2016年02月04日

マイ・ファニー・レディ/SHE'S FUNNY THAT WAY

 「あぁ、<特に何も残らないコメディ>って感じだなぁ!」と思って。
 『ペーパームーン』のピーター・ボグダノヴィッチ監督最新作といわれても、「監督、結構ご高齢では?」としか思えないあたしですが(でも『あきれたあきれた大追跡』好きです)、演劇やステージが舞台、となるとついこっちの心も踊るし、少人数キャストの演技合戦もまさに舞台っぽいし。
 新たなハリウッドスターとして注目を浴びる若き女優、イザベラ・パターソン(イモージェン・プーツ)がとあるスタジオで見るからに皮肉な受け答えをしそうな記者(シビル・シェパード)からインタビューを受けている。 記者から、かつて高級コールガールだった経歴を問われ素直に告白するイザベラ。 そんな彼女が何故チャンスをつかめて今ここにいるのかのきっかけになった出来事について話し出す・・・という話。

  マイファニーレディP2.jpg 最高に楽しくて、とびきり笑える!ロマンチック・コメディ
   人生が輝きだす街、ニューヨーク、ブロードウェイ。 きっかけは大金のプレゼント!? ひょんなことから交錯してゆく男と女たちのおとぎ話。

 女優を夢見ていたイジー(当時はそう自分のことを呼んでいた)だが、実家から出るお金もなく、比較的時間が自由になるアルバイトとして別名でコールガールをしていた。 精神面でもいい気分になってもらう彼女の“おもてなし”は客からも好評で固定客もついていた。
 ある日、初めて会うお客のアーノルド(オーウェン・ウィルソン)から、「この仕事を辞めて自分の将来のために動き始めるなら3万ドルをプレゼントしたい」と言われ、コールガール業界から一切足を洗ってオーディションを渡り歩く日々に。
 あるオーディションに行ったらば、そこは偶然にもアーノルドが演出家として参加していて、彼の妻で女優のデルタ(キャスリン・ハーン)が主演する舞台だった。 しかも共演者にはデルタに昔からほのかに片思いをしている人気俳優のセス(リス・エヴァンス)がいて、唯一の常識人と呼ばれる脚本家ジョシュア(ウィル・フォーテ)はなんだかイジーに一目惚れしたっぽくて、ジョシュアの恋人で人の話を聞かない困ったセラピストのジェーン(ジェニファー・アニストン)や、コールガールだった彼女が忘れられない常連客が探偵を雇ったりと、狭いところで絡まり合う人間関係が舞台の稽古の邪魔をする。
 みなさん奇人変人揃いなので、そもそものイジーの特異性というか、「元コールガールでした」という告白自体が何の意外性もないというか、だからどうした的雰囲気に見えるのがあとから思えば面白く。 リス・エヴァンスがセクシーな人気俳優として街でキャーキャー言われているのが『ノッティングヒルの恋人』の頃を思うとすごく意外だし(でもTVドラマ『ホームズ&ワトソンinNY』で演じてるマイクロフト役もかっこいいんだよねぇ。BBCの『SHARLOCK』よりこっちのドラマがすぐれている点はマイクロフト・ホームズの扱いだと個人的には思うので。 彼も年をとるにつれかっこよくなっていく男のパターンか!)。

  マイファニーレディ3.jpg で、今回も浮気症に見えて実は一途な男だったり。
 ジェニファー・アニストンの見事な自己中振りは「もしかしたら『フレンズ』のレイチェルがロスたちに出会わなかったらこんな感じの人になっていたのでは?」と思わせる役柄で、これまたちょっとニヤリ。 そんな中をほんとはいちばんの原因である浮気男のオーウェン・ウィルソンのあたふたする様が、いちばん普通に思えてくる不思議。 今回の彼は結構抑え気味で、アンサンブルキャストの要の役割をきっちりこなしているなぁ。
 まさに舞台をつくり上げる話なれど、映画としてもなんだか舞台的。
 そこを「偶然が多すぎてばかばかしい」と思うか、ニヤリとするかは観た人のそのときの気分次第、という気が。 あたしはニヤリ派でした。
 イスから転げ落ちる、という描写があまりに古典的だったり、<唯一の常識人>というふれこみの彼がそんなに常識人でも真面目一本やりというわけでもなかったりと監督とのジェネレーションギャップを感じないことはなかったですが、ロマコメというジャンルはそれくらいの世代差を飛び超える包容力をもっているようです。

  マイファニーレディ4.jpg それぞれがハッピーエンドならばなおよし。
 ちなみにこの映画、<リス割>実施(リスのぬいぐるみやリスのイラストのついたグッズをカウンターで見せればお一人様1000円でOK)。 何故リスなのかといえば、「セントラルパークで人々はリスにクルミをやる。 でも、ときにはクルミにリスをやったっていいじゃないか」という鍵になる台詞から。 合言葉は「クルミにリス!」です。

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする