栗本薫
 うわっ、これはもっと超懐かしい!
 最初のは古本屋さんで買ったんだっけ? 『優しい密室』のあと多分これを読んで、そのあと『絃の聖域』にいった。
 この<伊集院大介初期三部作>をあたしはどれほど好きだっただろう。
 本作における森カオルさんの姿は「作者そのものでは・・・」と思っていたことも懐かしい。 後日、ご本人は「森カオルは私じゃありません」と言っていたので「そうなのか・・・」となったけど、今思うと結構な部分が投影されてたんじゃないのかな(実際のところも、そうありたい・そう見せたい部分も含め)、と感じられるようになってしまった。 それも、作者亡きあと、彼女の人となりをご主人のエッセイで読んでしまったからだ。 ・・・なんか、切ない。

  花冠の竜の国アンコール5.jpg 花冠の竜の国encore9/中山星香
 どこでやめよう・・・とずっと思っていたけれど、今回は結構面白かった。 というか最後まですんなり読めた。
 リズがあまり無茶な行動をしてないから? 登場人物がそれぞれ適材適所の働きをしていた(つまりそれぞれに見せ場があった)から?
 もしかして、これってあたしの気分の問題なのかしら?

 今月、あとは20日〜22日当たりにどかっと新刊が出て、今年はそれで終わりなはず。
 年末年始でどれくらい読めるか、勝負だ!

ラベル:新刊 マンガ
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2017年12月15日

死もまた我等なり<クリフトン年代記2>/ジェフリー・アーチャー

 第一部が「うおぉ!」というところで終わったので、即座に第二部に入りました。
 もう、あらすじを言うだけでネタバレになるんじゃないか、という気がします。 だって、登場人物それぞれがどんな人生を歩んでいくのか、という話だからさ。

  クリフトン2−1.jpgクリフトン2−2.jpg 戦争がはじまりました。

 『死もまた我等なり』はかなり意訳。 現代を直訳すれば『父親の罪』だけど、キリスト教的意味合いが含まれているから日本人にはわかりにくいからだろう。 SINが複数形になってるしね。
 理不尽な投獄と刑務所暮らし、の描写は、作者本人が刑務所に入れられて以降は必ずと言っていいほど入っている。 ちょっと『誇りと報酬』を思い出します。 でもそこが主眼ではないので・・・刑務所生活はハリーに作家として立つだけの準備と時間をくれたもの、という解釈ですかね、今のところ。
 しかし、むしろ急成長を遂げるのはハリーの母親メイジーのほうである。
 彼女は若くして結婚し、ハリーを産んだ。 読み書きができないことをずっと隠しながら働き続けていた。 なんかもうその部分だけで、ぐっとくるじゃないですか!(でも、ただ「耐えるだけの女性」ではないことがメイジーの強さである)
 『ケインとアベル』の頃に比べてぐっと変わったのは、それぞれに魅力的な女性たちが増えたことかもしれない。 男性陣のタイプはそんなに変わってない印象ではあるけれど、一生懸命働く・努力を惜しまない・知識や教養の大切さを知ることで、時代的に立場の弱い女性たちが輝いていくのはうれしいことです(そうじゃない女性もいるけどさ・・・)。
 第二部のラストは、第一部ほど「おいっ!」という感じではない。 続くは続くけど、まぁ次の展開は想像がつくので「いったん、小休止」という場所になっている気がする。 人によっては「ここで終わってもいいかも」と考えるかも。
 でもあたしはまだ読みますよ!
 ただ・・・第四部〜第六部が行方不明だ・・・いや、どっかにはあるんだけど、どこに置いたかがすぐわからない。
 とりあえず、本を整理してから第三部に入ろうかな! この小休止を利用して。

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2017年12月14日

探偵はBARにいる 3

 シリーズ第3弾、舞台は再び冬ということで、それだけ観たさに。
 いや、大泉さんは好きですけどね、むしろサブを支える方々に会いに行く・・・みたいな気持ち。
 観るまで気づかなかったんですけど、今回はオリジナルストーリーだったんですね。 1・2作にあった昭和っぽい猥雑な雰囲気、なくなってたし。 好みもありましょうが、前2作のテイストが『探偵はBARにいる』の基本的な世界観だったんだな、と気づかされました。

  探偵はBARにいる3−P.jpg 命を燃やすものは、あるか?

 高田(松田龍平)がある日、自分の後輩を連れてきて探偵(大泉洋)に引き合わせる。 恋人の大学生・麗子(前田敦子)が行方不明になっているから、探してほしいという頼みごとのような依頼だった。 あまり乗り気ではない探偵だが、高田の顔を立てて引き受けることに。 やる気なさげに調査を進めていくと、麗子が所属していたらしいモデル事務所に辿り着く。 そこの美人オーナー・マリ(北川景子)は「私たちも麗子のことを心配している」というが、事務所のバックには新興の暴力団がついていて・・・という話。
 雪で真っ白な道に倒れこむ死体、流れ出て雪を染めていく鮮血、というビジュアルを真上から撮るアングルは、ありきたりかもしれないけれど『ファーゴ』『シンプル・プラン』などを連想させてあたしは個人的に好きでした。 でもこのシリーズこんな話ばっかりだと、「北海道には怖い人ばっかり」って印象にならないかな〜、と思ったり(あくまでイメージです)。

  探偵はBARにいる3−1.jpg 二人のパートナーシップはこれまで以上に強いものとして描かれますが・・・。
 今回、監督は変わったけれど、脚本はこれまで通り古沢良太。 でも、観てる間何度も「え、確かそうだったよね?」と確認したくなった(エンドロールで「あ、やっぱりそうだった」と安心したけども)。 つまりはそれくらい、なんか微妙に違うのだ。 これが原作から離れたオリジナルストーリーだということなのか、全体的に違う方向に切ることにした意図した変化なのか。
 だったらあまり成功しているとはいいがたいかな・・・探偵さんがひどい目に遭うお約束のシーンもあるし、松重豊・マギー・篠井英介・田口トモロヲといったレギュラーメンバーにもちゃんと見せ場があるのに(特に田口トモロヲ、おいしい!)、やっぱりそういうことだけではないらしい。
 なんだろう、時代かなぁ。 出来事は昭和なんだけど、いまは昭和ではないから、BGMなどで雰囲気を出そうとすればするほどズレが目立つというか。 前二作でもそれは同じなんだけど、テレビ地上波ではそのまま放送できない部分があったから、<マチの裏側>を描いているという意味で多少時代遅れな古い因習的な部分があるのは仕方ないと思えていた(そういう部分が好きとか嫌いとかは別にして)。 でも本作にはそういう部分がないんですよね・・・このままノーカットで地上波放送できるんじゃないの?、というか。

  探偵はBARにいる3−3.jpg そりゃ、北川景子は大変美しく撮れているんですけれど。
 あとすいません、何度も「あぁ、探偵さん、老けたなぁ」って思ってしまった・・・。
 常々、「高田くん、厚着というか、重ね着しすぎじゃない?」と感じていたんだけれど・・・空手の達人という設定故、あまりひょろひょろに見えてはいけない(それなりに体格いい感じに見せたい)からなのかな、と。 メガネも顔ギリギリなのもそうかな、と。 それと、北海道出身の人じゃないから、寒さ対策として重ね着しか思いつかないってのも高田くんっぽい。 と、今更ながらに高田くんのキュートさに気づかされました。 というか、今作はとりわけ「高田くんをキュートに見せる」ことに努力していたように思う。

  探偵はBARにいる3−5.jpg <シリーズ屈指の危険な相手>ということでしたが・・・。
 リリー・フランキー、これまでもやばい人の役やってるからあまり意外性がないし、危険といっても他人に共感を持てないサディストってだけで(自分の近くにそんな人がいたらすごくイヤだし危険ではありますが)、知能犯としてはまだまだのレベルだし、松重さんの役の人を怒らせたほうが絶対怖いって!
 <『探偵』史上最も切ない幕切れ>とか、そういう予告コピーも、「いやいや、一作目のほうが切なかったと思うなぁ」と素直に頷けないことばかりで。
 結局、いちばん面白かったのは、エンドロール後のおまけ映像(?)だったという。
 このための高田くん推しだったのね、と納得。

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2017年12月13日

GODZILLA 怪獣惑星

 最初、アニメでゴジラ、と聞いたときは「ほー」だけですんでしまったのだが、予告を見たら思いのほかSF設定。 これはちょっと気になるじゃないか、ということで時間が合えば観ようか、と思ったら・・・結構ギリギリになってしまった。 そして観に行く直前に「実は三部作」だと知ったという・・・。
 ちなみに脚本を担当している虚淵玄氏が、大坪砂男の孫であることを『大坪砂男全集』の解説で知りましたよ(多分、今の視点から見たら有名なのは逆なんだろうけど)。

  ゴジラ怪獣惑星P.jpg 滅びるのは、人か、ゴジラか。

 近未来、突然地上に怪獣たちが現れた。 そして怪獣たちの食物連鎖の頂点にいるのはゴジラだった。 地球の人類たちは果敢に戦ってきたが、次第にその力は弱まっていく。 すると地球の危機を好機と見た宇宙人が人類に降伏を迫るよう接触してくる。 彼らの科学力をゴジラ征伐に利用しようと考えたものの、ゴジラのパワーは想像以上であり、地球を脱出し、別の星に移住することを考える。 恒星間移民船・アラトラム号で地球を脱出した者たちは流浪の民となり、ようやく探し出した星も生活するにはあまりに過酷な環境であることがわかり、望みがたたれる。 幼い子供の頃に地球を離れたハルオ・サカキ(宮野真守)はもはや大人になっていて、もう一度地球に戻って地球をゴジラから取り戻そう、とアラトラム号の人々を説得する。 長距離亜空間航行で乗員の体感時間は11年×2だが、地球では約二万年もの時間が流れているはずで、彼らが戻った地球にはもはや文明の名残はなく、深い森と怪獣たち、そしてゴジラが支配していた・・・という話。
 えっと、説明が長いのですが、ここまでが基本設定です。

  ゴジラ怪獣惑星4.jpg しかも序盤は<まも>がずっと喋ってます。 全編中のセリフ、一人で半分くらい喋っているのでは?
 実は地球人以外の異星人が2種類(?)いる感じなのだ。 好戦的なごつい体形の方々と、自分たちの信仰を第一義とする平和主義(?)の白い服の方たち。 白い服の側のメトフィエス(櫻井孝宏)は、ハルオくんが好きみたいなんだけど、地球脱出の際に両親が死んだハルオはゴジラを親の敵と思っていて、その復讐心が行動の原動力なのだけれど、すぐ激しやすいのが玉に瑕。
 音楽が服部孝之だったのに驚き! 久し振りの映画音楽がこれですか!

  ゴジラ怪獣惑星5.jpg おじさんたちの安定の演技に安心する。
 山路さんとか堀内賢雄とか、アニメでも外画のときと同じようなテンションで喋ってくれるのがなんかうれしい。 監督の一人が『BLAME!』の監督らしいので、声優さんのセレクトがほぼかぶっています・・・でもあたしでも名前は見たことがある若手実力派の方々がかなり出てるので、第二部・第三部で新しいキャラクター出すとき声優さん選び大変では、と思うほど(勿論、あたしが知らないだけで若手の層はもっと厚いのでしょうが)。
 ただ、地球に帰ってからはバトルシーンでいろいろと迫力ありますが、序盤のさらっと流された<異星人たちのと協力関係>の描写をもっと掘り下げてもらったほうがよかったかも・・・次作で補完されるのかもしれませんが、むしろ第一弾でちゃんとそこをしておかなかったら二作目を観てもらえないのでは? 必要最低限のことしかわからなかった。
 まぁ、完全にハルオ目線の話なので、彼の思考が復讐と憎しみに染まっている以上、客観的な説明を求めることが違うのかもしれません。

  ゴジラ怪獣惑星1.jpg ゴジラの表面(?)は、まるで木彫りの熊のような荒々しさで。
 というわけで「ゴジラは無敵というよりも、すべての常識を超越したものすごい生き物」となっております。
 そもそも何故ゴジラが出現したのかにも一切言及がなく、実写版における「人間の愚かな行動と発明によって生まれた」とするアンチ人類・社会派的存在は引き継がれているのだろうか・・・それがなかったら、「ただの怪獣でいいじゃん」ということになってしまうのでは。
 そう感じたことで、「ゴジラって、とにかく特別な存在なのだな」ということに気づかされた。 『シン・ゴジラ』がすごくよくできていただけに、期待値が上がるのは致し方がない。
 わかっていても「えっ、そんなとこで終わる?!」、で、つらい。 エンドロール後の映像が特に意外性もなくよくある感じだったので余計切ない・・・。 次作のポスタービジュアルはかっこよかったけど、公開が結構先なんだよね〜。 第二弾を観る頃には一作目のことを忘れてそうな気がする・・・「ゴジラのせいで地球から出ていったけど、結局帰ってきました」ということだけわかっていればいいのか?

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2017年12月12日

女神の見えざる手/MISS SLOANE

 ジェシカ・チャステイン、好きです。 ちょっと狂気をはらんだ<デキる女>か、突き抜けた無邪気さですべてを変えてしまうか、どちらかに分類される役柄が多いけど、圧倒的にかっこいいのは<デキる女>のほうでして、今作もまたそんな役。
 予備知識はそれだけだ、さぁ、観るぞ!

  女神の見えざる手P.jpg 彼女がアメリカを「毒」で制す――。

 ワシントンで辣腕を振るう優秀なロビイスト、エリザベス・スローン(ジェシカ・チャステイン)。 彼女は大手ロビー会社のコール=クラヴィッツ&W社の稼ぎ頭で、その能力を買われてアメリカ全土にじわじわと広がる銃規制派をねじ伏せてほしいという銃擁護派団体からの依頼が入る。 しかしミス・スローンはそれをよしとせず、自分の部下たち4人をつれて退社、ロドルフォ・シュミット(マーク・ストロング)率いる銃規制派の旗を抱える小さな会社へ移籍する。 そこから彼女と仲間たちによる銃規制法案可決のためのロビイ活動が始まるが、敵は巨大で真正面からいってもつぶされるだけ。 だが決してあきらめず、抜きんでたアイディアと途方もない決断力で勝負を挑む・・・という話。

  女神の見えざる手2.jpg 彼女についていくことを決めた部下たち4人。 勿論、元の会社に残った者たちもいる。 それだけ現代のアメリカ社会において「法律による銃規制」は高いハードルなのである。
 ちょっと前にも書いた気がするが、ロビイストとは「特定の団体(顧客)の利益をはかるため、マスコミや世論を動かして議員等に圧力をかけ、議会での立法活動に影響を与える」人たちのこと。 自分の信念のために働いているロビイストもいるが、金次第で顧客の利益優先の人もいる。 ミス・スローンは前者であるとわかるものの、そのために手段は選ばないのでかなり怖い。 自分でも自覚はあるのか、それとも仕事中毒なのか、自分の中にある満たされないもののために仕事にのめりこむのか、冒頭からミス・スローンはいろんな意味で危険な存在であることが示唆される。 でもそういう役、ジェシカ・チャステインは似合うんだよ!
 しかし彼女だけでなく、実は豪華なキャスティング。 前の会社でミス・スローンの片腕的存在だった(でも大学院に進むつもりなのに仕事に引き留められていた)ジェーン・モロイ(アリソン・ピル)、前の会社の上司だったジョージ・デュポン(サム・ウォーターストン)、スパーリング上院議員(ジョン・リスゴー)などなど、「なんか見たことありますけど!」な人たち多数。 しかもサム・ウォーターストンとアリソン・ピルはドラマ『ニュースルーム』のレギュラーで、あれも実際に起こった事件・事故をモチーフにしたものだったので、この映画自体もなんとなく実録ものっぽい雰囲気が出ているというか、ジャーナリスト的手法でありつつ内幕物になっているという、大変社会派であることを意識したキャスティングと見た。 だからなんとなく、イギリス映画っぽかったです。

  女神の見えざる手3.jpg きゃー、マーク・ストロング! 悪役じゃないわ! かっこよかった!
 シュミットは銃規制のためにロビイスト会社を立ち上げたCEO。 会社は小さいが信念の人であり、彼の会社にはその趣旨に賛同した人々が集っている。 ミス・スローンから見ればロビイストやアシスタントとしてのレベルはバラバラだろうけれど。
 日本にずっと暮らしていると、何故様々な事件・事故が起こっていながらアメリカではいっこうに銃規制が進まないのか、というのは全く理解できないのだけれど、銃規制を望む人たちも少なからずいるというのは見ていてやはりうれしかった。 でも、全米ライフル協会をはじめとする銃擁護派(むしろ推進派)の力が強すぎることと、アメリカにおいては建国の理念である<自由>を妨げるものはどんなことであっても許されないという国民性の問題になってきちゃうのかな、と思う。
 だからこそ国民への意識改革というか、それだけやりがいのある仕事なのでしょうが。

  女神の見えざる手5.jpg 真っ黒一色だと思ったら、靴のソール裏が真紅!
 一日のほとんどの時間を仕事に捧げている彼女にオシャレをする時間などないはずなのだが・・・どうやらスタイリストに一式届けさせている様子。 パーティーのときも髪やメイクも全部プロに。 だがたくさんの資料が詰まったカバンだけは取り替えない。 クロコダイル革のちょっとネイビーっぽい黒のカバンは、そのまま彼女の稼ぎの象徴である(ブランド名は映らないように工夫されていた。 かなり高価そうだったが、それを無造作に扱うのもまたかっこいい)。
 でもあたしにはこの生活、無理だ、と思わされた。 ミス・スローンのような鉄の意志がないのも勿論だが、体力もそうだし、ときには自分よりも下の立場の者に人格を攻撃するほどの言葉を浴びせなくてはならない。 さらには、自分だけではなく部下たちの命まで狙われるかも。 そもそも、人の気持ちを、主義主張を操らなければならないのだ。 精神的な負担ってどれくらいよ・・・。

  女神の見えざる手4.jpg しかもかつての右腕、ジェーンは敵側に・・・ミス・スローンが厳しすぎたせい?
 そんなわけでミス・スローンは新しい会社でエズメ・マヌチャリアン(ググ・ンバータ=ロー)を見い出し、彼女に重要なポジションを任せるように。 エズメは本心から銃規制を願っていて、そのためにシュミットについてきたワシントンの住人としては変わり種。 ロビイストになりたい野心もないし、生活も慎ましやか。 彼女のカバンはいつもコーチ・レガシーのキャリーオール(色はナチュラルブラウン)で、それもまたミス・スローンとの見事な対比になっていた(こっちのカバンがわかったのはあたしもかつてほしいなぁと思っていたからだった。 でもあたしの希望よりはちょっと小さくて・・・アメリカ版のこっちは日本で売っていたものより大きめだったので、あのサイズならあたしは買ってたかもしれない)。
 仕事をする女にとって、どんなカバンを持っているかは性格づけに欠かせない、と思わされる使い方でしたよ。 そこだけでもこの映画、高評価。
 でもいちばんの見どころは、「真のロビイストとは」という部分。
 人として高潔で、品行方正であるに越したことはない。 けれど欠点だらけでも、正しいと信じる理念のためにやるべきことをやって結果を出すとがむしゃらに突き進む人のほうが魅力的。 一見無茶苦茶なこともするけれど、その裡に信じるべき何かがあると気づく人たちは彼女についていく。 その期待に応えるべく、更に動く。 彼女はそういう人だから。
 銃規制派と擁護派、どちらが勝つのか。 そう簡単に決着はつかないけれど、そのスリリングな戦いの過程は見る価値あり!

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2017年12月11日

時のみぞ知る<クリフトン年代記1>/ジェフリー・アーチャー

 『ケインとアベル』を超える!>と言われたこの作品、めでたく完結ということで第一部から読み始める。
 ジェフリー・アーチャーには待たされるのがイヤなのである!(それはつまり、絶対次に引っ張る終わり方をしているのがわかるから、ということでもあるのだが)
そんなわけで第一部、あっという間に読み終えた。
 そしてやっぱり「おいっ!」という終わり方だった・・・すぐ第二部に入るしかないよ、こりゃ。 待たされた・待った人はえらいです。

  クリフトン1時のみぞ知る1.jpgクリフトン1時のみぞ知る2.jpg 読み終えて表紙を見ると・・・その情景がよくわかる。

 どうやら主人公はハリー・クリフトン。 労働者階級の家に生まれ、父親は自分が生まれる前に死んだようで、裕福とはまったくいえない暮らしだが、聖歌隊ですぐれたボーイソプラノ能力を見い出され、周囲の人々の力を借りて上のレベルの学校に通うことになる・・・というビルディングストーリーの気配は、『チェルシー・テラスへの道』みたい。
 しかしクリフトン一家に関わるバリントン家(ここはお金持ちで貴族の血筋あり)の存在・対比が『ケインとアベル』っぽいんでしょうね。 ケインに対するアベルがハリーにとってはジャイルズ・バリントンのようなんだけど、ハリーとバリントンが上巻の段階で出会っちゃうことにびっくりだ! 内容におけるケインとアベルの比重が1:1だとしたら、ハリーとジャイルズは今のところ7:3くらい・・・愛憎入り混じるというよりも、親友の関係なのではないでしょうか(今後変わるかもしれないが・・・そうなるならすごい怖い展開になっちゃう)。
 で、出てくる人数、増えてます。 戦争(第二次世界大戦)もからみます。 お家騒動も勃発しそう。 投獄問題もあり、と、これまでのジェフリー・アーチャー全部入れ、みたいな雰囲気濃厚。
 でも、それが面白い。
 最終的にはいい人が報われ、悪いやつは破滅するんでしょ、とわかってはいるのだが、いい人がどん底ぎりぎりまで落とされていく過程にはハラハラしてしまうし、その苦境をどうやって乗り切るのかにもドキドキするし、近くにいた人の意外な救いの手に心打たれ、ダメなやつの悪知恵にものすごく腹が立つ。
 ある意味、子供のときに読む『世界名作劇場』みたいな感じ?
 もしくは『水戸黄門』のよう、とも言えるかも。 おおよその展開は想像つくけど、やってたら見ちゃって、結局最後まで見るという。
 でもそれは、多分しあわせなことなのだ。 こんなにも没頭できる物語があることは。
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2017年12月10日

今日は7冊。

 ついにこの季節がやってきてしまいました。

  このミス2018.jpg このミステリーがすごい! 2018年版
 これが出ると、「あぁ、12月にもうすっかり突入したな」という気持ちになる・・・。
 ここんとこずっと毎年思うが、「あたし、日本人作家の作品、読んでないなぁ」、と。 読んでないわけではないんだけど、新刊で、新しい作家で、というのはとても減っている。 翻訳物はどんどん新人でも買っているのに。
 いや、『屍人荘の殺人』は早い段階から読みたいと思っていたんですよ! でもハードカバーだし、図書館も混んでそうだし・・・ということで文庫化を待つ(ケイト・モートンの『湖畔』も少し前にやっと図書館に予約入れたけど、まだ60人ぐらい待機人数がいましたわ・・・『秘密』の文庫もまだだから、文庫化よりは先に読めそうではあるけれど)。
 というわけでいつものように、海外編のほうがよくわかるラインナップ。
 いいんだ、あたしの目的は<来年の各社の隠し玉>だから!

  日本SF傑作選3 眉村卓.jpg 日本SF傑作選3 眉村卓
 カズレーザー氏のおかげでまたベストセラーに入ってしまったりしてますが、眉村卓の本分は本格SF!、と思うです。
 ジュブナイル群・『司政官』シリーズ・ショートショート以外からセレクトされた本作は、その分目玉が薄い感じですが、硬派なSF群の集大成としてはこういう選択しかないだろうと思わせられる。
 でもね・・・個人的には名作ジュブナイルたちから一作もないのは寂しいです。 「大半が復刻されたりして手に入りやすくなっている」とはいうものの、全部じゃないし。 ショートショートも実は星新一より多く書いているのはファン以外にはあまり知られていない事実。 編者の日下三蔵氏も「ショートショートはまた別の形でまとめるべき」と書かれてましたが・・・あたしは『ふつうの家族』とかあのへんの、「ショートショートなんだけど連作」みたいな構造のやつが好きです。
 しみじみあたしは、SFのまじめな部分を眉村卓と福島正実から、程よくいい加減ででたらめな部分を筒井康隆から学んだんだなぁ。 ちなみに個人的イメージカラーは、眉村卓が青で筒井康隆が赤だ、ということに気づいた。

  コリーニ事件文庫版.jpg コリーニ事件/フェルディナント・フォン・シーラッハ
 シーラッハ初の長編。 すでに図書館から借りて結構前に読み終わっておりますが、「シーラッハは文庫で全部揃える!」と思っているので買いました(あと、インドリダソンも文庫で揃えたい。 東京創元社、ごめんなさい)。 長編といっても文庫にして200ページたらず、量としては物足りないのですが内容が濃密なのでこれで十分!
 短編集とは表紙装丁の趣をぐっと変えてきているところもいいですね〜。

  否定と肯定文庫.jpg 否定と肯定 ホロコーストの真実をめぐる闘い/デボラ・E・リップシュタット
 この映画を観たいのであるが、今のところ神戸市で上映予定なし・・・。
 パルシネマ待ちといきたいところであるが、保証がないので勢いで原作を買う。
 ハーパーブックスジャパンのラインナップが地味にすごくなってきていることにもちょっとドキドキ。 ドン・ウィンズロウの新刊も次はここから出るらしいし、本国のハーパーブックスとつながっているから翻訳権取りやすいってこと? 翻訳者全体のアベレージが上がれば、東京創元社や早川書房のライバルになるかもしれん・・・さらにドキドキ。 あと装丁と、解説等にも改善の余地ありだが。
 これは小説ではなくルポルタージュ。 歴史修正主義者との闘いを描いたもの。
 歴史って修正できるものなのか?、と思いつつ、でもそもそも歴史とは勝者側のものだから・・・真の中立とはなんでしょうね、ということも考えたくて。

  美森まんじゃしろのサオリさん.jpg 美森まんじゃしろのサオリさん/小川一水
 小川一水にはSFの顔と、民俗学的な顔がある。 この連作は民俗学的なほうっぽい。 その場合、あたしはとても高階良子の『竜神氏の遺産』に通じるものを感じるんですよね。
 マイペースすぎる女性に振り回される男性、については遠藤淑子の影響であるとご本人が言っていたので、納得。
 あたしが小川一水を好きなのって、少女マンガの影響をところどころ感じるからでは・・・。

  ナルニア国物語6 銀の椅子.jpg 銀の椅子<ナルニア国物語6>/C・S・ルイス
 『ナルニア国物語』新版・新訳もついに6巻目。 残るはあと一冊になりました(来年3月刊行予定)。
 めずらしく(?)、今回の表紙は一筆書き感が薄い。 『マノン・レスコー』も買うか悩んだわ・・・今も悩み中。

  感染地図文庫.jpg 感染地図 歴史を変えた未知の病原体/スティーヴン・ジョンソン
 これは単行本刊行後、2009年ぐらいに図書館から借りて読みました。
 疫学の基礎であり実践の書でもあり、未曽有の流行病に襲われた町の人々をめぐる物語としてもスリリングだった記憶あり。 文庫本出たら買おう、とその時思っていましたが、まさか8年近く待たされていたとはね・・・。

ラベル:新刊
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2017年12月06日

ULTIMATE/BRYAN ADAMS

 ブライアン・アダムスのオールタイムベストが出る、しかも高音質CDで!
 となるとちょっとほしいじゃない!
 多分、今年最後に買うCDアルバムになりそうです。
 枯れ声の人、好きなんです(あたしの中では「ハスキーボイス」という表現は使わない)。 でもそういう人全部が好きというわけでもなくて・・・たとえばこのアルバムにも収録されている“ALL FOR LOVE”は当時ロック界の三大ハスキーボイスと呼ばれたブライアン、ロッド・スチュワート、スティングが揃って歌ったことでも話題だったけど、あたしがいちばん好きなのはブライアン。 スティングも好きなほう。 ロッド・スチュワートは普通かな。 好き度で言えばリチャード・マークスのほうがぐっと上にくる。 声だけよりも、サウンドやご本人の佇まい含めての好みなのかもしれませんが、枯れ声はあたしのツボのひとつです。

  ブライアンアダムス アルティメイト.JPG ジャケット、直球。

 『アルティメイト』というタイトルにふさわしく、CDの限界79分ギリギリに詰め込まれた21曲(うち、新曲2曲)。
 が、その時間を感じさせない疾走感。 気づけばリピートして聴いている・・・。
 なんでだろう、と思えば、楽曲一曲当たりの時間がほぼ3・4分台。 5分を越えるものがない! オリジナルをちょっとカットしたりしてるな! ロックチューンにほどよくミディアム、バラッドを混ぜて・・・この構成ってライヴのセットリストに似ているよ!
 しかも、あたしの愛する“CLOUD NUMBER 9”は待ったく別モノに仕上がっており・・・あのオリジナルの美しさは芸術の域だったのに、でも確かにライヴのナンバーとするには雰囲気が独特すぎる。 これはオリジナルアルバム『DAY LIKE TODAY』で聴けってことね・・・。
 ベストアルバムとしての完成度というか圧倒性としては『So Far, So Good』のほうが上ではあるのですが(こっちはシングルカットのオリジナルアレンジ中心で、6分越えの大作もあったし)、ただリリースが1993年(さっき調べて驚いたよ、自分の年齢も感じるわ)なので選曲に時代的な偏りが。 でも80年代後半〜90年代にかけての彼のPVのクオリティの高さはほんとに素晴らしかったので(確か、その後映画監督になった人とかいたはず。 “DO I HAVE TO SAY THE WORDS?”が特に好きでしたわ)、DVDをつけてくれるとうれしかったんだけど・・・それは我儘でしたか?
 でも、アルバムがライヴ的流れだから(高音質だから楽器ひとつひとつの音もクリアに聴こえて気持ちいい!)、当時のPVでオリジナルアレンジを楽しむ、というのもありなんじゃないかなぁ。 でもジャケットのお手軽感からして、そこまで集大成的なものを作る気概ではなかったのかも・・・そろそろCDをリリースすること自体があやうい時期が迫っているとスタッフに言われたから、って感じだったよ(ブライアン本人はまだCDが完全になくなるとは思ってはいないみたいだが)。
 ラストを飾るのは勿論、“18 TIL I DIE”。 だからここで終わらせたくなくて、ついついリピート、なのです。
 やっぱりブライアン・アダムス、かっこいいな!

ラベル:洋楽
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2017年12月05日

ダブルファッジブラウニーは震えている/ジョン・フルーク

 <お菓子探偵ハンナ>シリーズ第18弾!
 前作でのっぴきならない事情に陥ったハンナ、そこ後どうなる!、とひっぱられたのに、その続きであるこの本は、ハンナの母親の結婚式騒動で前半の半分を使ってしまう。 そうだった、このシリーズはこういう感じだった・・・。
 そしてハンナはそこでこれからの人生を変える出会いをし、シリーズは大きな転換期を迎えるようです。

  ハンナ18.jpg 今回もレシピ充実! ブラウニー食べたい。

 ラスベガスから戻ってきたら、ハンナは「自分が陥った苦境」に向き合うことになるのだけれど、その流れで例によって例のごとく死体を発見、事件解決のために動きます・・・という話。
 ノーマンとマイク、ハンナに同時に求婚した正反対の男性二人のどちらかを選ぶことができずに以前断ったハンナですが、二人との友情はその後も続いていて。 あたしはノーマン派ではありますが、「選べないということはこの二人ではないのでは? まったく別の人との出会いがあるのでは?」と思ってもいたのですが・・・まさかそういう展開になろうとは。
 いつも自分のペースを大事にしているハンナが、恋に落ちておたおたしている姿は微笑ましくもあり、でもいつものハンナらしくなくてちょっと寂しくもあり。
 でも、かつては「完全無欠のマイク」と思われていた彼が、今作では「食べ物を準備すると必ず現れる(下手すると足りないと催促する)マイク」と笑いの対象になっていることは痛快! あたしはずっと前からそう思っていたよ!
 となると問題はノーマンのほうですよね・・・でも、「ハンナが幸せならそれでいい」となりそうな人のよさがノーマンなので、あまり心配はしてないけど(一人で落ち込むことはどうしようもないけれど)。
 ハンナとアンドリア、ミシェルの三姉妹の絆もより強くなり、ハンナの親友でビジネスパートナーのリサもどんどんたくましくなり、女性たちのパワフルさがこのシリーズを支えているな、ということを改めて実感。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする