2016年06月18日

氷雪のマンハント/シュテファン・ヤコブセン

 連日のように言っておりますが、暑いです。
 おかげで通勤電車の中で本を読む時間が激減(暑くて頭がぼーっとしてしまい、かすかな冷房を感じてぼーっとなっているうちに電車がついてしまう)。 おかげでなかなか本を読み進めないことにもストレスが。 家は家で暑いし、海外ドラマも消化しないとHDD圧迫されるし。 あと、映画の感想を書くのに追われて本のほうが若干お留守になっており、そっちはそっちでたまっていく・・・悪循環です。

  氷雪のマンハント.jpeg なので出来るだけ時間をおかないほうが記憶も鮮明で。

 こちらはデンマークの大ヒット小説とか。 ご想像通り、タイトルで涼しさを得ようとしております。
 警備コンサルタントにして有能な私立探偵ミケール・サンダのもとに一件の依頼が入る。 急死した大富豪の娘からで、金庫にあったDVDに若い男の処刑場面が収められているという。 父親は人間狩りをしていたのか? 真相究明のため、早速調査に入るミケール。
 そして<他殺に見えた自殺事案>を担当したデンマーク国家警察のリーネ・イェンスン警視の調査が進むにつれ、ミケールの案件と次第に交差していき・・・という話。
 冒頭に「人間狩りにまさる狩りはない」というヘミングウェイの一文が掲げられているが・・・サディズム要素をもたないあたしとしては理解不能(別に理解しなくてもいい)。 しかし世の中には“そっち側の人間”もまた確かにいるのだとわかってはいるし、知っておくことは大事であろう。
 本作では元軍人で、イギリスの名門警備会社に務めた経歴を持つミケール・サンダというキャラクターが秀逸。 有能で冷静沈着なプロ(言葉遣いも礼儀正しくかつ端的で明瞭)だけど、完璧ではなくてどこかうっかりもしてしまい、危険な仕事を愛してはいるが妻と子供たちのことを考えると忸怩たる思いがしてしまう“普通の人”の面も持つところが微笑ましくもリアル。 それと比べてしまうと警視のリーネは普通というか、勿論すごい精神力の持ち主だけど、ハード展開の多い北欧の小説ではよくある感じなのが残念。
 そう、なにしろ題材が<マンハント>ですから、暴力描写も容赦がない。 そして誰が信用できてできないのかが手掛かりが加わるごとに変わっていく、というのがミステリーとしての要素でもある(全体としてはアクションスリラーに分類されるでしょうが)。
 600ページ越えの大作なのに、後半がやや駆け足に感じてしまうのがちょっともったいないところです。 訳者あとがきによるとシリーズ化されているみたいなので(しかもまたこの二人のコンビで)、ミケール・サンダにまた会えることを楽しみにしたいと思う。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする