2016年06月25日

君がくれたグッドライフ/HIN UND WEG

 タイトルだけでどんな内容かだいたい想像がついてしまうダサい邦題であるが、それくらいの方が受けるのだろうか? 確かに有名な俳優さん出てないし、ちょっと地味なヨーロッパ映画だし、宣伝も難しいかとは思いますが。

  君がくれたグッドライフP.jpg 最期の旅は、泣かないと決めていた――

 年に一度、5日間の休暇をとって自転車旅行に出かける6人の仲間たち。
 行先はメンバー持ち回りで決めて、今年はハンネス(フロリアン・ダーヴィト・フィッツ)とキキ(ユリア・コーシッツ)夫妻の番だった。 行先はベルギーと聞いて、名物はチョコレートくらいしか思い浮かばない仲間たちだが、いつも通りの楽しい旅行は次第にハンネスの不調が伝わるにつれ、違う様相を呈しはじめて・・・という話。
 あまり細かい説明はないので、このメンバーは多分大学時代のツーリングサークルかなんかの繋がりで今までずっと友だちできたんだろうな、と推測。 だから旅行中の彼らの言動はかなりガキっぽくお下品なところもあるのだが、気持ちは大学生なんだから仕方がない、という感じ。

  君がくれたグッドライフ3.jpg 途中、雨に降られた後の場所で一人がすっ転び、はしゃいだ結果、結局全員が泥まみれに。
 まぁ、そんなバカのことをやりあえる友だちという存在は貴重なんでしょう。
 今は全然乗ってないけど、地元暮らしのときの足は自転車だったあたしとしては、別に遠くまで旅はしないけど、片道一時間ぐらいは普通に自転車で移動していた過去がよみがえりました。 自転車を走らせているときの風景の動きとか。 あと、メンバーの一人がラジカセを積んでBGMを流しながら走るという感覚が、大学生のとき実家に戻る際にJRの普通列車を乗り継いで、ウォークマンで音楽を聴きながら車窓を眺めていたことなどを思い出させてくれて、しかも彼らの走る道が人工物の少ない田園風景が多かったこともあり、個人的にノスタルジーが刺激されてしまいました。
 あぁ、時間を気にしない移動っていいなぁ。
 しかしこの映画はそんなのんきなロードムービーではないのである。 実はハンネスは筋萎縮性側索硬化症(ALS)と2年前に宣告されており、半年ほど前から急速に病状が進行。 父親も同じ病気でなくなっているためこの先自分がどうなるかよくわかっているハンネスは、尊厳死を求めてベルギーを目的地にした、ということが旅の途中でわかり、仲間たちはそれをどうやって受け入れるのか、がもうひとつのトピック。

  君がくれたグッドライフ2.jpg そしてハンネスの意志を尊重してついてきた妻キキの、語られない苦悩と不安。 夫妻の愛の深さと強さもまた見える。
 いろいろ、あえて語らない(愁嘆場をつくらない)のがこの映画のいい意味での軽さではあるのだが、きっと感動して泣きたい人にとっては物足りない結果になることでしょう。
 個人的にはこのあっさり感が結構好きだったりするのですが(でも行間は重たいけど)。
 しかしあまりにベタすぎるラストシーンはちょっとダサいんですけど!、とつい思わずにはいられないのだけれど、それも仕方のないことかもしれない。 だってかつての大学生の気持ちのままなんだから。

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする