2017年07月03日

今日は4冊。

 気がつけば7月である。 もう今年も半分が終わってしまったとは! なんてこったい!
 日々、何もできないままに過ぎる・・・なのに台風が来るという。 もうそんな季節か(遠い目)。
 もう、暑いからわけがわからなくなっている。

  英国諜報員アシェンデン.jpeg 英国諜報員アシェンデン/サマセット・モーム
 おぉ、ここにも新訳の波が!
 実はサマセット・モームの作品で、個人的にこれがいちばん好きだ(といっても全部読んでないけど)。
 多分中学生の頃だと思うんだけど(さすがに小学生ということはないだろう)、創元推理文庫版を古本屋で手に入れた。 「えっ、『月と六ペンス』『雨』の作者がミステリーを書くんだ!」と大変興奮した記憶がある。

  秘密諜報部員 昔の創元推理文庫.jpg 秘密諜報部員/サマセット・モーム ← このヴァージョン。
 これがすごく面白かったんですよね。 スパイものなんだけど、いかにも映画の『007』的な派手なシーンはなく、旅先で起こった些細な出来事と見せかけて実は心理戦、という地味なスリリングの積み重ねと、ほんとに些細な出来事と。
 あたしが「スパイもの、苦手」と思っていたのは、この作品のイメージを壊したくないというか、こういうのがあたしにとっての<スパイもの>という認識だったのかなぁ。 貪欲でありながら閉鎖的、ティーンエイジャーのこだわりは大変だわ。
 この本は実家に置いてきてしまったけれど(なにしろもともと古本屋で買ったし、何回か読んで経年変化でぼろくなっている)、まさかこの歳でもう一度アシェンデンに会えるとは思わなかった。 しかも新訳で。 改めて読んで、あのドキドキが蘇るだろうか。 そうじゃなかったら、あたしの感性が衰えたということになるな。

  ある奴隷少女に起こった出来事.jpeg ある奴隷少女に起こった出来事/ハリエット・アン・ジェイコブズ
 1813年生まれによる著者の、半生を描いた自伝。 奴隷として苦難の年月を過ごしたけれど、彼女には文字が書け、聡明だった。
 出版から126年後にベストセラーになったという事実からも(自伝、ノンフィクションだと書いてあっても、「奴隷の少女がこんな知的な文章を書けるわけがない」と長年フィクション扱いされてきたのを、著者の手紙から文体が同じであると研究者が判定し、やっと実話として扱われた)、奴隷制度の根深さを感じる。
 あの『アンクルトムの小屋』と同じ時代の出来事なのである。
 過去と現在は常に交錯する、時代の変化とともに新しい価値観を提示するために。

  凍った夏.jpeg 凍った夏/ジム・ケリー
 新聞記者ドライデンシリーズ第4弾。
 ジム・ケリーは黄金期の英国ミステリを現代に移植し続ける、そしてさらなる高みを目指す実直な技巧派である。
 だから長い割にはなんとなく話は地味だし、主人公のドライデン自身にも北欧ミステリのシリーズ主人公のような魅力にはいささか欠ける。 でも次はどんな直球を投げてくるのだろう、と非常に気にはなるのだ。
 こういう実直さ、ときには必要です。

  彼女たちはみな若くして死んだ.jpeg 彼女たちはみな若くして死んだ/チャールズ・ボズウェル
 なんと<実録もの>でした。
 若い女性が被害者となった10の事件についてのルポルタージュ。
 主にアメリカとイギリスで起こった事件が取り上げられているけれども、巻末には年表がついていて、事件と時代背景が一目でわかるようになっている。 なんて親切なの!
 でも内容は・・・なんだかとても怖い雰囲気。 でも読み始めたら、なんだかんだで一気読みしてしまいそう・・・。

ラベル:新刊
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする