2016年04月17日

マネー・ショート 華麗なる大逆転/THE BIG SHORT

 金融専門用語はさっぱりだが(そもそも投資や資産運用という言葉に個人的にまったく興味がない)、サブプライムローンのひどい仕組みとかニュースレベルの一般常識的なことはなんとなくわかっているような気がする(といってもそれを学んだのは映画だったりドキュメンタリーからだったりするのだが)。 『マネーボール』はドラフトの仕組みがいまいちわからないままでも十分楽しめたし、これだって大丈夫なんじゃないか!?
 結果的に、大丈夫でした。 映画の中でも手を変え品を変え説明してくれるし。

  マネーショートP2.jpeg ウォール街 VS アウトロー これがリーマンショックの真実だ。
    世界経済の破綻を予測した4人のアウトローがいた

 2005年のアメリカ。 かつて医師だった経歴を持つ天才的金融トレーダーのマイケル(クリスチャン・ベイル)は、好景気に沸くアメリカの住宅事情に疑問を抱き、サブプライムローンの危機が近いことを察知する。 が、マイケルの指摘を真剣に取り合うものはおらず、マイケルは「CDS:クレジット・デフォルト・スワップ」という金融取引で利益を出すことを考えるが、銀行側は目の前の利益しか目に入らず、彼の提案をいくらでも飲むことに。
 だが、ドイツ銀行のジャレド(ライアン・ゴズリング)はマイケルの提案書を読み、そこに一抹の真実を見る。 自分の銀行の将来を考え、大手証券会社傘下にあるヘッジファンドマネージャーのマーク(スティーヴ・カレル)とそのチームに話を持ちかけ、CDSを仕掛けることに。 また、若き投資家の卵二人が儲けを元手にウォール街の大きな取引に参入しようと大手証券会社を訪れるが、資格が足りないため直接取引できないことが分かる。 肩を落として帰ろうとしたときにマイケルのレポートを見つけ、これはいけると直感する。 しかし自分たちでは動けない彼らはかつて知り合ったことのある伝説の元銀行家ベン(ブラッド・ピット)に助けを求めて・・・。

  マネーショート1.jpg マイケルは仕事場でもTシャツ・短パン・ビーサン。 しかもヘヴィメタ大好き。 前髪パッツン風にして、かわいらしい風貌になったクリスチャン・ベイル。

 なんとなく勝手に、アウトローな方たちが力を合わせて悪徳銀行・証券会社らをどうにかやり込めようとする話かな、とイメージしていたのだが・・・実話がベースなのだしそんなに単純な話では決してなかったのであった。
 そもそもメインの4人が一堂に会すことなどないのだし。

  マネーショート2.jpg ライアン・ゴズリングは何故かパンチパーマ?
     スティーブ・カレルはいつも怒っている(世の中の理不尽さに対して怒りを抱いている)役で、メインキャストのみなさん、普段のキャラとはちょっと変えてきているところが面白かった。

 最初に「サブプライムローンは破綻する」と気づいたマイケルが、ずっと一人で最後まで苦しみ続けることになる、というのがたまらなくやりきれなかった。 本来ならばいちばんの功労者のはずなのに、いちばんひどい目にあうってどういうこと!、という現実の理不尽さがしみじみと。 そして彼らが「勝つ」ということは、つまり多くの金融機関が破綻し、それ以上に多くの人々が家を失う事態に陥るということで・・・<華麗なる大逆転>というサブタイトルは名作『大逆転』(ダン・エイクロイド&エディー・マーフィーの)へのオマージュかもしれないけど、実態は全然“華麗”じゃないんですよ・・・。
 もう、善悪や貧富の二元論で片付く事態じゃ世の中はない。
 ただひたすらに、複雑さを増すばかり。

  マネーショート3.jpg ブラッド・ピットが出番少ないくせにめちゃめちゃおいしい役で・・・『それでも夜は明ける』のときもそうだったけど、「自分とこの制作会社がカネを出すんだからこの役もらっていいでしょ」的な感じがしてちょっとイヤ(というかズルい)・・・。 『バードマン』はジョージ・クルーニーがプロデューサーでもあったけど、彼は出てこなかったじゃない!

 <実態のない金儲け>というものにどうしても胡散くさいイメージを拭えないあたしですが、トレーダーと呼ばれる人たちの中にも良心的だったり倫理観があったりする人もちゃんといる、とわかったことはうれしかった(どんな職種においてもそういう人は一定数いるのだろうけど)。
 理系といっても自然科学中心にやってきたあたしとしては、やはり経済やマーケット(市場)というものがよくわからない。 どれだけ数値が飛び交おうとも、人間の欲望は決して数値化できない、ということだけはわかったかもしれない。
 あぁ、資本主義のおそろしさはこういうところに出てくるのだよなぁ・・・しかしそれに変わる仕組みがいまのところない以上、この世界で生きていくしかないのだが。

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする