2017年01月29日

ラスト・ウィンター・マーダー/バリー・ライガ

 <『さよなら、シリアルキラー』三部作>の完結編。
 これもまた前作『殺人者たちの王』からの続き。
 ジャズ対ビリー・デントの最後の戦いが待ちうけているのであろう予測された展開は、前2作にあった青春小説色を薄くし、シリアス度を高めてしまいました。 しかしそれが「大人になる」ということなのかもなぁ・・・せつないわ。 なのでコニーやハウイーの出番も些か少なめ。 その分、ジャズの人生にフォーカスしてしまったから。

  ラストウィンターマーダー.jpg 誰にとっての「最後の殺人」なのだろう・・・。

 あたしはてっきり、○○○○さんと△△さんが同一人物だと思ってしまっていたので、その二人が違う人物だとわかったときの驚きといったら! むしろそっちの方がジャズにとって救いがないじゃないか!、と憤ったりもするものの、どっちにしろ彼にとって負担というかトラウマであることは変わりないので・・・なんだかもう痛々しいです。
 更に残酷描写もヒートアップ。 「これ、ほんとにYA小説か?!」と言いたくなるほどグロ展開です(たとえるならば・・・小説の方の『羊たちの沈黙』のあとに『ハンニバル』に辿り着いてしまったかのような。 内容は違いますけど、ダークさの流れ加減が)。
 これが課せられた宿命だというのなら、なんでジャズはこんな重みを背負わなければならない羽目になったのか。 そう思うと「神なんていないよな」という結論に達してしまいそうです(そもそもシリアルキラー:人を殺すことが快感、それ故に理由もなく誰でもよく人を殺す存在がい続けることがまた問題なわけですが)。
 とはいえ、ジャズはまだ若い。 コニーのお父さんが差し伸べてくれた手は大人として果たすべき義務とはいえかっこよいものだし、保安官G・ウィリアムスの存在も心強い。 この先、彼がこの宿命をどう受け入れ、どう乗り越えていくのか、いい方向に進むことを願うしかないのですが。
 そう考えればやはり、これは青春小説だったのかもしれず。

 ただ、エピローグ。 これはあった方がいいのかなかった方がよかったのか・・・。
 ハッピーエンドとも取れるしバッドエンドとも取れるし、なによりこの先が気になってしまう!
 やはりこれはサイコホラーだったのかもしれない。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 10:05| Comment(2) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする