2016年11月07日

ブラックベリー・パイは潜んでいる/ジョアン・フルーク

 お菓子探偵・ハンナシリーズ第17弾。
 今回は結構読み応えあり!(ページ数が多いからか?) いつもなら2〜3時間で読み終わってしまうけど、今作はもうちょっとかかったよ!
 舞台はいつものごとくミネソタ州の小さな町レイク・エデン。 “クッキー・ジャー”という名のクッキー&デザート、カフェテリアの店を経営するハンナは実は町の名探偵としてすっかり著名である。 だが今回は悪天候の中、ハンナが車を走らせているとき、人と接触してしまい、その人を死なせてしまった!
 いつも死体を発見するだけ(?)なのに、不可抗力の事故とはいえ自分が人を死なせてしまったということにハンナは大ショック。

  ハンナ18ブラックベリーパイは潜んでいる.jpg ブラックベリー・パイのフィリングは、ほぼ生のブラックベリーだけ!、ということにおののく。 一体何個使うことになるのか?!

 しかもその遺体はレイク・エデンの町の人は誰も知らず、それがどこの誰なのかを探し出さなければならない・・・勿論、いつものメンバーはハンナをサポートし、全力で事件に取り組む・・・という話。
 やはりハンナが事件の当事者になった、というのが物語上インパクトがあったというか、いろいろ調べようとする必然性がより強くなったのが説得力のあった理由でしょうか。
 けれどそんな中にも家族の問題はやっぱり巻き起こり、困った母ドロレスにハンナだけでなく他の姉妹たちやハンナの友人たちは振り回される・・・といういつもの展開も。
 自分の結婚式の準備を娘たちに任せる、と前作で宣言しておきながら、娘たちの様々な提案をことごとく退けるのは、ほんとは全部自分で仕切りたい気持ちの表れ。 でも宣言しちゃったからには撤回できないし、仮に自分で仕切ったとしても気まぐれでころころ変えることは目に見えてるんだけど、ほんとにみなさんお気の毒。
 シリーズ初期の頃、ドロレスはほんとに困った親で(いわゆる毒親ってやつ?)、それに耐えているハンナ、えらすぎるぞと思っていたのだが、シリーズを通じてドロレスもだんだん話が通じる相手になってきたのもハンナの忍耐のなせる業ではあるのだが、人の本質はそう簡単には変わらない、ということもこのシリーズは教えてくれる。 けれど自分が辛抱強く対処していれば、表面上相手も変わってくれる可能性もあるという希望を抱かせてくれるのだ(でもそこまでしなくちゃいけないのは血の繋がっている家族だからで、他人ならここまでにはならないだろうけど)。
 主人公の恋愛問題だけでなく、家族の問題や友人たちの問題も同じ重さで語られるから、このシリーズは数あるコージーミステリの中でもちょっと別格というか、成功例になっているのかもしれない(充実したお菓子レシピもまた。 基本、業務用なんで量は多いんですけど。 クッキーなら5〜6ダース分とか)。
 しかも「彼は一体誰だったのか」という疑問は解けるも、今回の事故のことはまだ処理が終わっておらず(なにしろいつもの判事が不在だったため、ハンナは一回逮捕されちゃったし)、この続きは次巻に持ち越し・・・。
 なんだか此頃、次に引っ張るパターンが多いわ。 それはハンナの(恋愛面における)気持ちがだんだん決まってきたというあらわれかも〜。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする