2016年10月06日

カルニヴィア 3 密謀/ジョナサン・ホルト

 「あ、そういえば『カルニヴィア』の3作目出たんだよね・・・忘れてた」ということで、逢坂剛のイベリアシリーズの続きが来るまでの穴埋めにさくっと読んでしまうことに。
 2作目を読んだのは一年以上前だったか・・・メインの登場人物はさすがに覚えていたのですが、その人物の背景(正確にはダニエーレが幼少時に誘拐され心身ともにひどいけがを負ったこと)をすっかり忘れていたという・・・。
 でも今作でその謎にかなり迫っているので、忘れていたおかげでハラハラする気持ちが強まったと言えるでしょう。 何がさいわいするかわかりませんね。

  カルニヴィア3密謀.jpg それとも、ほんとの主役はヴェネツィアという街だったのかも。

 ヴェネツィアの海岸で、喉を掻き切られ、舌を抜かれた男性の遺体が見つかる。 フリーメイソンの秘密の儀式に関係ありそう?、とカテリーナに捜査依頼が来る(誰が会員なのかわからないので、明らかに会員ではない人物として)。 ホリーはアメリカに一時帰国していたが、「もしかしたら自分の父は病気で死んだのではなく殺されたのではないか?」という疑惑を抱かせる書類を手に入れ、真相を調べるためにイタリアに戻ってくる。 そしてダニエーレは、自らが運営してきたSNS<カルニヴィア>から手を引こうと考えていた。
 だが、絶対の匿名性と個人情報保護が売りの<カルニヴィア>を利用して、テロ攻撃が仕掛けられていると知ったダニエーレは対処を開始。 カテリーナとホリーのそれぞれの捜査・調査もいつしか同じラインに辿り着き、イタリアを利用するCIAの姿が浮かんできて・・・という話。
 2作目からこの3作目までの間に時間が少し経過しているようで、三人を取り巻く環境にも多少の変化があり、三人ともしばらく会っていなかった感。
 それでもカテリーナの“情熱のイタリア女”振りは健在でした(あー、でもそれって絶対に痛い目に遭うパターンだよ、と思っていたらその通りになってしまったので、恋とはどんな人間にも危機感を薄めさせる効果があるようです)。
 最終的に、なにか含むものを持っているように見えていた人がやっぱりあやしかったとか、コンピュータ(というかインターネット)社会の危うさをつくイスラム原理主義者たちによるテロとか、構成要素としては特に新しいものはないのですよね。 ただ、友情をとるか法をとるか、みたいな葛藤があればもっと盛り上がったかもしれないけれど、そのへんは意外にドライというか、みなさん大人でした・・・。
 3作を通じて三人はそれぞれ自分の進むべき道を認識するのだけれど、イタリアや欧州全体が抱える闇は結局そのまま、という。 なんだかすっきりしない幕切れだったけれど、現実に近いものを描こうとしたらそうなってしまうのかも。
 ただ、三人はそれぞれの選択に後悔していない。
 多分、それが重要。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする