2017年09月30日

今日は7冊(大物来たる!)。

 いまのところ今年最後の大物、来ました。

  キングファインダーズキーパーズ1.jpgキングファインダーズキーパーズ2.jpg ファインダーズ・キーパーズ/スティーヴン・キング
 『ミスター・メルセデス』続編(というか、事件を解決したチームのシリーズ三部作の二作目)。
 けなげな少年が妹を守りために命をかけているらしい話、ときたらキング得意技!(また表紙も兄妹が水切遊びをしてるよ・・・)。
 ソフトカバーサイズですが、『ミスター・メルセデス』もこのサイズで買っちゃったし、文庫待ってもトータル金額そう変わらないし、と思って、ここだけ主義を変えています(まぁ、そう頑なな主義でもないということです)。

  雪と毒杯.jpg 雪と毒杯/エリス・ピーターズ
 表紙から「おぉ、雪の山荘ものか!」とわくわく。 でもこの作者の名前、見覚えがある・・・と思ったら『修道士カドフェル』の人だ!
 本邦初訳ということらしく・・・でもそれなら間違いないでしょ、と思ったのです。 本格モノ、時々読みたくなるよね!

  田中芳樹初期短編集成1緑の草原に.jpg 緑の草原に・・・ 田中芳樹初期短編集成1/田中芳樹
 最近いろいろ評判の芳しくない田中芳樹氏ですが、むしろ初期作品こそ今読むべきじゃない?、とばかりの企画ものが東京創元社から出ました(いま、『マヴァール年代記』『銀河英雄伝説』の版権を持っているのが東京創元社)。
 あたしは『銀河英雄伝説』から入りましたが(しかも高校のとき、後輩の男子から借りたという・・・)、『マヴァール年代記』や『七都市物語』以前の作品って読んでないんだよね(多分その当時、入手困難)。 しかもこの『1』に収録されている作品はすべて存在を噂でしか知らない雑誌『幻影城』に発表されたもの。 時代を感じます。

  田中芳樹初期短編集成2炎の記憶.jpg 炎の記憶 田中芳樹初期短編集成1/田中芳樹
 こっちは『幻影城』後の作品群。 『創竜伝』のもとになったと言われているものがあったり、その後の<田中芳樹の代表作>たちの原型が収まっているようです。 とはいえ代表作と言われている作品のうち、美しい形で完結しているのが『銀河英雄伝説』だけっていうのはどうなの・・・(『マヴァール年代記』も入れてもいいけど、知名度は『アルスラーン戦記』なんかと比べると落ちるのよね)。

  海王星市から来た男.jpg 海王星市から来た男・縹渺譚/今日泊亜蘭
 なんか表紙の美しさにつられてまた今日泊亜蘭に手を出してしまった! 当然、編者は日下三蔵氏(すごいな、一体どれぐらいの数の出版社を相手にアンソロジーを送り出しているのか)。
 しかも超分厚くて手首折れるかと思った!(『雪と毒杯』の3冊分くらい?)
 必要とあらば上下巻に分けず厚さギリギリまでチャレンジするのもまた東京創元社よね・・・。

  長女たち文庫.jpg 長女たち/篠田節子
 なんかもう、長女あるあるが満載だということで(あたしも長女です)。
 勿論、長女だからといって誰もがみんな同じ性格ではないのですが、どこか少しは共通する特有の何かを抱えている気はするのですよ。 その呪縛から逃れるために、もしくは順応するためにどこか壊れる人もいる気がしますが(結果だけ見ると、まわりにとっては迷惑な人だったりするわけですが)。 あたしが知っている以外の例が、読みたくて。 篠田節子の女性もの、シビアで結構好きだし。

ラベル:新刊
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2017年09月28日

鏡の迷宮/E・O・キロヴィッツ

 第一部の半ばまで読んでいたのに、間に何冊もの本を挟んでしまい、しばらくほっといてしまったため再開に時間がかかった。 たいして厚い本じゃないからと思って油断してしまいました。 でも再開してからはあっという間。 でも越前敏弥氏に名前入りでサインしてもらったので、電車で読むときにはそのページがめくれないように細心の注意を払わねばならなかった。

 もともと作者はルーマニアではベテラン作家。 今回、初めて英語で書いた本だということで・・・英語圏読者へのサービスが見え隠れ。 そのあたりも、世界38の国と地域で翻訳が決定、という事情にも関係するのかしら(英語圏文化のほうがマーケットしやすいとか)。 でもあたしはルーマニア語で書かれた作品も読んでみたいと思ってしまった。 確かにアメリカやイギリスは想像しやすいけど、まったく知らない土地の物語だからこそ興味深い部分もあるわけで。

  鏡の迷宮.jpeg とはいえ、今回の舞台はアメリカです。
 三部構成+エピローグ。 各部の前に掲げられたエピグラフは『死者を殺せ』や『終わりの感覚』からだったりしてそれもニヤリ。 第三部に至っては『東方見聞録』だったりするのだけれど、その「著者は、自分が見たことと他人から聞いたことだけを述べている。これは信頼の置ける書物である。」という言葉が非常にうさんくさく読めてしまうことに驚く。 つまりはそういう話です。

 ある日、文芸エージェントであるピーター・カッツのもとに一篇の原稿が届く。 作者の名はリチャード・フリンで、その原稿には『鏡の書』というタイトルがつけられている。 自分がまきこまれてしまった20年前のある殺人事件(現在、迷宮入り)の真相をつかんだのでそれを小説にまとめたという。 が、原稿は途中で終わっていた(メール送付する手続き上の文字制限に引っかかったため)。 ピーター・カッツはリチャード・フリンと連絡をとろうとするが、何故か繋がらない。 ピーターはフリーの記者ジョン・ケラーに依頼し、原稿内容の信憑性とリチャード・フリンの行方を探させようとするが・・・という話。
 第一部はピーター・カッツ(大半はリチャード・フリンの原稿であるが)、第二部はジョン・ケラー、第三部はジョン・ケラーが探し出した関係者の一人、20年前の殺人事件を担当した元警察官のロイ・フリーマンの視点で語られる。 事件は当時、プリンストン大学で人気の教授ジョーゼフ・ウィーダーが自宅で他殺遺体となって発見されたというもの。 リチャード・フリンは当時書生のような形で教授の家によく出入りをしていて、容疑者として取り調べられた過去があったので、原稿はまるっきりの嘘というわけではなさそうだ。
 とはいえ語りを担当する人たちは直接被害者を知っているわけでもなく、事件そのものにかかわっているわけではない。 調べていっても、わかることは伝聞や、伝聞の伝聞。 聞く相手によって違うことが出てくるけれどそれは“新事実”なのか、誤解や記憶違いなのかあえてこちらを惑わせるための嘘なのかの区別はつけられない。 誰かを信じるとしたら、誰かが嘘をついているとしか思えなくなるからだ。
 そういう意味では『藪の中』的な物語でもあるけれど、どちらかといえば「記憶の不確かさ」をテーマにしたもの、というべきで、最後には一応真相らしきものは提示されるんだけれど、それが真相なのかどうかを判断するのは読者次第、となっている。
 もはや殺人事件の真相を知りたい、というよりも、錯綜する記憶の断片のうちどれが正しくて正しくないのかどっち!、みたいな気持ちになる。
 怖いのは殺人よりも、「不確かさしか得られない」という実感なのだと知る。
 300ページ強の、どちらかといえば小品の印象なのに、しっかり構成された心理サスペンスだった。

ラベル:海外ミステリ
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2017年09月26日

ワンダーウーマン/WONDER WOMAN

 アメコミはもういいかな、と思っていたし、最初の予告編で微妙にピンと来なかったので観る予定リストからは外していた『ワンダーウーマン』。 しかしアメコミ映画としては空前の大ヒット、戦う女性に説得力あり(なぜこれまで女性のヒーローが広く受け入れられなかったのか)、なぜ日本ではヒットしていないのか、的な記事を目にするにつれ、なんとなくフェミニズム的な観点から気になりだした。 というわけで、一応観に行ってみることに。 クリス・パイン、結構好きだし〜。

  ワンダーウーマンP.jpg 美しく、ぶっ飛ばす。
   史上最強の女性スーパーヒーロー、登場! 

 神話上の存在とされながら、女性だけが住むアマゾン族の島では今も邪神アレスがいつか起こすであろう脅威のために、戦士としての戦闘能力を日々鍛え上げる生活を送っていた。 だが女王は娘のダイアナにだけは戦闘訓練をさせてこなかった。 そのことを不満に思ったダイアナは、叔母に頼んで隠れて訓練を積む。 やがて成長したダイアナ(ガル・ギャドット)はプリンセスとしての立場にふさわしい戦士へと成長した。 そんなある日、時空が歪み、戦闘機が墜落するのを発見して乗務員を救出する。 その人物はスティーブ(クリス・パイン)といい、第一次世界大戦のさなかイギリスのスパイとしてドイツ軍に潜入していたが、敵を絶滅させんとする毒ガス研究を知り、博士の研究ノートを盗んで逃走する途中という。
 勿論、ダイアナにとってはすべてが意味不明のことでしかなかったが、その背後に邪神アレスの存在を感じ取ったダイアナは、島を出てスティーブとともに<正義の戦い>に身を投じることを決意する・・・という話。
 「アマゾン族とは何か」から、ダイアナの成長を丁寧に描くのはいいのだが、なんか長い・・・。
 あ、序盤は現代で、ブルース・ウェイン(バットマン)からのメモを受け取った彼女が回想をめぐらす・・・という感じで始まるのだが、『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』にワンダーウーマンは出ていたらしく、そのへんの説明は全く何にもないのだった(あー、WOWOWで吹替版を途中から観たものの、気づいたら終わってて「しまった、もう一回観ないと全然わからん」のままだったことを思い出した)。 このままでは『ジャスティスリーグ』も厳しそうだなぁ。
 というか、ずっと他の世界から隔絶されてきた島になんで人間社会との接点ができてしまったの? そこはさらっとスルーされてしまいましたよ(まぁ戦争のせいとか、アレスのせいとか、好きなように解釈をしてくださいということか)。

  ワンダーウーマン5.jpg 当時の社会に交わるため変装。 かわいい。
 初めて訪れる人間社会(それがロンドンだったりするのだが)でのダイアナのカルチャーショックは相当であると思うのだが、そこはスティーブ目線(つまりは観客目線でもあるのだが)で表現されるので、ダイアナが「困ったちゃん」に見えてしまうため、そこが批判を浴びた「最強女子は天然系?!」という予告編コピーとつながっているのだろうけれど・・・カルチャーショックの中でアイデンティティーを保とうとするダイアナには誰も寄り添ってくれないのだ。
 そもそもアマゾン族は戦うために生まれた種族。 それが自分の意志で戦うことを止められ、人間社会においては見た目が女性であるからという理由で発言もできない<仕組み>を知って「は?」となる。 スティーブは「それが人間の社会というものなんだ」と説明はするけれど、ダイアナの求めている答えには到底足りない。 邪神アレスは絶対悪・倒すべきもの、アレスが滅ぼそうとするものは守らなければ、という価値観で生きてきたダイアナにとって、人間はすべて「守るべき弱者」のはずだった。 なのに、その人間社会の中に弱者と強者が存在し、そもそも女性であるというだけで差別がある。 何のために島を出たのか、彼女はわからなくなっていく。
 でもそのあたりはあまりはっきり描写しないんだよなぁ。 とにかくアレスを倒す、苦しんでいる人たちを守る、という感情優先でダイアナは動いているように見え、彼女の気持ちをなんとか汲もうとするスティーブの懸命なフォローによってダイアナが「不思議ちゃん」にならないようにしている感じ。 その時代を思えばスティーブは非常に柔軟性のある考えの持ち主だし(だからスパイをやっていられるんだろうし、自分の目でアマゾン族の島を見ている・ダイアナは命の恩人、という意識があるからかもしれないけど)、クリス・パインのキュートな面が非常によく引き出されてますな。 彼の存在故に、ダイアナが「深く考えずに感情のままに突っ走っちゃう無茶な人」であることが少し緩和されるから。

  ワンダーウーマン6.jpg 確かにかっこいいんだけど・・・露出度高い鎧は怪我のもとでは?
 そして彼女は戦う。 苦しむ者たちを救うために、アレスの野望を砕くために。
 でもその戦いは、破壊と殺戮。 結局のところこれまで男たちがしてきた戦いと同じものなのだ。
 それをあえて女性が行う意味とは? 合理性やら大局からの視点やら、そういうことよりもその時の感情を優先して同じ結果をもたらすこと? そもそもこんな人間たちに救う価値はあるのかと悩む神目線の緩和?
 「女性のヒーローがこれまで誕生しなかったわけは?」の答えがそこにあると思う。 男と同じことをするなら、あえて女である必要はない。
 日本においては主にマンガやアニメの世界で<戦うヒロイン>は以前からいたので、“女性ヒーローの誕生”にこだわる必要性を感じないという部分もあるかも。 ナウシカのように、「必要とあれば戦うけれど、できるだけそれ以外の道を探したい」というのが基本だけれど、「月に代わってお仕置き」する人たちもいたし、『スケバン刑事』の麻宮サキは生き方そのものが戦いだった。 戦う女性像は日本のほうがバリエーションが多い? 勿論、向こうだって女性ヒーローはワンダーウーマンだけじゃないんだろうけど、ここまでヒットするのが珍しいから社会現象化したんだろう。

  ワンダーウーマン3.jpg 結果的に村の人々を助け出したことで感謝される。 もしかしたらこれが、ある種の“ノブレス・オブリージュ”として彼女に自分の役割を認識させることになったのかも。
 これはワンダーウーマンとして、人間の守護神として生きることを決める、その過程を描いた物語で、ダイアナの人生はこれからもずっと続いていく。 まだまだ未熟だった時期の甘酸っぱい思い出、という位置づけの話なのかもしれない。 これから彼女は成長していく、シリーズはそれを追いかけていくことになるんだろう。 男と同じことをするわけじゃない戦い方を、彼女は身につけるのかもしれないし。

ラベル:外国映画 映画館
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2017年09月25日

今日は6冊

 今回はマンガが多かったです。

  ランド05.jpg ランド 5/山下和美
 ついに5巻! しかも成長してる!
 これは気合を入れて読みたいので、次の週末に1巻から読み直そうかな・・・と思ったりしている。

  美少女戦隊クアッズ.jpg 美少女(?)戦隊クアッズ!!/遠藤淑子
 「えっ、戦隊もの?!」と思ったら、町にはびこるゴーストたちを霊能力(?)を持つ女子高生(?)たちがやっつける、という話でした。
 トランプのマークのようなメンバー4人、指導役のいいゴーストの憑依体である懐中時計を持つウサギのぬいぐるみなど、『不思議の国のアリス』の遠藤版であることは明白。 これ一冊で終わりなのかな? 謎はいろいろと残ったままだけど・・・それはそれでいいのかも。

  ツーリングユーロ09.jpg ツーリング・エクスプレスEuro 9/河惣益巳
 この前、『ツーリング・エクスプレス特別編』を読んだため(更に『ジェニー』シリーズも読んじゃったため)、時間軸がどうなったかわからなくなった・・・あぁ、そうか、遺跡発掘作業してたね、と思い出す。
 うーむ、いくら「見た目女子っぽい」とはいえ、シャルルは元ICPOの刑事なのに、最近はすっかり“守られる立場”に慣れ切っちゃってるなぁ・・・という感じが。
 とりあえず作者の、ISへの怒りをひしひし感じる本編です。 今の社会情勢について描くための、<ツーリング・エクスプレス>という装置なのかもしれないですね。 でもあたしはエドとフランの話が好き! メイン二人より脇役のほうが魅力的なのよね・・・。

  蜻蛉3.jpg 蜻蛉 3/河惣益巳   
 オリエンタル時代物。 普通のコミックスサイズではページ数が物足りない・・・文庫の厚さで読みたい感じ。
 まだまだ先は長そうだなぁ。 というかどんどん登場する国や人が増えていってます・・・。 後宮に閉じ込められた各国のお姫様たち(一人を除く)が仲良く、というか深い絆で結ばれていく過程があたしはとても好きです。

  人形は指をさす.jpg 人形は指をさす/ダニエル・コール
 最近、集英社文庫は地味だが味わい深いものを出してくる印象。 翻訳者も有名どころで外さない。 これってそういうのが得意な編集者がいるかいないかなのかも、ということに気づいてきた。 一時期すごくよかったのに最近どうも、というところもあるし、翻訳物は特に編集者の技量が問われるのかも。
 ちなみにこちらはイギリスの新進気鋭の作家らしい。 本邦初邦訳。 別々の人体の一部をつないで一つの死体として放り出された謎の遺体、という日本の新本格にもありそうな(つまりは古典作品にもありそうな)ネタをどう新しく料理するのか! 結構厚さがあるので、楽しみです。

  北海に消えた少女.jpg 北海に消えた少女/ローネ・タイルズ
 こちらは衰えを知らない北欧ミステリ(デンマーク)から、また新たなシリーズが。 これはハヤカワミステリ文庫なので安心感あり。 翻訳者があまり見たことない人だなぁと思ったら、デンマーク語専攻で現在デンマーク在住の方とのこと。 おぉ、一次翻訳だ! スウェーデン語の翻訳者の方はだいぶ増えてきたけど、デンマーク・ノルウェー語あたりはまだまだ専業の方は難しいのか。 『私立探偵ヴァルグ』シリーズの原作の翻訳を待っているのですが・・・(ドラマでだいぶ観ちゃってるけど)。
 やはりというか、さすが北欧ミステリ。 作者はジャーナリスト出身らしく、容赦のない社会派モノのようです。

 あ、『毎日かあさん』を入れたら7冊ですね。 あと、ほんとの月末に大物が出ます!

ラベル:新刊 マンガ
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2017年09月24日

毎日かあさん 14 卒母編/西原理恵子

 『毎日かあさん』、最終巻。
 前々からそのフリはあったので(子供たちが大きくなってきちゃったし)、驚きはなかったが・・・。
 ただ、これに乗っかって<卒母>という言葉を流行らせようとしている人たちの存在が見え隠れするのが微妙(この本とは直接関係はない)。

  毎日かあさん14.jpg 記念写真的、表紙。

 なんというか・・・あんなにダメダメだったお兄ちゃんが最後に言う言葉に、あたしは度肝抜かれました。 あんなこと言われたら、かあさん心臓とまるか涙腺崩壊なんじゃないか。
 小さい頃は手のかからないよいこちゃんだった妹ちゃん、今は長い反抗期継続中というあたり、非常にリアルだ(よい子ほど、反抗期が遅く来れば来るほど長引く。 今来たということは健全なほうかも)。
 でもあまり子供がネタにならないため、同志的おばちゃんネタが増えていくのは致し方ないことで、新連載は多分この辺のネタ路線で行くんだろうな、という気がする(もっとパワーアップさせるだろうけど)。
 自分の関知しない時期から言動がネタにされる、という経験はかなり負担になっただろうけれど、二人の子供たちはそれ以上の別の経験ができたわけだし、最終的にプラスのほうが多かったと思って生きていってほしい。 だって、そもそも経済的には困ってないもんね。 自分のやりたいことを好きなようにやっていっていいと言われてる(生活していくための覚悟も教えられるけど)。 それだけでもうらやましいと思う子供たちは日本中にいるだろうし。
 仕方のないことなんだけど、『毎日かあさん』だけ読んでいたら鴨ちゃんのアルコール依存症時代の話は表面上美談になってしまっている(優先順位の話とか、鬱になったとか当時の苦しさをちょこちょこ小出しにしてきてはいるものの)。
 そのあたりをもっと掘り下げてくれたら、DVに苦しんでいる人々のもっと助けになるのに。
 とりあえず新連載、お待ちしています。

ラベル:新刊 マンガ
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SmaStation!!最終回

 『スマステ』の最終回を観ました。
 先週も観たけど、特に告知がなかったので・・・いつも通りに、最終回であることも言及せずに終わるのであろうか、とも思ったりもしたんだけれど(それはそれでありかもなぁと感じたりもしたが)。
 冒頭、スマステカラーになった東京タワーに声を震わせつつ「いつも通り」を一生懸命貫き通す香取くんを見て、こっちが泣きそうになった。

  スマステカラーの東京タワー.jpg 番組放送時間を挟んだ2時間、このカラーリングだったようです。
 特にあたしはSMAPのファンではないのですけれど、わりと同世代なので彼らの歩みをだいたい見てきた。
 『スマステ』も放送開始から見ていたし・・・16年もやってたのか(つまりあたしも観ていたのか)、ということにびっくりだった。 毎週欠かさず見ていたわけではないけれど(WOWOWが土曜深夜に海外ドラマを強化した時期はついそっちにつられたり。 録画してるのに。 あと放送時間が変わったりしてこっちの習慣とズレが生じたり)、だから最近は途中から見たり、ゲストによって見たりが多かったかな。
 ベラベラステーション、好きだったなぁ。
 いちばん盛り上がったのは大河ドラマ『新選組!』最終回前夜の試衛館のみなさん大集合の会。 山本耕史と堺雅人は舞台で地方にいたから中継で、山本耕史が超不機嫌だった(なんでおれそっちにいられないんだよ、的な)ことをよく覚えてる。 あの頃は香取慎吾が山本耕史を親友と認めるのはまだちょっと癪である、という時期で、でもまわりは「はいはい」とそれを受け入れていたよなぁ。 エンディングで「このあと飲みに行きましょうよ!」とみんなを誘う香取くんを、「ごめん、明日早いから」とみなさんささっとお帰りになって、一人ぽつんと取り残す、というところまでやってたよなぁ。 「あぁ、やっぱりトシがいないとダメだぁ!」という叫びが微笑ましかった。
 そんな二人が、今ではお互い親友であることを公言してはばからない関係になった。 時間は流れて、変わることもあるけれど変わらないこともあって、とてもいいほうに進むこともある。 それも感じられてよかったよ。 番宣持ってきてるけど、最終回にゲストで出るのは山本耕史の男気だよなぁ、と思えた。
 番組はいつも通り、ではあったけど、大下さんが「まだ時間があるみたいなので、ちょっとお話しませんか」と言ったあたりからあたしはもう泣いていた。
 克也さん、「(この時間の生放送は)疲れました」といいながらも「次、2時間でやりましょうね」と“これで終わりだとは思ってない”感を強く打ち出していて、「あぁ、いい人だなぁ。 しかもこの人の言葉には余計なしがらみがない」と感じてまた泣けてくる。
 大下さんもテレビ朝日の社員であるという自分の立場を考えたうえでギリギリ言える範囲のことを言ってくれたと思うし、香取くんも本当にうまく言葉を選んで今の気持ちを短い時間に伝えたと思う。 少なくとも、普通に番組を見ていた視聴者には十分伝わった。
 この番組を続けたかった、でも自分の選択のせいで終わることになってしまって申し訳ない、という気持ち。
 大下さんのフォローは「香取くんのせいじゃないよ!」という視聴者の気持ちを代弁してくれているようで、うれしかったです。
 でも、メインMCが番組の終了を新聞で知るって・・・ほんとにそれはどうなんだろう。 SMAP解散のときテレ朝の会長が「『スマステ』は視聴者の評判もよくスポンサーの受けもいいので終了させる要素は今のところない」みたいなこと言っていたような気がするけど・・・。
 699回での最終回。 700回目を残したのは、いつか番組再開のためだと思いたい。
 下世話な噂話などどうでもいい。 土曜日の習慣を失ったことだけは確かだ。
 そしてあたしは思っていた以上に、香取慎吾のことが好きみたいだ。

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2017年09月23日

静かなる情熱 エミリ・ディキンスン/A QUIET PASSION

 詩人エミリ・ディキンスンについてはなんとなく知ってはいたが、「えっ、こんな時代だったの?!」と驚いた。
 アメリカの文化には、厳密なるキリスト教主義が阻んだものが結構あるんじゃないだろうか・・・そんな気がした。 無名のうちに亡くなった彼女もまた、そんな犠牲者の一人ではないのか。 けれど、たとえ死後でも作品は発表されたのだからそれをよしとしなければならないのだろうか。 その後多くの人々が彼女の影響を受けたのにもかかわらず。 今では<アメリカ最高の女流詩人>と呼ばれているのに。
 なんだかいろいろ切なくなってしまった。

  静かなる情熱P.jpg これは世界にあてた私の手紙です 私に一度も手紙をくれたことのない世界への――

 19世紀のアメリカ、マサチューセッツ。 全寮制の女子学校に通っていた若きエミリ・ディキンスンは貞淑な妻になるか尼僧になるかの二択しかないその学校の教育方針に反発と苛立ちを募らせていた。 彼女の理路整然たる反抗ぶりに学校側は手を焼き、ついにはエミリの家族が迎えにやってきて、彼女は自宅に戻ることに。
 父親のエドワード(キース・キャラダイン)、病弱な母親、優しい兄オースティン、心安らぐいちばんの理解者である妹ラヴィニア(ジェニファー・イーリー)との暮らしはエミリの心を慰めた。 だが、そんな理解ある家族ではあったが、アマストという小さな町には清教徒主義の強く影響を受ける上流階級が多く、父でさえも女性が仕事を持つことに「恥さらし」と言ってしまうような環境。 牧師の影響力もとても強く、「自分の魂は自分のもの」と考え、すべてを神にゆだねることに懐疑的なエミリの態度はあまり理解されない。
 そんな彼女のよりどころは、妹と近所に住む自由な発想を持つ友人、そして詩を書くことだった・・・という話。

  静かなる情熱3.jpg その日傘、意味あるか?、というサイズだが・・・顔を隠す意図のほうが大きいんだろうなぁ。
 新聞に詩を投稿するコーナーがあり、エミリの詩は10篇採用されている。 でもその新聞の編集長自ら「女性には名作を書く力はない」という記事を書いちゃう。 おい、世界最古の長編小説を書いたのは紫式部ですけど! もう、この時代感にイライラしてしまったあたしは現代人です。 でも、エミリの「気持ちの通じ合う家族・同性の友人がいればもう十分」みたいな考え方、ちょっとわかる。 社会に立ち向かう、なんてスタートラインにすら立たせてもらえないのに“生きづらさ”だけ背負わされるとはどういうこと!
 多分、エミリの詩が今も残るのは、時代を超越した“生きづらさを抱える気持ち”と“永遠や絶対というような、手に入らないものへの憧憬”が根底にあるからだろう。
 ただ映画としては・・・ちょっと長いかな。 当時の生活を忠実に映し出したい、という意欲は感じるのだが、観る側のあたしはもうその時代のテンポでは生きていないので。 ところどころで「あぁ、ゆっくり過ぎる!」と感じてしまった(これはあたし側の問題ですが・・・)。 牧師さん以外の男の人たちの風貌がほとんどリンカーンなのにもちょっとげんなりだし(いや、そういう時代だから仕方ないんだけど)。
 だけどシンシア・ニクソンは素晴らしい! 彼女自身エミリ・ディキンスンのファンでこの役を熱望していたそうだけど、確かにそうなんだろうなと頷ける熱演。 意志の強さと、それが過ぎるが故に辛辣になってしまうかたくなさと、些細な美しさに気づける繊細さと、本質的な優しさ。 怒るととてもヒステリックな口調になってしまうこともあるけれど、詩を詠む彼女の声はとても静かで澄んでいて美しい。 『SATC』のミランダと同じ人とはとても思えないが、そういえば劇場版でハロウィーンの魔女の帽子をかぶったのがすごく似合ってた。 もともとこういう時代の服装が似合う人なのかもしれないなぁ。

  静かなる情熱4.jpg 新しく町にやってきた牧師・ワズワースの説教はエミリにとってとても新鮮で、教会と男性を見る目が少し変わる。 しかしワズワースはすでに妻帯者。 エミリは思いを告げられず、詩について語ることしかできない。
 でも弁護士となった兄が結婚し、その相手がすごくいい人でエミリの友人になったことは慰めだった。 もう、義姉とエミリと妹の三人一緒のシーンは、観ていてとても気持ちが穏やかになる暖かな場面が多かった。
 それでも口さがない人はどの時代にでもどこにでもいるもので・・・静かな生活を送りたいだけのエミリを苦しめる。
 更に、人生の苦難は容赦なく彼女を襲う。 相次ぐ両親の死、自身に降りかかる突然の病。 まるで、信仰が足りないから天罰が下った、と周囲の人の噂の種になるような。 だから原理主義っていやなんだよ!

  静かなる情熱1.jpg 彼女に残され、与えられたのは<書くこと>。
 バイオグラフィーだけ見たら、彼女は孤独な人だと思われるかもしれない。 でも孤独と正面から向き合ったからこそ、その勇気があったからこそ、彼女は詩を紡ぐことができたのだ。
 あたしにとって、エミリ・ディキンスンという名前にはいつも“不滅”や“永遠”というキーワードが浮かんでいた。
 詩は難しいので(特に翻訳してしまうとなにか伝わらなくなってしまいそうで)、あまりいい読者ではないが、でもこのイメージは意外と本質に近かったのではないか。 そんな気がしたのはうれしかった。
 死後とはいえ、机にしまわれていた約1800篇の作品群を妹さんが見つけ、発表したこと。 それが後世に残り「アメリカ文学史上の奇跡」と呼ばれるまでになったこと。 彼女はよろこんでいるだろうか。

ラベル:外国映画 映画館
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2017年09月22日

九つ目の墓<刑事ファビアン・リスク>/ステファン・アーンヘム

 <刑事ファビアン・リスク>四部作のうちの二作目、読了。
 時間軸としては一作目『顔のない男』よりも前、彼が故郷のヘルシンボリに帰ってくる以前の、スウェーデン国家刑事警察殺人課の一員としてストックホルムで働いていた最後の事件。
 前作では「社会風刺的・社会の暗部をえぐる的部分は少なめ」(あたしの基準はヘニング・マンケルなのでそれはフェアではないかもだが・・・)という印象を持ちましたが、今作はまるでそれを意識したかのようにスウェーデン以外のことが冒頭から。 全然違うけど、『目くらましの道』を思い出すような構成。

  ファビアンリスク2 九つ目の墓.jpg <九つ目の墓>の意味が分かるのはかなり後半。

 ストックホルムで連続猟奇殺人事件が発生。 同じ頃、デンマークのコペンハーゲンでも残忍な殺人事件が起こっていた。 手口から、過去の事件の容疑者がそれぞれ2名浮上する。 コペンハーゲン警察のドゥニヤ・ホウゴーは犯人はスウェーデンに逃走したと考え、ヘルシンボリ警察のクリッパン刑事の協力を得る。 ファビアン・リスクもドゥニヤ・ホウゴーも捜査を進めるうちに「この容疑者では理屈が合わない」と考えるようになるが、お互いの事件を知っているわけではないので連携が取れず、事件は泥沼の様相を呈す。 それぞれの警察上層部は理由は違えど早く事件の幕引きをしたいと考えていることもあり、刑事たちは焦りの色を濃くしていく・・・という話。

 この頃のファビアン・リスクにはきちんと有能なパートナーがいて(双子を妊娠中で体調が万全ではないにもかかわらず、彼女に気遣いできてないファビアンに更に腹が立つが)、『顔のない男』事件の時のように独断専行の捜査はしない。 むしろ、チームの他の刑事たちの中で飛びぬけて優秀、というわけでもない印象(その割に、本人は他の刑事を見くびっているところあり)。 パートナーのマリーンが優秀なのであって、ファビアンが優秀というわけではない、という感じ。 だから事件の終盤で彼が繰り返す失態(その中には取り返しのつかない大失態も含まれる)を読まされるこちらとしては、「・・・そりゃ、その後悪夢に悩まされるのは当たり前だよ。 というかヘルシンボリに戻ったのは家族のためが主みたいなこと言ってたけど、結局ストックホルムから逃げ出したかっただけじゃないか」と、ファビアン・リスクのダメっぷりにげんなり。 むしろ犯人の覚悟のほうが潔く感じてしまう恐ろしさ。
 『顔のない男』で重要な役割を担うドゥニヤ・ホウゴーやクリッパンが登場するのはサービスというか、未来を垣間見る楽しさを提供してくれるけど、ドゥニヤがセクハラ・パワハラに反撃できない弱い状況にあったのは意外(逆に、こういう不本意な過去があるからこそ、強さを身につけられたのかも)。
 結局、人間は自分がいちばんかわいい、というところから逃れられない、身も蓋もない話ではある。
 しかも数多くの登場人物たちのその後は結構ほったらかしである(ぎりぎりのところまでの描写はあるけど、その先が気になるんですけど!、というところは放置)。
 しかもエピローグ後半では、更なるシリアルキラー予備軍らしき人物が登場し、ヘルシンボリを目指すことが判明。 これが、三作目にかかわってくるのか?! また引っ張られる終わりですよ!
 なんか、こうなると4作で終わって大丈夫なのか・・・(なんかいろいろ消化不良起こしそう)、という気になってきた。
 マリーンのその後、特に気になる。 『顔のない男』に書いてあったかな?、と本棚を探す羽目になった。

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2017年09月21日

<銀河英雄伝説 Die Neue These>について

 新しい『銀河英雄伝説』アニメ化の情報が解禁になったようで。
 公開されたポスター、見ました。

  銀河英雄伝説新アニメP.jpg ・・・うーん、キャラデザイン変わることはわかっていたけれど。 ラインハルト、性格違う〜。 ヤン、なんか若くなってる〜。

 記事によれば、

 新アニメ『銀河英雄伝説 Die Neue These』は、ファーストシーズン『銀河英雄伝説 Die Neue These 邂逅』が2018年4月よりテレビ放送が開始。セカンドシーズン『銀河英雄伝説 Die Neue These 星乱』の2019年中のイベント上映も決定、キャスト陣として、ラインハルト役に宮野真守、キルヒアイス役に梅原裕一郎、ヤン・ウェンリー役に鈴村健一らが名を連ねる。

 とのこと。
 あー、なんとなく“ラインハルト:宮野真守”は予想の範囲内というか・・・最近の若手声優さんあまり知らないのですが、彼が一番人気という印象があるので。
 で、短い予告編のようなものを見ました。

  銀河英雄伝説新アニメP3.jpg 宇宙の戦闘シーンは素晴らしく美しくなっているが。

 ナレーションはきっと報道やドキュメンタリーっぽい硬い感じの語りっぽい人になるんじゃないかなぁ、と予測していたけど、そんな感じだった。
 キャストの声は名前の挙がっている3人のものしかなかったけれど、「あぁ、堀川りょうのラインハルトには高貴さと寂寥感が同居していたのだな」、「キルヒアイスの広中雅志さんの声には優しさだけではなく包容力があったのだな」、「・・・富山敬に代われる人なんて、いないな」ということを実感したのだった。
 あたしはもともと原作からこの物語に入ったので、アニメになっていると妹から聞いたとき、「ヤン・ウェンリーは富山敬か〜。 ちょっと微妙な感が無きにしも非ずだけど、他にこの人!、って浮かぶわけじゃないからなぁ」と大変失礼なことを考えた。 で、アニメをフルに観て、「ヤンだけじゃなくすべてのキャストがはまってる」と思うようになり、そのあと、原作を読むと頭の中でその方々の声で再生されるようになった。
 勿論、長くやれば役が役者を育てる、ということがある。 もともと実力ある人たちがそうやって取り組んだのだから、そりゃはまるよ。
 新キャストが同じようにはまるほど、テレビ放送の話数はそれなりに多いのだろうか・・・なんか12話とか24話って感じがしなくもないのだが。
 しかも続きがイベント上映ってどういうことよ。
 まぁ、まだまだ詳細はわからないので(そもそもテレビ放送もどこの局でやるのかも発表されてないみたいだし)、続報を待ちましょうか。

ラベル:SF
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2017年09月19日

今日は11冊で。

 気が付けば9月ももう後半です。
 台風が過ぎてやっと涼しくなった感が・・・でもまだ日中は暑い。 衣替えする気にならない。 あぁ、早く重ね着したいなぁ。

  七つ屋05.jpg 七つ屋志のぶの宝石匣 5/二ノ宮知子
 石にまつわるエピソード集。 大筋の話は進んでいないような進んでいるような・・・。 でも貴石・半貴石が好きなあたしとしては石の話、結構好きなんですよね。 だから本筋がそんなに進んでいなうように見えても気にならない(でも手がかりっぽいものはばらまかれている感じがするので、回収するとなったら早そうな気もする)。 もうちょっと石の話、続けてください。

  ツーリング・エクスプレス特別編1.jpgツーリング・エクスプレス特別編2.jpg ツーリング・エクスプレス特別編1・2/河惣益巳
 文庫です。 「<特別編>ってなんだろう?」と思ったら・・・『ツーリング・エクスプレス』本編と、『ツーリング・エクスプレスEuro』が始まるまでのつなぎの部分(『タンゴ・エクスプレス』他外伝的位置づけだったコミックス群)をまとめたものに書き下ろしつき、といものでした。 全4巻予定。
 そういうことは帯に書いてほしい・・・。 こっち来てから出たものだから多分コミックス全部持ってるのに(でもどこに入れたかわからないものもあるかも。 それに書き下ろし短編があるのもずるい)。
 ちょうど連休前の休みの時に『ジェニー』シリーズを一気読みしてしまったのよね・・・で、それに入っていないエピソード(『ツーリング』とのコラボのためそっちに収録)が読みたくて、『ツーリング』本編の該当部分だけ電子書籍で買おうか迷っていたところで・・・さらに迷いますなぁ。

  月の部屋で会いましょう.jpg 月の部屋で会いましょう/レイ・ヴクサヴィッチ
 <とびきり奇妙で切ない、奇想に満ちた短編集>というコピーにつられ。
 「奇妙な味」はミステリには結構あるけど、SFにはわりと珍しいのではないか、と思って(どちらかといえばホラー寄りになるので)。
 しかも短編集というよりも、一編はショートショートに近いページ数。 2001年度フィリップ・K・ディック賞候補作とのことだが・・・星新一的なものがあったらうれしいな、と思って。

  ナルニア国物語5ドーントレッター号の航海.jpg ドーン・トレッダー号の航海<ナルニア国物語5>/C・S・ルイス
 あ、これ9月だった!、とまた忘れそうに(初旬に出ていました)。
 <朝びらき丸>が<ドーン・トレッダ―号>になっちゃった。 まぁ、そっちが普通か・・・。
 しかもこれが5作目とはね。

  シュークリームパニック.jpg シュークリーム・パニック/倉知淳
 これはタイトルにつられました。
 <猫丸先輩シリーズ>以外を読むのはすごく久し振りなんじゃないか。 『日曜の夜は出たくない』から初期の作品はずっと読んでいたんだけどなぁ。 それもこれも、倉知淳が遅筆の人だからだ。 若いころはあたしも余裕があったが、仕事がいそがしくなって本屋に月一回行けるかどうかという時期もあったのだ。 それでタイミング合わなくて離れちゃった作家・漫画家さん多数。 最近になってそれを取り戻しつつあるなぁ、だから余計に本を買いすぎるのかも、と実感。
 懐かしい人はいろいろな記憶を連れてくる。
 あ、帯の推薦文はカズレーザーが書いてます。 『読書芸人』のときに倉知淳も推してたもんね(そのときあたしは、「なんて穴場を突いてくるんだ!」と思ってました)。 彼とはあたし、かなり本の話で盛り上がれそうな気がします。

  怪盗グリフィン対ラトウィッジ機関.jpg 怪盗グリフィン対ラトウィッジ機関/法月綸太郎
 怪盗グリフィンシリーズ2作目。
 <多世界猫>を盗まなければならなくなったグリフィン。 これって<多世界解釈>と<シューレディンガーの猫>よね!、とちょっと盛り上がる。 SFミステリですよね!
 最近、精彩に欠ける気がする名探偵法月綸太郎にくらべると(まぁ、ご本人もいろいろ苦悩しているとは思いますが)、その鬱屈を弾き飛ばすようなグリフィンの存在は、作家・法月綸太郎の気分転換なのかもしれず。

  連城三紀彦レジェンド2.jpg 連城三紀彦レジェンド2 傑作ミステリ―集/綾辻行人・伊坂幸太郎・小野不由美・米澤穂信編
 伊坂幸太郎が連城三紀彦に影響を受けている、というのは理屈ではわかるのだけれど感覚的にどうも理解できない。 今回は米澤穂信が中心に連城三紀彦作品について語る、という対談が目当てでした。
 まぁ、このような形で再評価されて手に入りやすい形で出る、というのは大変ありがたいことではあるものの、ご本人がなくなってからではなぁ・・・というわけで皆川博子作品の復刊に尽力されている日下三蔵さんのありがたさをかみしめる。

  100日裁判傍聴記文庫.jpg 木嶋佳苗100日裁判傍聴記/北原みのり
 最近また犯罪ノンフィクションに積極的に手を出している。
 これはかつて『毒婦。』という題で単行本として上梓されたものの改定文庫版。 裁判が結審し、あのタイトルでは現実的にどうも・・・ということで改題となったらしい。 巻頭についているそれほど長くない対談がここまで表紙に大きく書き込まれていることに驚く。
 あらためて、佐藤優ってどれくらいの影響力がある人?

  死者の雨1.jpg死者の雨2.jpg 死者の雨/ベルナール・ミニエ
 『氷結』の続編。
 こんなに早く出るか?!、と思ったら、前作とは訳者の方が違う・・・。 なんだろう、シリーズを早いペースで出したいという出版社の意向?
 『氷結』のほうはフランスでドラマ化して結構視聴率もよかったそうな・・・WOWOWプレミアでやってくれないかなぁ。 でも結構残虐描写ありっぽかったけど、地上波のドラマでやれたんだろうか。
 それにしてもハーパーブックス、がんばるなぁ。 毎月の新刊点数は少ないけれど、かなりチャレンジングなラインナップだ(カリン・スローターを再発掘したのもこことマグノリアブックスだし)。
 翻訳ミステリが盛り上がってくれるなら、あたしに異存はありません。

ラベル:新刊 マンガ
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2017年09月18日

ホッチ!!(もしくはモリジュン!!)

 台風なので、今日は何もせず一日だらだらを自分に許す(別に台風じゃなくてもいつもでは・・・という件はこの場合無視)。 本の整理をしたいが、まず置くところを確保しなければならないので今日は無理。 HDDが圧迫されているので海外ドラマ三昧かなぁ、と、これまた台風の日じゃなくてもしていることであるが・・・今回は時間があるからほったらかしの映画(WOWOWで録画してたやつ)も少し消化しよう、とする。 結果的に、結構がんばった・・・電源入れたら警告メッセージが出なくなるほどには。
 だがそこに至るには、あるひとつの葛藤を乗り越えなければならなかった。
 今月からWOWOWで始まった『クリミナルマインド12』である。

  クリミナルマインド12−1.jpg 今シーズンからアダム・ロドリゲス(『CSI:マイアミ』のデルコ)がレギュラーに。 モーガンが去ったことからまだ立ち直れていないらしいガルシアは、その後釜っぽいポジションのルークに対してかなりツンツン。

 今のところまだ第2話なのだが・・・これがアーロン・ホッチナーが登場する最後のエピソード。
 なのにメインはJJ! ホッチの出番はほんの少ししかない・・・(涙)。
 WOWOW制作の<Special Clip>では、「これがホッチの登場する最後のエピソード」と紹介、「あまりに突然ですが、大人の事情みたいですよ」とさらっと流す! まぁ、知っている人は知っているし、知らない人に役者さんのイメージを損ねるような情報をあえて出したくないという気持ちもわかるけど、ほんとに知らなかった人は寝耳に水で、なんでそうなった?!、って知りたくなりますよね・・・そこは自分で調べてねってことなのかしら。
 「大黒柱を失うのは、日本語版製作現場も同じです」というナレーションにぐっと息が止まりそうになる。  そう、ホッチがいなくなるということは、森田順平さんもこの現場から去ってしまうのだ。 事件解決に際して心も体も傷ついたJJに対して、ホッチは「しばらく休暇をとれ。 最低一週間。 これは命令だ」と言う。 テストの折か、アフレコ収録スタジオにカメラが入り、そのセリフをモリジュンが言うところを撮っている。
 「しばらく休暇をとれ。 最低一週間。 これは命令だ。 ・・・おれは、ずっとだ」
 それでキャストもスタッフも爆笑の渦に巻き込む。 なんてかっこいいんだ、モリジュン!
 「ほんとにホッチは僕なんでね、そのキャラクターでいろんなパターンに挑戦できたというのはすごい財産だなと思っています。 これからプレンティスも戻ってきてチームは立て直されるかと思いますが、まぁホッチの思い出を胸に、みなさんには引き続きこの番組を楽しんでいただきたいと思います」
 卒業しても人気キャラであればゲスト出演もありだったこのドラマ、でも今回の“大人の事情”ではホッチが復帰することは絶対あり得ないわけで、モリジュンのコメントもそれを踏まえて感がありありでした。
 実際のところ、ベテランの方であればあるほど「急に役が変わりました」とか多々“大人の事情”の現場に遭遇していることだろう。 だから「楽しい仕事だったのに、残念だな」とは思っても、もっと深いところの本心は決して口には出さないはず。
 でも、ホッチの、モリジュンのいない『クリミナルマインド』なんて、なんかまだ想像ができないよ〜。

  クリミナルマインド12−2.jpg 他ではなかなか聞けない、モリジュンの正統派二枚目声も大好きでした。 そしてアーロン・ホッチナーほどダークスーツの似合うFBI捜査官もそういない(こういう格好で現場に出ても違和感がない)。
 「ホッチがいなくなるなんて、本当に寂しい限りですよね」と園崎未恵さんに締めくくられた<Special Clip>。
 寂しいところじゃないよ! はなはだしい喪失感ですよ。
 次回予告ナレーションもこれまで9割がたモリジュンだったのに、第3話の予告はさっそくルーク(阪口周平)。 なんかちょっと違うんだよなー、間の取り方とか、とか気づいちゃったじゃないか(菅生隆之さんのときでも感じなかったのに)。
 海外ドラマは長く続くと、個々のエピソードの出来不出来にばらつきは生じてくるものの、キャラクターへの思い入れがその分大きくなっていく。 特に吹替版で観ていると声優さんのはまり具合にもかなり左右されちゃうんだなということを今更ながら改めて実感。
 エミリー・プレンティスが帰ってきてくれるのはうれしいんだけど(あたしも彼女のことが好きです)、でもホッチを失う喪失感はそれだけでは埋められない・・・。
 シーズン12の放送が終わっている本国アメリカでもホッチ・ロスの方々はまだいるようで、そういうハッシュタグが結構見つかる。
 気持ちは、一緒です。
ラベル:ドラマ
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2017年09月16日

台風前日のお出かけ

 予定通り千林商店街ツアーに向かうが・・・当初の計画とは出発時間が一時間以上遅れている。
 早い人は午前10時には商店街に着いているのだが(そしていろいろ買い込むから海外旅行ばりのスーツケース+巨大エコバッグを持ってやってくる)、あたしはそこまでの気合はないので、遅れてもいいように午前中集合ぐらいでお約束をしてた。 頭痛が来る前の約束だったので「10時半くらい到着かなぁ」と考えていたのだが、結果的に到着は11時半過ぎ。 まぁ午前中につけてよかったよ。
 で、さすがにあたしも今回で3回目なので、商店街の構造・店の配置を覚えてきた。
 メールに来る「いま、どこどこあたり」のコメントですんなり合流可。
 基本、あたしのここへ来るいちばんの目的は『角屋』であるのだが(今季最後のかき氷かな〜)、<100円商店街イベント開催中>のため、目玉商品が気になったら購入しますよ。 だからカバンの中身を最小限にして来るのである。
 前回も気になったが、南部せんべい・・・集めのクッキータイプ、4枚入りで100円。 でも個包装されていないので、開けたらたぶん全部食べてしまうから・・・今回もやめておく(というか、これでいつでも買えるとわかったのでまた次回、的な)。 そのかわり北海道のバター飴を買う。 微妙に地方色の入った謎の品揃えのお店である。 何種類かの味のバームクーヘン端切れなんかも気になったが、サイズが大きかったしこれまた個包装ではないので、断念。
 近くのパン屋ではバケットフルサイズが100円。 あたしが行ったときにはすでになかったが、朝一組は全員ゲットしていた(その後、午後一時に再び焼き上がり、あたしより少し遅れて合流した宮さんもすかさず購入)。
 その後、「靴下2足で100円」・「ほうじ茶詰め放題100円」・「大根一本100円」・「ニンジン一袋(5本入り)100円」・「海苔の佃煮(瓶入り)100円」・「鶏のから揚げ100g120円(といっても実質、200gと注文すれば250gくらい入っている)」、などなどを動き回り。 ほうじ茶詰め放題をしている間、あたしは今回初参戦の草さんとともにグリーンティー(通常200円のところ本日は100円)をいただく。 日本茶専門店だけのことはあり、ちょっと甘いんだけど抹茶の渋みをいかしていて、飲み終わった後に何も残らずすっきり。 おいしかった。
 そして午後一時以降に開店するはずの角屋に向かえば・・・なんと三連休ずっと閉店!
 気温が急に下がったし、台風来てるしでやめたんですかね・・・でもあたしにはまだ暑い部類なんで(また雨が強まってきたので蒸し暑さが増してくる)、黒蜜のかき氷+ソフトクリーム、食べたかったよ・・・。
 がっかりした一同、お出汁の香りに誘われて力持ちうどん屋さんにてちょっと遅れて昼食。 あたしは前日寝っぱなしだったのでほぼあまり食べていなく(途中でから揚げとグリーンティー飲んだけど)、みなさんきつねうどん+おはぎ(甘いもの食べたかった気持ちが捨てられない)をオーダーする中、あたしは卵とじ肉うどんを注文。 タンパク質補給を優先。
 そして、それぞれの充実した成果とともに、それぞれの予定にわかれるのであった。

 で、あたしはその後神戸方面に戻り、三ノ宮で下車。 ATAO新作が今日から発売開始なので。
 革の手触りや色合いを確認してから悩もうかと思っていたら・・・ばんばん売れていく。 みなさん、事前に買うものを決めているのか!
 その即決力・判断力、うらやましいよ!
 あたしはしばらく考えます・・・。

 明日は(できれば明後日も)一日中家から出ない!、の決意で食料品を必要最低限買い込む。 荷物重いから・・・。
 でも台風通過ならまたあたしは寝て過ごしそう。 野菜ジュースとか、飲み物優先で買っちゃった。
 被害が出ないで無事通過してくれますように。

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2017年09月15日

台風が近い

 着々と台風が近づいているらしい。
 おかげで気圧の変動が顕著なのか、順調に頭が痛い。 いや、半端なく痛くて、起きれない。 結局仕事を休んでしまった・・・。
 そして頭痛がちょっと緩和したかな〜、と思うと強烈に眠くて、なんかほぼ一日中寝ていた。
 あぁ、せっかくの金曜日なのに、どうせ仕事休むならやりたいことあったのに・・・。
 今回も台風直撃コースかしら。 連休にかぶせてくるとはひどいわ。
 明日、シーズン恒例の千林商店街ツアーなのに・・・行けるかしら。

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2017年09月13日

幼な子われらに生まれ

 あぁ、やっぱり浅野忠信って映画の人だなぁ・・・ということをしみじみ実感した作品。
 テレビドラマが悪いわけじゃないけど、彼の主戦場はこっちですよね、と誰もが納得するのではないかしら。
 重松清原作・『しあわせのパン』の三島有紀子監督、というあたし自身惹かれる要素が何もないにもかかわらず、何故観に行ってしまったのか。 もしかしたらそのことを確かめたかったのかもしれない。

  幼な子われらに生まれP.jpg 親愛なる、傷だらけのひとたちへ。

 40歳を過ぎた中年サラリーマンの田中信(浅野忠信)は、数年前に再婚して以来、家族中心の生活を送り<幸せな家庭>のために努力を惜しまなかった。 妻の奈苗(田中麗奈)の連れ子である薫(南沙良)と恵理子(新井美羽)を自分の子供として育てようと思う反面、血のつながりがないから無理かもしれないとも考えている。 田中には前妻(寺島しのぶ)との間に沙織(鎌田らい樹)という娘がおり、3か月に一度の面会を心待ちにもしているからだ。 そんな折、奈苗が妊娠していることが薫に知られ、それ以来一家の空気は不穏なものに変わっていく・・・という話。

  幼な子われらに生まれ3.jpg 一見、<普通の家族>だが。
 現在薫は小6、恵理子は幼稚園、という設定。 再婚した時期が正確にはわからないが、恵理子は信のことを「本当のパパ」と思っている様子。 薫にしても実の父親の記憶はほとんどないらしい。 それでも実の父親ではないのにパパを名乗る負い目からか、やりすぎなほど子供たちに気を遣う。 残業は極力しないで夕食を一緒に取る(それでリストラ候補に挙げられても仕方ないと受け入れる)、週に一度はケーキを買って帰る、休日も一緒に遊ぶ・・・痛々しいほどの努力ぶりなのだが、その努力が空回りしていることに気づいていないのがさらに痛々しい。
 ただ、この映画は信の視点で描かれるので、彼が登場人物の誰よりもまとも、であるように見える。 奈苗はなんでも「ねぇ、どう思う?」と、それはあなたが自分で解決すべきことでしょ、という内容でも頼ってくるような人物で(それが彼女にとっての甘え−愛情表現なのかもしれないが、すでに2人の子供もいるのに全然大人として自立していない人のようだ)、あげく信にも「あなたももうあの子(沙織)に会わないでくれるのがいちばんいいんだけど」みたいなこともサラっと言ってくる。 自分さえよければいい、的な感じ、はっきり言って怖かったです。 信の前妻はその逆で、仕事に生きたいから子供はいらない、という極端なタイプ。 自分の家族を持ってこそ一人前、と考えている信と一体何故結婚したのか不思議でしょうがない(そこまで話し合わずに結婚しちゃったのか、若き日の勢いだったのか、そのあたりは描かれず)。 今は別の人と再婚して、その人は沙織を自分の子供のようにかわいがってくれている様子。 奈苗の前夫はDVの人だったようで、自分は逃げるように離婚したからもう相手に会いたくない・子供たちにも会わせたくないという気持ちがあるのはわかりますが、それを自分以外の人に強要するのはどうなのか・・・<家族観>というのは人それぞれだと考えこまずにはいられない。
 でも、信の「自分の家族を持ってこそ一人前」という考え方もまた、ある種の呪縛なんですけどね。 本人はまったく気づいていないけど(いちばんまともな人に見えるが故に、だからいちばん質が悪いのかもしれず)。

  幼な子われらに生まれ5.jpg 沙織と。 彼女もけなげで、大事に育てれらているのがわかる気がする。
 信はもちろん沙織をかわいいと思っているのだが、奈苗との間に子供ができたことを告げられない。 彼の価値観では、自分たちの関係が「いびつなもの」だと思っているから。
 別にいいじゃん、一緒に暮らしていなくても、名字が違っても、血のつながりがあってもなくっても、自分たちが<家族>だと思っていればそれで。 と、あたしは思ってしまったのだが・・・そう思う人はこの映画には出てこなかった。
 あげく、薫はぶちギレ、「あんたなんか他人のくせに父親面しないで。 自分の子供には会いに行っているくせに。 私だってほんとうのお父さんに会いたい」とごねだす。
 「え、どういうこと?」と意味のわからない下の妹恵理子。 もう、この子の存在がほぼ癒しでしたよ(多分、信にとっても)。 この子、うまいなぁ、と思っていたら・・・大河ドラマ『直虎』の子供時代、おとわを演じていた子ではないか! でも『直虎』のときよりもっと幼い。 この映画、何年前に撮られたのだ!、とちょっと狼狽。 大人はそんなに変わって見えませんが、子供って違いが明確すぎるよ・・・。
 反対する奈苗を説き伏せ、信は奈苗の前夫を探し出して話し合うことに。

  幼な子われらに生まれ2.jpg 前夫(宮藤官九郎)は予想通りうだつの上がらない男で・・・。
 「薫に会うなら、手数料払ってもらわないと」と当然のように金を要求するゲス発言。 回想でDVシーンが出るけど、直接描写は避けているし、それほど悲惨には見えなかった。 そういえば宮藤官九郎は田中麗奈のファンだから、本気で蹴りを入れられなかったのか、役として鬱憤晴らしで暴力をふるってしまうけどそこまでガチではなかった(良心はうずいていた)のかどっちだろ、と悩んだ。
 そういう相手にも「薫に会ってやってください」と誠心誠意頭を下げる信。 それってサラリーマンのやり方だよね・・・そういう組織に身を置いたことがない人間には通用しない手なんだけど、信はそういうやり方しか知らないから。
 大人になればなるほど、人は不器用になってしまうのかもしれない。

  幼な子われらに生まれ6.jpg 反抗期真っただ中。 でも、そういう態度が取れるのは、ある意味まっとうな生活を送ってきたからかもしれないし。 許されると心の底では思っているから反抗し、ひどい言葉を叫ぶ。 自分の存在が本当に否定されていると感じてたら、大人に対して何も言えないし、自分の意思を伝えることすらできない。 18歳になるのを待って黙って家を出ていくだろう。 彼女はただひたすらに、甘えてる。 その自覚がないのが腹立たしいほどだ。 子供は親を選べない。 けれど、人並みかそれ以上の生活を送れるのは<義理の父>のおかげであることに気づいてもいい年齢ではないだろうか。

 けれどこの映画では、誰も責められないし誰も断罪されない。
 すべては時間の経過とともに流されていくかのように、ただあるがまま。
 時間の省略のされ方など、いかにも「小規模な日本映画」って感じ。 時代を感じさせないためなのか序盤と終盤の映像はより粒子が粗く、でもそれが逆に気になった。 ドキュメンタリータッチにしたかったのだろうか。
 気になったのは、信の前妻が信に言った言葉。
 「あなたは「なんで」って理由を聞くけど、その時の気持ちは聞いてくれなかった」
 いやいや、理由を語ろうとすれば気持ちの説明にもなるよ、だいたいの女性の場合。 感情と出来事はセットだもん。 それを切り離して別物ととらえるあたり、原作者は男性だなぁ、としみじみ感じる(この映画の脚本も荒井晴彦、男性である)。 監督は女性だけど、そこはスルーした、もしくは監督も男性脳の持ち主なのかなぁ、と。
 信が仕事帰りに買ったケーキがアンリ・シャルパンティエだったり、斜めエレベーターのある東京近郊のニュータウンなんて今はもっとさびれてるだろうから、主なロケ地は関西圏かも、と思ったら西宮名塩でした・・・(ポスターの背景がそう)。
 映画として悪くはないんだけど、なんかもやっとする。
 まだまだ、家族という呪縛から逃れられない人、いっぱいいるんだなぁと思うしかなかった。

ラベル:映画館 日本映画
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2017年09月12日

予言ラジオ/パトリック・リー

 <サム・ドライデン>シリーズ第二弾。
 主人公が同じドライデンでも、ジム・ケリーの<新聞記者ドライデンシリーズ>とはテイストがまったく違う(あっちは地味なほどリアリズム重視)。 近未来サスペンスSFスリラーという路線で行くんですね、という2作目にしての宣言。

  予言ラジオ.jpg ちょっとレトロ・・・。

 サム・ドライデンは軍隊時代の旧友で信頼できる数少ない相手クレアから突然呼びだされる。 ある場所で4人の少女がとらわれていて、命の危険が迫っている、助けに行かなければ!、という話だった。 詳しいことがまったくわからないまま、クレアへの信頼で付き合い、少女たちを救出して極悪非道の犯人を射殺する。 そこへ警察・FBIが近づいてきている気配があったので、二人は急いで姿を消す。
 落ち着いた場所についてから、クレアはブーンと鈍い響きを放つ謎の物質を見せる。 これは10時間24分後のラジオの電波を拾うものだという。 クレアがすでに録音していた10時間24分後のラジオには、4人の少女が無残な焼死体として発見されたことが告げられていた。 しかし二人が先に動いたせいで少女たちは助かり、未来は別方向に進むことになる。
 にわかには信じがたいサムだが、この<マシーン>をめぐってよりよい未来に利用したい派と、世界を私利私欲に利用したい派が対立していて、後者のあくどさに愛想が尽きた前者は<マシーン>の破壊を決意。 クレアは前者側の依頼でこの件にかかわったのだが、後者は<マシーン>の仕組みを改良し、10時間24分後の更に10時間24分後・・・と鏡に鏡を映して永遠に鏡が映り続けるように遥か未来のことも察知できるようになっていた。 サムは常に先手を取られるリスクを抱えながら、<マシーン>の無力化に挑む・・・という話。

 前作では他人の心が読める・時に他人の心を操れる能力者と付き合ったサム・ドライデン。 今回は思い通りに未来を変えたい人々と向き合う。 未来はどうなるかわからないから(複数に分岐する道のどれを進むかの選択になるから)、現在を変えることには誰もためらわないが、過去を変えることには及び腰、というのがわかるようなわからないような・・・タイムパラドックスを恐れているのだろうけれど、現在を変えることの影響も積み重なったら結構影響が出るような気がするんだけど。
 <マシーン>の仕組みについてはニュートリノで一部説明しているけど、肝心のことは「過去の遺物」で逃げちゃってるところがSFとして隙あり!、であるけど・・・そのチープ感はきらいじゃない。 というかサムがこの事件にかかわってからたった48時間ほどの出来事として一気に走り抜けてしまうので、あまり細かい理屈や説明はこの物語には不要なのかもしれない。 そんなに厚い本でもないせいもあるけれど、今回も一気読みでした。
 それにしても、サムにはいつも都合がよく協力者が現れる印象(今回はFBIの女性捜査官)・・・だからスピーディーに展開するんだけどさ。
 前作ともども映画化予定進行中!、とあったけど・・・ほんとかなぁ。 企画倒れの感が無きにしも非ず。 でも映画にしたら結構いい感じのB級アクションになりそうではあるんだけど。


posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする