2017年09月12日

予言ラジオ/パトリック・リー

 <サム・ドライデン>シリーズ第二弾。
 主人公が同じドライデンでも、ジム・ケリーの<新聞記者ドライデンシリーズ>とはテイストがまったく違う(あっちは地味なほどリアリズム重視)。 近未来サスペンスSFスリラーという路線で行くんですね、という2作目にしての宣言。

  予言ラジオ.jpg ちょっとレトロ・・・。

 サム・ドライデンは軍隊時代の旧友で信頼できる数少ない相手クレアから突然呼びだされる。 ある場所で4人の少女がとらわれていて、命の危険が迫っている、助けに行かなければ!、という話だった。 詳しいことがまったくわからないまま、クレアへの信頼で付き合い、少女たちを救出して極悪非道の犯人を射殺する。 そこへ警察・FBIが近づいてきている気配があったので、二人は急いで姿を消す。
 落ち着いた場所についてから、クレアはブーンと鈍い響きを放つ謎の物質を見せる。 これは10時間24分後のラジオの電波を拾うものだという。 クレアがすでに録音していた10時間24分後のラジオには、4人の少女が無残な焼死体として発見されたことが告げられていた。 しかし二人が先に動いたせいで少女たちは助かり、未来は別方向に進むことになる。
 にわかには信じがたいサムだが、この<マシーン>をめぐってよりよい未来に利用したい派と、世界を私利私欲に利用したい派が対立していて、後者のあくどさに愛想が尽きた前者は<マシーン>の破壊を決意。 クレアは前者側の依頼でこの件にかかわったのだが、後者は<マシーン>の仕組みを改良し、10時間24分後の更に10時間24分後・・・と鏡に鏡を映して永遠に鏡が映り続けるように遥か未来のことも察知できるようになっていた。 サムは常に先手を取られるリスクを抱えながら、<マシーン>の無力化に挑む・・・という話。

 前作では他人の心が読める・時に他人の心を操れる能力者と付き合ったサム・ドライデン。 今回は思い通りに未来を変えたい人々と向き合う。 未来はどうなるかわからないから(複数に分岐する道のどれを進むかの選択になるから)、現在を変えることには誰もためらわないが、過去を変えることには及び腰、というのがわかるようなわからないような・・・タイムパラドックスを恐れているのだろうけれど、現在を変えることの影響も積み重なったら結構影響が出るような気がするんだけど。
 <マシーン>の仕組みについてはニュートリノで一部説明しているけど、肝心のことは「過去の遺物」で逃げちゃってるところがSFとして隙あり!、であるけど・・・そのチープ感はきらいじゃない。 というかサムがこの事件にかかわってからたった48時間ほどの出来事として一気に走り抜けてしまうので、あまり細かい理屈や説明はこの物語には不要なのかもしれない。 そんなに厚い本でもないせいもあるけれど、今回も一気読みでした。
 それにしても、サムにはいつも都合がよく協力者が現れる印象(今回はFBIの女性捜査官)・・・だからスピーディーに展開するんだけどさ。
 前作ともども映画化予定進行中!、とあったけど・・・ほんとかなぁ。 企画倒れの感が無きにしも非ず。 でも映画にしたら結構いい感じのB級アクションになりそうではあるんだけど。


posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする