2016年02月27日

オデッセイ【3D・字幕版】/THE MARTIAN

 わーい、アカデミー賞授賞式前に観られたぞ! 原作も読了済みだし、準備万端!
 火星での有人探査ミッション中、突然起こった砂嵐に撤退を余儀なくされるNASAの<アレス3>クルーたち。 しかしマーク・ワトニー(マット・デイモン)が突然猛烈な風にさらわれ、連絡も取れず。 彼を探し出そうとするものの、クルーたちは危機的状況にあり、瞬時の判断が求められて船長(ジェシカ・チャステイン)は火星離脱を決意。 クルーたちはワトニーが死亡したと思い、ヒューストンにもそう報告。 地球ではワトニーを悼む儀式も行われたが、どっこい彼は生きていた。
 <火星ひとりぼっち>の状態からいかにして地球と連絡を取るか、いかにして生き残るか、そして無事に帰還できるのか?! マークの孤独な戦いが始まった・・・という話。

  オデッセイP.jpg 70億人が、彼の還りを待っている。

 個人的に久し振りの3D映画ですが、冒頭の砂嵐、自分もまたその砂塵に巻き込まれている感じはすごくした。 あとは火星の荒れ地の広さというか、3D効果はそれくらいかなぁ。 2Dでもよかったかもしれない(でも時間的に3Dしかなかったのだ・・・)。
 映画は基本的には原作に忠実なつくりですが、やはり「文章で面白い」ところと「映像として面白い」ところは違うんだなぁ、ということを実感。 原作で際立っていたマークのユーモア精神は若干弱まり、その分、前半の彼の絶望というか落ち込むシーンが際立っていた(まぁそれが普通だろうしわかりやすいんだけど、それをしないところが原作のマークの特異なところだったのに)。 だから突風に巻き込まれた時に突き刺さったアンテナを身体から抜くシーンの痛々しさときたら!
 そういうリアル感はやはり映像の力でしょうね。

  オデッセイ1.jpg 宇宙服の説明も、「百聞は一見に如かず」ですかね。 火星の一日“ソル”の説明もアッサリだったし。
 が、時間的制約があるから仕方ないのはわかるけど・・・最大のスペクタクルだと思った場面をあっさり丸ごと削られ、でもそのエピソードは使うの?!、という意外性にいちいち反応してしまった。 だからマット・デイモンのワトニーくんは科学オタク度が少々低めの普通の人に見えるし、植物学者の割に筋肉隆々じゃん!、ということにちょっとびっくり(しかしそれはのちのち、食料を減らしていく過程で否応なくスリムになってしまった彼の姿への変化をわかりやすくするためかも)。
 あと、原作を読んでいてよかったと思うのは、登場人物の把握がすんなりできたということでしょうかね。 NASA長官役のジェフ・ダニエルズはほぼドラマ『ニュースルーム』に近い役っぽかったし(予告を見た限りでは『スティーヴ・ジョブズ』でも同じような感じの役で出ているっぽい)、<アレス3>のクルーのひとりにマイケル・ペーニャがいたりと、キャスティングもなかなかツボ! でもいちばんニヤリとしたのは、秘密会議という意味で『指輪物語』から名前をとって呼ぶ場面(技術者たちはみんなわかるのに、広報担当の女性だけ意味がわからない。 技術者もみんなオタクということです)に、ショーン・ビーンがいること(あなたボロミアとしてその場にいたじゃん)! なんて粋なキャスティングなの!
 いやいや、あの『エイリアン』のリドリー・スコットが(さらに『プロメテウス』というそれこそ壮大なるいかれた叙事詩をもブチ上げている彼が)、宇宙を舞台にしてこんなコメディ映画をつくっちゃうとはね!、というのがいちばんの驚きかも。

  オデッセイ4.jpg 火星初の有機栽培じゃがいも。 やはり人類の飢餓を救う手っ取り早い作物はイモ類なのか?!
 ここぞ、という場面にぴったりのBGMが流れるのもまた楽し(近未来設定のはずなのに、流れるのは70〜80年代ディスコソング中心なのもまた笑える)。
 「科学の前では政治も経費もこの際無視」というのは理系の人間にとっては夢のような話だし、まさに夢物語でもあるので「ばかばかしい、こんなのありえない」と思う人も絶対いるでしょう。 しかしその“夢物語”を本気でやるような人たちばっかりだったら世界は平和だと思いませんか。
 そう、これは「これというひとりを助けるために他の犠牲が出る可能性もやむなし」というアメリカ的価値観(例:『プライベート・ライアン』)ではなく、地球上で全人類が共存共栄するために提示された道なのだ!
 でもローバーがすっ転ぶシーンは必要だったと思うけどな・・・。

ラベル:外国映画 映画館
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする