2016年01月14日

ゴースト・スナイパー/ジェフリー・ディーヴァー

 最近、コツコツと半身浴を続けておりまして、おかげで分厚い本もゆっくりじっくり読めるヨロコビ(汗が目に入るとか、本を濡らしはしないかと気を遣うところもありますが)。
 そんなわけでハードカバー・二段組み・500ページほどのこの本もさっくりと読み終わる。 ま、ディーヴァーは読んでいるうちに加速度がつくのでいつもこんな感じですが。

  ゴーストスナイパー.jpg 改めて見るとこの表紙、レッド・ヘリングだな・・・。

 バハマで、アメリカを公然と非難していた活動家が暗殺される。 射程距離2000m以上離れた場所から。 その凄腕のスナイパーはアメリカ政府機関の人間ではないか、とある地方検事補がリンカーン・ライムのもとを訪れて協力を依頼する。 しかし現場はバハマで物的証拠がライムの手元には届かず、得意の科学捜査ができない、という歯がゆさからはじまる今回の事件。
 スナイパーや殺し屋、秘密組織、という組み合わせはリンカーン・ライムシリーズ初期の作品に見られましたが(『コフィン・ダンサー』とか『石の猿』とか)、お久し振りな感じでちょっと新鮮。 このところシリアルキラー系、多かったですし(まぁその方が面白かったりするんですけどね、実際のところ)。
 毎回のように『CSI:科学捜査班』の悪口は出てくるんだけど、今回は『メンタリスト』『ダウントン・アビー』の話題も出てきて「あぁ、ほんとにアメリカでヒットしてるんだなぁ」とこのシリーズで実感できるのは、そういうリアルタイム感を作者が好んで取り入れているからでしょうか。
 また、先日の『シャドウ・ストーカー』が音楽だったのに対し、今回は作者の料理趣味が爆発。 ほんとに貝印の“旬”シリーズのナイフ、全種類持ってそう!
 というか毎回のようにちょこちょこ日本ネタも入れてくるのは「作品が日本でも売れているから」という彼のサービス精神故なのでしょうか? 普通に「日本が好き」ぐらいならうれしいけど・・・。
 指が前より動くようになってはしゃぎ過ぎの感のあった最近のリンカーンですが、今回の事件でちょっと落ち着いてくれたようでよかった(もはやあたしは介護士のトムのような心境になっているじゃないか)。 というか、アメリアはいつまで関節炎を放っておくのか!、というこっちの心配(?)に一応けりをつけてもらえたので、よかったです。 ダメダメ新人だったプラスキーくんもいつの間にやら確実に成長してるし。
 これだからシリーズ物は・・・キャラクターに愛着が芽生えてしまって困るわ。

ラベル:海外ミステリ
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2016年01月13日

犬に名前をつける日

 小林聡美が演じるTVディレクターの存在はフィクションだが、それ以外は事実。
 というわけで<ドキュメンタリー映画>のカテゴリーにも入れておきます(正確には“セミ・ドキュメンタリー”という感じか)。
 普通に動物好きの人であれば、保健所の現状というものに近寄りたくない、と思うのは当たり前だろう。 ただ主人公の職業柄、今までそこに踏み込んでこなかったというのはどうかな、とは思いつつ、愛犬の死をきっかけに、というあたりが一般客を同じ視点で内容に近寄らせるための工夫なんだろうな、と感じる。

  犬に名前をつける日P.jpg 犬の幸せはどんな人と出会うかで決まる。

 愛犬・ナツを突然の病気で亡くした傷心のテレビディレクターの久野かなみ(小林聡美)は、しばらく仕事を離れ、入院中の敬愛するドキュメンタリー映画監督に会いに行く。 そこで、今の気持ちを大事に映画を撮ってみたら、とすすめられ、犬の命をテーマに映画を撮り始めることに。 手探りで取材を続けるうちに、動物保護センターや福島第一原発20キロ圏内から犬たちを救う活動をしている人たちに出会う。 動物たちをめぐる現状にショックを受けるかなみだが、それでも一匹でも多くの命を救おうと保護活動をする人たちの姿に心を動かされて・・・という話。

  犬に名前をつける日1.jpg 取材の合間にお手伝いもします。
 かなみは現実を知って心を痛める、という設定ではあるが、特別どぎついシーンがあるわけではないので(だったら『ひまわりと子犬の約束』のほうが現実的に厳しい描写があった)、ドラマ場面に中途半端さを感じるのは否めない(全体的な息抜き、という意味合いはあるかもしれないが)。 それだけ、ドキュメンタリー、現実のシーンのパワーがすさまじいからだ。
 森絵都の『君と一緒に生きよう』を読んだことがある方やそれ以前の時代の保健所の殺処分の現状をご存知の方からしてみたら、この映画で描かれる<数字>や状況はかなりマシになっていると感じられるのではないかと思う(それでも多いは多いんだけども。そして絶対数では猫のほうが多いのに、この映画では犬をメインに据える‐猫については必要最小限の説明と描写しかない、という若干の矛盾も感じなくはないが、最近猫映画が多いからかな、と思うことにする)。 そう、もっとひどいのかな、と覚悟していったら、意外にも希望のある内容になっていたのだ。

  犬に名前をつける日3.jpg 保健所から助け出された猫たち。 しかし「命の期限を切られる場所」ではないというだけで、ペットとして愛情を注がれる、という環境ではない。 これでせいいっぱいだということはわかるけど。

 とはいえ、その<希望>は数少ない人々の人生をかけたエネルギーとボランティアスタッフによって支えられているだけで、その人たちがいなくなったら海辺の砂の城のようにあっさりと崩れ去るだけ、という危険性も同時にはらんでいるのだと伝えてくれる。
 結局、「飼っていた犬がいなくなっちゃったから、別の犬を飼ったので、今更見つかってもいりません」と答えるような飼い主が、劣悪な環境で流行の犬を数だけ増やそうとする悪徳ブリーダーがいなくならないかぎり決して変わることはない、という我々の良識が問われているだけなのだ。
 『ホワイト・ゴッド』でもそうだったが・・・「人間ですみません」と何度も思ってしまう。
 もはや野生の生き物ではなくなったイヌ・ネコは家畜のように人間に依存しなければ生きていけない存在になってしまっているのに、そしてそれは子が親を選べないように彼らが望んだことではないのに、人間はそのことを忘れてしまったかのようだ。
 人間が追い込んだ結果、絶滅しそうな動植物の保護には熱心になったとしても、イヌ・ネコは種としては存続するから大丈夫だろう、ということではない。 純潔種であろうと雑種だろうと、そこにいる一匹(一頭)は取り換えのきかない一匹(一頭)なのだ。
 なんでそんな簡単なことがわからないんだろう・・・だから、人間同士でも容易く殺しに発展してしまうのだろうな。
 命の大切さ、などという当たり前のことはあまり声高に言わない。
 <犬に名前をつける日>とは、その命に責任を持つ、と自覚するときなのだ。

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2016年01月12日

今日も4冊。

 なんだかんだとちまちまと本が出る・・・。
 後半は東京創元社のラッシュなのだ。 早いうちに買えるものを買っておかねば(持ち帰るのが大変なことになる)。 あぁ、連休明けは仕事に行くのがつらいなぁ・・・。

  海街ダイアリー07.jpg 海街diary 7 あの日の青空/吉田秋生
 思いの外、ペースが速い刊行なれど、なんかどんどんじわじわと一冊当たり薄くなっている気がするのは気のせいか? いつものように4エピソード収録なんだけどなぁ。

  カツカレーの日2.jpg カツカレーの日 2/西炯子
 もうちょっと続くのかと思ったら、帯に「感動の最終巻!」と。
 これはちょっと意外だったな・・・そしてもう次の連載が始まるらしいです。

  昨夜のカレー、明日のパン.jpg 昨夜のカレー、明日のパン/木皿泉
 単行本版に書き下ろし短編をつけて文庫化!、ということで(やはりこういうときは文庫が最終形と感じてしまうので、あたしは文庫が好きなんですが)。
 ドラマ版はこれをもとにしたものなので世界観はもっと広がりが出たらしいが・・・もともと脚本家の方なのだからそれは当然な気がする。 しかし解説を重松清が書いていたのが・・・あぁ、木皿泉もそっちの方に分類されちゃってるんだな、と少しさびしいものを感じた。

  ある島の可能性.jpg ある島の可能性/ミシェル・ウエルベック
 なんだかミシェル・ウエルベック作品が次々復刻で再文庫化が続いています。
 こう続かれるとついまた買ってしまう・・・よほど『服従』が売れているのでしょうか。
 でも、ある時期ウエルベック作品をどんどん出していたのは角川だったんだけど・・・今は河出書房新社ががんばっています。 海外文学ははやりすたり・話題性もあるから一概に言えないけど(国内作品よりお金かかるし)、それでも結局は担当編集者の力が反映されやすい分野なのだろうな、と思う。

ラベル:新刊 マンガ
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2016年01月11日

杉原千畝/PERSONA NON GRATE

 最初に杉原千畝の功績が広く知られるようになった頃(20年くらい前?)は、それこそ「命のビザ」・「日本のシンドラー」というキーワードに代表されるように、彼がとてもヒューマニストだったから、というような“美談”に集約されていたように思う。
 勿論、美談を否定するつもりはないが、あの当時の外交官であれば今以上に諜報員的な役割が強かったはず(いや、今でも本来そうであっていいはずだが)。 今更、あえて彼を主人公に映画をつくるならそんな部分もしっかり押さえてほしいなぁ、と思いつつの鑑賞。 冒頭はまさにスパイ映画さながらの展開で(007と違って杉原は花瓶で殴られてしまうところなんかリアル)、これは期待がもてそうだ!、と盛り上がる。

  杉原P.jpg ひとりの日本人が、世界を変える――
    激動の第二次世界大戦下 日本政府に背き命のヴィザを発行し続け6000人にのぼるユダヤ難民を救った男の真実の物語

 1935年、満洲国外交部に勤務していた杉原千畝(唐沢寿明)はハルビン大学仕込みの高い語学力と情報網の重要性を利用して、ソ連との北満鉄道譲渡交渉を日本側に有利な条件で成立させることに成功。 次はモスクワ勤務の予定だったが、彼の能力を警戒するソ連から<ペルソナ・ノン・グラータ:好ましからざる人物>の評価を下され、在モスクワ日本大使館への赴任の話はなくなり、リトアニアのカウナス日本領事館への勤務を命ぜられる。 それでも同地でオリジナルの情報網を構築して激動のヨーロッパ情勢を分析、日本に情報を発信してきたが、ついに第二次世界大戦が勃発。 日本国内で軍部の力が増すにつれ、都合の悪い情報は無視されるようになってきてしまい・・・という話。
 日本側にとっても彼は<好ましからざる人物>となったのだ。
 まず、杉原千畝はとても有能なインテリジェント・オフィサーだが、天才というわけではない、という設定にしてあるのがよかった。 やるべき仕事をしっかりやり、集まった情報から判断すれば誰だって同じ結論に達するでしょう?、という合理性重視の人。 現地人を重用するのもその方が役に立つからだし、差別意識など非合理的なものは持っていないだけなのに、現地職員たちから結果として信頼される。

  杉原3.jpg 飛び込みで自らを売り込みに来た彼を、運転手として雇うのも(そして諜報活動の片腕とするのも)杉原の心意気故。
 だからユダヤ人へのビザ発給に至ったのも、ヒューマニズムがなかったとは言わないが、根本には合理性があったから(それ故に、彼が“情”を優先して行動したと見える場面は感動もひとしお)。 といってもお涙頂戴ではないつくりが素晴らしいのであります(さすがチェリン・グラック監督、日本語ベラベラしゃべっても外国人だけのことはある)。
 彼の合理的な説得力が周囲の人を動かすわけで。 でもその範囲が狭かったのが日本の悲劇だったと言えましょう。

  杉原6.jpg 小日向さんの七変化(正確には3変化ぐらい?)も面白かったですよ。
 また、彼は6000人のユダヤ人の命を救ったことにはなったけど、その結果、生き残ったユダヤ人科学者の力があったがためにのちに日本がひどい目に遭った(原爆作成者のひとりになった、的な)、という日本にとってのマイナス面も指摘されており、彼の行動がすべて善とはならなかった、という運命の皮肉を描いているところも好ましい。
 彼はただの善意の人でも希代のヒューマニストでもなく、ひたすら苦悩する一人の人物だったのだ。 それがいかんなく描かれているのがよい。 ただ全体的にストーリー展開が早足だったのが気になったかな、ぐらい(でも満州時代にもある程度時間を割こうと思ったらこうなってしまうのだろうか)。 
 CMなどでぶっ飛んだキャラをやりながら、そのイメージを寄せ付けずに杉原千畝を表現しきった唐沢寿明はすごいですなぁ。 半分ぐらい英語の台詞も難なくこなしていたし(滝藤賢一さんの英語にも「おぉっ!」ってなりましたけど)。

ラベル:映画館 日本映画
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2016年01月10日

どうした!、コメント欄承認!

 気のせいかもしれませんが、そしてあたしのPCの調子が悪いからかもしれませんが、ブロガリのサービス停止発表以来、いただくコメントを承認しようとすると「エラーです」のピンクの画面に切り替わる。 何回やってもうまくいかない。
 一回ログアウトして、再度試したらうまくいったので、今回も同じようにしたのにダメだった。
 ネットブラウザ自体を一回落としてから再度立ち上げ、もう一回ログインしてからやってもダメだった。 「なんで〜?」と何回かやっていたら不意に承認画面が現れた。
 ・・・なんなんだ、一体。
 記事が消えたりしたことは過去に何度もあったけど(それはあたしの記事が長すぎるのとコピーをしっかり取っておかなかった自分の責任もあるが)、こんなエラーはこれまで一度もなかったのに(それはあたし自身があまりコメントをいただくタイプのブロガーではないせいかもしれませんが、それでも長くやってれば何百かにはなっているわけで)。
 サービス終了告知とともにメンテナンスにも手を抜きはじめたか?、とつい思ってしまうのは疑心暗鬼でしょうか。 でもあたし、ブログ追い出されるの今回で二度目なので、前回いたところの末期を思い出してしまう・・・(それでも移行先は紹介してくれたし、今でも閲覧可能になっているのはこことは違うところですが)。
 というわけでたかしさま、反映が遅くなりまして申し訳ございませんでした。
 今後もそういうことがあるかもしれませんので、もしこの先コメントくださる方にお詫びしておきます。 これまで以上に多少のお時間をちょうだいするかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
 事前承認制でなくすればいいのかなぁ。 でもスパムコメントが入ってきてもイヤだし・・・また悩むじゃないか。

2016年01月09日

今日は4冊(今年最初のお買いもの)

 本の買い初め(?)は、まず厚めの文庫を4冊。
 とはいえどっちも上下巻なので、正確には2作品ですが。

  キング悪霊の島文庫1.jpgキング悪霊の島文庫2.jpg 悪霊の島/スティーヴン・キング
 これはハードカバーが出た当初、「うおぉ、読みたい!」とのたうちまわりましたが、ハードカバーは重いし高いし本棚にも並べにくい。 図書館で借りるか〜、と思いつつ忘れていて(出てすぐは予約者の数がすごいから、しばらく後にしようと思っていてそのまま)、今回めでたく文庫化! やっと入手でございます。
 文学テイストが強くなった時期を通過しつつも、<ホラーの帝王>としての復活作。
 なんでも“深紅の王(クリムゾン・キング)”もちらっと出てくるらしいので、<ダーク・タワー>シリーズなどとのリンクもありそうです。

  海賊女王文庫1.jpg海賊女王文庫2.jpg 海賊女王/皆川博子
 これまたハードカバーが出たときに「うおぉ」とのたうちまわり・・・以下略。
 思っていたよりも早い文庫化で、万歳!
 あらすじをざっと見るとなんとなく『サラディナーサ』を思い起こさせるものがありますが、それは海ものでエリザベス女王が出てくるから。 これを読んだら、スコットランド・アイルランド・イングランドについて、やっといろいろ混乱していることがわかりやすくなりそうです。

ラベル:新刊
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2016年01月08日

シャドウ・ストーカー/ジェフリー・ディーヴァー

 CBI捜査官キャサリン・ダンスシリーズの3作目。
 よく考えたらCBI(カリフォルニア州捜査局)って『メンタリスト』で最初にジェーンがコンサルタントに入ったところじゃないか、と今更ながらに気づきました。 結構、組織とかあまり気にせず読んでるな、あたし、と気づかされる。

  シャドウストーカー.jpg 原題は“XO”。 キス&ハグを意味する記号。
    「XOXO ゴシップガール」の意味がわかったわ!

 カントリー界の若きスター、ケイリー・タウンにつきまとうストーカーがいると知り、休暇中ながら力になろうとするキャサリン。 しかしケイリーの関係者から死者が出て、しかしそのストーカーが犯人であるという証拠がない。 厳重な警戒のもと、それでも事件は続き・・・という話。
 リンカーン・ライムも途中でゲスト出演するし、ファンサービス満載でありつつも著者の音楽への愛情やこだわりが書かせた一作なのかなぁ、という気がする(思う存分、蘊蓄が語れるぞ、みたいな)。
 勿論ディーヴァーといえば、のどんでん返しもありますが、だんだん慣れてきちゃった・・・根拠はなくてもこの人あやしいなぁ、とか、この人あぶないなぁ、とかわかってきてしまう悲しさ、というか。
 『ボーン・コレクター』のときのようなドキドキを求めるには、もうあたしはスレすぎた読者なのかも・・・。
 と思いつつ、引き続きリンカーン・ライムシリーズの『ゴースト・スナイパー』にも手をつけはじめてしまってますが。

ラベル:海外ミステリ
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2016年01月07日

そうか・・・そうなのか・・・

 ついに来るべきものが来ちゃったな、という感じ。

  2017年1月31日 BLOGariサービス提供終了のお知らせ

 更新ができなくなるだけでなく、バックデータとして保存もしてくれない(WEB上から消滅)、移行先も紹介してくれない、という。 なかなかの放置っぷりである。
 あと一年あるけれど・・・テンション下がるな。
 ひっそり地味ながら、ユーザーの住む地域が限定されているという面白さがあるここが好きだったのに。 そのおかげで結構濃密な関係ができてたような気がするのに。
 引っ越し先を探すか、SNSから手を引くか、決断を迫られる感じだな〜。
 とりあえずバックアップツールをダウンロードしておく。
 これからのことはまた考えよう。

2016年01月06日

ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲(ラプソディ)/Feher Isten

 今年初の映画はこれにしました。 ハンガリー映画でございます(正確にはハンガリー・ドイツ・スウェーデン合作)。 たとえそれを知っていても、言葉の響きからはどこの国かわからない。 街並みも東欧か北欧かな?、というくらいで具体的にはわからない。 携帯電話が使われている、というくらいしか時代のヒントもわからない。 どこの国のことでもなく、けれどどの国で起こってもおかしくない、そんな寓話性を強く感じました。

   ホワイトゴッドP.jpg 目醒めた野生、崩れ出す均衡。
    最愛の友から、身勝手な人類たちへ  この争いを止めるのは 少女の愛と勇気。

 雑種犬を飼う場合、役所に届け出をしなければならず、更に重税がかかる、という法律が制定されたある町で。 13歳の少女リリ(ジョーフィア・プソッタ)は雑種犬のハーゲンをかわいがっているが、母親が恋人とともに短期留学(かもしくは仕事がらみ)で3ヶ月ほど国を離れることになり、離婚した父親ダニエル(シャンドール・ジョーテール)のもとにリリは預けられることになる。 しかし父親は離婚以来ずっと一人暮らしで、リリとも会うのは久し振りらしく思春期の娘に対してどうしていいかわからない。 しかも犬を飼っていることも知らなかったダニエルは近所の人に雑種犬を飼っていることを通報され、ハーゲンを捨てるようリリに言う。 当然従うリリではないが、「大人にはなにを言ってもわからない」症候群真っ最中の彼女はハーゲンのために言葉を尽くさない。
 結局、ハイウェイの真っただ中においてけぼりにされたハーゲンをリリは助け出すことができず、二人は離ればなれになってしまう・・・という話。

  ホワイトゴッド3.jpg 二人で幸せな時間もあったのに。
 映画では語られないが、雑種犬を飼っているのならそういう法律が制定されそうだと意識していなければいけないはずの母親がまったく何の対策もとっていない(ダニエルに説明さえしない)、ということに大変腹が立つ。 それがすべてのきっかけではないか、と思うくらいに(しかしそれで話にならないので仕方ないのかもしれないが・・・)。
 更に、思春期だからといってリリも父親に対してすぐにあきらめるのではなく、ハーゲンが大切ならば「通じるかわからなくとも言いたいことはすべて言わなければ」と思わなければダメじゃないか!、と腹が立ちっぱなしなのである。
 看板に偽りありで、これは“少女と犬の物語”ではなく、主役はハーゲンに代表される雑種犬たちなのであった。

  ホワイトゴッド4.jpg 町をさまよい、いろいろなひどい目に遭い続けるハーゲン。 途中で出会う他の雑種犬たちもキュートだけど、ひどい目に遭わされるのはみな同じ。
 雑種犬だけに規制が、というあたりは様々な移民問題を抱えるヨーロッパにおける問題提起の比喩であるかもしれず(なにしろタイトルが『ホワイト・ゴッド』ですし)、でもそのあたりは日本人には実感としてわかりにくいので、そこはやはり“人”と“犬”という目で見てしまいますが・・・とにかく雑種犬への扱いがひどい(純血種の犬は登場しないので、その扱いの違いはわからないが)。 「人間、死ね!」と思う場面がいっぱいあるので、ついに捕まって収容施設に送られてしまったハーゲンが、犬たちのリーダーとなって人間たちに反旗を翻すシーンになってようやくこっちはほっとするが、全然爽快感にあふれていないのだ・・・。 犬たちが、ひたすらけなげです。

  ホワイトゴッド2.jpg 犬たちの大疾走を、人間は銃で応戦するし。
 「犬は人類最古の友」とよく言われますが、その忠誠心はもうDNAレベルに組み込まれてしまっているのだろうか。 ハーゲンがずっとつらい目に遭っているときでも、リリは途中であきらめてただ父親に反抗していることを示すためだけにあやしげなパーティーに参加してお酒飲んだりしちゃってるもんね、ハーゲンがまだ逃げていると知ってから改心しても遅いのだ(むしろ娘のためにハーゲンを助け出そうとするダニエルのほうが行動に移すのが早いくらいで)。
 いくら犬が忠誠心を示してくれたって、人間なんてほんとに勝手なんですよ!
 ――つらすぎる。
 想定内なれど、静謐で美しいラストシーンですが、そのあとに起こるであろうことを思うとやはり滅びるべきは人間なのではないか、と考えざるをえなかったりして。
 そんなことを思ってしまった新年一本目の映画でございました。

ラベル:映画館 外国映画
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2016年01月05日

仕事のオファーは突然に

 今朝、以前同じ職場にいた方からメールが。
 「あけおめ! ことよろ! 今、仕事なにしてる? よかったら手伝ってほしいことがあるので、よかったら連絡ください」
 あたしより多分一回り以上年上の方だが・・・言動が若いというかノリがいいというか。
 というわけで、早速お電話をしてみました。
 なにしろあたしが前職を辞めた過程を十分ご存知なので、「大丈夫、あそこのことじゃないから」と前置きをされる。 この方も基本、フリーランスで、求められればどこででも働きましょう、というスタンスの方なので、しばらく連絡が途絶えていた一年ほどの間にまた違う仕事場を開拓していたのだった。 そこで、人手が足りないのでよかったら手伝ってもらえないかな、というお話であった。
 「ま、儲け話にはなる、ってことはまったくないけど、好奇心が刺激されるところはあると思うよ。 それにかしこんちゃん、あの仕事、自分向いてると思うで」
 小娘なので「ちゃん」呼ばわりされてしまっているあたしなのだが、それが特に不快ということもなく、むしろ彼に認めてもらっている現れと感じる。 これも言う相手が違うとセクハラになっちゃうんでしょうから、ハラスメントの定義は難しい。 その点、パワハラはすごくわかりやすいけど。
 そんなわけであたしは今の仕事の現状を話してみると、「そりゃあ、天の配剤というが、いいタイミングかもな。 転勤で悩んでいるならこっちにも選択肢があるよ、ということじゃないか」とおっしゃる。
 「え、でも、今人手が足りないんですよね? 辞めるかどうかの結論を出すのは遅ければ夏ぐらいになっちゃいますけど」
 「大丈夫、そこは夏になっても人手が足りないままだと思うから。 役に立たないやつらばかり数いたって、かしこんちゃん一人いた方が助かるし。 なんだったら、もし気が向いたら土曜日だけ週一日でも来てもらって、仕事場の雰囲気とか見てみて、決める材料にしてもらうって手もあるし」
 おっしゃることはごもっともですが、あたしの体力がもつかどうか・・・。
 でも、過去の仕事を評価してくれてまた声をかけていただけるなんてありがたいことで。
 しかしそうやって顔を出してしまったらしがらみというか情が生まれて、今悩んでいるように断りにくくなるのでは・・・。
 でも、経路は変わるけど通勤は多少しやすいかなぁ・・・とかつい考えてしまいました。
 人から「向いてるよ」と言われる仕事はそんなにない。 あたし自身もあの仕事は面白いと思ってた。 本を捨てられるという大トラブルがなかったら、もしかしたらまだ働いていたかもしれない。
 うおー、困ったぞ。
 大変贅沢な悩みだということはわかっていますが、悩んでしまいます。

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2016年01月04日

幻の女【新訳版】/ウィリアム・アイリッシュ

 1月4日、仕事始めでございました。
 しばらくほぼ寝たきりだったので、久し振りの外出。 なんだか変な気分だった。
 いくつもの閉まったシャッターに<迎春>のポスターが貼ってあり、「あぁ、やっぱりお正月なんだなぁ」ということを実感。
 年末年始休みで読む本を沢山リストアップしていたのに、結局図書館本と再読本(新訳だけど)で終わってしまった・・・。

  幻の女.jpg しかもこれは7割お風呂場で読んだような・・・。

 あらためて読み返してみて、新訳になったこととあたしが小学生の時に比べて読みこむ力がついた、ということもあるでしょうが、かつてのあたしがこっちに感銘を受けなかった(『処刑6日前』のほうが好きだった)理由がわかりました。
 “幻の女”に出会ったスコット・ヘンダースンがあまりにおバカ(もしくは無神経でひどい男)だからだ! 勿論、あまりに流麗な文体故、ちょっと何が書いてあるのかわからないところもあったからであろう。 真実に繋がりそうな人物が次々不可解な死を遂げていくのはサスペンスフルで盛り上がるが、その後はあまり触れられないのもなんだかな。
 とはいえ、真犯人を知っていてもドキドキワクワクは素晴らしいですね。
 ただ・・・ラストが突然というか、もうちょっと余韻がほしいところですが、どんでん返しの効果を考えたらこのほうがよいのかなぁ。
 切れ味を楽しむか余韻を楽しむか、どちらを優先すべきか難しい! でもそれは、内容を知っているからそう思ってしまうのかな。 ニューヨークの話なのに、なんだかフランスの話のような気もしたし・・・独特すぎるぜ、ウィリアム・アイリッシュ。

ラベル:海外ミステリ
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2016年01月03日

2015年に観た映画 マイセレクト

 まだ悩んでおりますが、2015年に観た映画を振り返る個人的新春恒例企画でございます。
 どうしても、後半に観た映画のほうが記憶に新しいので印象が強い感じがしてしまいますが、観た映画は全部手帳に書き込んでおりますので、それを見ながら記憶を掘り起こす作業を行い、リストアップしていきました。
 昨年は、映画館で112本の映画を観ることができました。 かなり多い方です。
 がんばったぞ、あたし!
 これまではベストテン方式で考えてきましたが、順位を決めるのはあたしには無理、と今更ながら気づきまして、ジャンル別に好きな作品を挙げていく方向にしようかな、と。
 それでもあえて2015年を代表する映画を選ぼうと思えば・・・。


 この2本かもしれません。 ※詳細は各記事を参照してください。
 以下、部門別に。

<ブロックバスター部門>
   ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション
   ジュラシック・ワールド
 いわゆる<大作映画>の中からはこの2本を。
 チームプレイを中心に原点回帰したMI:シリーズの新たなる出発を目撃した気分に。 次回作が大変楽しみです(それがひどい出来だったら見捨てるかも)。
 『ジュラシック・ワールド』はあたしのノスタルジーがかなり加点している気がしますが、『ジュラシック・パーク』シリーズへのリスペクトへの共感もあり。 人物キャラ設定が甘いとか、さっさと続編決まっちゃったとか不満もないわけではないですが、すごくお祭り気分が盛り上がったので。

<シリアスドラマ部門>
   誰よりも狙われた男
   完全なるチェックメイト
   エベレスト3D
   悪党に粛清を
 『誰よりも狙われた男』は正確には2014年映画かもしれませんが・・・あたしが観たのが2015年2月のことなので。 なので代表する一本には加えられませんでしたが、加えてもいいレベルの作品。 これを残していなくなるとは、まったくひどいよ、フィリップ・シーモア・ホフマン。
 あとはどうしても実話ベースの映画には弱い、うまい役者が出ていたら負ける、というあたしの弱点につけこんでいる『完全なるチェックメイト』『エベレスト3D』。 特に『エベレスト3D』は個人的に思い入れのある出来事・人物が題材だったので・・・はずすわけにはいかなかった。
 そんな中、完全オリジナルの『悪党に粛清を』は、あたしの「復讐モノ好き」の気持ちを再認識させてくれました。 北欧もいい役者の宝庫だなぁ。

<ラブコメ部門>
   はじまりのうた
   マイ・インターン
   きっと、星のせいじゃない
 マーク・ラファロが好き!、という以上のものをもらえた『はじまりのうた』はサントラ買いました。 音楽映画も充実していた2015年です。
 『マイ・インターン』は“いい人デ・ニーロ”にやられちゃいましたが、その後、若い世代の人たちと「あの映画観ました」的話をする機会があって、ジェネレーションギャップを埋めてくれたことについても感謝を。
 <YA部門>があれば『きっと、星のせいじゃない』はベストワン。

<ミステリ部門>
   ギリシャに消えた嘘
   誘拐の掟
   ローマに消えた男
 去年はミステリ映画が豊作だったような気がする(その分、SF映画がなかったような)。
 ヴィゴ・モーテンセン目当てで観ちゃった『ギリシャに消えた嘘』だったけど、オスカー・アイザックも予想以上によかったし、クラシカルな退廃美を堪能させてもらった。
 『誘拐の掟』もまた復讐モノではありますが、リーアム・ニーソンをちょっと好きになってきちゃった記念すべき作品でもあります。
 コメディかと思っていたけれど、ラストシーンで見事にひっくり返された『ローマに消えた男』はやはりミステリに分類したい。

<低予算部門>
   ナイトクローラー
   セッション
   ヴィジット
   マッドマックス/怒りのデス・ロード
 実際に低予算かどうかは別として、お金のなさをアイディアや力技でどうにかした、と感じられたものをこっちに入れました(だからノーCGの『マッドマックス/怒りのデス・ロード』は力技、制作精神は低予算映画時代と一緒、ということで)。
 ジェイク・ギレンホールもまた大作映画よりもインディペンデンス映画のほうが光るし、J・K・シモンズもかっこよかった! M・ナイト・シャマランはもう、やりたいことやってください、という気持ち。

<邦画部門>
   駆け込み女と駆け出し男
   天空の蜂
   屍者の帝国
 邦画のベストはやはり『駆け込み女と駆け出し男』。 『日本のいちばん長い日』は期待が大きすぎたかも。 でも原田監督、充実の一年でした。
 『天空の蜂』は原作を大胆にアレンジしつつも伝えるべきテーマを外さないところが素晴らしく、映画を観た人たちがそれで満足して終わらず、ひとりでも多くが原作を手に取ってくれたらな、という希望。
 『屍者の帝国』は「その年の映画」リスト作りを始めてはじめてに選ばれたアニメかも。

 ここに挙げなかったうちでも、いい映画・役者・設定等ありました。 ここまで書いておきながら、まだ悩んでるのもあります。
 でも、いいや。 今年もいい映画、探すぞ!

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2016年01月02日

約束の森/沢木冬吾

 昨年、みこさまからご紹介いただいた本を読む。
 あぁ、500ページ越えであっても、日本人作家のものはやはり読みやすいなぁ。
 だからといって翻訳ものが読みにくいということではないんだけど、やはり読者として文化というか常識の前提がだいたい同じだから、ということでしょう。
 物語は、かつて警視庁公安部の刑事だったが、今は世を捨てて生きているような主人公が、かつての上司からの繋がりで潜入捜査を依頼されるところから。 謎の組織をあぶり出すためという計画に乗る必要はなかったが、潜入先にはかつて警察犬候補だったが今は打ち捨てられ、すさんだ犬がいるという。 それが気になって、依頼を引き受けてしまう、という話。

  約束の森.jpg ドーベルマン・ピンシェルと覚えていたのですが、いつからドーベルマン・ピンシャーという言い方になったのでしょうか。
 ドーベルマンかシェパードであればシェパード派のあたしですが、昔、家の近所にドーベルマンが飼われていたのを覚えています。 顔が怖かった、というか威厳があった。 通学路だったのでその家の前を通る度ほえられましたが、こっちも懲りずに毎朝挨拶をし続けていたら、一年ぐらいしたら吠えられなくなり、見送ってくれるようになって。 「飼い主に絶対忠実」であっても、他人の悪意のなさが通じたら認めてもらえるんだな、というのがあたしのドーベルマンの印象です。
 なので、任務よりも心のすさんだ犬のため仕事を引き受ける主人公に共感し、逆上したら犬を虐待する人間の屑を殺しかねない情熱(?)も、なんだか理解できるのです。
 しかし、“公安”と“謎の秘密組織”というキーワードが揃うと胡散臭く感じてしまうのは何故でしょうか。 これも刷り込まれ?
 <日本版『ウォッチャーズ』>(ディーン・R・クーンツの)と言っている人もいましたが、残念ながらそれは言いすぎ。 バイオレンス描写は近いものはあれど、人間外の種から見たもの、のような視点はない(その分、人間の情と非情のせめぎ合いが多く、「その人、死ななくてもいいでしょう!」な場合もあり−しかし残念なことに「死んでも仕方がない」的過去が添えられたりしてがっかりだ)。
 そういう意味では意外に、勧善懲悪?
 そして終章の余韻が短すぎ! せめて宮田獣医師が登場する場面がほしかった。
 でも奇跡の犬・マクナイトの存在が、この物語のレベルを上げているというか、読ませどころになっているのは事実です。

ラベル:国内ミステリ
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2016年01月01日

HAPPY NEW YEAR 2016

 あけましておめでとうございます。
 もう2016年になってしまいました。
 今年はどうなるのかまったくわかりませんが、そしてこれといった目標や抱負は思いつかないのですが、年末から体調を崩したりなので、「健康で!」と胸を張ることなどできませんし、低空飛行でマイペースを守れたらいいな、と思います。いそがしいと仕事に引きずられるし、気分転換とストレス解消のための映画なのに、そのために無理をするといった本末転倒な事態はできるだけ避けましょう、とこれは自戒を込めて。

 今年がみなさまにとってよい年でありますように。
 そして、世界のいざこざが少しでも減りますように。

posted by かしこん at 03:52| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記のようなもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする