2016年07月12日

不思議なキジのサンドウィッチ/アラン・ブラッドリー

 化学大好き少女・フレーヴィアシリーズ、第6弾。
 前作『春にはすべての謎が解ける』の衝撃のラスト一行から、今作はタイムラグなしで同じ一行から始まる。 このシリーズで今まで、そんな構成はなかった!
 ということは今作はシリーズの中でもターニングポイントというか、重要な位置にあるってことなんだろうな・・・7作目ではもうフレーヴィアは12歳になっちゃうのかも。
 11歳、最後の冒険、かぁ。
 <衝撃のラスト一行>について語ると前作のネタバレになりそうだし、更に今作のネタバレにもなってしまうので説明ができません。 あらすじ紹介も難しい。

  不思議なキジのサンドウィッチ.jpg どんどん原題と邦題がかけ離れていきますが、邦題はこの路線で行った方がいいような気がする。 フレーヴィアの年齢と独特さ加減が強調される感じが。 ちなみに原題は“The Dead in Their Vaulted Arches”と、あまりかわいげがない。

 帯のコピーには、「フレーヴィア、ちょっとだけ大人になる」とありますが・・・ちょっとどころじゃなくて、大人にならなきゃいけなくなった感がありありと(だから次作ではもう11歳ではいられないんじゃないかな、という気がしたのだ)。
 しかも「第一部、完!」みたいな謎をまだまだ残しつつのいったんの終息、でも次なるステップありの展開には、大変続きが待たれます。
 でも読んでいて切なくなるのは、このシリーズの時代設定が1952年ということ。
 フレーヴィアの父親や庭師のドガーは戦争中に日本軍の捕虜になって、ひどい目に遭わされた過去があり、シリーズほぼ全作でそのことに再三言及される。 かつて日本も「鬼畜米英!」と言っていたのだからそれがそれぞれの国の立場なんだけど、21世紀に翻訳ものの中でそれを目にするのは、「当時は日本ってそう思われてたんだなぁ・・・」とどうしてもつらい気持ちになってしまうのです。 今となっては変えようのないことだけど。
 ともかくも、フレーヴィアの“宿命”が明かされた本作。
 ド・ルース家の奇妙さ、フレーヴィアと二人の姉の関係にもある種の答えが(そう思うとフィーリーとダフネもかわいそうになってくる)。
 やはり次作が待たれます。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする